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投資情報メールマガジン 2009/11/30
イ意 の 近 道
−プロが導く「億」資産への近道− 週5回発行
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【ご挨拶】
将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!
★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★
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−本日の目次−
(本日の担当:松尾範久&グルメ投資家おーちゃん)
◆コラム「相場展望 日経平均は下値模索の段階」:松尾範久
◆コラム「老子と投資の王道」:グルメ投資家おーちゃん
◆コラム「ブレークするかアスタキサンチンの未来」:松尾範久
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◆お知らせ◆
億の近道10周年記念イベントセミナーは、おかげさまで満席によりお申し
込みを締め切りさせていただきました。たくさんのお申し込み、ありがとうご
ざいました。
※当日券の用意はございませんのでご了承下さい。
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◆コラム「相場展望 日経平均は下値模索の段階」
〜混乱を経て再浮上を伺うタイミングが接近〜
景気の2番底懸念が懸念される中で円高の進展、ドバイ発金融不安の再燃か
ら日経平均は調整色を一気に強めていますが、とりわけ日本の株式相場は海外
市場に比べ弱さが目につきます。民主党新政権下での事業仕分け作業による無
駄な予算カットによる混乱が生じていて、それが雇用不安に金融不安、先行き
の不透明さにつながり日経平均が7000円をつけた時期に似てきています。
当時と異なるのは海外の株価がまだ比較的堅調なことです。このためにまだ
9000円台をかろうじて維持はしていますが、TOPIXを見ますとほぼ2
番底の形になってきています。各指数をそろそろチェックしておきたいところ
です。
【各指数の動向】比較は前年同月比
1.日経平均
07年の高値:18300円(2月)
ボトムから直近高値までの戻り率:33%
07年12月 15307円
08年 3月 12525円
08年 9月 11259円
08年12月 8859円 ▲42.1%
09年 3月 8109円 ▲35.3% 最安値7021円(3月)
09年 9月 10133円 ▲10.0% 高値10767円(8月)
09年11月27日 9081円 8月高値からの下落率15.7%
09年最安値から高値までの上昇率 53.4%
2.TOPIX
07年の高値:1823.89(2月)
ボトムから直近高値までの戻り率:25.7%
07年12月 1475.68
08年 3月 1212.96
08年 9月 1087.41
08年12月 859.24 ▲41.8%
09年 3月 773.66 ▲36.2% 最安値698.46(3月)
09年 9月 909.84 ▲16.3% 高値987.27(8月)
09年11月27日 811.01 8月高値からの下落率17.9%
09年最安値から高値までの上昇率 41.3%
日本の代表的な主要銘柄225で構成されています日経平均は安値からの値
上がり率がTOPIXより大きかった割にここに来ての値下がり率は小さい状
況が見られます。これは本年の株式相場が主力銘柄に偏っていたためだと推察
されます。特に直近はファーストリテイリング(9983)が上昇し相場を牽
引していることが影響しています。
今後も機関投資家は指数をアウトパフォームするために銘柄の入れ替えを行
い、より業績の向上期待の高い銘柄に比重を置くことが想定されますので銘柄
が厳選されるものと考えられます。
個人投資家も流動性を勘案してこうした指数連動銘柄の中でより成果を高め
ることのできそうな銘柄を選定して投資されることが重要になります。
3.JASDAQ
06年の最高値:142.87(1月)
ボトムから直近高値までの戻り率:12.7%
07年12月 72.17
08年 3月 64.52
08年 9月 52.37
08年12月 48.20 ▲33.2%
09年 3月 41.04 ▲36.4% 最安値37.59(3月)
09年 9月 49.72 ▲5.1% 高値50.92(9月)
09年11月27日45.06 9月高値からの下落率 11.5%
09年最安値から高値までの上昇率 35.5%
JASDAQ平均に代表されます小型株指数は06年の頭をピークに長期に
わたり値下がりしてきていますので07年12月と比べた値下がり率は日経平
均よりも多少は小さいのですが、今年の安値からの上昇率も小さい状況です。
06年のライブドア事件から株式市場における主役の座を主力大型株に奪わ
れてきた経緯があり、まだこの先も状況は厳しいと考えられますが、この小型
株の中で継続的な成長性が維持できるとみなされる銘柄には大きな成果がもた
らされる可能性を秘めています。宝くじに当たる感覚での投資にならざるを得
ませんが、個人投資家にとってはやや投機性が強い市場で来年を迎えたいとの
皆さんにはこの水準を十分に認識して頂き、銘柄の選定にあたって頂く必要が
あります。
ピークから3年を経過し、低迷を続けてきたJASDAQ等の小型株指数が
いよいよ2010年は過去のサイクルから見れば上昇トレンドに入る可能性も
ありますので国の政策に乗るような銘柄を中心に人気銘柄が登場する予感があ
ります。
4.NYダウ
07年の最高値:14279(10月)
ボトムから直近高値までの戻り率:51.4%
07年12月 13264
08年 3月 12262
08年 9月 10850
08年12月 8776 ▲33.8%
09年 3月 7608 ▲38.0% 最安値6440円(3月)
09年 9月 9712 ▲10.5% 高値10471(11月)
09年11月27日10309 11月高値からの下落率 1.5%
09年最安値から高値までの上昇率 62.6%
3月のボトムからの値上がり率は60%を超えています。日本との違いが指
数上に鮮明に現れています。これだけ見ればいかに日本が体たらくしているか
がわかります。
今後はアジア株との連動の中でメジャー市場のシンボルたるNY株とアジア
ローカル市場の色彩が強くなっている日本株の二極化が続くものと推察されま
す。
5.香港ハンセン
07年の最高値:31958(10月)
ボトムから直近高値までの戻り率:58.4%
07年12月 27812
08年 3月 22849
08年 9月 18016
08年12月 14387 ▲48.3%
09年 3月 13576 ▲40.6%最安値10676(08年10月)
09年 9月 20955 +16.3% 高値23099(09年11月)
09年11月27日 21134 11月高値からの下落率 8.5%
09年最安値から高値までの上昇率 +116.4%
6.上海総合指数
07年の最高値:6124(10月)
ボトムから直近高値までの戻り率:40.7%
07年12月 5261
08年 3月 3472
08年 9月 2293
08年12月 1820 ▲65.4%
09年 3月 2373 ▲31.7% 最安値1664(08年10月)
09年 9月 2779 +21.2% 高値3478(09年8月)
09年11月27日 3096 8月高値からの下落率 11.0%
09年最安値から高値までの上昇率 +109.0%
香港市場も上海市場も似たような動きをしていますが、最近の特徴は香港市
場が比較的堅調だということです。これは中国本土のカントリーリスクのせい
かも知れませんが、国際金融センターとして香港が有している重要性が増して
いることを表しているものと思われます。日本企業が香港市場に上場しようと
する動きも今後は加速する可能性があります。大市場を背景にした香港市場は
先進国と中国をつなぐ役割を担っていると見て良いでしょう。
短期的には世界の株式市場の弱さが両市場に若干影響することもありますが、
むしろこれらが日本市場に成り代わって世界の株式市場を牽引するという認識
を持ちたいところです。
【戻り率比較】
グローバルな観点でここ3年程度の株価の変動を指数で比べると直近の高値
からボトムまでの値下がりに対して直近の高値までどのぐらい戻ったかを比較
すれば最も戻ったのは香港ハンセンで58%、ついでNYダウの51%、その
次が上海の41%となり、日経平均は33%、TOPIXは26%となってい
て日本株の戻りが鈍いことが明らかです。
少子高齢化に突入した日本経済に見切りをつけ海外の成長性に着目したお金
の流れが始まっていると考えて良いかと思われます。
とりわけ日本の小型株指数であるJASDAQ指数の低迷が際立っておりま
すが、これはもはや海外投資家からまったく見向きもされなくなった証拠と言
えるでしょう。それでも日本にも成長指向の銘柄は必ず存在しますし、海外投
資家が技術力のある企業に投資する事例もありますのでこのまま衰退すること
はないと考えております。
日本の小型株は流動性だけは難点ですが、積極的に海外展開をしたり画期的
な新商品の開発、エコへの取り組みなどを成長戦略として取り組む企業への水
面下での関心は高まっているものと期待されます。自らの力で成長できる中堅
以下の企業を個人投資家は投資対象として注目しリスク分散しながら投資して
いくチャンスが到来しているものと考えられます。
【2010年はどうなる?】
日本は技術立国で世界のリーダー的役割を担っていますが、少子高齢化で市
場が縮小することは目に見えていますので拡大する市場を求めて製造と金融が
一体となってグローバルな観点での積極的な活動を行う必要があります。
この点で成功しているのはごく限られた企業ですが、製造業ではトヨタやホ
ンダ、ソニー、パナソニックいったビッグなグローバル企業が活躍しています
が、流通の分野でもファーストリテイリング(9983)に代表されるブラン
ド企業が活躍しています。漫画・アニメといったコンテンツ産業やお寿しやラ
ーメンに代表されます外食産業、世界中で和のテイストがもてはやされる時代
となり様々な伝統産業が世界中で人気を呼びそうな状況ですので日本が再び見
直される時期もやってくるでしょう。
株式市場には日本の成長に対する失望感がある間はリスクマネーが寄り付こ
うとしませんが、成長のシナリオが描けるようになればリスクマネーがまた戻
ってくると考えられます。
2010年は上海万博の年であり、隣国中国での著しい経済発展が一段とク
ローズアップされることになるでしょうが、日本はこの間を耐えて世界のエコ
技術のリーダーとしての存在価値を高めていくべきところです。
政策の後押しは新春からの期待材料です。調整後の相場は決して悲観的なも
のではないことを心に抱きつつ、読者の皆様も年末までの調整相場を耐えて頂
く必要がありそうです。
株式会社アイリス・ジャパン
代表取締役 松尾範久
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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◆コラム「老子と投資の王道」
今回は、老子の第36章を題材に、投資の本質に迫ってみます。
36、将(まさ)にこれを歙(ちぢ)めん欲すれば、必らず固(しば)らくこ
れを張れ。
○もし、何かをちぢめたいと思うのなら、一度広げていっぱいまで大きくなら
せるに限る。
○相手を弱くしたいと思うのなら、しばらく強くさせて増長させるに限る。
○相手から何かを奪い取って自分の物にしたいのなら、しばらくの間こちらか
ら施しを与えるに限る。
○頂上を上り詰めたものは、必らず下り坂を転げ落ちる。
○このように先を見通すことを<微明(びめい)>と言うが、柔らくて弱々し
い者が、固くて強いものに勝つというのもその一つ。
○魚は深い水底にいてこそ安全であり、君主も役に立つ道具は深く懐に忍ばせ
て、むやみやたらに人に見せてはいけないのだ。
○イソップ童話のおだてられて腹を膨らませすぎて破裂してしまったかえる。
○ベンチャー企業経営者・芸能人などの多くが、腹を膨らませたかえる。
「投資の利益は≪忍耐≫に対するご褒美だ」とは、世界一の投資家ウォーレン・
バフェトの言葉です。
投資においては、時期が来るまで忍耐強く待たねばならない。本来のタイミ
ングではないのに、売買を繰り返しても「労多くして実りが少ない」ものです。
売買をすると、何か仕事をした気分になって自己満足をしてしまいます。し
かし、大事なのは結果です。売買をして、損失を出すのなら何もしないほうが
はるかにましです。
また、投資対象の価格がなかなか上がらないことに待ちくたびれて、売却し
た次の瞬間からその投資商品の価格が急騰するというのもよくあることです。
この場合も、あせって売却などせずに「何もしない」ほうがよかったという結
果になります。
一般的に、人間は「何もしない」でいると、怠けているような気分になって
しまいます。特に、勤勉な日本人はこの傾向が強いでしょう。しかし、タイミ
ングが外れた状態で「何かをする」ことによって結局手痛い打撃を受けます。
確かに、何もしないでいることは人間にとって思いのほか苦痛です。
たとえば、未来のチャンスを待つのは、先頭の見えない行列に並ぶようなも
のです。10分後に、たどりつけるのか、それとも1年間テントで暮らしなが
ら待たなければならないのか、まったく見当がつきません。
ですから、近道をしようとして列を抜け出したりします。しかし、最短距離
に見えた道が、実は断崖絶壁に通じていて、そこでゲームオーバーになるケー
スをよく見受けます。
実は、「何もしないでじっと待とう」とするには、強い精神力と不断の努力
が必要なのです。そして、その努力なしには、投資で成功することができませ
ん。
これは、ビジネスの世界でも同様です。毎日スケジュールを詰め込んで、そ
のため、面会時間にしばしば遅刻する人をよく見かけますが、そんな余裕のな
い状態では、せっかくの幸運がやってきてもつかむことができません。好機が
やってきたら、そのチャンスを生かすことができるような余裕を常に持ってお
くことが、成功の秘訣です。
「果報は寝て待て」というのは、とても深い意味のある言葉です。
37、道は常に無為にして而(しか)も為さざるは無し。
○素朴で欲望が無い状態が最善。世界は平和になる。
○知識を得て、生きるために必要の無いものを望むようになって人間は不幸に
なった。
確かに、「アダムとイブ」のリンゴの逸話のように、人間は知恵がつくたび
にさらに不幸になっているのかもしれません・・・
★★AFPBBニューズ<大原浩の金融・経済地動説>の2008年2月8日
の日記、<老子と投資>その1を、ご参照いただくと本文の内容をより深くご
理解いただけると思います。
http://www.actiblog.com/ohara/52816
(OH)
*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/
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【お知らせ】
1.アクティブシニア向け情報誌「百歳万歳」について
日本で唯一の元気なシニア層向け雑誌「百歳万歳」(月刊誌で購読料は1部
660円、年間6600円)の見本誌11月号を希望者の皆さんにお送りします。
60歳以上の皆さんに大好評の趣味と健康をテーマにした雑誌です。
ご希望の方は下記にお問い合わせ下さい。
http://www.100sai.co.jp
info@100sai.co.jp
2.株式・企業情報メルマガについて
長寿社会の資産運用ライフスタイルは未来に成長する企業を見出し、長期ス
タンスで投資すること。株式相場の流れを理解し、ご自身のオリジナリティあ
るポートフォリオを構築するためのサポートができればと弊社は長年メールマ
ガジンを配信させて頂いております。タイトルは「株知道」。ついては皆様の
購読申し込みを受け付けておりますので宜しくお願い申しげます。
ご購読のお申し込みは下記のアドレスまでお願い申し上げます。直近の見本
メルマガをお送りしますので宜しくお願いします。
(株)アイリスジャパン 有料コンテンツ係
mag@irisjapan.co.jp
株式会社アイリス・ジャパン
代表取締役 松尾範久
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◆コラム「ブレークするかアスタキサンチンの未来」
世界に類を見ないほどのスピードで進展する日本の高齢化。その中で、いつ
までも若く元気でいきいきとした暮らしがしたいという欲求は、ほとんどの皆
さんが持っています。私たちの暮らしの中にある健康へのニーズは過去から現
在、未来に至るまで共通したテーマであります。
健康と言うテーマで事業を営んでいる上場企業は数え切れないほどあるかと
思いますが、皆さんが投資されている企業はどうでしょうか。
医食同源という言葉で言われるように普段の食生活に健康の源があるとの発
想で養命酒やカルピス、ヤクルトといった老舗の健康志向の食品メーカーだけ
ではなく多くの食品メーカーが事業展開していますのでなかなか株式市場のメ
インテーマにはなりにくいのですが、そのテーマとなりうる素材は市場での認
知度が高まったコエンザイムQ10のように存在しています。
私が目下興味を持っている新素材は抗酸化作用が他の素材に比べて圧倒的に
高いアスタキサンチンと呼ばれる機能性素材です。先日、このアスタキサンチ
ンを製造している企業の社長を取材することができましたがようやくブレーク
しそうな予感がします。
アスタキサンチン自体の発見は70年以上も前になりますので古くからその
存在は知られていますが、Q10のような格好で市場での話題にはなってきま
せんでした。
ただ、最近になって化粧品分野に新規参入した富士フィルムがアスタキサン
チン配合の化粧品を発売しテレビCMで流していますので、メディアでも話題
になりつつあるようです。本日はその特性と製造・販売会社をご紹介します。
1.アスタキサンチンとは
皆さんはエビやカニの色が赤いのを普段何気なく見ておられるかと思います
があの色こそアスタキサンチンの色なのです。鮭やイクラ、鯛なども赤みがあ
りますが、これらはすべて海中の微細な藻が生合性した赤橙色の色素成分であ
りますアスタキサンチンをプランクトンやオキアミが摂取し、それをエビやカ
ニが餌として食べたことによってもたらされています。
その研究が進むにつれて、アスタキサンチンには極めて有用な特性があるこ
とが次々に明らかにされてきています。その結果、アスタキサンチンは新たな
機能性食品や飲料、あるいは化粧品の素材として様々な分野に用いられ市場で
の注目度もアップしてきています。
2.次のトレンドはアスタキサンチンか?
心臓病のクスリとして使われてきたコエンザイムQ10(別名ユビキノン)
はアンチエイジング効果が認められてサプリメントや化粧品に使われるように
なって既に一般的な機能性素材となっていますが、それに勝るとも劣らない機
能性素材となりそうなのが、このアスタキサンチンです。アスタキサンチンに
は毎日わずか数mgの摂取で以下のような様々な特性と効果が期待されるよう
になってきました。
1)抗酸化作用
a)一重項酸素消去活性
紫外線照射による皮膚がんの発生を促す一重項酸素を消去する機能が確認さ
れています。その効果は代表的抗酸化物質であるビタミンEの100倍、β
カロテンの10倍と言われています。
b)脂質過酸化抑制作用
老化が進む原因の一つと言われる脂質過酸化反応を阻害する効果がラットの
試験で確認されており、その効果はビタミンEの約1000倍と報告されて
います。
2)肌の老化抑制
アスタキサンチンを肌外用剤に添付することで日焼け防止、メラミン生成抑
制によるシミ防止、弾力性の向上、小じわに減少などに効果があるという報告
があります。
このほかアスタキサンチンには眼精疲労・筋肉疲労の改善作用、免疫機能の
向上、糖尿病性症候群の抑制作用及びその予防、抗炎症、抗ピロリ、動脈硬化
の予防などの機能が報告されています。
化粧品などに配分されます成分としてまだこのアスタキサンチンはコエンザ
イムQ10に比べればまだ普及していない状況ですが、次世代の機能性素材と
してメーカーの供給体制が整いつつあり、一部大手企業での採用が見られます
ので、きっかけ次第では近い将来、サプリメントや化粧品市場で話題になると
考えられます。
3.参入企業
コエンザイムQ10の場合はカネカ、協和発酵、日清製粉、旭化成、三菱ガ
ス化学の日本の大企業5社で世界シェアを独占しているとのことですが、この
うちカネカが最大手で過半数のシェアを占めています。
研究中の企業はともかくアスタキサンチンの製造企業は先駆した富士化学工
業(未上場)についでバイオジェニック(荏原実業の子会社)、それに続くヤ
マハ発動機(7272)とQ10とはやや毛並みが違っています。
生産工程はいずれも自然界で最も豊富にアスタキサンチンを含有する微細藻
類であります「ヘマトコッカス藻」を大量培養して濃縮・乾燥させそこからオ
イルを抽出して自社のサプリメント製品や化粧品などの最終製品メーカーに出
荷するという流れです。
私が訪問したバイオジェニック社は環境機器メーカーである荏原実業(63
28)の連結子会社ですが、先行投資を相当にかけながら今日に至っているよ
うです。同社の場合は2005年8月に中国雲南省の昆明にある100%子会
社の工場(敷地面積6万m2)でヘマトコッカス藻を100%太陽光で培養生産。
それを乾燥バイオマスとして日本に運び、日本の協力工場で抽出しおよそ3つ
の製品(オイル、エマルジョン、水溶化パウダー)として出荷しています。石
鹸や化粧品として使われている実績もあり、今後一般食品、健康食品、栄養補
助食品、飲料、化粧品などに提供する計画です。同社の製品は他社に比べてコ
スト面で優れているとのことで、本格普及の入り口に立つ中でかなり優位なポ
ジションにあると評価されます。(更に詳細をお知りになりたい場合は弊社有
料メルマガをご購読下さい。)
【主な機能性食品・化粧品素材メーカー】
・ファーマフーズ(2929・マザーズ)
バイオベンチャー、ギャバや葉酸卵が収益の柱。先週、高純度抗インフルエ
ンザ鶏卵抗体を大量生産する技術を確立したとして株価ストップ高を演じる。
時価:24860円 時価総額:14.6億円
・太陽化学(2902・名証2部)
R&D型食品素材メーカー。鶏卵加工製品が主力。機能性アミノ酸、緑茶カ
テキンなど機能性素材を国内外で製造販売。
時価:778円 時価総額:183億円
・荏原実業(6328)
水処理装置などのエコ関連企業だが子会社バイオジェニックでアスタキサン
チンを培養製造。事業進捗の遅れが見られたが日水と業務提携をし、事業拡大
を図る。
時価:1124円 時価総額:75億円
株式会社アイリス・ジャパン
代表取締役 松尾範久
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