インド、スズキマネサール工場再開

 先月18日に、暴徒化した従業員が破壊放火したインド、ハリヤナ州のマネサール工場の事件は、読者の記憶にもあると思います。この事件で1名が死亡、日本人を含む100名以上が負傷しました。

 事件から1ヶ月強の8月21日、工場が300名の1直体制にて限定的に再開されました。マネサール工場は元々3300名の従業員がおり、約1/10規模での生産再開です。

 現地報道によると、州政府が500名の警察官を動員し、敷地内に200名、工場周辺に300名を配置。スズキも100名の民間特殊警備員を配置しているとのこと。(日経の報道では内部に警察官100名となっていますが、これは誤りでしょう)

 雇用関係では、まず暴動に関与していたとされる500名の正規労働者の雇用を終了し、さらに今後、同様に暴動や放火に関わったとする500名の労働者を削減する計画、と報道されています。
 そして9月2日より新たな正規労働者の新規募集を開始する様です。

 その後の報道で、工場再稼働初日には300名ではなく、実際は84名しか出勤しなかったとも伝わっています。これは、まず最初に削減された500名からの報復を、残留した従業員が恐れたのではないかと推測されています。
 このあたりは日本では報道されていないと思いますが、いかがでしょう?

 この事件を受けて、NHKは、正規と有期労働者の賃金格差への不満が爆発した…とのストーリー、日経は左派勢力の拡大が背景にあり、とりわけマオイストの関与を臭わす報道でした。

 どちらを見ても、インドの現地背景を理解していない日本人が受け取る報道としては不十分だと感じます。言い換えれば、誤解を招く(敢えてそうしている?)報道とも言えます。

 事件直後に99人が逮捕され、主犯格とおぼしき40名以上が逃走。一部は他州へ逃れようとしたところを逮捕され、現時点で150名余りが逮捕拘束されています。
 現地報道では、左翼系の労働組合が関与しているとする報道が支配的です。
過激とされるマオイストの関与は今のところ否定されていますが、捜査の本格的進捗はこれからであるので、真相はまだ不明です。

 この事件の背景として、西ベンガル州など、インド東部の州では伝統的に共産党系など左派の勢力が強かったですが、最近の選挙で左派が政権を失ったため、労組を通じて影響力を伝播させるよう方針を強めたと言われています。
 マオイストはこの事件への関与は否定しましたが、労組を通じた勢力拡大についてはハッキリと肯定しています。

 さて、インドの労使交渉は時には激しく行われます。伝統的に労働者の権利が強いインドではごく普通のことです。
 報道されているように、有期労働者(契約社員)が増えているのは昨今の傾向です。一つは能力を見極めてから正社員へ登用したいと言うこと、第2に正社員を解雇するのは非常に難しく、コストと時間がかかるため、契約社員を選択する企業が多いということが背景にあります。
 日本の報道を見ていると、いかにも「条件を悪くして労働者を追い込んだための反動」とする記事も多く、あまりに現地の状況を知らずに日本的思考で記事にしているのは残念です。
 大企業、とくにスズキのような外資系有力企業へ職を求めるのは、一般的労働者では並大抵のことではありません。インドでは労働者の層が日本と比べて圧倒的に厚く、競争も激しいのです。彼らも、まず契約社員で実力を示し、正社員へ登用されるのを王道としていますし、その道が自身の価値を上げる近道とも理解しています。したがって、日本での契約社員とは質も内容も違うと考えるべきでしょう。決して労働者に極端に不利な条件を強いているのはないのです。そして、もしあまりにひどい条件であれば、別の外資系へ応募すればいいことですから。

 私見ですが、今回の事件は労働条件の対立などが根底にあった上での衝突と言うよりは、特定の勢力(左翼系)が存在感を示すべくごり押しし、手段として暴力を選択したと考えています。

 以前も書いたと思いますが、スズキはインドで最も尊敬される企業の一つです。それは業績だけではなく、日本的労使関係をインドに持ち込み、成功、定着させた実績も評価されてのことです。工員と経営層が同じ場所で食事をとるというのは、それまでのインド企業では考えられなかったこと。それを鈴木修会長が率先して行い、ぐっと親密な関係を築いたと言います。会長も今回の事件に関して「信じられない」との心情を発表しています。
 約40年にわたり培って来たその労使関係が、突然変質するとはどうにも考えづらく、外部勢力の侵入と浸食によるものではないかと考えるわけです。

 しかし、マオイストが表明しているように、極左系労働組合の勢力拡大の意欲は強く、彼らが関与していくことによって従来の労使交渉や労使関係などが変質していくことが充分に考えられます。
 今後の真相の解明と、スズキの対応とその評価によって、進出日本企業にとって新たな経営問題へのケーススタディになろうかと思います。

 日本からの投資は変わらず止まりません。いたずらに不安を感じる必要はありませんが、しっかりと注視していきたいと考えています。

ぢんぢ部長(松田憲明)

■皆さんからのインドに関するご質問などを受け付けます。
 全てのご質問は、コラムを通じて回答する形式を採りますのでご了承下さい。
 質問、お待ちしております。
 okuchika.mail@gmail.com

■プロフィール:億の近道編集長。最近はインドと日本のビジネスブリッジを
 中心に活動している。インド国内に強力な人脈を持ち、インド進出のバック
 アップを行う。また、インド株式投資の情報を現在鋭意収集中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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億の近道2012/08/31


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投資情報メールマガジン                   2012/08/31

             イ意 の 近 道

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 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

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             −本日の目次−
          (本日の担当:ぢんぢ部長)

  ◆コラム「インド、スズキマネサール工場再開」:ぢんぢ部長

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◆コラム「インド、スズキマネサール工場再開」

 先月18日に、暴徒化した従業員が破壊放火したインド、ハリヤナ州のマネ
サール工場の事件は、読者の記憶にもあると思います。この事件で1名が死亡、
日本人を含む100名以上が負傷しました。

 事件から1ヶ月強の8月21日、工場が300名の1直体制にて限定的に再
開されました。マネサール工場は元々3300名の従業員がおり、約1/10
規模での生産再開です。

 現地報道によると、州政府が500名の警察官を動員し、敷地内に200名、
工場周辺に300名を配置。スズキも100名の民間特殊警備員を配置してい
るとのこと。(日経の報道では内部に警察官100名となっていますが、これ
は誤りでしょう)

 雇用関係では、まず暴動に関与していたとされる500名の正規労働者の雇
用を終了し、さらに今後、同様に暴動や放火に関わったとする500名の労働
者を削減する計画、と報道されています。
 そして9月2日より新たな正規労働者の新規募集を開始する様です。

 その後の報道で、工場再稼働初日には300名ではなく、実際は84名しか
出勤しなかったとも伝わっています。これは、まず最初に削減された500名
からの報復を、残留した従業員が恐れたのではないかと推測されています。
 このあたりは日本では報道されていないと思いますが、いかがでしょう?

 この事件を受けて、NHKは、正規と有期労働者の賃金格差への不満が爆発
した…とのストーリー、日経は左派勢力の拡大が背景にあり、とりわけマオイ
ストの関与を臭わす報道でした。

 どちらを見ても、インドの現地背景を理解していない日本人が受け取る報道
としては不十分だと感じます。言い換えれば、誤解を招く(敢えてそうしてい
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れています。
 現地報道では、左翼系の労働組合が関与しているとする報道が支配的です。
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的進捗はこれからであるので、真相はまだ不明です。

 この事件の背景として、西ベンガル州など、インド東部の州では伝統的に共
産党系など左派の勢力が強かったですが、最近の選挙で左派が政権を失ったた
め、労組を通じて影響力を伝播させるよう方針を強めたと言われています。
 マオイストはこの事件への関与は否定しましたが、労組を通じた勢力拡大に
ついてはハッキリと肯定しています。

 さて、インドの労使交渉は時には激しく行われます。伝統的に労働者の権利
が強いインドではごく普通のことです。
 報道されているように、有期労働者(契約社員)が増えているのは昨今の傾
向です。一つは能力を見極めてから正社員へ登用したいと言うこと、第2に正
社員を解雇するのは非常に難しく、コストと時間がかかるため、契約社員を選
択する企業が多いということが背景にあります。
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めの反動」とする記事も多く、あまりに現地の状況を知らずに日本的思考で記
事にしているのは残念です。
 大企業、とくにスズキのような外資系有力企業へ職を求めるのは、一般的労
働者では並大抵のことではありません。インドでは労働者の層が日本と比べて
圧倒的に厚く、競争も激しいのです。彼らも、まず契約社員で実力を示し、正
社員へ登用されるのを王道としていますし、その道が自身の価値を上げる近道
とも理解しています。したがって、日本での契約社員とは質も内容も違うと考
えるべきでしょう。決して労働者に極端に不利な条件を強いているのはないの
です。そして、もしあまりにひどい条件であれば、別の外資系へ応募すればい
いことですから。

 私見ですが、今回の事件は労働条件の対立などが根底にあった上での衝突と
言うよりは、特定の勢力(左翼系)が存在感を示すべくごり押しし、手段とし
て暴力を選択したと考えています。

 以前も書いたと思いますが、スズキはインドで最も尊敬される企業の一つで
す。それは業績だけではなく、日本的労使関係をインドに持ち込み、成功、定
着させた実績も評価されてのことです。工員と経営層が同じ場所で食事をとる
というのは、それまでのインド企業では考えられなかったこと。それを鈴木修
会長が率先して行い、ぐっと親密な関係を築いたと言います。会長も今回の事
件に関して「信じられない」との心情を発表しています。
 約40年にわたり培って来たその労使関係が、突然変質するとはどうにも考
えづらく、外部勢力の侵入と浸食によるものではないかと考えるわけです。

 しかし、マオイストが表明しているように、極左系労働組合の勢力拡大の意
欲は強く、彼らが関与していくことによって従来の労使交渉や労使関係などが
変質していくことが充分に考えられます。
 今後の真相の解明と、スズキの対応とその評価によって、進出日本企業にと
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りませんが、しっかりと注視していきたいと考えています。

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真珠の夢

 まず、本当に落胆する今の政治。1990年前後の5〜6年間、最も日本の国力が充実し、且つ周辺国が混乱していた(弱体化していた)絶好のチャンスに領土問題を殆ど解決できなかった自民党が、政局のため今更ながらに民主党の外交能力を批判しているなど、何と情けない、恥知らずな政治家達なのか?…とは言え、当時を振り返れば自民党は今とは形が違うだけで、対野党では無く、党内政局(党内抗争)を繰り返していた訳ですが…時代が変わっても政治の景色は変わらないようで(呆)。
 しかしながら、今ほど政治の結束が必要なときに至ってさえ役にも立たない問責決議で政治ごっこしか出来ないなど、これほど無能で志の低い輩の中からしか国会議員を選べないのか?悲しい限りです。
 もちろん、民主党の政権運営にしても残念なほど期待外れなレベル(党内で反旗を翻しながら離党も選挙も怖くて出来ないなど)であり、これについては我々国民も十分に反省しなくてはいけませんが、「国破れて政党あり」など有り得ないことを肝に銘じ、本当の天下国家を論じてもらいたいと思っています。自民党も変わることが出来なければ、「最大野党だ」などと寝ぼけていられるのもあと僅かと心得るべきで、今こそ本気で反省し、この難局を一致団結して乗り切って欲しいところです。
 自民党においては一刻も早く政権に返り咲かねば人心維持も経済的にも崩壊寸前と聞いていますが、だからと言って国政を犠牲にして良い理由などありません。この国民の落胆を理解できないうちは、どの政党にしても、多少選挙で勝ったにせよ「国民に支持された」などとは決して口にすべきでは無いことをお伝えしたい。


 早速話が逸れてしまいました。済みません。

 ところで、夏になると時々思い出す会社があります。
 T○S○KI(旧、田○真珠)の業績が相変わらず芳しくないようですが、最近はどうなっているのでしょう?宝飾品の売り上げ回復…とは書いてありますが。

 この銘柄について…。5〜6年前までは500〜600円辺りを行ったり来たりしていた株価が2008年の年初に下がったタイミングで(たしか300円弱)、株価に比較して株主優待が悪くないと考え家内の名義で少し買ったことがありました。
 その後に春の優待がもらえたし株価も上がってきていたことに機嫌を良くしていたのですが、業績悪化を嫌気されたらしく、夏を迎える頃からドスンドスンとあっという間に下落し、丁度200円辺りまで下がったところで臨時株主総会の招集通知が来ました。
(この下落時も信用不安説がインサイダーで流れていたのかな?)

 もともと値上がりを期待した銘柄ではなく、株主優待(同社の商品を買える商品券)を楽しむ事を優先して買った会社ですから決算書もまともに見ずに買ってしまいました。という訳で経営には興味が無かったものの、臨時総会議案に興味を引かれ株主総会に出席しました。どんな総会になるのだろうかと…興味津々で。

 要約すると(うろ覚えですが)、中堅どころの(自称)事業再生ファンドが発行済みの倍以上にもなる種類株(実際に行使すると8割ほどのシェアを得ることになる)を引受けて資金注入(70億円ほど?)し、その見返りとして旧経営陣が退き、そしてメインバンクの三○住友銀行から財務担当役員が来ると言う、株価へのダメージが大きそうな割には債権者や経営陣、ターンオーバーを目指すと言う同ファンドにはとても都合の良さそうな、何ともプ〜ンと匂いそうな増資案だったからです。当時の収益状況や各種指標などは忘れましたが、ずるずると赤字が続いていた頃と記憶しています。
※詳しくは当時のIR資料をご参照ください。

 その議案を見て私が思いついたストーリーは…、

1)ファンドがこの案にある通り相当有利な条件で出資しシェアを押さえ
2)その後引受けた株を行使(その時の時価で計算すると1株当たり40〜50円くらいで引受けたことになる)した上で、当時の100円台半ばの株価から多少時間をかけてでも半分くらいを50円前後までに上手く売り抜ければ投下資金の回収が出来ますしファンドは儲かる(損の可能性は低い)
3)ファンドが投資した金で会社(経営陣)は一息つけると同時に、資金繰り不安が無くなったかのように見せかけることが出来る(多分あの時は、棚卸資産の劣化(大幅減損が必要)と赤字続きで、監査法人から指摘されるほど相当資金繰りに窮していた、とても危険な時期であったと考えられます)
4)メインバンクから見れば同社の延命策となりますし、しかも送り込んだ財務責任者が隙を見てせっせと銀行へ借入金を返済すれば、融資額が減ることで、万が一に備えて銀行の貸し倒れ額を減らせる

 …という、大損が予想される既存株主とは対照的に、債権者や一部の投資家が大ハッピーとなる、まさにメインバンク主導の、旧経営陣(オーナー)には有無を言わせぬ、それこそイリュージョンもどきの資金回収プランではないのかと。

 案の定、総会は株主優待目的で保有する年輩の投資家ばかりで、増資の本質部分には質問が出ず、「優待は維持されるのか?」「新経営陣を信用して良いのか?」「優待を維持できるよう頑張ってくれ」などという能天気な発言や質問ばかりでした。

 前述のストーリー通りであれば、一般投資家の犠牲の上に(善良な投資家を利用して)銀行が資金を回収し、旧経営陣も(時間稼ぎ的レベルだが)破綻を免れ、関与するファンドも儲かる、一石三鳥の「素人投資家騙し討ち的増資プラン」になります。
 しかも良く考えれば、そんな中堅ファンドがこんな一案件にポンと70億円もの資金を投資するのも不自然で、明らかに儲かると確信できるスキームであり、且つ三○住友が裏から資金を付けているのではないかと疑うほどでした。
 善意で言えば、この一時的な資金注入プランをもって業績が回復するなどで同社の破たんを回避し、株主価値向上に結び付けば良いのですが(そういう説明でした)、そんなに世間は甘くありませんし、「このままじゃ潰れるぞ!」「他に方法は無いんだ!」とでも言いたげな説明を伴ったファンド主導のプランでした。もちろん出席していた善良なおじいちゃん、おばあちゃん投資家がこのスキームを理解できるはずも無さそうです。

 実体を理解していると思われる数人の投資家から、「ファンドが株式を早々に売却して利益を得るだけのスキームではないのか?」(当時はそんなハゲタカばかりが暗躍していた頃ですから)、「銀行が資金回収をするためのプランではないのか?」などの的を射た質問もありましたが、当然のことながら、本音を回答するはずも無く、主催者側は笑顔で(且つ真面目そうな振りをして)在り来たりの回答をしていましたし、大事な質問は年輩投資家達のどうでもよい質問にかき消されてしまいました(呆)。

 何とも悲しい気分となる総会でした。もし資金回収のための売りが出始めれば、最大で発行済み株式の8割もの売り物が続く訳ですから下がるのは火を見るより明らかです。その真相を理解できずに議案に賛成し、且つその後も長く持ち続け、あるいは下がったからと追加購入した優待目当ての投資家達は沢山居たのでしょうか?
 私は早めに(損して、涙)売りました。

 そして現在の株価。
 赤字は続き、2度も減資をし、今年5月には10株を1株に併合しています。良く見ると当時100円台半ばでうろうろしていた株価が、2009年に一度は吹き上がったものの、今では実質的に30円弱になってしまったと言う事ですよね?
 しかも当時の説明では「経営陣や従業員、投資家、顧客、取引先など、全てのステークホルダーの為に一丸となって…」と力説しながら、赤字続きにもかかわらずファンド関係者を中心にストックオプションを何度も割り当ててみたり…。努力して黒字になり、将来に期待の持てる会社になったならいざ知らず、赤字の会社では実質的に株主持ち分の希薄化になるだけです。お金の為には何でもアリです(大笑)。そしてこの4年間で株価は1/6になりました。

 今や何の興味も無いので調べる気にもなりませんが、その後、当該ファンドやメインバンクはどうしたのでしょう?リーマンショック以降は一層冴えない市場になっていましたから、ストーリー通りに資金回収+売却益で大儲け…とはなっていないと思われますが、ある程度は回収できたのか?
 直近の決算書では主な借入金が20億円程減っていましたが、資本勘定は見るも無残な状況で、継続疑義もついたままになっています。ただ、当時の財務担当役員はそのまま残っておられるようですから、なかなか思い通りにはなっていないのかも知れません。

 当時、年輩の方々に人気のあった田○真珠。株主優待のために長く保有してくれた、そして応援してくれた個人投資家達は、今でも若干の優待は残るものの、少なくとも株価では裏切られ、標準的な投資家で言えば5年間でおおよそ100万円強が6万円弱になったと言う事ですね。これがここ10年ほどにおける日本の善良な個人投資家の姿です。
 日本の株式市場について、国民自身が自分たちの大事な財産と感じるほどに運営されるのはいつの日か。

 ところで…メインバンクは貸付金をちゃんと回収できたのかな?…少なくともあの時点での突然死を免れることが出来たことは良かったと言うべきか…。
 詳しい方がいらっしゃれば教えて下さい(^^)/

(街のコンサルタント)

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             −本日の目次−
        (本日の担当:街のコンサルタント)

      ◆コラム「真珠の夢」:街のコンサルタント

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◆コラム「真珠の夢」

 まず、本当に落胆する今の政治。1990年前後の5〜6年間、最も日本の
国力が充実し、且つ周辺国が混乱していた(弱体化していた)絶好のチャンス
に領土問題を殆ど解決できなかった自民党が、政局のため今更ながらに民主党
の外交能力を批判しているなど、何と情けない、恥知らずな政治家達なのか?
…とは言え、当時を振り返れば自民党は今とは形が違うだけで、対野党では無
く、党内政局(党内抗争)を繰り返していた訳ですが…時代が変わっても政治
の景色は変わらないようで(呆)。
 しかしながら、今ほど政治の結束が必要なときに至ってさえ役にも立たない
問責決議で政治ごっこしか出来ないなど、これほど無能で志の低い輩の中から
しか国会議員を選べないのか?悲しい限りです。
 もちろん、民主党の政権運営にしても残念なほど期待外れなレベル(党内で
反旗を翻しながら離党も選挙も怖くて出来ないなど)であり、これについては
我々国民も十分に反省しなくてはいけませんが、「国破れて政党あり」など有
り得ないことを肝に銘じ、本当の天下国家を論じてもらいたいと思っています。
自民党も変わることが出来なければ、「最大野党だ」などと寝ぼけていられる
のもあと僅かと心得るべきで、今こそ本気で反省し、この難局を一致団結して
乗り切って欲しいところです。
 自民党においては一刻も早く政権に返り咲かねば人心維持も経済的にも崩壊
寸前と聞いていますが、だからと言って国政を犠牲にして良い理由などありま
せん。この国民の落胆を理解できないうちは、どの政党にしても、多少選挙で
勝ったにせよ「国民に支持された」などとは決して口にすべきでは無いことを
お伝えしたい。


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 ところで、夏になると時々思い出す会社があります。
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最近はどうなっているのでしょう?宝飾品の売り上げ回復…とは書いてありま
すが。

 この銘柄について…。5〜6年前までは500〜600円辺りを行ったり来
たりしていた株価が2008年の年初に下がったタイミングで(たしか300
円弱)、株価に比較して株主優待が悪くないと考え家内の名義で少し買ったこ
とがありました。
 その後に春の優待がもらえたし株価も上がってきていたことに機嫌を良くし
ていたのですが、業績悪化を嫌気されたらしく、夏を迎える頃からドスンドス
ンとあっという間に下落し、丁度200円辺りまで下がったところで臨時株主
総会の招集通知が来ました。
(この下落時も信用不安説がインサイダーで流れていたのかな?)

 もともと値上がりを期待した銘柄ではなく、株主優待(同社の商品を買える
商品券)を楽しむ事を優先して買った会社ですから決算書もまともに見ずに買
ってしまいました。という訳で経営には興味が無かったものの、臨時総会議案
に興味を引かれ株主総会に出席しました。どんな総会になるのだろうかと…興
味津々で。

 要約すると(うろ覚えですが)、中堅どころの(自称)事業再生ファンドが
発行済みの倍以上にもなる種類株(実際に行使すると8割ほどのシェアを得る
ことになる)を引受けて資金注入(70億円ほど?)し、その見返りとして旧
経営陣が退き、そしてメインバンクの三○住友銀行から財務担当役員が来ると
言う、株価へのダメージが大きそうな割には債権者や経営陣、ターンオーバー
を目指すと言う同ファンドにはとても都合の良さそうな、何ともプ〜ンと匂い
そうな増資案だったからです。当時の収益状況や各種指標などは忘れましたが、
ずるずると赤字が続いていた頃と記憶しています。
※詳しくは当時のIR資料をご参照ください。

 その議案を見て私が思いついたストーリーは…、

1)ファンドがこの案にある通り相当有利な条件で出資しシェアを押さえ
2)その後引受けた株を行使(その時の時価で計算すると1株当たり40〜5
  0円くらいで引受けたことになる)した上で、当時の100円台半ばの株
  価から多少時間をかけてでも半分くらいを50円前後までに上手く売り抜
  ければ投下資金の回収が出来ますしファンドは儲かる(損の可能性は低い)
3)ファンドが投資した金で会社(経営陣)は一息つけると同時に、資金繰り
  不安が無くなったかのように見せかけることが出来る(多分あの時は、棚
  卸資産の劣化(大幅減損が必要)と赤字続きで、監査法人から指摘される
  ほど相当資金繰りに窮していた、とても危険な時期であったと考えられま
  す)
4)メインバンクから見れば同社の延命策となりますし、しかも送り込んだ財
  務責任者が隙を見てせっせと銀行へ借入金を返済すれば、融資額が減るこ
  とで、万が一に備えて銀行の貸し倒れ額を減らせる

 …という、大損が予想される既存株主とは対照的に、債権者や一部の投資家
が大ハッピーとなる、まさにメインバンク主導の、旧経営陣(オーナー)には
有無を言わせぬ、それこそイリュージョンもどきの資金回収プランではないの
かと。

 案の定、総会は株主優待目的で保有する年輩の投資家ばかりで、増資の本質
部分には質問が出ず、「優待は維持されるのか?」「新経営陣を信用して良い
のか?」「優待を維持できるよう頑張ってくれ」などという能天気な発言や質
問ばかりでした。

 前述のストーリー通りであれば、一般投資家の犠牲の上に(善良な投資家を
利用して)銀行が資金を回収し、旧経営陣も(時間稼ぎ的レベルだが)破綻を
免れ、関与するファンドも儲かる、一石三鳥の「素人投資家騙し討ち的増資プ
ラン」になります。
 しかも良く考えれば、そんな中堅ファンドがこんな一案件にポンと70億円
もの資金を投資するのも不自然で、明らかに儲かると確信できるスキームであ
り、且つ三○住友が裏から資金を付けているのではないかと疑うほどでした。
 善意で言えば、この一時的な資金注入プランをもって業績が回復するなどで
同社の破たんを回避し、株主価値向上に結び付けば良いのですが(そういう説
明でした)、そんなに世間は甘くありませんし、「このままじゃ潰れるぞ!」
「他に方法は無いんだ!」とでも言いたげな説明を伴ったファンド主導のプラ
ンでした。もちろん出席していた善良なおじいちゃん、おばあちゃん投資家が
このスキームを理解できるはずも無さそうです。

 実体を理解していると思われる数人の投資家から、「ファンドが株式を早々
に売却して利益を得るだけのスキームではないのか?」(当時はそんなハゲタ
カばかりが暗躍していた頃ですから)、「銀行が資金回収をするためのプラン
ではないのか?」などの的を射た質問もありましたが、当然のことながら、本
音を回答するはずも無く、主催者側は笑顔で(且つ真面目そうな振りをして)
在り来たりの回答をしていましたし、大事な質問は年輩投資家達のどうでもよ
い質問にかき消されてしまいました(呆)。

 何とも悲しい気分となる総会でした。もし資金回収のための売りが出始めれ
ば、最大で発行済み株式の8割もの売り物が続く訳ですから下がるのは火を見
るより明らかです。その真相を理解できずに議案に賛成し、且つその後も長く
持ち続け、あるいは下がったからと追加購入した優待目当ての投資家達は沢山
居たのでしょうか?
 私は早めに(損して、涙)売りました。

 そして現在の株価。
 赤字は続き、2度も減資をし、今年5月には10株を1株に併合しています。
良く見ると当時100円台半ばでうろうろしていた株価が、2009年に一度
は吹き上がったものの、今では実質的に30円弱になってしまったと言う事で
すよね?
 しかも当時の説明では「経営陣や従業員、投資家、顧客、取引先など、全て
のステークホルダーの為に一丸となって…」と力説しながら、赤字続きにもか
かわらずファンド関係者を中心にストックオプションを何度も割り当ててみた
り…。努力して黒字になり、将来に期待の持てる会社になったならいざ知らず、
赤字の会社では実質的に株主持ち分の希薄化になるだけです。お金の為には何
でもアリです(大笑)。そしてこの4年間で株価は1/6になりました。

 今や何の興味も無いので調べる気にもなりませんが、その後、当該ファンド
やメインバンクはどうしたのでしょう?リーマンショック以降は一層冴えない
市場になっていましたから、ストーリー通りに資金回収+売却益で大儲け…と
はなっていないと思われますが、ある程度は回収できたのか?
 直近の決算書では主な借入金が20億円程減っていましたが、資本勘定は見
るも無残な状況で、継続疑義もついたままになっています。ただ、当時の財務
担当役員はそのまま残っておられるようですから、なかなか思い通りにはなっ
ていないのかも知れません。

 当時、年輩の方々に人気のあった田○真珠。株主優待のために長く保有して
くれた、そして応援してくれた個人投資家達は、今でも若干の優待は残るもの
の、少なくとも株価では裏切られ、標準的な投資家で言えば5年間でおおよそ
100万円強が6万円弱になったと言う事ですね。これがここ10年ほどにお
ける日本の善良な個人投資家の姿です。
 日本の株式市場について、国民自身が自分たちの大事な財産と感じるほどに
運営されるのはいつの日か。

 ところで…メインバンクは貸付金をちゃんと回収できたのかな?…少なくと
もあの時点での突然死を免れることが出来たことは良かったと言うべきか…。
 詳しい方がいらっしゃれば教えて下さい(^^)/

(街のコンサルタント)

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良いが、業績下方修正などによるマイナス情報によって、必要以上に大きく下
落したものの、今後の上昇が見込める企業を研究銘柄として掲載しています。
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となっている株主優待もある具体的な銘柄の状況などについて言及しておりま
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"日本再生戦略"に対する考察 その2

 前回は7月31日に政府で発表をした「日本再生戦略」について重点施策を一つずつ確認していきました。
 今回はその第2弾「ライフ成長戦略」についてです。

【ライフ成長戦略】

6.革新的医薬品、医療機器創出のためのオールジャパンの支援体制、臨床研究、治験環境等の整備

 製薬特にがん治療における創薬環境の整備や、治験を初めとする「臨床」研究を充実させるための施策です。
 中身については、他の施策と同様に具体性に欠けるところがありますが、規制緩和を図ると言う意味合いでは、広く「製薬業」「治験業」の株式には良い影響がありそうです。


7.医療機器・再生医療の特性を踏まえた規制・制度等の確立、先端医療の推進

 医療機器の承認や申請を拡充する為に「薬事法」改正することや、ips細胞の研究を加速させるための支援を行うとの内容。
 こちらも具体的な内容は見えてきませんが、いずれにしても「医療機器メーカー」「製薬メーカー」には追い風になりそうです。


8.15万人規模のバイオバンク構築による東北発の次世代医療等の実現

 バイオバンクとは、オーダーメイド医療の実現化に向けた研究を目的として、約30万人のDNAおよび血清試料を集めるプロジェクトのことで、実際には2003年に文部科学省の「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」として実施されています。
 集められた遺伝子情報は生活習慣病などの病気と遺伝子の個人差との関係の解明を目的に分析研究されているものです。

 今回の東日本震災を契機に、東北で15万人の被災地住民を中心としてこのプロジェクトを一気に進めてしまおうと言う試みのようです。

 正直なところ「バイオバンク」自体初めて聞いたのですが、広い意味で製薬や創薬に関わる支援事業という事になりそうです。


9.ロボット技術による介護現場への貢献や新産業創出/医療・介護等周辺サービスの拡大

 対高齢者や介護支援のロボット開発についての支援です。将来的には介護ロボットについては海外展開も視野に入れているようです。
 実際に介護ロボットなどはニュースでは目にするものの実用化が遅れているのは安全性や認証の問題が大きいと思いますので、これが改善されるようであれば成長分野になる可能性は高いと思われます。

 以上、「ライフ成長戦略」を見てきました。

 前回同様に各重点施策の具体性はかなり乏しい印象は受けるのですが、すべての項目が「医薬品メーカー」「医療機器メーカー」にとっては追い風となる話です。

 今後こうしたセクターが実際に恩恵を受けるのかどうかは、慎重に検証していかなくてはいけないと思いますが、株価にとっては良い影響がありそうです。

 世間では10月解散との見通しが強くなっていますが、せっかく発表した「再生戦略」の項目が選挙後の政権交代でご破算にされてしまう事の無いように強く願っています。

株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一

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億の近道2012/08/29


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投資情報メールマガジン                  2012/08/29号
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
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【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

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             −本日の目次−
          (本日の担当:小屋洋一)

   ◆コラム「"日本再生戦略"に対する考察 その2」:小屋洋一

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◆コラム「"日本再生戦略"に対する考察 その2」

 前回は7月31日に政府で発表をした「日本再生戦略」について重点施策を
一つずつ確認していきました。
 今回はその第2弾「ライフ成長戦略」についてです。

【ライフ成長戦略】

6.革新的医薬品、医療機器創出のためのオールジャパンの支援体制、臨床研
  究、治験環境等の整備

 製薬特にがん治療における創薬環境の整備や、治験を初めとする「臨床」研
究を充実させるための施策です。
 中身については、他の施策と同様に具体性に欠けるところがありますが、規
制緩和を図ると言う意味合いでは、広く「製薬業」「治験業」の株式には良い
影響がありそうです。


7.医療機器・再生医療の特性を踏まえた規制・制度等の確立、先端医療の推進

 医療機器の承認や申請を拡充する為に「薬事法」改正することや、ips細
胞の研究を加速させるための支援を行うとの内容。
 こちらも具体的な内容は見えてきませんが、いずれにしても「医療機器メー
カー」「製薬メーカー」には追い風になりそうです。


8.15万人規模のバイオバンク構築による東北発の次世代医療等の実現

 バイオバンクとは、オーダーメイド医療の実現化に向けた研究を目的として、
約30万人のDNAおよび血清試料を集めるプロジェクトのことで、実際には
2003年に文部科学省の「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」として
実施されています。
 集められた遺伝子情報は生活習慣病などの病気と遺伝子の個人差との関係の
解明を目的に分析研究されているものです。

 今回の東日本震災を契機に、東北で15万人の被災地住民を中心としてこの
プロジェクトを一気に進めてしまおうと言う試みのようです。

 正直なところ「バイオバンク」自体初めて聞いたのですが、広い意味で製薬
や創薬に関わる支援事業という事になりそうです。


9.ロボット技術による介護現場への貢献や新産業創出/医療・介護等周辺サ
  ービスの拡大

 対高齢者や介護支援のロボット開発についての支援です。将来的には介護ロ
ボットについては海外展開も視野に入れているようです。
 実際に介護ロボットなどはニュースでは目にするものの実用化が遅れている
のは安全性や認証の問題が大きいと思いますので、これが改善されるようであ
れば成長分野になる可能性は高いと思われます。

 以上、「ライフ成長戦略」を見てきました。

 前回同様に各重点施策の具体性はかなり乏しい印象は受けるのですが、すべ
ての項目が「医薬品メーカー」「医療機器メーカー」にとっては追い風となる
話です。

 今後こうしたセクターが実際に恩恵を受けるのかどうかは、慎重に検証して
いかなくてはいけないと思いますが、株価にとっては良い影響がありそうです。

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成長の芽を持つ企業を応援する

 少子高齢化で内需縮小の宿命を背負った日本経済の停滞が長期にわたり続いています。

 株式市場でもこれまで日本経済の発展を支えてきた大企業の中でも存亡の危機に陥る企業が相次ぐ一方で、新たな成長企業が見出される時代となっています。とは言っても世界市場で戦っていける成長企業は限られています。

 株式市場に参画する多くの投資家は絶えず企業の成長を評価しようと努めています。日本の株式市場の時価総額は300兆円を切っています。かつては約600兆円という規模を誇っていた時期もあるだけに国の力が時価総額の分、減衰したと言っても良いでしょう。

 建設市場や住宅市場も同様にピークの半分以下に留まっているという実体が日本経済の現実を示しています。少子高齢化とは言っても人口が極端に半分になることはないですので、現状は異常な状態なのかも知れません。

 株式市場に上場する企業数も減少傾向にあります。成長性のあるIPOが減少している一方で企業統合やM&Aによって上場企業が減少している状態です。上場企業数は今後もまだ減少していく可能性があります。単に生き延びている状況の企業も多いと見られます。

 モラトリアム法が今年で期限切れとなります。結果として来年から不良債権が表面化してきます。ここ数年で体力をつけた銀行は融資先企業に見切りをつける行動に出てきます。上場企業だって中小規模に甘んじているわけには行きません。ゾンビ状態の企業にはM&Aの対象になるか倒産かに迫られるでしょう。

 日本企業は財務上の二極化が見られますのでM&Aの買い手となる企業も多く、むしろそこが株式市場の転機となるかも知れません。
 保守的な行動に甘んじていてばかりでは成長は期待できません。疲弊した企業がある一方で多くの企業が内部留保に努めてきました。
 そうした企業では、たまってきた現預金を投資資金として活用すべきタイミングが近いと思われます。

 日本経済が復活するには中小規模の企業が大企業に脱皮していく過程を応援する卓越した投資家の目線が必要です。

 「そんな成長する企業があったら教えてよ。」と言われそうですが、多くの証券アナリストや市場関係者はこのところの暑さをものともせず、真剣に探しています。

 時価総額30億円以下の会社に時価総額100億円以上の夢を持って投資することも長期投資家にとっては大事なポイントです。短期投資家が持つ視点は流動性ですが、いつでも売却できるという安心感を買っている訳です。ただ、流動性はなくても成長性が期待できる時価総額が小さな企業への投資も案外面白いのではないでしょうか?
 皆さんもそうした視点を持って銘柄選定してはいかがでしょうか?

 細かい作業が必要とはなりますが、100社をピックアップして平均時価総額20億円としてすべての企業が5倍、100億円になれば2000億円の時価総額は1兆円になります。結果として8000億円の価値の増殖が実現します。

 現状において経常利益が5億円程度の企業が3〜5年のタームで10億円以上を目指しているとなれば時価総額は拡大する余地が生まれます。

 証券アナリストは短期的な評価以上に中長期の実現性を見ています。個人投資家の多くは現実の数字がついてこないと評価を高めることはできないとは思いますが、少なくともマクロ経済に左右されないで業績の向上が期待できる中小型成長株への投資によるリターンは平均以上のパフォーマンスをもたらす可能性があると考えられます。

 下記に直近説明会があった8社を掲げておきます。このほかにもたくさんの企業がありそうな感触がします。それは近いうちにまたお披露目することにしましょう。

【ISOHEIが選定した時価総額40億円以下の有望中小型企業】

企業名(コード)    時価総額
アスカネット(2438)29億円
KG情報(2408)33億円
データアプリケーション(3848)17億円
フュージョンパートナー(4845)21億円
ユニバーサル園芸社(6061)20億円
サイネックス(2376)24億円
タカショー(7590)37億円
きちり(3082)28億円

(波野磯平)

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日本の目を覚ました竹島と尖閣諸島

 8月は、竹島・尖閣諸島の領土問題がクローズアップされ、まさに「暑い夏」となりました。

 領土問題そのものは、少なくとも数十年間(双方の主張に隔たりがある)の長きにわたって存在してきたわけですから、ここにきて急に注目されたのには当然理由があるはずです。

 韓国が急に竹島問題を持ち出してきた背景には、李明博政権がレイム・ダック状態で急速にその力を失っていることがあります。

 しかし、ダクラス・マッカーサーでさえ手を触れなかった、日本の天皇陛下に対する侮辱にまで及んだのは、韓国におけるゆがんだ日本観だけではなく、韓国歴代の軍事独裁政権の指導者(大統領)が、後任の大統領によって投獄されてきた恐ろしい歴史があるからです。

 李明博は、次の政権(韓国の民衆)によって自分が投獄されることを恐れているのです。彼のヒステリックな対応もある意味理解できます。

 ここ10年ほどの間、韓国企業・経済が目覚ましい発展を遂げたことで、日本でも韓国を礼賛する論調が多くみられました。確かに、1997年のアジア通貨危機以降の彼らの努力は賞賛に値すると思います。

 しかし、そのために犠牲にしたものも決して少なくありません。

 サムスン・現代などのごく少数の大財閥の従業員と一般の人々との驚くほどの給与格差。さらに、それらを含めた極端な貧富の差。金持ちの子弟は海外留学などの形で外国籍を取得し、兵役を逃れることができる不公平な現実。

 李明博の親族だけではなく、財閥経営者の多くにはびこる不正や汚職。

 年間3万人とされ深刻化している日本を、人口あたりでははるかに上回る自殺者数。そして、「反日」を唱えなければ村八分にされてしまう、実質的な言論統制。

 確かに、経済はかなり発展したものの、政治的には「軍事政権」の尾を引き、中国や北朝鮮と同じような課題を多数抱えているのが、現在の韓国の現実といえます。

 尖閣諸島だけではなくアジアの多くの国々と領土問題を抱える中国においても、「反日」が国民の目を為政者の失策から目をそらす有効なカードであることは、改めて述べるまでもないでしょう。

 つまり、第二次世界大戦中、敗色濃厚な日本が「鬼畜米英」と欧米を口撃したのと同じなのが、中国や韓国の「反日」であり、まともに正攻法で戦ったら勝てないからこそ、彼らは「反日」を唱えるわけです。

 もちろん、隣人に対して、動物的行動をとるのではなく、人間としての最低限の礼節を行うことを求めるべきでしょう。しかし、<彼らが「反日」を唱えている限り、日本に対して白旗を掲げているのと同じである>ということも十分理解する必要があると思います。

 さらに、今回の竹島・尖閣の領土問題は、ペリーの黒船と同じように日本人の目を覚ましました。

 数百年の鎖国を続けていた日本は、歴史的にもまれにみる平和な時代を謳歌しました。しかし、地上の楽園は永遠には続きません。

 黒船の来航によって、日本(アジア)の植民地化の野望に燃えた欧米と対峙しなければならないことを瞬時に全国民が共通の認識としました。そして「富国強兵」の道を、全国民が一致団結して邁進したのです。

 だからこそ、日本は、当時の強国であった清やロシアを打ち破り、タイとともにアジアで唯一植民地化を免れただけではなく、数多くのアジアの植民地を欧米の支配から解放することに多大な貢献をしました。

 尖閣・竹島問題は、まさに日本人の目を覚まさせた『黒船』です。ある意味彼らには感謝しなければならないかもしれません・・・

 混迷の度を深める世界の中で、『危機意識』を共有し一致団結した日本人は、強力な力を発揮。日本は、再び<明治維新>や<第2次世界大戦・敗戦後>と同じような、目覚ましい発展を遂げるはずです。

 ところで、投資家としても、日本の領土や安全が脅かされるようでは、安心して日本に投資することができませんが、日本の領有権は明確で、国際社会は我々の味方だと思います。

 以下は弁護士の中島 章智氏のとても明快かつ論理的な解説です。是非押さえておきたい基本知識だと思いますので、紹介させていただきます。また、他の方々ともこの基本知識を共有いただければ幸いです。

−−−−−−−−−−−−−−−

<中島 章智「北方領土、竹島、尖閣諸島は、どうして、日本の領土なのか」>

 日本の領土であると主張するのであれば、その根拠は認識しておいた方がよいでしょう。
 ロシア国民は、北方領土がロシアの領土であり、韓国国民は独島(竹島)が韓国の領土であり、中国国民は尖閣諸島が中国の領土であると信じているのでしょうから、単に、これらが日本の領土であると信じるというだけでは、自国の領土であると信じる相手国の国民と同じレベルの平行線になってしまうからです。

 国際法では、19世紀後半以降に確立した「先占(occupatio)の法理」というものがあります。これは、いずれの国家によっても実効的支配が及んでいない土地について、最初に実効的支配を及ぼした国家は、その土地を領土とすることができるというものです(私は、司法試験の受験科目に国際法[国際公法]を選択しました。そうしないと、国際法をきちんと勉強する機会はあまりないだろうと思ったからです)。

 尖閣諸島については、1895年(日清戦争終戦の年)、日本政府において尖閣諸島がいずれの国家によっても実効的支配が及んでいないことを現地調査した上で、実効的支配を及ぼし、日本の領土に編入することを閣議決定しました(前記のとおり、「先占の法理」は、19世紀後半には、国際法として確立しています)。
 中国が領有権を主張し始めたのは、1968年に資源埋蔵の可能性が確認されて以降のことです。
 この経緯に照らせば、尖閣諸島は、日本の領土であり、中国の主張は、理不尽なものです。

 次に竹島です。日本政府が竹島を領土に編入したのは、1905年(日露戦争終戦の年であり、日本による韓国併合が行われた1910年より5年前)です。
 第二次世界大戦後の連合国と日本との講和条約であるサンフランシスコ平和条約(1951年調印、1952年発効)において、日本は、領土の一部を放棄していますが、この条約の締結に先立ち、韓国政府は、連合国に対し、放棄の対象に対し、竹島を加えるよう要求しました。連合国側は、竹島は朝鮮の領土として扱われたことがないとして、この要求を拒否しています。すると、韓国の李承晩大統領は、李承晩ラインを設定して竹島を占領したのでした。
 この経緯によれば、竹島もまた日本の領土であり、国際司法裁判所で司法判断が下されれば、日本の領土であると認定されるでしょう(韓国政府が国際司法裁判所での審理を頑なに拒否するのは、それが大きな理由だと思います)。

 最後に北方領土ですが、歯舞群島、色丹島は、地理的にも歴史的にも北海道の一部であり、サンフランシスコ平和条約においても放棄の対象となっておらず、日本固有の領土というべきです。
 一方、国後島、択捉島については、千島列島に属しているところ、日本は、サンフランシスコ平和条約2条(c)項で千島列島を放棄しており、国後島、択捉島を除外するものとは規定されていません。
 日本が放棄することによって、「先占の法理」の適用場面となり、実効的支配を及ぼしたソ連(ロシア)領ではないかと議論が出てくるわけです。
 この点、ソ連は、サンフランシスコ平和条約の当事国でないばかりか、同条約25条は、「この条約は、ここに定義された連合国の一国でないいずれの国に対しても、いかなる権利、権原又は利益も与えるものではない。また、日本国のいかなる権利、権原又は利益も、この条約のいかなる規定によっても前記のとおり定義された連合国の一国でない国のために減損され、又は害されるものとみなしてはならない。」と規定しており、ソ連が、サンフランシスコ平和条約を根拠にして「先占の法理」を主張することは許されるべきではないという解釈も十分可能です(ソ連による「先占」が認められないとした場合でも、日本が放棄しているとすれば、一体、どこの国に帰属するのかという問題が残りますが)。

 以上、国際法の観点から整理してみました。

[サンフランシスコ平和条約」
第二条
(a)日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
(b)日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
(c)日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
(d)日本国は、国際連盟の委任統治制度に関連するすべての権利、権原及び請求権を放棄し、且つ、以前に日本国の委任統治の下にあつた太平洋の諸島に信託統治制度を及ぼす千九百四十七年四月二日の国際連合安全保障理事会の行動を受諾する。
(e)日本国は、日本国民の活動に由来するか又は他に由来するかを問わず、南極地域のいずれの部分に対する権利若しくは権原又はいずれの部分に関する利益についても、すべての請求権を放棄する。
(f)日本国は、新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。

−−−−−−−−−−−−−−−

(OH)

*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/

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億の近道2012/08/27


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投資情報メールマガジン                   2012/08/27

             イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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             −本日の目次−
    (本日の担当:波野磯平&グルメ投資家おーちゃん)

 ◆コラム「成長の芽を持つ企業を応援する」:波野磯平
 ◆コラム「日本の目を覚ました竹島と尖閣諸島」:グルメ投資家おーちゃん

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◆コラム「成長の芽を持つ企業を応援する」

 少子高齢化で内需縮小の宿命を背負った日本経済の停滞が長期にわたり続い
ています。

 株式市場でもこれまで日本経済の発展を支えてきた大企業の中でも存亡の危
機に陥る企業が相次ぐ一方で、新たな成長企業が見出される時代となっていま
す。とは言っても世界市場で戦っていける成長企業は限られています。

 株式市場に参画する多くの投資家は絶えず企業の成長を評価しようと努めて
います。日本の株式市場の時価総額は300兆円を切っています。かつては約
600兆円という規模を誇っていた時期もあるだけに国の力が時価総額の分、
減衰したと言っても良いでしょう。

 建設市場や住宅市場も同様にピークの半分以下に留まっているという実体が
日本経済の現実を示しています。少子高齢化とは言っても人口が極端に半分に
なることはないですので、現状は異常な状態なのかも知れません。

 株式市場に上場する企業数も減少傾向にあります。成長性のあるIPOが減
少している一方で企業統合やM&Aによって上場企業が減少している状態です。
上場企業数は今後もまだ減少していく可能性があります。単に生き延びている
状況の企業も多いと見られます。

 モラトリアム法が今年で期限切れとなります。結果として来年から不良債権
が表面化してきます。ここ数年で体力をつけた銀行は融資先企業に見切りをつ
ける行動に出てきます。上場企業だって中小規模に甘んじているわけには行き
ません。ゾンビ状態の企業にはM&Aの対象になるか倒産かに迫られるでしょ
う。

 日本企業は財務上の二極化が見られますのでM&Aの買い手となる企業も多
く、むしろそこが株式市場の転機となるかも知れません。
 保守的な行動に甘んじていてばかりでは成長は期待できません。疲弊した企
業がある一方で多くの企業が内部留保に努めてきました。
 そうした企業では、たまってきた現預金を投資資金として活用すべきタイミ
ングが近いと思われます。

 日本経済が復活するには中小規模の企業が大企業に脱皮していく過程を応援
する卓越した投資家の目線が必要です。

 「そんな成長する企業があったら教えてよ。」と言われそうですが、多くの
証券アナリストや市場関係者はこのところの暑さをものともせず、真剣に探し
ています。

 時価総額30億円以下の会社に時価総額100億円以上の夢を持って投資す
ることも長期投資家にとっては大事なポイントです。短期投資家が持つ視点は
流動性ですが、いつでも売却できるという安心感を買っている訳です。ただ、
流動性はなくても成長性が期待できる時価総額が小さな企業への投資も案外面
白いのではないでしょうか?
 皆さんもそうした視点を持って銘柄選定してはいかがでしょうか?

 細かい作業が必要とはなりますが、100社をピックアップして平均時価総
額20億円としてすべての企業が5倍、100億円になれば2000億円の時
価総額は1兆円になります。結果として8000億円の価値の増殖が実現しま
す。

 現状において経常利益が5億円程度の企業が3〜5年のタームで10億円以
上を目指しているとなれば時価総額は拡大する余地が生まれます。

 証券アナリストは短期的な評価以上に中長期の実現性を見ています。個人投
資家の多くは現実の数字がついてこないと評価を高めることはできないとは思
いますが、少なくともマクロ経済に左右されないで業績の向上が期待できる中
小型成長株への投資によるリターンは平均以上のパフォーマンスをもたらす可
能性があると考えられます。

 下記に直近説明会があった8社を掲げておきます。このほかにもたくさんの
企業がありそうな感触がします。それは近いうちにまたお披露目することにし
ましょう。

【ISOHEIが選定した時価総額40億円以下の有望中小型企業】

企業名(コード)    時価総額
アスカネット(2438)29億円
KG情報(2408)33億円
データアプリケーション(3848)17億円
フュージョンパートナー(4845)21億円
ユニバーサル園芸社(6061)20億円
サイネックス(2376)24億円
タカショー(7590)37億円
きちり(3082)28億円

(波野磯平)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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◆コラム「日本の目を覚ました竹島と尖閣諸島」

 8月は、竹島・尖閣諸島の領土問題がクローズアップされ、まさに「暑い夏」
となりました。

 領土問題そのものは、少なくとも数十年間(双方の主張に隔たりがある)の
長きにわたって存在してきたわけですから、ここにきて急に注目されたのには
当然理由があるはずです。

 韓国が急に竹島問題を持ち出してきた背景には、李明博政権がレイム・ダッ
ク状態で急速にその力を失っていることがあります。

 しかし、ダクラス・マッカーサーでさえ手を触れなかった、日本の天皇陛下
に対する侮辱にまで及んだのは、韓国におけるゆがんだ日本観だけではなく、
韓国歴代の軍事独裁政権の指導者(大統領)が、後任の大統領によって投獄さ
れてきた恐ろしい歴史があるからです。

 李明博は、次の政権(韓国の民衆)によって自分が投獄されることを恐れて
いるのです。彼のヒステリックな対応もある意味理解できます。

 ここ10年ほどの間、韓国企業・経済が目覚ましい発展を遂げたことで、日
本でも韓国を礼賛する論調が多くみられました。確かに、1997年のアジア
通貨危機以降の彼らの努力は賞賛に値すると思います。

 しかし、そのために犠牲にしたものも決して少なくありません。

 サムスン・現代などのごく少数の大財閥の従業員と一般の人々との驚くほど
の給与格差。さらに、それらを含めた極端な貧富の差。金持ちの子弟は海外留
学などの形で外国籍を取得し、兵役を逃れることができる不公平な現実。

 李明博の親族だけではなく、財閥経営者の多くにはびこる不正や汚職。

 年間3万人とされ深刻化している日本を、人口あたりでははるかに上回る自
殺者数。そして、「反日」を唱えなければ村八分にされてしまう、実質的な言
論統制。

 確かに、経済はかなり発展したものの、政治的には「軍事政権」の尾を引き、
中国や北朝鮮と同じような課題を多数抱えているのが、現在の韓国の現実とい
えます。

 尖閣諸島だけではなくアジアの多くの国々と領土問題を抱える中国において
も、「反日」が国民の目を為政者の失策から目をそらす有効なカードであるこ
とは、改めて述べるまでもないでしょう。

 つまり、第二次世界大戦中、敗色濃厚な日本が「鬼畜米英」と欧米を口撃し
たのと同じなのが、中国や韓国の「反日」であり、まともに正攻法で戦ったら
勝てないからこそ、彼らは「反日」を唱えるわけです。

 もちろん、隣人に対して、動物的行動をとるのではなく、人間としての最低
限の礼節を行うことを求めるべきでしょう。しかし、<彼らが「反日」を唱え
ている限り、日本に対して白旗を掲げているのと同じである>ということも十
分理解する必要があると思います。

 さらに、今回の竹島・尖閣の領土問題は、ペリーの黒船と同じように日本人
の目を覚ましました。

 数百年の鎖国を続けていた日本は、歴史的にもまれにみる平和な時代を謳歌
しました。しかし、地上の楽園は永遠には続きません。

 黒船の来航によって、日本(アジア)の植民地化の野望に燃えた欧米と対峙
しなければならないことを瞬時に全国民が共通の認識としました。そして「富
国強兵」の道を、全国民が一致団結して邁進したのです。

 だからこそ、日本は、当時の強国であった清やロシアを打ち破り、タイとと
もにアジアで唯一植民地化を免れただけではなく、数多くのアジアの植民地を
欧米の支配から解放することに多大な貢献をしました。

 尖閣・竹島問題は、まさに日本人の目を覚まさせた『黒船』です。ある意味
彼らには感謝しなければならないかもしれません・・・

 混迷の度を深める世界の中で、『危機意識』を共有し一致団結した日本人は、
強力な力を発揮。日本は、再び<明治維新>や<第2次世界大戦・敗戦後>と
同じような、目覚ましい発展を遂げるはずです。

 ところで、投資家としても、日本の領土や安全が脅かされるようでは、安心
して日本に投資することができませんが、日本の領有権は明確で、国際社会は
我々の味方だと思います。

 以下は弁護士の中島 章智氏のとても明快かつ論理的な解説です。是非押さ
えておきたい基本知識だと思いますので、紹介させていただきます。また、他
の方々ともこの基本知識を共有いただければ幸いです。

−−−−−−−−−−−−−−−

<中島 章智「北方領土、竹島、尖閣諸島は、どうして、日本の領土なのか」>

 日本の領土であると主張するのであれば、その根拠は認識しておいた方がよ
いでしょう。
 ロシア国民は、北方領土がロシアの領土であり、韓国国民は独島(竹島)が
韓国の領土であり、中国国民は尖閣諸島が中国の領土であると信じているので
しょうから、単に、これらが日本の領土であると信じるというだけでは、自国
の領土であると信じる相手国の国民と同じレベルの平行線になってしまうから
です。

 国際法では、19世紀後半以降に確立した「先占(occupatio)の
法理」というものがあります。これは、いずれの国家によっても実効的支配が
及んでいない土地について、最初に実効的支配を及ぼした国家は、その土地を
領土とすることができるというものです(私は、司法試験の受験科目に国際法
[国際公法]を選択しました。そうしないと、国際法をきちんと勉強する機会
はあまりないだろうと思ったからです)。

 尖閣諸島については、1895年(日清戦争終戦の年)、日本政府において
尖閣諸島がいずれの国家によっても実効的支配が及んでいないことを現地調査
した上で、実効的支配を及ぼし、日本の領土に編入することを閣議決定しまし
た(前記のとおり、「先占の法理」は、19世紀後半には、国際法として確立
しています)。
 中国が領有権を主張し始めたのは、1968年に資源埋蔵の可能性が確認さ
れて以降のことです。
 この経緯に照らせば、尖閣諸島は、日本の領土であり、中国の主張は、理不
尽なものです。

 次に竹島です。日本政府が竹島を領土に編入したのは、1905年(日露戦
争終戦の年であり、日本による韓国併合が行われた1910年より5年前)で
す。
 第二次世界大戦後の連合国と日本との講和条約であるサンフランシスコ平和
条約(1951年調印、1952年発効)において、日本は、領土の一部を放
棄していますが、この条約の締結に先立ち、韓国政府は、連合国に対し、放棄
の対象に対し、竹島を加えるよう要求しました。連合国側は、竹島は朝鮮の領
土として扱われたことがないとして、この要求を拒否しています。すると、韓
国の李承晩大統領は、李承晩ラインを設定して竹島を占領したのでした。
 この経緯によれば、竹島もまた日本の領土であり、国際司法裁判所で司法判
断が下されれば、日本の領土であると認定されるでしょう(韓国政府が国際司
法裁判所での審理を頑なに拒否するのは、それが大きな理由だと思います)。

 最後に北方領土ですが、歯舞群島、色丹島は、地理的にも歴史的にも北海道
の一部であり、サンフランシスコ平和条約においても放棄の対象となっておら
ず、日本固有の領土というべきです。
 一方、国後島、択捉島については、千島列島に属しているところ、日本は、
サンフランシスコ平和条約2条(c)項で千島列島を放棄しており、国後島、
択捉島を除外するものとは規定されていません。
 日本が放棄することによって、「先占の法理」の適用場面となり、実効的支
配を及ぼしたソ連(ロシア)領ではないかと議論が出てくるわけです。
 この点、ソ連は、サンフランシスコ平和条約の当事国でないばかりか、同条
約25条は、「この条約は、ここに定義された連合国の一国でないいずれの国
に対しても、いかなる権利、権原又は利益も与えるものではない。また、日本
国のいかなる権利、権原又は利益も、この条約のいかなる規定によっても前記
のとおり定義された連合国の一国でない国のために減損され、又は害されるも
のとみなしてはならない。」と規定しており、ソ連が、サンフランシスコ平和
条約を根拠にして「先占の法理」を主張することは許されるべきではないとい
う解釈も十分可能です(ソ連による「先占」が認められないとした場合でも、
日本が放棄しているとすれば、一体、どこの国に帰属するのかという問題が残
りますが)。

 以上、国際法の観点から整理してみました。

[サンフランシスコ平和条約」
第二条
(a)日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び欝陵島を含む朝
   鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
(b)日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を
   放棄する。
(c)日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条
   約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対
   するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
(d)日本国は、国際連盟の委任統治制度に関連するすべての権利、権原及び
   請求権を放棄し、且つ、以前に日本国の委任統治の下にあつた太平洋の
   諸島に信託統治制度を及ぼす千九百四十七年四月二日の国際連合安全保
   障理事会の行動を受諾する。
(e)日本国は、日本国民の活動に由来するか又は他に由来するかを問わず、
   南極地域のいずれの部分に対する権利若しくは権原又はいずれの部分に
   関する利益についても、すべての請求権を放棄する。
(f)日本国は、新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求
   権を放棄する。

−−−−−−−−−−−−−−−

(OH)

*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/

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JALのその後 その2

 国策会社の、しかも国主導の大型再生ですから国を挙げての大事な公開案件です。
 NTTの公開時ほどではないにしても、大手証券各社もここ数年の汚名返上(借りを返さねば)とばかりに力を出してくれるのでは?…何故なら、今後の引受け競争の中で本件への対応次第で引受の力量が試されるはずですから、それこそ市場関係者(引受会社)としてはこの公開を成功させない訳にはまいりません。

 今年後半の米国景気は期待ほどには回復しません。と言うより、前年同期比では期待できるほどの経済指標や数値は出てき辛いと思われます。米国の景気動向は不動産市況の回復次第なのでしょうが、過去の推移からも公表される数字には余り期待しない方が良いと考えています。つまりは、まだ当面は中央銀行による資金供給方針に変更は無いであろうと言うことで、ユーロ圏の資金繰り対策を含めて世界的に資金過剰の状態が続く可能性が高いと考えるのが妥当です。

 新興市場も欧米の景気動向に左右されますし、リーマンショック以降の財政政策を主体とした景気刺激策を執ったことにより需要の先食いもされているはずですので、当面は、短く見積もってもあと1年くらいは、こちらも景気回復については余り期待できません。
 言い換えれば、どの切り口から見ても世界的な過剰流動性が維持される環境にあると予想されます。

 とは言え今後を俯瞰すれば、世界的な景気の伸びに期待できない中でもある程度の需要増加に期待できるのは、人口ボーナスのメリットと所得の上昇を享受し、多少の変動は伴うものの成長を続けるであろう新興諸国の消費需要です。この新興諸国とはBRICSに限らず、メキシコ、トルコ、エジプト、タイ、インドネシア、ベトナムなどの人口が多い国々を含みます。
 これらの国々の一定の需要増加と過剰流動性継続の観点から今後の市場の注目点を考えると、
1.資源価格の高止まりにより資源輸出国が潤う事で、先進国を真似た新たな投資(設備やサービス投資等)が進展すること
2.規制緩和への流れと燃料価格(コスト)削減が重なる航空機需要の増加
3.成長期待のあるアジア諸国への投資増加(機械設備などの資本財の投下)
…といった辺りに伸びが期待できるのではないでしょうか。
 世界的な景気の不透明感の中で景気敏感銘柄ほど売り込まれてきた訳ですが、上記に関連する中で、多少の円高にも影響されず、今後数年に渡って需要が期待できる企業群を見つけて投資してゆくタイミングに入ってきたと考えています。良く調べると随分と売り込まれている(有望そうな)銘柄が目につきます。

 日本国内に於いても航空行政や医療行政がいつまでも鎖国(もどき)をしていられる状況では無くなり、外圧も含めた規制緩和が進むのでしょう。TPPに参加することによっても情報が不十分だった国内の見えざる規制が浮き彫りにされ、より必要な規制緩和が進むはず、いや進めざるを得なくなるのではないでしょうか。

 そんな中でJALの上場が成功すれば金融市場への波及効果も大きいはずですから、国内株式市場活性化への起点になれば良いと期待しています。
 9月に入り中間決算の予想が出てくる時期になれば、良くも悪くも市場の不透明感は幾らか解消され、多少は投資マインドの回復があっても良いのではないかと考えている次第です。

 気になるのは政治面ですね。ただでさえ内輪揉めしか出来ず政局しか見え無い小物政治家とそれを利用して小銭稼ぎに走る木端役人。そして周りを見渡せば、強烈な思想を持つ銭ゲバだらけの一党独裁国家や、感情の起伏が激しくやたらとプライドばかりが高い輸出依存国家、やること成すこと支離滅裂で親族の為なら国民を餓死させてでも肥え太る為政者の居る国など、常識では考えられない近隣諸国とのもめ事も含めて、こればかりは本当に読めません(苦笑)。

 仮にユーロが落ち着き始め、シリアなどでの紛争に方向性がみられるような状況にでもなれば、膨大な過剰流動性の維持が次のバブルを発生させる懸念があります。新興諸国の景気テコ入れも顕著になりつつあるようです。特に中国は景気失速を最も恐れていると思われますし、今年はトップの交代もあります。可能性は低いのかもしれませんが国の舵取り次第では、来年辺りから2016年辺りまで、中国に最後のバブルと言えるものがくるのではないかなどと考えています。この2015年〜2016年辺りに中国では人口ボーナスのピークを迎えます。この人口動態は日本の1990年前後、主要ユーロ圏の2005年前後に似ていると言えます。

(街のコンサルタント)

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