相場展望 日経平均は下値模索の段階

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〜混乱を経て再浮上を伺うタイミングが接近〜

 景気の2番底懸念が懸念される中で円高の進展、ドバイ発金融不安の再燃から日経平均は調整色を一気に強めていますが、とりわけ日本の株式相場は海外市場に比べ弱さが目につきます。民主党新政権下での事業仕分け作業による無駄な予算カットによる混乱が生じていて、それが雇用不安に金融不安、先行きの不透明さにつながり日経平均が7000円をつけた時期に似てきています。
 当時と異なるのは海外の株価がまだ比較的堅調なことです。このためにまだ9000円台をかろうじて維持はしていますが、TOPIXを見ますとほぼ2番底の形になってきています。各指数をそろそろチェックしておきたいところです。

【各指数の動向】比較は前年同月比

1.日経平均

 07年の高値:18300円(2月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:33%
 07年12月 15307円
 08年 3月 12525円
 08年 9月 11259円
 08年12月  8859円 ▲42.1%
 09年 3月  8109円 ▲35.3% 最安値7021円(3月)
 09年 9月 10133円 ▲10.0% 高値10767円(8月)
 09年11月27日 9081円 8月高値からの下落率15.7%
 09年最安値から高値までの上昇率 53.4%


2.TOPIX

 07年の高値:1823.89(2月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:25.7%
 07年12月 1475.68
 08年 3月 1212.96
 08年 9月 1087.41
 08年12月  859.24 ▲41.8%
 09年 3月  773.66 ▲36.2% 最安値698.46(3月)
 09年 9月  909.84 ▲16.3% 高値987.27(8月)
 09年11月27日 811.01 8月高値からの下落率17.9%
 09年最安値から高値までの上昇率 41.3%


 日本の代表的な主要銘柄225で構成されています日経平均は安値からの値上がり率がTOPIXより大きかった割にここに来ての値下がり率は小さい状況が見られます。これは本年の株式相場が主力銘柄に偏っていたためだと推察されます。特に直近はファーストリテイリング(9983)が上昇し相場を牽引していることが影響しています。
 今後も機関投資家は指数をアウトパフォームするために銘柄の入れ替えを行い、より業績の向上期待の高い銘柄に比重を置くことが想定されますので銘柄が厳選されるものと考えられます。
 個人投資家も流動性を勘案してこうした指数連動銘柄の中でより成果を高めることのできそうな銘柄を選定して投資されることが重要になります。


3.JASDAQ

 06年の最高値:142.87(1月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:12.7%
 07年12月 72.17
 08年 3月 64.52
 08年 9月 52.37
 08年12月 48.20 ▲33.2%
 09年 3月 41.04 ▲36.4% 最安値37.59(3月)
 09年 9月 49.72 ▲5.1%   高値50.92(9月)
 09年11月27日45.06 9月高値からの下落率 11.5%
 09年最安値から高値までの上昇率 35.5%

 JASDAQ平均に代表されます小型株指数は06年の頭をピークに長期にわたり値下がりしてきていますので07年12月と比べた値下がり率は日経平均よりも多少は小さいのですが、今年の安値からの上昇率も小さい状況です。
 06年のライブドア事件から株式市場における主役の座を主力大型株に奪われてきた経緯があり、まだこの先も状況は厳しいと考えられますが、この小型株の中で継続的な成長性が維持できるとみなされる銘柄には大きな成果がもたらされる可能性を秘めています。宝くじに当たる感覚での投資にならざるを得ませんが、個人投資家にとってはやや投機性が強い市場で来年を迎えたいとの皆さんにはこの水準を十分に認識して頂き、銘柄の選定にあたって頂く必要があります。
 ピークから3年を経過し、低迷を続けてきたJASDAQ等の小型株指数がいよいよ2010年は過去のサイクルから見れば上昇トレンドに入る可能性もありますので国の政策に乗るような銘柄を中心に人気銘柄が登場する予感があります。


4.NYダウ

 07年の最高値:14279(10月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:51.4%
 07年12月 13264
 08年 3月 12262
 08年 9月 10850
 08年12月  8776 ▲33.8%
 09年 3月  7608 ▲38.0% 最安値6440円(3月)
 09年 9月  9712 ▲10.5% 高値10471(11月)
 09年11月27日10309 11月高値からの下落率 1.5%
 09年最安値から高値までの上昇率 62.6%

 3月のボトムからの値上がり率は60%を超えています。日本との違いが指数上に鮮明に現れています。これだけ見ればいかに日本が体たらくしているかがわかります。
 今後はアジア株との連動の中でメジャー市場のシンボルたるNY株とアジアローカル市場の色彩が強くなっている日本株の二極化が続くものと推察されます。


5.香港ハンセン

 07年の最高値:31958(10月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:58.4%
 07年12月 27812
 08年 3月 22849
 08年 9月 18016
 08年12月 14387 ▲48.3%
 09年 3月 13576 ▲40.6%最安値10676(08年10月)
 09年 9月 20955 +16.3% 高値23099(09年11月)
 09年11月27日 21134  11月高値からの下落率 8.5%
 09年最安値から高値までの上昇率 +116.4%


6.上海総合指数

 07年の最高値:6124(10月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:40.7%
 07年12月 5261
 08年 3月 3472
 08年 9月 2293
 08年12月 1820 ▲65.4%
 09年 3月 2373 ▲31.7% 最安値1664(08年10月)
 09年 9月 2779 +21.2% 高値3478(09年8月)
 09年11月27日 3096  8月高値からの下落率 11.0%
 09年最安値から高値までの上昇率 +109.0%

 香港市場も上海市場も似たような動きをしていますが、最近の特徴は香港市場が比較的堅調だということです。これは中国本土のカントリーリスクのせいかも知れませんが、国際金融センターとして香港が有している重要性が増していることを表しているものと思われます。日本企業が香港市場に上場しようとする動きも今後は加速する可能性があります。大市場を背景にした香港市場は先進国と中国をつなぐ役割を担っていると見て良いでしょう。
 短期的には世界の株式市場の弱さが両市場に若干影響することもありますが、むしろこれらが日本市場に成り代わって世界の株式市場を牽引するという認識を持ちたいところです。


【戻り率比較】

 グローバルな観点でここ3年程度の株価の変動を指数で比べると直近の高値からボトムまでの値下がりに対して直近の高値までどのぐらい戻ったかを比較すれば最も戻ったのは香港ハンセンで58%、ついでNYダウの51%、その次が上海の41%となり、日経平均は33%、TOPIXは26%となっていて日本株の戻りが鈍いことが明らかです。
 少子高齢化に突入した日本経済に見切りをつけ海外の成長性に着目したお金の流れが始まっていると考えて良いかと思われます。
 とりわけ日本の小型株指数であるJASDAQ指数の低迷が際立っておりますが、これはもはや海外投資家からまったく見向きもされなくなった証拠と言えるでしょう。それでも日本にも成長指向の銘柄は必ず存在しますし、海外投資家が技術力のある企業に投資する事例もありますのでこのまま衰退することはないと考えております。
 日本の小型株は流動性だけは難点ですが、積極的に海外展開をしたり画期的な新商品の開発、エコへの取り組みなどを成長戦略として取り組む企業への水面下での関心は高まっているものと期待されます。自らの力で成長できる中堅以下の企業を個人投資家は投資対象として注目しリスク分散しながら投資していくチャンスが到来しているものと考えられます。


【2010年はどうなる?】

 日本は技術立国で世界のリーダー的役割を担っていますが、少子高齢化で市場が縮小することは目に見えていますので拡大する市場を求めて製造と金融が一体となってグローバルな観点での積極的な活動を行う必要があります。
 この点で成功しているのはごく限られた企業ですが、製造業ではトヨタやホンダ、ソニー、パナソニックいったビッグなグローバル企業が活躍していますが、流通の分野でもファーストリテイリング(9983)に代表されるブランド企業が活躍しています。漫画・アニメといったコンテンツ産業やお寿しやラーメンに代表されます外食産業、世界中で和のテイストがもてはやされる時代となり様々な伝統産業が世界中で人気を呼びそうな状況ですので日本が再び見直される時期もやってくるでしょう。
 株式市場には日本の成長に対する失望感がある間はリスクマネーが寄り付こうとしませんが、成長のシナリオが描けるようになればリスクマネーがまた戻ってくると考えられます。

 2010年は上海万博の年であり、隣国中国での著しい経済発展が一段とクローズアップされることになるでしょうが、日本はこの間を耐えて世界のエコ技術のリーダーとしての存在価値を高めていくべきところです。
 政策の後押しは新春からの期待材料です。調整後の相場は決して悲観的なものではないことを心に抱きつつ、読者の皆様も年末までの調整相場を耐えて頂く必要がありそうです。

株式会社アイリス・ジャパン
代表取締役 松尾範久

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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老子と投資の王道

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 今回は、老子の第36章を題材に、投資の本質に迫ってみます。

36、将(まさ)にこれを歙(ちぢ)めん欲すれば、必らず固(しば)らくこれを張れ。

○もし、何かをちぢめたいと思うのなら、一度広げていっぱいまで大きくならせるに限る。

○相手を弱くしたいと思うのなら、しばらく強くさせて増長させるに限る。

○相手から何かを奪い取って自分の物にしたいのなら、しばらくの間こちらから施しを与えるに限る。

○頂上を上り詰めたものは、必らず下り坂を転げ落ちる。

○このように先を見通すことを<微明(びめい)>と言うが、柔らくて弱々しい者が、固くて強いものに勝つというのもその一つ。

○魚は深い水底にいてこそ安全であり、君主も役に立つ道具は深く懐に忍ばせて、むやみやたらに人に見せてはいけないのだ。

○イソップ童話のおだてられて腹を膨らませすぎて破裂してしまったかえる。

○ベンチャー企業経営者・芸能人などの多くが、腹を膨らませたかえる。


「投資の利益は≪忍耐≫に対するご褒美だ」とは、世界一の投資家ウォーレン・バフェトの言葉です。

 投資においては、時期が来るまで忍耐強く待たねばならない。本来のタイミングではないのに、売買を繰り返しても「労多くして実りが少ない」ものです。

 売買をすると、何か仕事をした気分になって自己満足をしてしまいます。しかし、大事なのは結果です。売買をして、損失を出すのなら何もしないほうがはるかにましです。

 また、投資対象の価格がなかなか上がらないことに待ちくたびれて、売却した次の瞬間からその投資商品の価格が急騰するというのもよくあることです。この場合も、あせって売却などせずに「何もしない」ほうがよかったという結果になります。

 一般的に、人間は「何もしない」でいると、怠けているような気分になってしまいます。特に、勤勉な日本人はこの傾向が強いでしょう。しかし、タイミングが外れた状態で「何かをする」ことによって結局手痛い打撃を受けます。

 確かに、何もしないでいることは人間にとって思いのほか苦痛です。

 たとえば、未来のチャンスを待つのは、先頭の見えない行列に並ぶようなものです。10分後に、たどりつけるのか、それとも1年間テントで暮らしながら待たなければならないのか、まったく見当がつきません。

 ですから、近道をしようとして列を抜け出したりします。しかし、最短距離に見えた道が、実は断崖絶壁に通じていて、そこでゲームオーバーになるケースをよく見受けます。

 実は、「何もしないでじっと待とう」とするには、強い精神力と不断の努力が必要なのです。そして、その努力なしには、投資で成功することができません。

 これは、ビジネスの世界でも同様です。毎日スケジュールを詰め込んで、そのため、面会時間にしばしば遅刻する人をよく見かけますが、そんな余裕のない状態では、せっかくの幸運がやってきてもつかむことができません。好機がやってきたら、そのチャンスを生かすことができるような余裕を常に持っておくことが、成功の秘訣です。

「果報は寝て待て」というのは、とても深い意味のある言葉です。


37、道は常に無為にして而(しか)も為さざるは無し。

○素朴で欲望が無い状態が最善。世界は平和になる。

○知識を得て、生きるために必要の無いものを望むようになって人間は不幸になった。

 確かに、「アダムとイブ」のリンゴの逸話のように、人間は知恵がつくたびにさらに不幸になっているのかもしれません・・・


★★AFPBBニューズ<大原浩の金融・経済地動説>の2008年2月8日の日記、<老子と投資>その1を、ご参照いただくと本文の内容をより深くご理解いただけると思います。
http://www.actiblog.com/ohara/52816

(OH)

*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/

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ブレークするかアスタキサンチンの未来

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 世界に類を見ないほどのスピードで進展する日本の高齢化。その中で、いつまでも若く元気でいきいきとした暮らしがしたいという欲求は、ほとんどの皆さんが持っています。私たちの暮らしの中にある健康へのニーズは過去から現在、未来に至るまで共通したテーマであります。
 健康と言うテーマで事業を営んでいる上場企業は数え切れないほどあるかと思いますが、皆さんが投資されている企業はどうでしょうか。
 医食同源という言葉で言われるように普段の食生活に健康の源があるとの発想で養命酒やカルピス、ヤクルトといった老舗の健康志向の食品メーカーだけではなく多くの食品メーカーが事業展開していますのでなかなか株式市場のメインテーマにはなりにくいのですが、そのテーマとなりうる素材は市場での認知度が高まったコエンザイムQ10のように存在しています。

 私が目下興味を持っている新素材は抗酸化作用が他の素材に比べて圧倒的に高いアスタキサンチンと呼ばれる機能性素材です。先日、このアスタキサンチンを製造している企業の社長を取材することができましたがようやくブレークしそうな予感がします。
 アスタキサンチン自体の発見は70年以上も前になりますので古くからその存在は知られていますが、Q10のような格好で市場での話題にはなってきませんでした。
 ただ、最近になって化粧品分野に新規参入した富士フィルムがアスタキサンチン配合の化粧品を発売しテレビCMで流していますので、メディアでも話題になりつつあるようです。本日はその特性と製造・販売会社をご紹介します。

1.アスタキサンチンとは

 皆さんはエビやカニの色が赤いのを普段何気なく見ておられるかと思いますがあの色こそアスタキサンチンの色なのです。鮭やイクラ、鯛なども赤みがありますが、これらはすべて海中の微細な藻が生合性した赤橙色の色素成分でありますアスタキサンチンをプランクトンやオキアミが摂取し、それをエビやカニが餌として食べたことによってもたらされています。

 その研究が進むにつれて、アスタキサンチンには極めて有用な特性があることが次々に明らかにされてきています。その結果、アスタキサンチンは新たな機能性食品や飲料、あるいは化粧品の素材として様々な分野に用いられ市場での注目度もアップしてきています。

2.次のトレンドはアスタキサンチンか?

 心臓病のクスリとして使われてきたコエンザイムQ10(別名ユビキノン)はアンチエイジング効果が認められてサプリメントや化粧品に使われるようになって既に一般的な機能性素材となっていますが、それに勝るとも劣らない機能性素材となりそうなのが、このアスタキサンチンです。アスタキサンチンには毎日わずか数mgの摂取で以下のような様々な特性と効果が期待されるようになってきました。

1)抗酸化作用
 a)一重項酸素消去活性
 紫外線照射による皮膚がんの発生を促す一重項酸素を消去する機能が確認されています。その効果は代表的抗酸化物質であるビタミンEの100倍、βカロテンの10倍と言われています。

 b)脂質過酸化抑制作用
 老化が進む原因の一つと言われる脂質過酸化反応を阻害する効果がラットの試験で確認されており、その効果はビタミンEの約1000倍と報告されています。

2)肌の老化抑制

 アスタキサンチンを肌外用剤に添付することで日焼け防止、メラミン生成抑制によるシミ防止、弾力性の向上、小じわに減少などに効果があるという報告があります。
 このほかアスタキサンチンには眼精疲労・筋肉疲労の改善作用、免疫機能の向上、糖尿病性症候群の抑制作用及びその予防、抗炎症、抗ピロリ、動脈硬化の予防などの機能が報告されています。
 化粧品などに配分されます成分としてまだこのアスタキサンチンはコエンザイムQ10に比べればまだ普及していない状況ですが、次世代の機能性素材としてメーカーの供給体制が整いつつあり、一部大手企業での採用が見られますので、きっかけ次第では近い将来、サプリメントや化粧品市場で話題になると考えられます。

3.参入企業

 コエンザイムQ10の場合はカネカ、協和発酵、日清製粉、旭化成、三菱ガス化学の日本の大企業5社で世界シェアを独占しているとのことですが、このうちカネカが最大手で過半数のシェアを占めています。
 研究中の企業はともかくアスタキサンチンの製造企業は先駆した富士化学工業(未上場)についでバイオジェニック(荏原実業の子会社)、それに続くヤマハ発動機(7272)とQ10とはやや毛並みが違っています。
 生産工程はいずれも自然界で最も豊富にアスタキサンチンを含有する微細藻類であります「ヘマトコッカス藻」を大量培養して濃縮・乾燥させそこからオイルを抽出して自社のサプリメント製品や化粧品などの最終製品メーカーに出荷するという流れです。
 私が訪問したバイオジェニック社は環境機器メーカーである荏原実業(6328)の連結子会社ですが、先行投資を相当にかけながら今日に至っているようです。同社の場合は2005年8月に中国雲南省の昆明にある100%子会社の工場(敷地面積6万m2)でヘマトコッカス藻を100%太陽光で培養生産。それを乾燥バイオマスとして日本に運び、日本の協力工場で抽出しおよそ3つの製品(オイル、エマルジョン、水溶化パウダー)として出荷しています。石鹸や化粧品として使われている実績もあり、今後一般食品、健康食品、栄養補助食品、飲料、化粧品などに提供する計画です。同社の製品は他社に比べてコスト面で優れているとのことで、本格普及の入り口に立つ中でかなり優位なポジションにあると評価されます。(更に詳細をお知りになりたい場合は弊社有料メルマガをご購読下さい。)

【主な機能性食品・化粧品素材メーカー】

・ファーマフーズ(2929・マザーズ)
 バイオベンチャー、ギャバや葉酸卵が収益の柱。先週、高純度抗インフルエンザ鶏卵抗体を大量生産する技術を確立したとして株価ストップ高を演じる。
 時価:24860円 時価総額:14.6億円

・太陽化学(2902・名証2部)
 R&D型食品素材メーカー。鶏卵加工製品が主力。機能性アミノ酸、緑茶カテキンなど機能性素材を国内外で製造販売。
 時価:778円 時価総額:183億円

・荏原実業(6328)
 水処理装置などのエコ関連企業だが子会社バイオジェニックでアスタキサンチンを培養製造。事業進捗の遅れが見られたが日水と業務提携をし、事業拡大を図る。
 時価:1124円 時価総額:75億円

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億の近道2009/11/30

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投資情報メールマガジン                   2009/11/30

             イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
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【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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             −本日の目次−
     (本日の担当:松尾範久&グルメ投資家おーちゃん)

  ◆コラム「相場展望 日経平均は下値模索の段階」:松尾範久
  ◆コラム「老子と投資の王道」:グルメ投資家おーちゃん
  ◆コラム「ブレークするかアスタキサンチンの未来」:松尾範久

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◆お知らせ◆

 億の近道10周年記念イベントセミナーは、おかげさまで満席によりお申し
込みを締め切りさせていただきました。たくさんのお申し込み、ありがとうご
ざいました。
※当日券の用意はございませんのでご了承下さい。

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◆コラム「相場展望 日経平均は下値模索の段階」

〜混乱を経て再浮上を伺うタイミングが接近〜

 景気の2番底懸念が懸念される中で円高の進展、ドバイ発金融不安の再燃か
ら日経平均は調整色を一気に強めていますが、とりわけ日本の株式相場は海外
市場に比べ弱さが目につきます。民主党新政権下での事業仕分け作業による無
駄な予算カットによる混乱が生じていて、それが雇用不安に金融不安、先行き
の不透明さにつながり日経平均が7000円をつけた時期に似てきています。
 当時と異なるのは海外の株価がまだ比較的堅調なことです。このためにまだ
9000円台をかろうじて維持はしていますが、TOPIXを見ますとほぼ2
番底の形になってきています。各指数をそろそろチェックしておきたいところ
です。

【各指数の動向】比較は前年同月比

1.日経平均

 07年の高値:18300円(2月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:33%
 07年12月 15307円
 08年 3月 12525円
 08年 9月 11259円
 08年12月  8859円 ▲42.1%
 09年 3月  8109円 ▲35.3% 最安値7021円(3月)
 09年 9月 10133円 ▲10.0% 高値10767円(8月)
 09年11月27日 9081円 8月高値からの下落率15.7%
 09年最安値から高値までの上昇率 53.4%


2.TOPIX

 07年の高値:1823.89(2月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:25.7%
 07年12月 1475.68
 08年 3月 1212.96
 08年 9月 1087.41
 08年12月  859.24 ▲41.8%
 09年 3月  773.66 ▲36.2% 最安値698.46(3月)
 09年 9月  909.84 ▲16.3% 高値987.27(8月)
 09年11月27日 811.01 8月高値からの下落率17.9%
 09年最安値から高値までの上昇率 41.3%


 日本の代表的な主要銘柄225で構成されています日経平均は安値からの値
上がり率がTOPIXより大きかった割にここに来ての値下がり率は小さい状
況が見られます。これは本年の株式相場が主力銘柄に偏っていたためだと推察
されます。特に直近はファーストリテイリング(9983)が上昇し相場を牽
引していることが影響しています。
 今後も機関投資家は指数をアウトパフォームするために銘柄の入れ替えを行
い、より業績の向上期待の高い銘柄に比重を置くことが想定されますので銘柄
が厳選されるものと考えられます。
 個人投資家も流動性を勘案してこうした指数連動銘柄の中でより成果を高め
ることのできそうな銘柄を選定して投資されることが重要になります。


3.JASDAQ

 06年の最高値:142.87(1月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:12.7%
 07年12月 72.17
 08年 3月 64.52
 08年 9月 52.37
 08年12月 48.20 ▲33.2%
 09年 3月 41.04 ▲36.4% 最安値37.59(3月)
 09年 9月 49.72 ▲5.1%   高値50.92(9月)
 09年11月27日45.06 9月高値からの下落率 11.5%
 09年最安値から高値までの上昇率 35.5%

 JASDAQ平均に代表されます小型株指数は06年の頭をピークに長期に
わたり値下がりしてきていますので07年12月と比べた値下がり率は日経平
均よりも多少は小さいのですが、今年の安値からの上昇率も小さい状況です。
 06年のライブドア事件から株式市場における主役の座を主力大型株に奪わ
れてきた経緯があり、まだこの先も状況は厳しいと考えられますが、この小型
株の中で継続的な成長性が維持できるとみなされる銘柄には大きな成果がもた
らされる可能性を秘めています。宝くじに当たる感覚での投資にならざるを得
ませんが、個人投資家にとってはやや投機性が強い市場で来年を迎えたいとの
皆さんにはこの水準を十分に認識して頂き、銘柄の選定にあたって頂く必要が
あります。
 ピークから3年を経過し、低迷を続けてきたJASDAQ等の小型株指数が
いよいよ2010年は過去のサイクルから見れば上昇トレンドに入る可能性も
ありますので国の政策に乗るような銘柄を中心に人気銘柄が登場する予感があ
ります。


4.NYダウ

 07年の最高値:14279(10月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:51.4%
 07年12月 13264
 08年 3月 12262
 08年 9月 10850
 08年12月  8776 ▲33.8%
 09年 3月  7608 ▲38.0% 最安値6440円(3月)
 09年 9月  9712 ▲10.5% 高値10471(11月)
 09年11月27日10309 11月高値からの下落率 1.5%
 09年最安値から高値までの上昇率 62.6%

 3月のボトムからの値上がり率は60%を超えています。日本との違いが指
数上に鮮明に現れています。これだけ見ればいかに日本が体たらくしているか
がわかります。
 今後はアジア株との連動の中でメジャー市場のシンボルたるNY株とアジア
ローカル市場の色彩が強くなっている日本株の二極化が続くものと推察されま
す。


5.香港ハンセン

 07年の最高値:31958(10月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:58.4%
 07年12月 27812
 08年 3月 22849
 08年 9月 18016
 08年12月 14387 ▲48.3%
 09年 3月 13576 ▲40.6%最安値10676(08年10月)
 09年 9月 20955 +16.3% 高値23099(09年11月)
 09年11月27日 21134  11月高値からの下落率 8.5%
 09年最安値から高値までの上昇率 +116.4%


6.上海総合指数

 07年の最高値:6124(10月)
 ボトムから直近高値までの戻り率:40.7%
 07年12月 5261
 08年 3月 3472
 08年 9月 2293
 08年12月 1820 ▲65.4%
 09年 3月 2373 ▲31.7% 最安値1664(08年10月)
 09年 9月 2779 +21.2% 高値3478(09年8月)
 09年11月27日 3096  8月高値からの下落率 11.0%
 09年最安値から高値までの上昇率 +109.0%

 香港市場も上海市場も似たような動きをしていますが、最近の特徴は香港市
場が比較的堅調だということです。これは中国本土のカントリーリスクのせい
かも知れませんが、国際金融センターとして香港が有している重要性が増して
いることを表しているものと思われます。日本企業が香港市場に上場しようと
する動きも今後は加速する可能性があります。大市場を背景にした香港市場は
先進国と中国をつなぐ役割を担っていると見て良いでしょう。
 短期的には世界の株式市場の弱さが両市場に若干影響することもありますが、
むしろこれらが日本市場に成り代わって世界の株式市場を牽引するという認識
を持ちたいところです。


【戻り率比較】

 グローバルな観点でここ3年程度の株価の変動を指数で比べると直近の高値
からボトムまでの値下がりに対して直近の高値までどのぐらい戻ったかを比較
すれば最も戻ったのは香港ハンセンで58%、ついでNYダウの51%、その
次が上海の41%となり、日経平均は33%、TOPIXは26%となってい
て日本株の戻りが鈍いことが明らかです。
 少子高齢化に突入した日本経済に見切りをつけ海外の成長性に着目したお金
の流れが始まっていると考えて良いかと思われます。
 とりわけ日本の小型株指数であるJASDAQ指数の低迷が際立っておりま
すが、これはもはや海外投資家からまったく見向きもされなくなった証拠と言
えるでしょう。それでも日本にも成長指向の銘柄は必ず存在しますし、海外投
資家が技術力のある企業に投資する事例もありますのでこのまま衰退すること
はないと考えております。
 日本の小型株は流動性だけは難点ですが、積極的に海外展開をしたり画期的
な新商品の開発、エコへの取り組みなどを成長戦略として取り組む企業への水
面下での関心は高まっているものと期待されます。自らの力で成長できる中堅
以下の企業を個人投資家は投資対象として注目しリスク分散しながら投資して
いくチャンスが到来しているものと考えられます。


【2010年はどうなる?】

 日本は技術立国で世界のリーダー的役割を担っていますが、少子高齢化で市
場が縮小することは目に見えていますので拡大する市場を求めて製造と金融が
一体となってグローバルな観点での積極的な活動を行う必要があります。
 この点で成功しているのはごく限られた企業ですが、製造業ではトヨタやホ
ンダ、ソニー、パナソニックいったビッグなグローバル企業が活躍しています
が、流通の分野でもファーストリテイリング(9983)に代表されるブラン
ド企業が活躍しています。漫画・アニメといったコンテンツ産業やお寿しやラ
ーメンに代表されます外食産業、世界中で和のテイストがもてはやされる時代
となり様々な伝統産業が世界中で人気を呼びそうな状況ですので日本が再び見
直される時期もやってくるでしょう。
 株式市場には日本の成長に対する失望感がある間はリスクマネーが寄り付こ
うとしませんが、成長のシナリオが描けるようになればリスクマネーがまた戻
ってくると考えられます。

 2010年は上海万博の年であり、隣国中国での著しい経済発展が一段とク
ローズアップされることになるでしょうが、日本はこの間を耐えて世界のエコ
技術のリーダーとしての存在価値を高めていくべきところです。
 政策の後押しは新春からの期待材料です。調整後の相場は決して悲観的なも
のではないことを心に抱きつつ、読者の皆様も年末までの調整相場を耐えて頂
く必要がありそうです。

株式会社アイリス・ジャパン
代表取締役 松尾範久

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「老子と投資の王道」

 今回は、老子の第36章を題材に、投資の本質に迫ってみます。

36、将(まさ)にこれを歙(ちぢ)めん欲すれば、必らず固(しば)らくこ
   れを張れ。

○もし、何かをちぢめたいと思うのなら、一度広げていっぱいまで大きくなら
せるに限る。

○相手を弱くしたいと思うのなら、しばらく強くさせて増長させるに限る。

○相手から何かを奪い取って自分の物にしたいのなら、しばらくの間こちらか
ら施しを与えるに限る。

○頂上を上り詰めたものは、必らず下り坂を転げ落ちる。

○このように先を見通すことを<微明(びめい)>と言うが、柔らくて弱々し
い者が、固くて強いものに勝つというのもその一つ。

○魚は深い水底にいてこそ安全であり、君主も役に立つ道具は深く懐に忍ばせ
て、むやみやたらに人に見せてはいけないのだ。

○イソップ童話のおだてられて腹を膨らませすぎて破裂してしまったかえる。

○ベンチャー企業経営者・芸能人などの多くが、腹を膨らませたかえる。


「投資の利益は≪忍耐≫に対するご褒美だ」とは、世界一の投資家ウォーレン・
バフェトの言葉です。

 投資においては、時期が来るまで忍耐強く待たねばならない。本来のタイミ
ングではないのに、売買を繰り返しても「労多くして実りが少ない」ものです。

 売買をすると、何か仕事をした気分になって自己満足をしてしまいます。し
かし、大事なのは結果です。売買をして、損失を出すのなら何もしないほうが
はるかにましです。

 また、投資対象の価格がなかなか上がらないことに待ちくたびれて、売却し
た次の瞬間からその投資商品の価格が急騰するというのもよくあることです。
この場合も、あせって売却などせずに「何もしない」ほうがよかったという結
果になります。

 一般的に、人間は「何もしない」でいると、怠けているような気分になって
しまいます。特に、勤勉な日本人はこの傾向が強いでしょう。しかし、タイミ
ングが外れた状態で「何かをする」ことによって結局手痛い打撃を受けます。

 確かに、何もしないでいることは人間にとって思いのほか苦痛です。

 たとえば、未来のチャンスを待つのは、先頭の見えない行列に並ぶようなも
のです。10分後に、たどりつけるのか、それとも1年間テントで暮らしなが
ら待たなければならないのか、まったく見当がつきません。

 ですから、近道をしようとして列を抜け出したりします。しかし、最短距離
に見えた道が、実は断崖絶壁に通じていて、そこでゲームオーバーになるケー
スをよく見受けます。

 実は、「何もしないでじっと待とう」とするには、強い精神力と不断の努力
が必要なのです。そして、その努力なしには、投資で成功することができませ
ん。

 これは、ビジネスの世界でも同様です。毎日スケジュールを詰め込んで、そ
のため、面会時間にしばしば遅刻する人をよく見かけますが、そんな余裕のな
い状態では、せっかくの幸運がやってきてもつかむことができません。好機が
やってきたら、そのチャンスを生かすことができるような余裕を常に持ってお
くことが、成功の秘訣です。

「果報は寝て待て」というのは、とても深い意味のある言葉です。


37、道は常に無為にして而(しか)も為さざるは無し。

○素朴で欲望が無い状態が最善。世界は平和になる。

○知識を得て、生きるために必要の無いものを望むようになって人間は不幸に
なった。

 確かに、「アダムとイブ」のリンゴの逸話のように、人間は知恵がつくたび
にさらに不幸になっているのかもしれません・・・


★★AFPBBニューズ<大原浩の金融・経済地動説>の2008年2月8日
の日記、<老子と投資>その1を、ご参照いただくと本文の内容をより深くご
理解いただけると思います。
http://www.actiblog.com/ohara/52816

(OH)

*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/

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【お知らせ】

1.アクティブシニア向け情報誌「百歳万歳」について
 日本で唯一の元気なシニア層向け雑誌「百歳万歳」(月刊誌で購読料は1部
660円、年間6600円)の見本誌11月号を希望者の皆さんにお送りします。
60歳以上の皆さんに大好評の趣味と健康をテーマにした雑誌です。
ご希望の方は下記にお問い合わせ下さい。
http://www.100sai.co.jp
info@100sai.co.jp

2.株式・企業情報メルマガについて
 長寿社会の資産運用ライフスタイルは未来に成長する企業を見出し、長期ス
タンスで投資すること。株式相場の流れを理解し、ご自身のオリジナリティあ
るポートフォリオを構築するためのサポートができればと弊社は長年メールマ
ガジンを配信させて頂いております。タイトルは「株知道」。ついては皆様の
購読申し込みを受け付けておりますので宜しくお願い申しげます。
 ご購読のお申し込みは下記のアドレスまでお願い申し上げます。直近の見本
メルマガをお送りしますので宜しくお願いします。

(株)アイリスジャパン 有料コンテンツ係
mag@irisjapan.co.jp

株式会社アイリス・ジャパン
代表取締役 松尾範久

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◆コラム「ブレークするかアスタキサンチンの未来」

 世界に類を見ないほどのスピードで進展する日本の高齢化。その中で、いつ
までも若く元気でいきいきとした暮らしがしたいという欲求は、ほとんどの皆
さんが持っています。私たちの暮らしの中にある健康へのニーズは過去から現
在、未来に至るまで共通したテーマであります。
 健康と言うテーマで事業を営んでいる上場企業は数え切れないほどあるかと
思いますが、皆さんが投資されている企業はどうでしょうか。
 医食同源という言葉で言われるように普段の食生活に健康の源があるとの発
想で養命酒やカルピス、ヤクルトといった老舗の健康志向の食品メーカーだけ
ではなく多くの食品メーカーが事業展開していますのでなかなか株式市場のメ
インテーマにはなりにくいのですが、そのテーマとなりうる素材は市場での認
知度が高まったコエンザイムQ10のように存在しています。

 私が目下興味を持っている新素材は抗酸化作用が他の素材に比べて圧倒的に
高いアスタキサンチンと呼ばれる機能性素材です。先日、このアスタキサンチ
ンを製造している企業の社長を取材することができましたがようやくブレーク
しそうな予感がします。
 アスタキサンチン自体の発見は70年以上も前になりますので古くからその
存在は知られていますが、Q10のような格好で市場での話題にはなってきま
せんでした。
 ただ、最近になって化粧品分野に新規参入した富士フィルムがアスタキサン
チン配合の化粧品を発売しテレビCMで流していますので、メディアでも話題
になりつつあるようです。本日はその特性と製造・販売会社をご紹介します。

1.アスタキサンチンとは

 皆さんはエビやカニの色が赤いのを普段何気なく見ておられるかと思います
があの色こそアスタキサンチンの色なのです。鮭やイクラ、鯛なども赤みがあ
りますが、これらはすべて海中の微細な藻が生合性した赤橙色の色素成分であ
りますアスタキサンチンをプランクトンやオキアミが摂取し、それをエビやカ
ニが餌として食べたことによってもたらされています。

 その研究が進むにつれて、アスタキサンチンには極めて有用な特性があるこ
とが次々に明らかにされてきています。その結果、アスタキサンチンは新たな
機能性食品や飲料、あるいは化粧品の素材として様々な分野に用いられ市場で
の注目度もアップしてきています。

2.次のトレンドはアスタキサンチンか?

 心臓病のクスリとして使われてきたコエンザイムQ10(別名ユビキノン)
はアンチエイジング効果が認められてサプリメントや化粧品に使われるように
なって既に一般的な機能性素材となっていますが、それに勝るとも劣らない機
能性素材となりそうなのが、このアスタキサンチンです。アスタキサンチンに
は毎日わずか数mgの摂取で以下のような様々な特性と効果が期待されるよう
になってきました。

1)抗酸化作用
 a)一重項酸素消去活性
 紫外線照射による皮膚がんの発生を促す一重項酸素を消去する機能が確認さ
 れています。その効果は代表的抗酸化物質であるビタミンEの100倍、β
 カロテンの10倍と言われています。

 b)脂質過酸化抑制作用
 老化が進む原因の一つと言われる脂質過酸化反応を阻害する効果がラットの
 試験で確認されており、その効果はビタミンEの約1000倍と報告されて
 います。

2)肌の老化抑制

 アスタキサンチンを肌外用剤に添付することで日焼け防止、メラミン生成抑
制によるシミ防止、弾力性の向上、小じわに減少などに効果があるという報告
があります。
 このほかアスタキサンチンには眼精疲労・筋肉疲労の改善作用、免疫機能の
向上、糖尿病性症候群の抑制作用及びその予防、抗炎症、抗ピロリ、動脈硬化
の予防などの機能が報告されています。
 化粧品などに配分されます成分としてまだこのアスタキサンチンはコエンザ
イムQ10に比べればまだ普及していない状況ですが、次世代の機能性素材と
してメーカーの供給体制が整いつつあり、一部大手企業での採用が見られます
ので、きっかけ次第では近い将来、サプリメントや化粧品市場で話題になると
考えられます。

3.参入企業

 コエンザイムQ10の場合はカネカ、協和発酵、日清製粉、旭化成、三菱ガ
ス化学の日本の大企業5社で世界シェアを独占しているとのことですが、この
うちカネカが最大手で過半数のシェアを占めています。
 研究中の企業はともかくアスタキサンチンの製造企業は先駆した富士化学工
業(未上場)についでバイオジェニック(荏原実業の子会社)、それに続くヤ
マハ発動機(7272)とQ10とはやや毛並みが違っています。
 生産工程はいずれも自然界で最も豊富にアスタキサンチンを含有する微細藻
類であります「ヘマトコッカス藻」を大量培養して濃縮・乾燥させそこからオ
イルを抽出して自社のサプリメント製品や化粧品などの最終製品メーカーに出
荷するという流れです。
 私が訪問したバイオジェニック社は環境機器メーカーである荏原実業(63
28)の連結子会社ですが、先行投資を相当にかけながら今日に至っているよ
うです。同社の場合は2005年8月に中国雲南省の昆明にある100%子会
社の工場(敷地面積6万m2)でヘマトコッカス藻を100%太陽光で培養生産。
それを乾燥バイオマスとして日本に運び、日本の協力工場で抽出しおよそ3つ
の製品(オイル、エマルジョン、水溶化パウダー)として出荷しています。石
鹸や化粧品として使われている実績もあり、今後一般食品、健康食品、栄養補
助食品、飲料、化粧品などに提供する計画です。同社の製品は他社に比べてコ
スト面で優れているとのことで、本格普及の入り口に立つ中でかなり優位なポ
ジションにあると評価されます。(更に詳細をお知りになりたい場合は弊社有
料メルマガをご購読下さい。)

【主な機能性食品・化粧品素材メーカー】

・ファーマフーズ(2929・マザーズ)
 バイオベンチャー、ギャバや葉酸卵が収益の柱。先週、高純度抗インフルエ
ンザ鶏卵抗体を大量生産する技術を確立したとして株価ストップ高を演じる。
 時価:24860円 時価総額:14.6億円

・太陽化学(2902・名証2部)
 R&D型食品素材メーカー。鶏卵加工製品が主力。機能性アミノ酸、緑茶カ
テキンなど機能性素材を国内外で製造販売。
 時価:778円 時価総額:183億円

・荏原実業(6328)
 水処理装置などのエコ関連企業だが子会社バイオジェニックでアスタキサン
チンを培養製造。事業進捗の遅れが見られたが日水と業務提携をし、事業拡大
を図る。
 時価:1124円 時価総額:75億円

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代表取締役 松尾範久

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りになっております。現在、最新〜2005年1月分まで掲載しておりますが、
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Green Build 2009

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JUGEMテーマ:ビジネス


 LEED (Leadership in Energy and Environmental Design) のコンベンションで、連邦政府内のUSGBC (United States Green Building Council) が主催するGreen Build 2009という環境系イベントが、アリゾナ州フェニックス市のコンベンションセンターで11月11日〜13日の3日間開催された。3日間とも参加させて頂いたが、世界中から人々が集まっており、不況を全く感じさせない集まりで活気に満ち溢れていた。

 日本企業の出展ブースが少なかった事は残念であるが、本会場で環境系ビジネスが今後の潮流になる事を再認識した。確実に世界のトレンドは環境系ビジネスを足掛かりに不況から脱しようとしている。

 このような環境下で、日本は事業仕分けや行政執行の透明化などばかりに注力され、肝心の国家戦略や景気対策という面においては具体性が全くない状況である。完全に世界から取り残されている。このような状態では海外投資家の日本市場へのイメージはますます悪化し、資金流出しても仕方がない。租税協定、自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)等々、他にもやる事は多々あるのではないかと考えてしまう。

 環境分野では現状、世界的な技術レベルを持つ企業が日本には多数ある。しかし、環境系ビジネストレンドが変わった今では、技術革新速度が世界的に大幅に上がっているのでいつ追い抜かれてもおかくしはない。日本の技術にプレミアムがある間に早く海外展開するべきだと思う。
 ドル円の為替レートが84円台に突入してしまった今、輸出企業にとっては大打撃であると思うが、このような中でも中長期的な戦略等をもって行動してもらいたい。またその援護射撃としても政府にも為替に関するアクションを示して貰いたい。果たして今の民主党にそれができるだろうか。

 11月6日発表された10月の雇用統計で、失業率が前月に比べて0.4ポイント上昇し10.2%となった。1983年4月以来26年半ぶりの水準となり、非農業部門の雇用者数は19万人減少した。
 このような状況下で失業率上昇に歯止めがきかなくなるとの予想が多いが、今回の米国出張で私が感じた印象は違う。多くの経営者は確かに足元の経営環境は悪く、金融セクターの痛みは激しく、不動産部門のもう一段の落ち込みはあるかもしれないが、確実に米国経済は回復に向かっているという力強いコメントを頂いた。
 また雇用統計は遅行指標である為、これ以上の悪化は考えにくいというのが大方の見方であった。幅広い業種の方がそのように話されており、私も実際にいくつかの施設を見て回ったが稼働状況も良かったので、私の実感でも米国は確実に回復への道に進んでいると考える。

 冒頭で記載頂いた環境系ビジネスを軸に、米国は次なる戦略を確実に描いているこの動向については注視していくべきだろう。

(番頭さん)

【筆者プロフィール】
 大学卒業後、某都市銀行勤務、某外資銀行勤務を経て独立。専門は個人富裕層業務。
 幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。

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グローバル投資のポイント(162)

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■ドバイショックではない今回のドル円下落■

 昨日、本日とドル円が大きく下落しています。11月26日の為替市場では、ドル円レートが86円29銭を記録し、14年4カ月ぶりの水準まで下落しました。この日は、米国が感謝祭(休日)だったこともあり、取引が薄くなることを見越した投機的な取引が相場を大きく動かしたようです。

 翌日(27日)もドル円は下落します。午前8時過ぎからドル円の下落スピードは加速し、一時84円82銭と、あっさりと85円のラインを割り込みました。その後、藤井財務相が為替介入について踏み込んだ発言をしたことから、ドルを買い戻す動きが強まり、86円を回復する水準までドル円は戻っています。

 今回のドル円の動きを「ドバイショック」と称する方もいらっしゃるようです。ドバイショックとは、ドバイ政府の持ち株会社「ドバイ・ワールド」が、債権者に総額590億ドル(約5兆円)の債務の繰り延べを求めることが発表され、金融市場に影響を及ぼした、というものです。債務の大きさが巨額なだけでなく、ドバイが、中東の金融センターとして急発展してきた象徴的な場所であったことも、「ショック」と名づけられる所以なのかもしれません。

 ただ、ドバイ・ワールドの件で、ドバイから出資を受けていた企業の株や、ドバイへの融資を積み上げていた銀行の株が売られたとしても、ドバイ・ワールドの影響でドル円が下落した、というのは、やや無理があるロジックかと思われます。

 おそらく、ドバイ・ワールドの件とドル円の動きをリンクさせようとしている方は、ドバイ・ワールドの件で市場の不安心理が高まったと「解説」されるのかもしれません。しかし、昨年の金融危機でも、市場の不安心理は高まりましたが、金融機関はドル資金の手当てを強めたため、ドルは(一時的でしたが)上昇しました。

 ドバイ・ワールドの場合も、債務繰り延べが実施されるとすれば、ドバイ・ワールドの債務がドル建てである以上、ドル資金を手当てするニーズが高まるはずです。それにもかかわらずドル円が下落したのは、ドバイ・ワールドに関連したドル需要の高まりよりも、ドバイ・ワールドの件をきっかけに、ドル安の流れが後押しされたため、と考えるべきでしょう。

 米国のバランスシート調整を背景に、米国は日本と同じようなデフレ構造に入っており、米国の短期金利は、日本を下回る低水準になっています。米国の低金利は、今後も続く可能性が高く、ドルの上値を抑える展開が続くと思われます。今回のドル円の動きは大きかったですが、それを特定のニュースによる一時的なものと考えるよりも、今後も続くであろうドル安の流れが、目立った形で出てきたもの、と考えたほうが合理的な気がします。

村田雅志(むらた・まさし)
(FXCMジャパン・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。
2005年9月にGCIキャピタル・チーフエコノミスト。
2009年4月より専修大学客員教授。
2009年6月より現職。

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億の近道2009/11/27

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■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                   2009/11/27

              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
        (本日の担当:番頭さん&村田雅志)

    ◆億近10周年セミナーイベント・残席わずか!
    ◆コラム「Green Build 2009」:番頭さん
    ◆コラム「グローバル投資のポイント(162)」:村田 雅志

===================================

◆お知らせ◆

億近10周年セミナーイベントは、おかげさまで、あと若干席を残すのみとなり
ました。11月末で申込みを締め切り致しますので、参加ご希望の方はお急ぎ
下さい。

当日はミニセミナーとパネルディスカッションを開催いたします。
それぞれの内容は以下の通りです。

1.山口揚平氏ミニセミナー
 「会社の”ステージ”が変わるタイミングに投資する手法について」

 ビジネスモデルの変化や、企業再生の開始など、企業の変化を察知して投資
に役立てるというものです。参加者に非常に有益な内容をお話しいただけると
思います。是非ご期待下さい。


2.山本潤氏ミニセミナー
 企業分析の手法「勝ち組企業と負け組企業との見分け方」

株式市場が低調な今こそ、しっかり手法を身につけておきたいものです。
企業の見極めが出来れば、市場回復時にパフォーマンスをもたらしてくれる
ことでしょう。


3.パネルディスカッション

 <パネラー>
 山本潤氏(水曜日執筆者)
 山口揚平氏
 大原浩氏(月曜日執筆者)
 渡辺直行氏(火曜日執筆者)
 生涯遊人/YEN蔵(木曜日執筆者)
 番頭さん(金曜日執筆者)(予定)


日時:12月5日(土) 開場13:30 開始13:45
場所:新宿NSビル30階
会費:10,000円
備考:セミナー終了後、懇親会開催予定(別途実費)

以下のページより申込み下さい。残席わずかです。
皆様のご参加をお待ちいたしております。

なお、定員に達した場合受付を予告無く終了することがありますのであらかじめ
ご了承下さい。

お申し込みページ:http://www.iforum.jp/semi006.htm

※当日券の用意はございません。事前お申し込み無しで会場においでいただい
 ても入場できませんので、ご了承下さい。

===================================

◆コラム「Green Build 2009」

 LEED (Leadership in Energy and Environmental Design) のコンベン
ションで、連邦政府内のUSGBC (United States Green Building Council)
が主催するGreen Build 2009という環境系イベントが、アリゾナ州フェニック
ス市のコンベンションセンターで11月11日〜13日の3日間開催された。
3日間とも参加させて頂いたが、世界中から人々が集まっており、不況を全く
感じさせない集まりで活気に満ち溢れていた。

 日本企業の出展ブースが少なかった事は残念であるが、本会場で環境系ビジ
ネスが今後の潮流になる事を再認識した。確実に世界のトレンドは環境系ビジ
ネスを足掛かりに不況から脱しようとしている。

 このような環境下で、日本は事業仕分けや行政執行の透明化などばかりに注
力され、肝心の国家戦略や景気対策という面においては具体性が全くない状況
である。完全に世界から取り残されている。このような状態では海外投資家の
日本市場へのイメージはますます悪化し、資金流出しても仕方がない。租税協
定、自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)等々、他にもやる事は
多々あるのではないかと考えてしまう。

 環境分野では現状、世界的な技術レベルを持つ企業が日本には多数ある。し
かし、環境系ビジネストレンドが変わった今では、技術革新速度が世界的に大
幅に上がっているのでいつ追い抜かれてもおかくしはない。日本の技術にプレ
ミアムがある間に早く海外展開するべきだと思う。
 ドル円の為替レートが84円台に突入してしまった今、輸出企業にとっては
大打撃であると思うが、このような中でも中長期的な戦略等をもって行動して
もらいたい。またその援護射撃としても政府にも為替に関するアクションを示
して貰いたい。果たして今の民主党にそれができるだろうか。

 11月6日発表された10月の雇用統計で、失業率が前月に比べて0.4ポ
イント上昇し10.2%となった。1983年4月以来26年半ぶりの水準と
なり、非農業部門の雇用者数は19万人減少した。
 このような状況下で失業率上昇に歯止めがきかなくなるとの予想が多いが、
今回の米国出張で私が感じた印象は違う。多くの経営者は確かに足元の経営環
境は悪く、金融セクターの痛みは激しく、不動産部門のもう一段の落ち込みは
あるかもしれないが、確実に米国経済は回復に向かっているという力強いコメ
ントを頂いた。
 また雇用統計は遅行指標である為、これ以上の悪化は考えにくいというのが
大方の見方であった。幅広い業種の方がそのように話されており、私も実際に
いくつかの施設を見て回ったが稼働状況も良かったので、私の実感でも米国は
確実に回復への道に進んでいると考える。

 冒頭で記載頂いた環境系ビジネスを軸に、米国は次なる戦略を確実に描いて
いるこの動向については注視していくべきだろう。

(番頭さん)

【筆者プロフィール】
 大学卒業後、某都市銀行勤務、某外資銀行勤務を経て独立。専門は個人富裕
層業務。
 幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
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◆コラム「グローバル投資のポイント(162)」

■ドバイショックではない今回のドル円下落■

 昨日、本日とドル円が大きく下落しています。11月26日の為替市場では、
ドル円レートが86円29銭を記録し、14年4カ月ぶりの水準まで下落しま
した。この日は、米国が感謝祭(休日)だったこともあり、取引が薄くなるこ
とを見越した投機的な取引が相場を大きく動かしたようです。

 翌日(27日)もドル円は下落します。午前8時過ぎからドル円の下落スピ
ードは加速し、一時84円82銭と、あっさりと85円のラインを割り込みま
した。その後、藤井財務相が為替介入について踏み込んだ発言をしたことから、
ドルを買い戻す動きが強まり、86円を回復する水準までドル円は戻っていま
す。

 今回のドル円の動きを「ドバイショック」と称する方もいらっしゃるようで
す。ドバイショックとは、ドバイ政府の持ち株会社「ドバイ・ワールド」が、
債権者に総額590億ドル(約5兆円)の債務の繰り延べを求めることが発表
され、金融市場に影響を及ぼした、というものです。債務の大きさが巨額なだ
けでなく、ドバイが、中東の金融センターとして急発展してきた象徴的な場所
であったことも、「ショック」と名づけられる所以なのかもしれません。

 ただ、ドバイ・ワールドの件で、ドバイから出資を受けていた企業の株や、
ドバイへの融資を積み上げていた銀行の株が売られたとしても、ドバイ・ワー
ルドの影響でドル円が下落した、というのは、やや無理があるロジックかと思
われます。

 おそらく、ドバイ・ワールドの件とドル円の動きをリンクさせようとしてい
る方は、ドバイ・ワールドの件で市場の不安心理が高まったと「解説」される
のかもしれません。しかし、昨年の金融危機でも、市場の不安心理は高まりま
したが、金融機関はドル資金の手当てを強めたため、ドルは(一時的でしたが)
上昇しました。

 ドバイ・ワールドの場合も、債務繰り延べが実施されるとすれば、ドバイ・
ワールドの債務がドル建てである以上、ドル資金を手当てするニーズが高まる
はずです。それにもかかわらずドル円が下落したのは、ドバイ・ワールドに関
連したドル需要の高まりよりも、ドバイ・ワールドの件をきっかけに、ドル安
の流れが後押しされたため、と考えるべきでしょう。

 米国のバランスシート調整を背景に、米国は日本と同じようなデフレ構造に
入っており、米国の短期金利は、日本を下回る低水準になっています。米国の
低金利は、今後も続く可能性が高く、ドルの上値を抑える展開が続くと思われ
ます。今回のドル円の動きは大きかったですが、それを特定のニュースによる
一時的なものと考えるよりも、今後も続くであろうドル安の流れが、目立った
形で出てきたもの、と考えたほうが合理的な気がします。

村田雅志(むらた・まさし)
(FXCMジャパン・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。
2005年9月にGCIキャピタル・チーフエコノミスト。
2009年4月より専修大学客員教授。
2009年6月より現職。

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生命保険2

JUGEMテーマ:株・投資


 株式市場は惨憺たる状況になってきました。企業収益には僅かながら明るさが戻りつつありますし、海外の景況感も改善されていますので、いつまでも低迷が続くことも無いだろうと考えているのですが、依然投資家は慎重です。

 デフレ宣言をしただけで対応策を打ち出さないなど、民主党の政策に景気対策の見えない片肺飛行が続いています。特措の見直し(廃止)とともに法人税引き下げ議論なども平行して進めなければいけないのでしょう。個人へのばら撒きだけでは、「国民に優しく企業に厳しい政権」とのレッテルを貼られ、「企業収益の低下→雇用の低下→デフレの進行」との認識が拡大し、世界の投資家は一層日本から逃げ出してしまいます。

 事業仕分けや行政執行の透明化など、折角望ましい政権運営へと移行しつつあるにもかかわらず、肝心の「景気対策=雇用対策」が抜け落ちています。子供手当てなど必要な部分もあるのでしょうが、まずは、法人税等の企業負担の軽減や国内の投資促進税制、海外向けではFTAの推進、海外進出支援や税法の改正など、一刻も早く企業支援となる具体策を出していかねば本当に日本は沈没してしまいそうです。

 一方の企業側にも問題は多々あります。債券の起債環境や銀行との取引環境も正常化しつつある中で、成長ストーリーを描けないまま赤字補填が目的と思われる資金調達(新株発行)が多いように感じます。大赤字になっても経営責任を明確にせず順送り人事を続けているような企業、将来への成長に結びつかない資金調達をする企業、こんな企業への投資は避けなければいけません。投資判断が本当に難しい時代になってきました。

 まさかとは思いますが、幹事証券会社が引受け手数料欲しさに、「今なら増資で株価が下がっても誰も文句言いませんよ」なんて発行会社に囁いているとしたらとんでもありません(ありそうですが・・・)。資本市場を担う証券会社がそれでは目も当てられません。

 11月に入ってからは一層、堅調な海外市場から取り残されつつあり、且つ、株式保有を諦めた投資家からの売りが続いているようです。海外市場と比較した増資規模は大きくないものの、資金が流出する中での持ち合い解消や増資は想定以上に大きなダメージを市場に与えています。年末が近づく中で、新たな景気対策や資金繰り支援策が出てくれば転換点を迎えられると期待していましたが、まだ暫く掛かりそうな雰囲気です。


 話は変わって。

 今年の1月頃に「生命保険」との題でコラムを書きました。あの時は概ね30歳前後の結婚したての方達をイメージして、不慮の事故も無く、お互いの健康に留意して平和に過ごすなら、大半の方達が60歳くらいまでは重い病気もせず暮らすことが出来ること。そうすれば、若いうちから高額な保険料を払い続けることも無く、節約した保険料で(上手くいけば)それまでの20数年間で、万が一のことが無くても死亡保険金に近い額の蓄えを作ることも可能であることをお伝えしたく書きました。同時に大手生命保険会社の商品が割高であることなども書きましました。

 余談ですが、私の周りを見回しても、夫婦仲の良くされている方達は概ね健康に過ごしていらっしゃるように感じます。やはり家庭内がソワソワしていないことが健康にも、もちろん仕事にとってもとても重要なことなのだと思います。皆様、余計なことは考えず真面目に仕事をして、また奥様へのお気遣いを忘れないことが一番のようです。「小人閑居して不善を成す」とも言いますし。これは私自身への戒めの言葉でもあります。注意しましょう(笑)。

 ところで本日は、私と同世代(40代半ば〜50代)の方達の保険について、またつい先日、とある日系の保険会社の方からお聞きしたことなどを書きたいと思います。

 この年齢で新規の保険に加入したり、日系大手保険会社の自動継続の保険(本当は継続とは言えない仕組みですが)を延長するときには、やはり若い頃よりは随分と割高な保険料になります。ただし、もう子供達も中学生後半〜大学生くらいにはなっていますので、そろそろ高額な死亡保険は必要なくなってくる年齢でもあり、見直しをご検討されている方々もいらっしゃると思います。

 普通に働いていれば、一般に加入している社会保険や国民保険で相当程度はカバーされていますので、多分必要なのは、3大疾病や大きな手術、長期入院に備える保険ですので、3大成人病に対応していて入院当初数日間の免責のある掛け捨て保険を主力にして見直されるのが良いかと思います。

 ご承知とは思いますが念のため、時に、「入院や通院についても当初免責が無いほうが初日分から払ってもらえるのでお得ですよ」と言ったセールストークを聞くことがありますが、当初数日分の支払いさえも出来ないならまだしも、数万円以上の蓄えがあればそれくらいは払えますので、わざわざ割高な保険は必要ありません。

 終身の部分は好みですが、必要なものを除いて(我々の世代では、取引先のお付き合いで、見直すことも無くそのままになっている保険などもあろうかと思います)、残りの保険は「払い済み」にしておけば良いと思います。我々の世代だと90年前後のバブル期に契約した保険が多く、これらは利率も良いので直ぐにお金が必要でなければ無理して解約する必要もありませんから。

 色々と調べ、また今後の必要資産の計算などをして、これから必要となる保険を検討すると、考え方しだいでは数万円の減額も可能になります。私の場合では私個人(家族分を除いて)の毎月の保険料が4万円台から2万円台に下がりました。万が一に備えるのは「子供が成人するまで」と考えればもっと低くなると思います。

 ところで、本日書きたかった事柄ですが、保険を見直すときにはご家族の保険も同時に見直すことになります。奥様もそろそろ更年期を気にされる年齢ですし、女性特有の病気も気になるところです。

 先日お会いした日系保険会社の方曰く、「通常は手術などが必要となった時のために、入院に関する特約や婦人病の保険を必要額だけ掛けるのが良いはずだが、ソコソコの額の死亡保険に加入される方も増えている」とのことでした。

 彼の見立てでは、専業主婦であってもやはり病気や入院への心配はある為、イザという時には保険が必要なのだけれども、稼ぎ頭のご主人が倒れたときとは違い突然収入が無くなる訳ではないので、考え方によっては、ご主人の収入はそのままに保険金が入れば、子育て費用を含めても相当楽になることから、加入される方も多いのではとの意見でした。

 確かにここ数年は不況の影響もあって共稼ぎが増えていますし、アクシデントへの備えとして夫婦で収入を得るパイプを確保しておくのはとても重要と思われますが、二人分の保険料ですから金額も馬鹿になりません。ご家庭により多様な考え方があるとは思いますが、最近は不穏なニュースも多々流れているようですので、ちょっと穿った見方もしてしまいそうです。

 折角保険料の見直しをしているのですから、割高にならないよう、十分にご注意頂くのが宜しいかと思います。

(街のコンサルタント)

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億の近道2009/11/26

JUGEMテーマ:株・投資



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投資情報メールマガジン                   2009/11/26

              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
        (本日の担当:街のコンサルタント)

     ◆億近10周年セミナーイベント・11月末締め切り!
     ◆コラム「生命保険2」:街のコンサルタント

===================================

◆お知らせ◆

億近10周年セミナーイベントは、おかげさまで、あと若干席を残すのみとなり
ました。11月末で申込みを締め切り致しますので、参加ご希望の方はお急ぎ
下さい。

当日はミニセミナーとパネルディスカッションを開催予定です。
山本潤氏のミニセミナーテーマは以下の通りです。

 ●企業分析の手法「勝ち組企業と負け組企業との見分け方」(山本潤)

株式市場が低調な今こそ、しっかり手法を身につけておきたいものです。
企業の見極めが出来れば、市場回復時にパフォーマンスをもたらしてくれる
ことでしょう。

そして、山本潤氏に加え、今回特別にお願いして山口揚平氏にミニセミナーへ
ご登場いただけることになりました。
 ご存じの方もいらっしゃると思いますが、M&Aの現場で磨き上げたノウハ
ウを惜しげもなく個人投資家へフィードバックしてくれる方です。山口氏も約
1年ぶりの講演で、しかも億近読者へ講演できるとあって、非常に気合いが入
っております。

 ●「会社の”ステージ”が変わるタイミングに投資する手法について」

 ビジネスモデルの変化や、企業再生の開始など、企業の変化を察知して投資
に役立てるというものです。参加者に非常に有益な内容をお話しいただけると
思います。是非ご期待下さい。

◆山口揚平氏
大手コンサルティングファームにて、カネボウやダイエーなどをはじめとする
数々の大型M&A案件に参画。その後独立し、ブルー・マーリン・パートナー
ズ代表取締役。企業価値分析を中心に、具体的個別投資案件の評価に多大なノ
ウハウを持ち、本業の企業評価のかたわら、その経験と知識を生かして個人投
資家教育を推進している。


日時:12月5日(土) 13:30〜16:30
場所:新宿NSビル30階
会費:10,000円
備考:セミナー終了後、懇親会開催予定(別途実費)

以下のページより申込み下さい。皆様のご参加をお待ちいたしております。

お申し込みページ:http://www.iforum.jp/semi006.htm

※当日券の用意はございません。事前お申し込み無しで会場においでいただい
 ても入場できませんので、ご了承下さい。

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◆コラム「生命保険2」

 株式市場は惨憺たる状況になってきました。企業収益には僅かながら明るさ
が戻りつつありますし、海外の景況感も改善されていますので、いつまでも低
迷が続くことも無いだろうと考えているのですが、依然投資家は慎重です。

 デフレ宣言をしただけで対応策を打ち出さないなど、民主党の政策に景気対
策の見えない片肺飛行が続いています。特措の見直し(廃止)とともに法人税
引き下げ議論なども平行して進めなければいけないのでしょう。個人へのばら
撒きだけでは、「国民に優しく企業に厳しい政権」とのレッテルを貼られ、
「企業収益の低下→雇用の低下→デフレの進行」との認識が拡大し、世界の投
資家は一層日本から逃げ出してしまいます。

 事業仕分けや行政執行の透明化など、折角望ましい政権運営へと移行しつつ
あるにもかかわらず、肝心の「景気対策=雇用対策」が抜け落ちています。子
供手当てなど必要な部分もあるのでしょうが、まずは、法人税等の企業負担の
軽減や国内の投資促進税制、海外向けではFTAの推進、海外進出支援や税法
の改正など、一刻も早く企業支援となる具体策を出していかねば本当に日本は
沈没してしまいそうです。

 一方の企業側にも問題は多々あります。債券の起債環境や銀行との取引環境
も正常化しつつある中で、成長ストーリーを描けないまま赤字補填が目的と思
われる資金調達(新株発行)が多いように感じます。大赤字になっても経営責
任を明確にせず順送り人事を続けているような企業、将来への成長に結びつか
ない資金調達をする企業、こんな企業への投資は避けなければいけません。投
資判断が本当に難しい時代になってきました。

 まさかとは思いますが、幹事証券会社が引受け手数料欲しさに、「今なら増
資で株価が下がっても誰も文句言いませんよ」なんて発行会社に囁いていると
したらとんでもありません(ありそうですが・・・)。資本市場を担う証券会
社がそれでは目も当てられません。

 11月に入ってからは一層、堅調な海外市場から取り残されつつあり、且つ、
株式保有を諦めた投資家からの売りが続いているようです。海外市場と比較し
た増資規模は大きくないものの、資金が流出する中での持ち合い解消や増資は
想定以上に大きなダメージを市場に与えています。年末が近づく中で、新たな
景気対策や資金繰り支援策が出てくれば転換点を迎えられると期待していまし
たが、まだ暫く掛かりそうな雰囲気です。


 話は変わって。

 今年の1月頃に「生命保険」との題でコラムを書きました。あの時は概ね30
歳前後の結婚したての方達をイメージして、不慮の事故も無く、お互いの健康
に留意して平和に過ごすなら、大半の方達が60歳くらいまでは重い病気もせ
ず暮らすことが出来ること。そうすれば、若いうちから高額な保険料を払い続
けることも無く、節約した保険料で(上手くいけば)それまでの20数年間で、
万が一のことが無くても死亡保険金に近い額の蓄えを作ることも可能であるこ
とをお伝えしたく書きました。同時に大手生命保険会社の商品が割高であるこ
となども書きましました。

 余談ですが、私の周りを見回しても、夫婦仲の良くされている方達は概ね健
康に過ごしていらっしゃるように感じます。やはり家庭内がソワソワしていな
いことが健康にも、もちろん仕事にとってもとても重要なことなのだと思いま
す。皆様、余計なことは考えず真面目に仕事をして、また奥様へのお気遣いを
忘れないことが一番のようです。「小人閑居して不善を成す」とも言いますし。
これは私自身への戒めの言葉でもあります。注意しましょう(笑)。

 ところで本日は、私と同世代(40代半ば〜50代)の方達の保険について、
またつい先日、とある日系の保険会社の方からお聞きしたことなどを書きたい
と思います。

 この年齢で新規の保険に加入したり、日系大手保険会社の自動継続の保険
(本当は継続とは言えない仕組みですが)を延長するときには、やはり若い頃
よりは随分と割高な保険料になります。ただし、もう子供達も中学生後半〜大
学生くらいにはなっていますので、そろそろ高額な死亡保険は必要なくなって
くる年齢でもあり、見直しをご検討されている方々もいらっしゃると思います。

 普通に働いていれば、一般に加入している社会保険や国民保険で相当程度は
カバーされていますので、多分必要なのは、3大疾病や大きな手術、長期入院
に備える保険ですので、3大成人病に対応していて入院当初数日間の免責のあ
る掛け捨て保険を主力にして見直されるのが良いかと思います。

 ご承知とは思いますが念のため、時に、「入院や通院についても当初免責が
無いほうが初日分から払ってもらえるのでお得ですよ」と言ったセールストー
クを聞くことがありますが、当初数日分の支払いさえも出来ないならまだしも、
数万円以上の蓄えがあればそれくらいは払えますので、わざわざ割高な保険は
必要ありません。

 終身の部分は好みですが、必要なものを除いて(我々の世代では、取引先の
お付き合いで、見直すことも無くそのままになっている保険などもあろうかと
思います)、残りの保険は「払い済み」にしておけば良いと思います。我々の
世代だと90年前後のバブル期に契約した保険が多く、これらは利率も良いの
で直ぐにお金が必要でなければ無理して解約する必要もありませんから。

 色々と調べ、また今後の必要資産の計算などをして、これから必要となる保
険を検討すると、考え方しだいでは数万円の減額も可能になります。私の場合
では私個人(家族分を除いて)の毎月の保険料が4万円台から2万円台に下が
りました。万が一に備えるのは「子供が成人するまで」と考えればもっと低く
なると思います。

 ところで、本日書きたかった事柄ですが、保険を見直すときにはご家族の保
険も同時に見直すことになります。奥様もそろそろ更年期を気にされる年齢で
すし、女性特有の病気も気になるところです。

 先日お会いした日系保険会社の方曰く、「通常は手術などが必要となった時
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だが、ソコソコの額の死亡保険に加入される方も増えている」とのことでした。

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は違い突然収入が無くなる訳ではないので、考え方によっては、ご主人の収入
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 確かにここ数年は不況の影響もあって共稼ぎが増えていますし、アクシデン
トへの備えとして夫婦で収入を得るパイプを確保しておくのはとても重要と思
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プライベートバンカーの求人動向について

JUGEMテーマ:ビジネス


 億近読者の皆さん、2週間ぶりのご無沙汰です。

 さて今回は、久しぶりに私の本業である金融の人材動向に関してお伝えします。

 リーマンショックから1年2カ月が経過し、一時的にせよ、金融・証券業界の求人が少し回復してきた観があります。私のもとへも、久しぶりに求人依頼のお声掛けを頂くケースが、いくつか出てきました。

 その中で、ある外資系金融機関からのプライベートバンカーの求人案件については、いろんな意味で特筆すべきものがありました。まず、確実に本国からの10名以上の採用枠が得られているということです。外資系の場合、採用活動が佳境に入りオファーを提示する段階になって、本国からの許可を得られないという場合もあり、最後まで予断を許さないこともありますが、この環境下で一部門で10名以上の採用枠が確実にあるというのは、稀有な状況と言っても過言ではありません。

 また、良い人材であれば、年俸的にも前職に応じてかなり柔軟に対応可能と言うのも、採用への極めて強いコミットが感じられます。日本で言うところのプライベートバンカーもしくはファイナンシャル・アドバイザーのような職種の場合、ある程度の基本給だけが保証され、後は歩合もしくはパフォーマンス・ボーナスというケースが通常です。前職に応じた基本給プラスアルファのものが、最初から保証され得るというのは、まだまだ少数のケースと思われます。

 更に特筆すべきものとして、マネジメントの権限が日本人ヘッドにしっかりと移譲されており、迅速な意思決定ができる裁量権があることです。やはり外資系では、本国から派遣されたマネジメントに実質的な裁量権があることが多く、日本人の裁量権が限定される傾向にあることは否めません。

 また、プライベートバンキング業務だけではなく、例えば上場企業のオーナー社長の顧客が自社の資金調達やM&Aのニーズがあった場合、投資銀行部門とも適宜連携してワンストップで対応できる体制がしっかりと整っているところも、会社としてのコミット的に申し分無いと言えます。

 これだけ諸条件が整っているということは、当然のことながら、採用のハードルは高いものが要求されます。プライベートバンカーの主たる業務目標は、通常、顧客の預かり資産を増やしていくことです。さまざまな運用商品の提供、顧客の資産を担保にしたローンの提供等を通じ、顧客の資産が増えていくわけですが、一流のプライベートバンカーの目安としては、1年で50億円程度の預かり資産を積み上げることが、一つの要素とされます。

 現状のような厳しい環境下では、かなりのハードルと言えますが、それでもしっかりとクリアできる人材は一定数存在します。長年の顧客との信頼関係と個々のプライベートバンカーのスキル・ノウハウが揃えば、達成可能な数値です。そして、そうした一流のプライベートバンカーの顧客数は、決して多くはないのです。多くて、主要な顧客が10人程度、少ないと2人位の大口顧客だけで、50億円の資産を1年で積み上げる方も、居られます。広く浅くというやり方で、成功している方は、なかなか居られないようです。

 優秀なプライベートバンカーは、総じて、数少ない主要な顧客に対して、公私を超えたサービスを提供し、個人的な関係を築いていると言えます。
 そして、そこまでの「ディープな」サービスを提供する場合、多くの顧客を担当することが、逆に難しくなると言えるようです。いろいろと、考えさせられますね。

皆さんは、どう思いますか?

渡辺直行

*渡辺直行のプロフィール
トウキョウ・フォレックス株式会社、ソシエテ・ジェネラル証券国内法人先物・オプション部長を経てインターネットベンチャー2社の立ち上げに参加。
その後米系ヘッドハンティング会社を経て起業、2005年1月、エグゼクティブ・サーチ・ジャパン株式会社代表取締役就任。

*異業種交流会メンバー兼運営側としても活動しています。
http://www.bni-japan.com/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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