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投資情報メールマガジン 2009/02/25号
イ意 の 近 道
−プロが導く「億」資産への近道− 週5回発行
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【ご挨拶】
将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!
★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★
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−本日の目次−
(本日の担当:山本潤&知の利)
◆コラム「儲からないときにも、借金は返さなければならないが…」:山本潤
◆コラム「(続)橋の話」:知の利
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◆コラム「儲からないときにも、借金は返さなければならないが、
配当は払う必要はない」
わたしは携帯電話でメールのやりとりができません。
親指で文字が打てません。
メールの送信もできません。
自分の携帯電話のアドレスがわかりません。
全く、時代遅れで困ったものです。
◆情報端末
ファンドマネージャーになって、数多くの人々から助言を受けました。
「ブルームバーグ端末を持て」と。
ブルームバーグとは、運用業界で、スタンダードになっている情報端末です。
これがあれば、株価が見れる、企業の財務内容が見れる、などの機能がたくさ
ん付加されています。
ブルームバーグがないと、業界の友達から、ちょっとバカにされます。
ブルームバーグがないぐらい貧乏か??と・・・そうじゃないんだけども。
友達に説明しても、だめです。
アナリストの給与や教育だとか、端末という機械より、もっと大切な人材にお
金をかけたいと説明してもわかってもらえません。
そう。
ブルームバーグやクイックという端末は本当に便利です。
しかし・・・
わたしの投資プロセスは、企業訪問をベースにしています。
企業担当者との「人間関係」が基本です。
わたしの投資プロセスには、ブルームバーグという「おもちゃ」はあったらい
いなと思う程度。
絶対に必要なものではありません。
携帯やパソコンやインターネットやメールがなくても、運用成績には、影響が
ありません。
多くの運用機関で見られる一般的な風景があります。
運用担当者たちが、多数のブルームバーグ画面を鳥瞰というか、凝視し、
刻一刻と変化する各市場の様を真剣に「理解」しようとしている光景です。
いわゆるトレーディング・ルームです。
これが、(残念ながら?)、今の多くの運用機関のあり様です。
多数の画面を凝視しながら、無理に売買をしようとしても、
「瞬間芸」「日技」「週技」の繰り返しでは、運用成績を上げることができな
いばかりか、
そのように画面を凝視していたら、目が悪くなります(笑)。
目が悪くなるだけではありません。
深く考える時間もなくなります。
◆メールの落とし穴
以前、同僚から、「メールで相手に指示を出すな」「メールで人を批判しては
いけない」と注意されました。
わたしは、仕事柄、毎日のように同僚アナリストの執筆したレポートをいただ
くのですが、
昔は、そのレポートに対して、足りない点を、メールで羅列し、それを返して
いました。
「どうして君は、この大切なポイントを見落としたのか?」と電子メールにて、
担当者を責める癖がありました。
メールでの批判は、一方的になります。
批判を受け取る方の気分は、必ず悪くなります。
そのころ、人間として、そんな初歩的なこともわかりませんでした。
メールがあまりにも便利だったものですから、
自分の一方的な見解を相手に伝えっぱなしにしていたのです。
困ったマネージャーでした。
それを見かねた同僚が、「メールはやめようよ」と苦言を呈してくれて、わた
しは我に返ったのです。
同僚に感謝です。
いまでも、ほんの1メートルしか離れていない同じ会社の人から、メールがく
るときがあります(苦笑)。
「ほんの数メートルの距離なら、直接、相手の目を見ながら話をすべきだ」と
その同僚はいうのです。
社内に限りません。
仕事の付き合いでも、
すごく大切なことを、直接、面談をするわけでもなく、
簡単にメールに託す人が最近どれほど多いかと、ようやく、わたしも気がつき
ました。
「こんな大切なことを一方的に送りつけてくるのは、どんな了見だろうか」と、
いまでは、そう考えるようになったのです。
メールは、書いているうちに、自分をどんどん正当化してしまいます。
インターネットの世界は、中傷も多いと聞きます。
わたしは、あえて実名で、このメルマガを書いています。
中傷される危険もあり、ネットでの実名は、本来はタブーです。
とくに、ネットやメールの世界は、批判・中傷が日常茶飯事です。
ネット世界の中傷は、その内容も、表現も、どぎつく、
それを読めば、どんなに鈍感な人でも、参ってしまうほどです。
わたしも、ネットの世界では、批判され、批難され、中傷されることがありま
す。
「ネット社会では、誹謗は仕方のないこと」とあきらめるしかありません。
ネット社会で、もし、学童や未成年者が、他人から匿名でひどく中傷されるな
ら、経験が浅い彼らの中には自殺する者もいるでしょう。
いまどきの子どものいじめ。
仲間をメールで批判するのがいじめの中心のようです。
メールで傷つけられる子ども。
可哀そうですね。
◆いたるところで失われた信頼
世の中は信頼がベースに成り立ちます。
今の世の中が、これほど脆弱に見えるのは、いろいろなところで、信頼が揺ら
いでいるからです。
銀行は、誰にでもお金を貸して、それを証券化し、さらにお金を貸していきま
した。
本来、ローンや貸出は銀行という債権者 対 債務者という1対1の信頼関係
をベースにしています。
しかし、証券化は、1対1の関係を流してしまい、不特定多数の投資家とペー
パーカンパニーとの関係へと置き換えてしまいます。
すると、証券化を通して、投資家は、その債務者を、「返済の意思と能力のあ
る個人」としてみるのではなく、
「確率的なキャッシュフローを産む出す証券」としてとらえることになります。
本来、信用の低い人たちにまで、お金を貸しせば、当然、それは銀行にとって、
自らの信用を傷つける自殺行為。
証券化によって、金融機関の信頼が失われました。
インターネットというテクノロジーも同様です。
昔であれば、すべての商行為は、相対取り引きが基本で、1対1で直談判して
いました。
今は、一瞬のうちにひとつのサーバーから何百、何千、何万という不特定多数
の端末へ一方的にスパムメールを送るつけるようになりました。
この便利さを得ることで、ネット社会の信頼は失われました。
食料品が低コストで大量生産されるようになりました。
割高なものは、スーパーや八百屋さんでは、売れないからです。
労働集約的な産業の代表である農業は、低コストを追及すれば、日本には根付
きません。
中国などの賃金の安い国でつくられ、それを船で日本に輸入するという事態で
す。
食に関しては、いろいろな事件が起こっています。
誰が食べるのかイメージできないのに、安い賃金で長時間働かされる中国の方々
を思えば、
彼らだけを一方的に責めることはできないでしょう。
食品の安全は脅かされ、食品業界の信頼は地に落ちました。
◆便利さの陰で信頼が犠牲に
効率を高めれば、信頼が犠牲になるのは、自明の論理です。
たとえば、先生の話をノートに取るときに、急いでノートをとれば、字は汚く
なります。
しっかりと書けば、字は奇麗になりますが、多少の余分の時間はかかってしま
います。
運用の仕事も同様です。
きっちりとした責任のある仕事をすれば、時間はいくらあっても足りないぐら
いです。
これは深く反省していることですが、
昔、ITバブルのときに、わたしの机の上には、3分間PLが乱造されました。
インターネットが世界で5%普及したら、売上はこう、10%の普及で売上は
こう、というPLです。
すべてのネット関連の「机上の企業価値」は膨大なものとなりました。
職人のように仕事をすれば、
「今年の売上は、誰と誰と誰には決まっており、しかし、誰と誰は可能性はあ
るが、まだ不確定だ」という仕事になっていきます。
作業は膨大であり、やってもやっても、終わりはありません。
その仕事を3分で乱造すれば、職業への信頼が失われます。
◆自由と平等とのトレード・オフ
このコラムでは、好んで「トレード・オフ」という言葉を用います。
何かを得ようとすれば、何かが犠牲になるという意味です。
仕事のスピードを上げれば、仕事の質は犠牲になります。
自由主義的な発想で、
効率の高さ、生産性の高さを求めれば、何がトレード・オフになるのか、前回
のコラムで示唆いたしました。
効率の追求により、
地球の資源は特定の者に所有され、富の偏在を助長します。
反対に、社会主義的な発想で、
富を人類に分け隔てなくバラまけば、事業の収益率が犠牲になり、
朝、うっすらと積もる春先の雪のように夕方にその姿をとどめることなく、大
胆な経済効果は見込めません。
社会主義的なバラマキを「経済効果なし」と批判しながら、一方で、自由主義
的な富の偏在を「不平等」である批判するのは、矛盾です。
この悩みは、解決できないトレード・オフなのです。
自由と平等のトレード・オフ。
この両極端の狭間で、わたしたちは、悩み、苦しみ、試行錯誤の毎日です。
しかし、この両極端のどこか中間に、最大多数の最大幸福があるのではないで
しょうか。
◆長期に渡る変わらない態度、ぶれない信念が、信頼を築いていく
同僚アナリストが、わたしに同情しました。
「山本さん、大変ですね。この仕事って、成績で評価されるので・・・よくや
っていけますね。ちゃんと眠れますか??」と。
わたしは、笑って答えました。
「わたしは、この仕事が大好きで、まさに天職だと思っている。こういう男が、
成績で評価されないで、他に何で評価されればいいの?」
こんなことを書くと誤解されそうですが、
わたしは、自分の長所が存分に活かせる運用という仕事をさせていただける立
場にあります。
わたしの長所とは、他人と違っていることが気にならない。(長所は短所でも
あります・・・)
着るものには、まったっくこだわらない。
ブランドがよいとは思えないところ。
高級スポーツカー、単に嫌い。(狭いし・・・)
シャツやTシャツを裏返しに着るばかりではなく、前後ろを反対に着てしまう。
少数派が好き。自分が少数派と知れば、それが、かえって快適です。
孤独が気になりません。
わたしは、他人と成績を比較され、相対的に客観的に評価されればされるほど、
気が楽になります。
(すみません。一部の方々には不愉快な記述かもしれません・・・)
一方で、
わたしは、同僚アナリストを査定(=評価=感謝)する立場です。
もちろん、評価というか、感謝は、結果ではなく、過程で行います。
アナリストがある銘柄を勧めた。
その銘柄が上がる下がるは、評価(感謝)の対象ではありません。
大切なことは、「アナリストがどれだけの自信を持って企業を分析できたか」
なのです。
いちいち、これをしろ、これをしろと指導していたのでは、手がかかり、人も
育ちません。
結果で評価するのであれば、当たった、外れたで一喜一憂となってしまいます。
こなした仕事に誇りを持つことができれば、そのひとは、高く評価されるべき
です。
仕事に誇りを持つことができないのであれば、他の仕事を探すべきです。
「長期投資」という言葉があります。
わたしは、2年前、このコラムで「信用取引をやめよう」というコラムを連続
して書きました。
レバレッジ取引は勝率が低いことを繰り返し書いてきました。
レバレッジを利用した取引は、どうしても短期取引となります。
同じ銘柄を信用取引で10年間保有し続けたという投資家はいないはずです。
レバレッジとは、本質的に、短期のパフォーマンスを押し上げるための手段に
過ぎないからです。
長期投資家は、レバレッジのちからをあえて利用しません。
長期投資の前提は、レバレッジに頼らないことです。
長期投資という言葉には、
「長期で投資をする」という意味だけではなく、
「投資家として一人前になるには、長い年月がかかる」という意味が含まれる
と思うのです(ちょっと違うか??)。
今年に入って、激動の世の中です。
このコラムでは、
銀行の貸し渋り、信用収縮、金融危機、証券化、格差社会、グローバル企業、
雇用の危機、需要の半減、富の偏在、富と借入金、
毎週、いろいろなテーマを書き綴ってきました。
しかし・・・すべてはひとつにつながっているのです。(同じことを繰り返し
書いているだけなのです。)
わたしが、これらのコラムで示唆したかったことは、
「市場というのは、短期的な投機者から、長期的な投資家へ富を移転するシス
テムである」ということです。
機関投資家の中にも、「今月はこのファクターが効いた」、「このセクターが
上がった」と議論している会社があります。
数週間や数日といった循環の波をとらえようとするのは無茶です。無茶とわか
っていても短期に振り回されてしまうのでしょうね。
次に来るセクターを当てようなどと、そういうことに大切なエネルギーを浪費
して、
何十年という貴重な時間を犠牲にしてしまうのでしょうね。
最後に、引退するとき、運用のプロフェッショナルとしてわかったことが、
「セクターの短期的な循環で儲けることはできない」という自明の理だとした
ら、それは、まさに、悲劇です・・・・
◆信頼は幸せへのパスポート
レバレッジを使えば、短期的な成果は得られるでしょう。
為替証拠金の100倍のレバレッジ。すごいですよね。
しかし、レバレッジは、長期的には、必ず犠牲を伴います。
なぜなら・・・簡単な理屈です。
「金利は、必ず払う義務があるが、配当は儲かったときだけ払えばよい」から
です。
レバレッジを使うものは、必ず支払わなければならない義務だけを負い、
運がよければもらえるだけの不確定な配当をあてにしているからです。
借金は重い義務。
キャピタル・ゲインは幸運の産物です。
確率的に不利なゲームにあえて挑む者は、「自分は例外である」と考えている
自信家が多いのではないでしょうか。
「自分は例外でありたい」と考える者は、未来を建設的に形づくる社会の担い
手にはなれないでしょう。
短期のパフォーマンスを追いかける人々は、往々にして、長期にわたって、な
んらかの犠牲を支払うことになるのです。
一方で、未来を建設的に形づくろうと努力し、節制する者には、よいチームや
すばらしい出会いが用意されています。
そのチームには、長期にわたるブレない信念があり、その仕事ぶりには、他者
からの信頼・信用が寄せられます。
信頼や信用は世の中のベースであり、金融の世界においても、実業の世界にお
いても、もっとも大切な人生の基礎です。
信頼は、人と人との絆そのものです。
絆を預かる者は、建設的な世の中を築く担い手です。
どんなに短期主義者が欲しても、彼らには絶対に獲得できない「幸せへのパス
ポート」、それが信用と信頼。
信頼や信用はお金では買えないのです。
「幸せはお金では買えない」という、言い古されたクリシェ。
もし、あなたが「信頼は幸せへのパスポート」と信じていただけるのであれば、
長期にわたって、「あなただけの正しい生き方」を貫いてほしいのです。
それは、携帯メールのように、気軽に、どこでも、いつでも、すぐに簡単に返
事がもらえるものではありません。
さて、メールをここまで否定しながら、このようなメルマガを書いていること
をどうかお許しください!(笑)
そして、毎回、投機やレバレッジに対する、ぼやきや批判に付き合っていただ
き、ありがとうございます。
また、市場にたっぷりと流動性を付与していただいている多くの短期投資家の
方々へ、
メルマガという不特定多数に向けて、送りつける度重なる失礼な言葉の数々を、
どうか、どうか、ご容赦ください。
P.S.
3月に億の近道主催の無料・手弁当勉強会を再度、開催する運びとなりました。
このメルマガのように15000人の人々へ一度には発信できません。
たった10人の集まりです。
でも、「1人とのフィジカルなコンタクトは、15000人へのメール配信に
勝る」と考えて、このような勉強会を開催しています。
携帯メールで、今日も繰り返される誹謗中傷・個人攻撃。
多感・感受性の高い中学生・高校生・未成年者の方々が、いじめで、大切な命
を粗末に扱わないように願っています。
メールでの個人攻撃は卑怯ですよね。
山本 潤
<筆者紹介>
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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是非ワンクリックをお願いいたします!
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クリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!
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【お知らせ】
【春の優待シーズンキャンペーン開始!】
億の近道(NPO法人イノベーターズ・フォーラム)では、有料メールマガジ
ンをスタートいたしました。第1弾は火曜日執筆者の石川臨太郎氏です。
現在第8号を配信中!! 過去のサンプル(創刊〜4号)は無料で読めます。
■春の株主優待キャンペーン!!
2月末日までにご購読お申し込みのすべての方へ、キャンペーンといたしま
して、「石川臨太郎チョイス・3月優待で優待1単位投資銘柄レポート」を差
し上げます。年に1回の優待ゲットチャンスに、是非お申し込み下さい。
=前書きより=
1単位くらい持っていると、とてもうれしい食べ物などの優待がもらえる高
配当優待利回り株をご紹介しようと考えました。
3月は優待族にとっては年に一番大きなお祭りです。優待権利確定の少ない
11月などの優待株は、権利落ち後に優待の価値の何倍も暴落することも多く、
危険なこともよくあります。その原因の一つに優待を貰おうとして駆け込みで
買う人や、優待をタダ取りしようという、優待おもらい族とよばれる人々がう
ごめくからです。優待株を現物で買って、信用で売って、リスクを少なくして
優待をタダに近い形(→逆日歩という信用取引特有のコストが莫大になり、か
えって大きな損をすることもあるので、まねをしないでくださいね)で、もら
おうとして投資行動をとるのです。
しかし3月の優待銘柄は数が多くて的が絞れないこともあり、去年の3月に
関しては、優待族の動きで、株価が暴落することは、少なかったように感じて
います。
この特別レポートでは、優待内容がよいのはもちろん、財務的にも強いと判
断できる企業を中心に選びました。(レポート前文より抜粋)
= = = = = =
有料メルマガ詳細は以下のページを参照下さい。
http://www.iforum.jp/magazine.htm
過去サンプル
http://okuchika.net/?eid=2170
なお、この有料メールマガジンの売り上げの一部は億の近道の発行運営に活用
されます。皆様のお申し込みをお待ちしております。
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◆コラム「(続)橋の話」
以前、”日本の橋が危ない”という話を書かせていただきました。
その後、もうちょっと調べてみようと思い、いろいろなデータをあたってみま
した。
面白い話もありましたので、ちょっとまとめてみます。
足元では景気対策として公共投資の前倒しが検討されており
老朽化が進む道路や橋の整備も項目としてあげられている模様で、
投資のネタとしても少しは役に立つかもしれませんね。
高度成長期に建設された橋の老朽化が進むという話は前回書きました。
橋齢(橋が建設されてからの年数)50年以上の橋梁の割合が今後急速に増え
る。
2006年度6%→2026年47%
にもなる。
<橋の寿命って>
ところで、この話の前提として橋の寿命50〜60年という話がありますが、
橋には鋼橋もあればコンクリート橋もあるのに
寿命が同じ基準で語られることに若干疑問がありました。
ひとつの理由は資産の耐用年数として鋼橋45年、コンクリート橋60年が
設定されていることが基準となっているようです。
資産の耐用年数と寿命が一致しているかといえば、
ちょっと説得力に欠ける気がしますが、
現在の橋梁の崩落事故や点検により確認されている疲労度から見れば
50年程度はおおよそ妥当な年数といえそう。
<社会の変化が道路の劣化につながっている>
・私達の生活を便利にしてくれたコンビニ
・在庫圧縮のための実現したジャストインタイム方式
この二つに共通するのはなんでしょうか?
ヒントはなぜ便利か?どうやってJITを実現したか?
を輸送の面から考えてみてください。
・
・
・
こ
こ
は
考
え
る
と
こ
ろ
・
・
・
多頻度少量配送です。
ちょっとヒント、難しすぎましたか?(笑)
多頻度少量配送には船舶、鉄道、航空などはあいませんよね。
結果として自動車貨物の利用が増加しています。
船舶や鉄道などで大量に一回で運ぶほうが効率的なはずですが、
多頻度少量配送を実現する為に自動車貨物が選択され、
そこでコストを下げる為、貨物トラックの大型化が進む。
加えて、人口集中も影響を及ぼしています。
東京だけでなく地方都市においても特定の都市に人口が集中する傾向にあり
その都市に持ち込まれるものが増加し、
都市圏内で移動する貨物量も増えたということです。
そういえば、ちょっと前に
CO2削減に向けて”モーダルシフト”がすすむ
なんて記事をどこかで見ましたが、
全体を見てみると、逆行が続いているようです。
数十年前には考えられないような社会の変化、産業構造の変化など
様々な変化が社会資本の老朽化に影響を与えていると言えそうです。
<首都高速橋!?>
皆さんご存知の首都高。
運営する会社名は
”首都高速道路株式会社”
です。
確かに”道路”ともいえますが、構造的には”橋”というところが
多いのではないでしょうか
実は首都高速や阪神高速(私は実際に走ったことがないですが)の
構造の8割は”橋”が占めるのです。
道路整備において日本の国土のように起伏が大きいことは弱点です。
橋の構造を生かすことが高速性を確保する役目を果たしています。
橋に敬意を表して
首都高速”橋”株式会社
にしてみてはいかがでしょうか(笑)
(知の利)
<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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【お知らせ】
【ネットラジオ好評配信中!!】
木曜日担当の生涯遊人(YEN蔵)のネットラジオ本日更新です。
題して、「YEN蔵のマーケット天気予報!」
好評配信中!! 10分程度の番組なので、気軽に聞けます。
今回の内容は、先週の為替マーケット総括、今週の展望、そして今週の話題と
して、「銀行の国有化」について語っています。
あの銀行を米国が国有化すると?
ぜひお聞き下さい! 毎週月曜日(火曜日の場合もあり)に更新予定。
最新版:
http://www.iforum.jp/podcast/yz20090223.mp3
第1回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081209.mp3
第2回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081216.mp3
第3回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081222.mp3
第4回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081229.mp3
第5回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090105.mp3
第6回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090113.mp3
第7回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090119.mp3
第8回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090126.mp3
第9回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090202.mp3
第10回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090209.mp3
第11回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090216.mp3
※億近のWebでも視聴できます。http://okuchika.net/
この番組では、皆さんのご質問をお待ちしております。番組の中でYEN蔵が
回答しますよ。お気軽にどうぞ!
宛先は: yenzopodcast@gmail.com
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■編集後記■
知の利さんが橋梁の話題を出していますが、先日ある番組で道路関連の値段
をはじき出していました。例えば、LED式の信号機は本体56万円+支柱3
5万円+制御機器&電気工事150万円+施工費120万円=361万円(1
本あたり)…とか、横断歩道のペイントは1mあたり780円で、長さ4m
(と決まってる)なので、白線1本3120円、20本白線がある横断歩道だ
と約6万円…といった具合です(東京都の場合)。この計算の拠り所になって
いるのが、「
土木施工単価(経済調査会)」というハンドブックです。業界の
方はご存じでしょうが、都道府県別に参考単価が掲載されています。橋梁の項
目まであるかどうかは確認していませんが、こんなものを元にして経済効果や
予算などを推計してみるのも面白いですね。3,400円もする本なので、図
書館などで閲覧するのが良いかもしれません。使う頻度が多い方はこの限りで
は無いですが…(笑)。(ぢんぢ部長)
===================================
「億の近道」のwebはバックナンバー閲覧を重点に置いた、ブログ風の作
りになっております。現在、2005年1月分まで掲載しておりますが、順次
過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まとめ読
みなどに是非ご利用下さい。
http://okuchika.net/
===================================
「億の近道」は特定非営利活動法人イノベーターズ・フォーラムの登録商標
です。この名称での有償のサービス等は「石川臨太郎の有料メールマガジン」
以外行っておりません。紛らわしい名称のサービスは弊社と一切関係ありませ
んのでご注意下さい。
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450分の充実した内容となっています。
詳細はエンジュクのホームページまで。
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