前ブッシュ政権によって掲げられた政策によって、2001年より相続税が段階的に引き下げられ昨年末で0%となっており、米国では相続税を全く支払わずに済む状態が続いている。そのような中で、大リーグのヤンキースのオーナーのジョージ・スタインブレナーが7月13日に死去した際、相続税を支払わずに遺産を子孫に引き継いだ。元財務長官のルービン氏らは、今日年末で失効した相続税の再導入を求めており問題になっている。本ニュースは前ブッシュ政権が決定した事項なので現在の米国の経済状況を反映したものではないが、思いきった施策であった事に間違いない。
一方、日本では税収は約40兆円(2010年度予算額は37.4兆円)の20倍以上にあたる883兆円(国債及び借入金の同年3月末現在高)の借金に膨らんでおり、消費税(民主党は次期衆議院選挙後に引き上げを検討)、所得税、相続税等の増税を実施しなくては回復できないほどの危険領域に入っている。マスコミ等では日本がこのままでは破綻するという事も論じられているが、そこまでいかなくても増税は免れない状況にあることは間違いないだろう。
本年の一般会計総額が過去最大の92.3兆円、新規国債発行が過去最悪の44.3兆円に達している。日本では国債の90%以上を国内の金融機関、個人で消化しており、埼玉県のGDPと同レベルのギリシャと比較するのはナンセンスだが、さすがにこの状況を続けるわけにはいかない。
日本国債を国内で消化できなくなったタイミングには非常に恐ろしい事態が起こる事は想定しておかなくてはならない、国内機関投資家が保有する米国債を手放す事が必要となり、それに連鎖して米国の状態もおかしくなる。
過去に日本でも戦後このような危機的な状況に陥った事がある。1946年2月に、激しいインフレを沈静化させる為に、金融非常措置がこの日本で行われ、5円以上の古い紙幣、貯金、金銭信託として強制的に金融機関に預け入れさせ、預金を封鎖した。またその直後に相続税法の施行以前の1946年3月3日に「財産税および戦時特別税」というのが実施され、個人所有の資産に対して10万円超25%〜1500万円超90%という強烈な累進税率の税金がかせられた。同年11月には財産税法が施行され、国民の財産を没収したとの事である。
今の日本では考えにくいのかもしれないが、このような事が実際行われた事がある。私のクライアントでもこの徴税をかせられた方がおり、その当時の話をお聞かせ頂いたが今でもその話は耳から離れない。
万が一の場合には、今の米国のように輪転機を回転し続け、借金の総額を減らしにかかるであろう。ハイパーインフレに国家が主導していくのである。その時には手持ちの金融資産はみるみるうちに目減りする。
その対抗策としては不動産、現物資産を購入する等や、そもそもの資産を国外に退避する事が必要だが、私の周りではこのような動きをされている方がリーマンショック前から目立っていた。
(番頭さん)
【筆者プロフィール】
大学卒業後、某都市銀行勤務、某外資銀行勤務を経て独立。専門は個人富裕層業務。
幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても当方は一切の責任を負いません。)
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一方、日本では税収は約40兆円(2010年度予算額は37.4兆円)の20倍以上にあたる883兆円(国債及び借入金の同年3月末現在高)の借金に膨らんでおり、消費税(民主党は次期衆議院選挙後に引き上げを検討)、所得税、相続税等の増税を実施しなくては回復できないほどの危険領域に入っている。マスコミ等では日本がこのままでは破綻するという事も論じられているが、そこまでいかなくても増税は免れない状況にあることは間違いないだろう。
本年の一般会計総額が過去最大の92.3兆円、新規国債発行が過去最悪の44.3兆円に達している。日本では国債の90%以上を国内の金融機関、個人で消化しており、埼玉県のGDPと同レベルのギリシャと比較するのはナンセンスだが、さすがにこの状況を続けるわけにはいかない。
日本国債を国内で消化できなくなったタイミングには非常に恐ろしい事態が起こる事は想定しておかなくてはならない、国内機関投資家が保有する米国債を手放す事が必要となり、それに連鎖して米国の状態もおかしくなる。
過去に日本でも戦後このような危機的な状況に陥った事がある。1946年2月に、激しいインフレを沈静化させる為に、金融非常措置がこの日本で行われ、5円以上の古い紙幣、貯金、金銭信託として強制的に金融機関に預け入れさせ、預金を封鎖した。またその直後に相続税法の施行以前の1946年3月3日に「財産税および戦時特別税」というのが実施され、個人所有の資産に対して10万円超25%〜1500万円超90%という強烈な累進税率の税金がかせられた。同年11月には財産税法が施行され、国民の財産を没収したとの事である。
今の日本では考えにくいのかもしれないが、このような事が実際行われた事がある。私のクライアントでもこの徴税をかせられた方がおり、その当時の話をお聞かせ頂いたが今でもその話は耳から離れない。
万が一の場合には、今の米国のように輪転機を回転し続け、借金の総額を減らしにかかるであろう。ハイパーインフレに国家が主導していくのである。その時には手持ちの金融資産はみるみるうちに目減りする。
その対抗策としては不動産、現物資産を購入する等や、そもそもの資産を国外に退避する事が必要だが、私の周りではこのような動きをされている方がリーマンショック前から目立っていた。
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大学卒業後、某都市銀行勤務、某外資銀行勤務を経て独立。専門は個人富裕層業務。
幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
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