グローバル投資のポイント(132)

JUGEMテーマ:株・投資


■ドル円を支えるかもしれないクラウディングアウトという現象■

 26日のニューヨーク債券市場では、長期金利の指標である10年物米国国債が売られ、利回りは前日より0.07%高い2.99%で取引を終了いたしました。26日の取引中、10年物米国国債の利回りは一時3.02%と、2月9日以来の水準をつける場面もありました。

 国債の利回りが上昇することは、さほど珍しいことではありませんが、この日(26日)の米国株式市場は、下落しただけに、やや気をつけたほうがいいかもしれません。一般に、株価が下がる場合、安全資産とみなされる国債の需要が高まるため、結果的に利回りは低下することになります。不況時に株価が下がり、長期金利が低下することが多いのは、こうしたメカニズムによります。

 米国において、株安にもかかわらず、長期金利が上昇した背景には、米国政府による国債の大量発行があります。米国ではすでに景気対策法が成立し、米国政府は、景気対策法の財源として、国債を大量に発行していることを決めています。米オバマ大統領の予算方針演説によれば、今年度(09年度)の米財政赤字は、1兆7500億ドル(GDP比12.3%)と、1945年以来の高水準になると予想されています。

 政府が大量の国債を発行すると、その国債を消化する(買ってもらう)ことが、より難しくなります。このため、政府は国債を発行する際に、より高めの利回りを提示する必要が出てくるため、国債市場では先んじて利回りが上昇することになります。

 経済学には、クラウディングアウトという言葉があります。クラウディングアウトとは、「押し出す」という意味の英語です。政府が大量に国債を発行することで、金利が上昇し、その結果、民間の経済活動(個人消費や設備投資など)が抑制されてしまうことをさします。政府が大きく動いてしまったために、民間が政府に押し出される姿をイメージすればわかりやすいのかもしれません。

 また経済学では、クラウディングアウトが発生すると、その国の通貨が上昇しやすくなると考えられています。つまり政府が国債を大量発行することで金利が上昇し、高い金利を目的とした通貨買いが強まり、通貨が上昇するという考え方です。

 今週はドル円が一気に上昇しましたが、市場関係者からは、米国景気が依然として不安定であることから、ドル円の上昇が続かないとの見方が出ています。ただ、日本景気の悪化を背景に円安が進んでいるのも事実で、米国景気がいくら悪くても、市場が、米国よりも日本の評価を下げれば、結果としてドル円が上昇してしまうのは不思議なことではありません。

 こうした状況の中で、仮に米国でクラウディングアウトが発生すれば、さらにドル円が上昇する展開も考えられます。米国景気は悪い、という考え方に異論を挟むつもりはありませんが、市場は1つの考え方だけで決まるものではないだけに、長期金利の上昇など、他要因も含めて思考をめぐらせることが重要な気がします。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

今号はいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
是非ワンクリックをお願いいたします!
http://clap.mag2.com/vouruhaliaクリックだけでも結構ですし、コメントをいただけるともっと嬉しいです!

特約付き外貨預金(為替オプション内包型預金)

JUGEMテーマ:株・投資


 先日、懇意にしている方がご自身の外貨資産の一部を某外資系銀行に資産移転をしたいという事であったのでその方に同行させて頂きました。外貨資産については銀行が破綻した時には預金保険の対象外である為、資産保全の為に同氏は米系の銀行からの資産移転を決断したとの事でした。その銀行の展開しているサービスは国内外を行き来するビジネスマンにとっては非常に便利なサービスで日本国内に一定以上の資金を預けておけば、海外支店に赴けばその国でも間単に口座開設ができ、また日本から同国への海外送金手数料も基本的には無料との事でした。決済用の口座としては非常に有用であると私自身も思いま
した。

 口座開設を担当された銀行員は邦銀の銀行員のように投資信託、個人年金保険についてはセールスをしてこなかったのですが、特約付き外貨預金を勧めてきました。
 特約付き外貨預金(為替オプション内包型預金)はデリバティブ内包型の最もシンプルな型の商品として三菱東京UFJ銀行では商品名:特約付き外貨預金、みずほ銀行では商品名:特約付き外貨預金ワンポイント・エクストラ、CITIBANK銀行では商品名:プレミアムデポジット、HSBC銀行等ではデュアルカレンシーデポジットという商品名等で販売されています。
 銀行による商品毎の違いは預け入れ通貨の種類の違い、預け入れ期間の違い、個別値決めの有無ぐらいしかなく、商品スキームについてはほぼ同じです。商品の具体的な説明は割愛しますが、その銀行員の方は下記のようなセールストークで同商品を薦めておりました。

○銀行員セールストーク
・為替手数料がかからないタイプの預金があります。
・1週間(金融機関によっては2週間)という短いタイプの定期預金で円からも外貨からも始められ、為替リスクが発生するリスクはあるが通常の定期預金よりも利率が高くつく商品があります。
・円預入タイプについては急激な円高時、外貨預金については急激な円安時に利用すると、金利が高くなり良い運用機会になります。
・円から投資を始める場合で現在のレートよりもう少し円高で購入したいというお客様にはこのような商品もあります。(外貨から始める場合はこの逆)
・外貨預金にされていても預金金利がどんどん低下しているのでかつてほどメリットがないので、短期間で金利を取る戦略に変更しませんか。
・当行では1億円ぐらいの金額で同商品をご利用になっている方が多数おります。

 このような説明を銀行員からされたら、為替リスクがあるだけでメリットが多いような商品のように聞こえるかもしれません。商品の仕組み自体を理解しながら利用しているのであれば問題はありません。

 この商品は預金という名前を借りたオプション商品の売買です。お客様が受け取る事のできる金利はプットオプションを売った際のプレミアム料から銀行の取り分を引いたものです。このプレミアム料については表面的には現れない数値であるが各行とも結構抜いているのが現状です。また円から投資して外貨に切り替わってしまった場合の金利スプレッド収益、円に戻す必要がある場合に発生する手数料等と見えないコストが多々発生します。

 このようなタイプの商品は日本の金融機関でも販売されていますが外資の金融機関ほどシステムが整っておらず、電話取引、インターネット取引では出来ていないのが現状です。またこの仕組みをお客様に簡単に説明でき、USD、クロス円、対ドルレートまでフォローできる行員が少ないという事情があり日本の金融機関ではあまり普及していません。さらに取引時間帯に制限があり外資金融機関の担当者のように電話取引で同商品を販売しないと販売しにくい商品でもあります。

 投資信託や個人年金保険等ほど銀行の収益性は高くないが、短期間の売買ができる為、継続的に金融機関側としては収益を稼ぐ方法として普及しています。また現在の金融情勢下では株、投資信託等に投資するよりは、むしろ大多数のお客様が流動性の高いポジションに資産を戻す傾向にあります。しかし為替レートの悪い時に作成してしまった外貨預金など、動かしようがない人にはこのような商品を提案している営業の方が多いと思われます。

 日本では銀行員の言う事を素直に信じてしまうお客様が多いという印象があります。銀行員(金融機関)が薦めてくる商品が良いとは限りません。提案されてきた商品を購入する前に是非一度慎重に検討する事をお勧め致します。

 日本では中立的な立場からお客様を金融商品からプロテクトするような機関もしくは人間の必要性があるかもしれません。

(番頭さん)

【筆者プロフィール】
 大学卒業後、某都市銀行勤務、某外資銀行勤務を経て独立。専門は個人富裕層業務。
 幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても当方は一切の責任を負いません。)

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億の近道2009/02/27

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                   2009/02/27
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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             −本日の目次−
        (本日の担当:村田雅志&番頭さん)

  ◆コラム「グローバル投資のポイント(132)」:村田 雅志
  ◆コラム「特約付き外貨預金(為替オプション内包型預金)」:番頭さん

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◆コラム「グローバル投資のポイント(132)」

■ドル円を支えるかもしれないクラウディングアウトという現象■

 26日のニューヨーク債券市場では、長期金利の指標である10年物米国国
債が売られ、利回りは前日より0.07%高い2.99%で取引を終了いたし
ました。26日の取引中、10年物米国国債の利回りは一時3.02%と、2
月9日以来の水準をつける場面もありました。

 国債の利回りが上昇することは、さほど珍しいことではありませんが、この
日(26日)の米国株式市場は、下落しただけに、やや気をつけたほうがいい
かもしれません。一般に、株価が下がる場合、安全資産とみなされる国債の需
要が高まるため、結果的に利回りは低下することになります。不況時に株価が
下がり、長期金利が低下することが多いのは、こうしたメカニズムによります。

 米国において、株安にもかかわらず、長期金利が上昇した背景には、米国政
府による国債の大量発行があります。米国ではすでに景気対策法が成立し、米
国政府は、景気対策法の財源として、国債を大量に発行していることを決めて
います。米オバマ大統領の予算方針演説によれば、今年度(09年度)の米財
政赤字は、1兆7500億ドル(GDP比12.3%)と、1945年以来の
高水準になると予想されています。

 政府が大量の国債を発行すると、その国債を消化する(買ってもらう)こと
が、より難しくなります。このため、政府は国債を発行する際に、より高めの
利回りを提示する必要が出てくるため、国債市場では先んじて利回りが上昇す
ることになります。

 経済学には、クラウディングアウトという言葉があります。クラウディング
アウトとは、「押し出す」という意味の英語です。政府が大量に国債を発行す
ることで、金利が上昇し、その結果、民間の経済活動(個人消費や設備投資な
ど)が抑制されてしまうことをさします。政府が大きく動いてしまったために、
民間が政府に押し出される姿をイメージすればわかりやすいのかもしれません。

 また経済学では、クラウディングアウトが発生すると、その国の通貨が上昇
しやすくなると考えられています。つまり政府が国債を大量発行することで金
利が上昇し、高い金利を目的とした通貨買いが強まり、通貨が上昇するという
考え方です。

 今週はドル円が一気に上昇しましたが、市場関係者からは、米国景気が依然
として不安定であることから、ドル円の上昇が続かないとの見方が出ています。
ただ、日本景気の悪化を背景に円安が進んでいるのも事実で、米国景気がいく
ら悪くても、市場が、米国よりも日本の評価を下げれば、結果としてドル円が
上昇してしまうのは不思議なことではありません。

 こうした状況の中で、仮に米国でクラウディングアウトが発生すれば、さら
にドル円が上昇する展開も考えられます。米国景気は悪い、という考え方に異
論を挟むつもりはありませんが、市場は1つの考え方だけで決まるものではな
いだけに、長期金利の上昇など、他要因も含めて思考をめぐらせることが重要
な気がします。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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【お知らせ】
【春の優待シーズンキャンペーン開始!】

 億の近道(NPO法人イノベーターズ・フォーラム)では、有料メールマガジ
ンをスタートいたしました。第1弾は火曜日執筆者の石川臨太郎氏です。
第9号を配信中!! 過去のサンプル(創刊〜4号)は無料で読めます。

■春の株主優待キャンペーン!!
 2月末日までにご購読お申し込みのすべての方へ、キャンペーンといたしま
して、「石川臨太郎チョイス・3月優待で優待1単位投資銘柄レポート」を差
し上げます。年に1回の優待ゲットチャンスに、是非お申し込み下さい。

=前書きより=

 1単位くらい持っていると、とてもうれしい食べ物などの優待がもらえる高
配当優待利回り株をご紹介しようと考えました。

 3月は優待族にとっては年に一番大きなお祭りです。優待権利確定の少ない
11月などの優待株は、権利落ち後に優待の価値の何倍も暴落することも多く、
危険なこともよくあります。その原因の一つに優待を貰おうとして駆け込みで
買う人や、優待をタダ取りしようという、優待おもらい族とよばれる人々がう
ごめくからです。優待株を現物で買って、信用で売って、リスクを少なくして
優待をタダに近い形(→逆日歩という信用取引特有のコストが莫大になり、か
えって大きな損をすることもあるので、まねをしないでくださいね)で、もら
おうとして投資行動をとるのです。

 しかし3月の優待銘柄は数が多くて的が絞れないこともあり、去年の3月に
関しては、優待族の動きで、株価が暴落することは、少なかったように感じて
います。

 この特別レポートでは、優待内容がよいのはもちろん、財務的にも強いと判
断できる企業を中心に選びました。(レポート前文より抜粋)
= = = = = =

有料メルマガ詳細は以下のページを参照下さい。
 http://www.iforum.jp/magazine.htm
過去サンプル
 http://okuchika.net/?eid=2170

なお、この有料メールマガジンの売り上げの一部は億の近道の発行運営に活用
されます。皆様のお申し込みをお待ちしております。

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◆コラム「特約付き外貨預金(為替オプション内包型預金)」

 先日、懇意にしている方がご自身の外貨資産の一部を某外資系銀行に資産移
転をしたいという事であったのでその方に同行させて頂きました。外貨資産に
ついては銀行が破綻した時には預金保険の対象外である為、資産保全の為に同
氏は米系の銀行からの資産移転を決断したとの事でした。その銀行の展開して
いるサービスは国内外を行き来するビジネスマンにとっては非常に便利なサー
ビスで日本国内に一定以上の資金を預けておけば、海外支店に赴けばその国で
も間単に口座開設ができ、また日本から同国への海外送金手数料も基本的には
無料との事でした。決済用の口座としては非常に有用であると私自身も思いま
した。

 口座開設を担当された銀行員は邦銀の銀行員のように投資信託、個人年金保
険についてはセールスをしてこなかったのですが、特約付き外貨預金を勧めて
きました。
 特約付き外貨預金(為替オプション内包型預金)はデリバティブ内包型の最
もシンプルな型の商品として三菱東京UFJ銀行では商品名:特約付き外貨預
金、みずほ銀行では商品名:特約付き外貨預金ワンポイント・エクストラ、C
ITIBANK銀行では商品名:プレミアムデポジット、HSBC銀行等では
デュアルカレンシーデポジットという商品名等で販売されています。
 銀行による商品毎の違いは預け入れ通貨の種類の違い、預け入れ期間の違い、
個別値決めの有無ぐらいしかなく、商品スキームについてはほぼ同じです。商
品の具体的な説明は割愛しますが、その銀行員の方は下記のようなセールスト
ークで同商品を薦めておりました。

○銀行員セールストーク
・為替手数料がかからないタイプの預金があります。
・1週間(金融機関によっては2週間)という短いタイプの定期預金で円から
 も外貨からも始められ、為替リスクが発生するリスクはあるが通常の定期預
 金よりも利率が高くつく商品があります。
・円預入タイプについては急激な円高時、外貨預金については急激な円安時に
 利用すると、金利が高くなり良い運用機会になります。
・円から投資を始める場合で現在のレートよりもう少し円高で購入したいとい
 うお客様にはこのような商品もあります。(外貨から始める場合はこの逆)
・外貨預金にされていても預金金利がどんどん低下しているのでかつてほどメ
 リットがないので、短期間で金利を取る戦略に変更しませんか。
・当行では1億円ぐらいの金額で同商品をご利用になっている方が多数おりま
 す。

 このような説明を銀行員からされたら、為替リスクがあるだけでメリットが
多いような商品のように聞こえるかもしれません。商品の仕組み自体を理解し
ながら利用しているのであれば問題はありません。

 この商品は預金という名前を借りたオプション商品の売買です。お客様が受
け取る事のできる金利はプットオプションを売った際のプレミアム料から銀行
の取り分を引いたものです。このプレミアム料については表面的には現れない
数値であるが各行とも結構抜いているのが現状です。また円から投資して外貨
に切り替わってしまった場合の金利スプレッド収益、円に戻す必要がある場合
に発生する手数料等と見えないコストが多々発生します。

 このようなタイプの商品は日本の金融機関でも販売されていますが外資の金
融機関ほどシステムが整っておらず、電話取引、インターネット取引では出来
ていないのが現状です。またこの仕組みをお客様に簡単に説明でき、USD、
クロス円、対ドルレートまでフォローできる行員が少ないという事情があり日
本の金融機関ではあまり普及していません。さらに取引時間帯に制限があり外
資金融機関の担当者のように電話取引で同商品を販売しないと販売しにくい商
品でもあります。

 投資信託や個人年金保険等ほど銀行の収益性は高くないが、短期間の売買が
できる為、継続的に金融機関側としては収益を稼ぐ方法として普及しています。
また現在の金融情勢下では株、投資信託等に投資するよりは、むしろ大多数の
お客様が流動性の高いポジションに資産を戻す傾向にあります。しかし為替レ
ートの悪い時に作成してしまった外貨預金など、動かしようがない人にはこの
ような商品を提案している営業の方が多いと思われます。

 日本では銀行員の言う事を素直に信じてしまうお客様が多いという印象があ
ります。銀行員(金融機関)が薦めてくる商品が良いとは限りません。提案さ
れてきた商品を購入する前に是非一度慎重に検討する事をお勧め致します。

 日本では中立的な立場からお客様を金融商品からプロテクトするような機関
もしくは人間の必要性があるかもしれません。

(番頭さん)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても当方は一切の責任を負いません。)

【筆者プロフィール】
 大学卒業後、某都市銀行勤務、某外資銀行勤務を経て独立。専門は個人富裕
層業務。
 幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。

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りになっております。現在、最新〜2005年1月分まで掲載しておりますが、
順次過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まと
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です。この名称での有償のサービス等は「石川臨太郎の有料メールマガジン」
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編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
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空売り

JUGEMテーマ:株・投資


 年初からの日本の株式市場は「いい加減にしてくれ!」と言いたくなるほど毎日ズルズルと下がり続けています。US市場も昨年の安値を割ってきて泥沼のようです。
 しかもあらゆる銘柄で信用売り残が相当積み上がり、これほど取り組みが良いのに市場心理が弱気に傾いているせいか不思議と戻す兆候がありません。少しでも上がると直ぐに売り物が出てきて、どの銘柄も力無く下げていきます。誰もが相場に疑心暗鬼となっており、安いと思って買っても、ちょっと弱含むと慌てて投げてしまうためトレンドが出辛いことや、国内機関投資家等の決算対策売りもあるのでしょうが、調べてみるとファンドが随分と空売りをしています。

 ここのところ気になって見ているのは、電源開発で有名になったTCI(ザ・チルドレンズ・インベストメント)です。TCIは東芝などを決算発表の辺りから連日売り続け23日時点で既に4.21%も売っています。みずほFGは0.73%、シャープは1.74%売っています。その他の外資系ファンドの売り残を見ると銘柄個別に概ね0.2%〜0.6%辺りに収まっていますので、相当集中的に売っていると考えて良いと思います。もちろん業績悪化が継続するためこれらの株価はもっと下がると判断して売っているのかもしれません。
 しかしながら、穿った見方かもしれませんが、ファンドは利益が命ですから儲けるためには何でもやる訳で、昨年までの動きを見ても運用対象は商品でも何でも相当幅広く手を出します。昨年までの損を取り返すべく、弱気心理が蔓延し、決算対策売りが出易く、かつ流動性もあり規制が緩い日本市場にて、ショートを基本姿勢として運用しているファンドが昨年秋以降に増加していると感じます。
 先月末頃、知り合いの米系ヘッジファンドのマネージャーが、「もう昨年中に随分と日本株は売っていて未だに大量保有しているファンドは少なさそうだし、どちらかと言えばキャッシュを抱えている状態と思う。今は欧州系ファンドが円高の影響で損失が減ったことと、資金作りのためにまだ売っているのかも。」と言っていたくらいですので、多少の買いが入れば余程のニュースが飛び込んでこない限りそれほど下げることもないのではと考えていましたが、実はこの空売りが結構な重石になっているのかもしれません。
 考えるに、他欧米主要市場に比べて日本市場はこの厳しい現状においても規制が緩く、空売り規制に始まり、欧州でのファンドの監視体制に向けた協議が進んでいることと比べても、流動性の高い主要市場の中で最も自由(やり放題?)なマーケットになってしまっているのではと危惧しています。

 そこで提案です。日本国内には1,500兆円の金融資産があるそうですが、このうちの2%(30兆円)程度を使って、これらファンドが空売りしている銘柄を国主導で一気に倍くらいに持ち上げてしまうってのいうはどうでしょうか?そして最低1年くらいは買い支える。国がやることですから今回は相場操縦ではなく一種のPKOと解釈して。それを一般投資家が知ると提灯をつけてくるのでもっと上がる。さて、600円以上となった東芝をファンドはいつ買い戻すのでしょうか?見てみたい欲求にかられます。
 まさかポルシェ(VW)みたいになるのかな・・・などと。

 今回は少々非現実的なコラムで済みません。

(街のコンサルタント)

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億の近道2009/02/26

JUGEMテーマ:株・投資



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投資情報メールマガジン                   2009/02/26
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したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
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             −本日の目次−
        (本日の担当:街のコンサルタント)

      ◆コラム「空売り」:街のコンサルタント

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◆コラム「空売り」

 年初からの日本の株式市場は「いい加減にしてくれ!」と言いたくなるほど
毎日ズルズルと下がり続けています。US市場も昨年の安値を割ってきて泥沼
のようです。
 しかもあらゆる銘柄で信用売り残が相当積み上がり、これほど取り組みが良
いのに市場心理が弱気に傾いているせいか不思議と戻す兆候がありません。少
しでも上がると直ぐに売り物が出てきて、どの銘柄も力無く下げていきます。
誰もが相場に疑心暗鬼となっており、安いと思って買っても、ちょっと弱含む
と慌てて投げてしまうためトレンドが出辛いことや、国内機関投資家等の決算
対策売りもあるのでしょうが、調べてみるとファンドが随分と空売りをしてい
ます。

 ここのところ気になって見ているのは、電源開発で有名になったTCI(ザ・
チルドレンズ・インベストメント)です。TCIは東芝などを決算発表の辺り
から連日売り続け23日時点で既に4.21%も売っています。みずほFGは
0.73%、シャープは1.74%売っています。その他の外資系ファンドの
売り残を見ると銘柄個別に概ね0.2%〜0.6%辺りに収まっていますので、
相当集中的に売っていると考えて良いと思います。もちろん業績悪化が継続す
るためこれらの株価はもっと下がると判断して売っているのかもしれません。
 しかしながら、穿った見方かもしれませんが、ファンドは利益が命ですから
儲けるためには何でもやる訳で、昨年までの動きを見ても運用対象は商品でも
何でも相当幅広く手を出します。昨年までの損を取り返すべく、弱気心理が蔓
延し、決算対策売りが出易く、かつ流動性もあり規制が緩い日本市場にて、シ
ョートを基本姿勢として運用しているファンドが昨年秋以降に増加していると
感じます。
 先月末頃、知り合いの米系ヘッジファンドのマネージャーが、「もう昨年中
に随分と日本株は売っていて未だに大量保有しているファンドは少なさそうだ
し、どちらかと言えばキャッシュを抱えている状態と思う。今は欧州系ファン
ドが円高の影響で損失が減ったことと、資金作りのためにまだ売っているのか
も。」と言っていたくらいですので、多少の買いが入れば余程のニュースが飛
び込んでこない限りそれほど下げることもないのではと考えていましたが、実
はこの空売りが結構な重石になっているのかもしれません。
 考えるに、他欧米主要市場に比べて日本市場はこの厳しい現状においても規
制が緩く、空売り規制に始まり、欧州でのファンドの監視体制に向けた協議が
進んでいることと比べても、流動性の高い主要市場の中で最も自由(やり放題
?)なマーケットになってしまっているのではと危惧しています。

 そこで提案です。日本国内には1,500兆円の金融資産があるそうですが、
このうちの2%(30兆円)程度を使って、これらファンドが空売りしている
銘柄を国主導で一気に倍くらいに持ち上げてしまうってのいうはどうでしょう
か?そして最低1年くらいは買い支える。国がやることですから今回は相場操
縦ではなく一種のPKOと解釈して。それを一般投資家が知ると提灯をつけて
くるのでもっと上がる。さて、600円以上となった東芝をファンドはいつ買
い戻すのでしょうか?見てみたい欲求にかられます。
 まさかポルシェ(VW)みたいになるのかな・・・などと。

 今回は少々非現実的なコラムで済みません。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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 億の近道(NPO法人イノベーターズ・フォーラム)では、有料メールマガジ
ンをスタートいたしました。第1弾は火曜日執筆者の石川臨太郎氏です。
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■春の株主優待キャンペーン!!
 2月末日までにご購読お申し込みのすべての方へ、キャンペーンといたしま
して、「石川臨太郎チョイス・3月優待で優待1単位投資銘柄レポート」を差
し上げます。年に1回の優待ゲットチャンスに、是非お申し込み下さい。

=前書きより=

 1単位くらい持っていると、とてもうれしい食べ物などの優待がもらえる高
配当優待利回り株をご紹介しようと考えました。

 3月は優待族にとっては年に一番大きなお祭りです。優待権利確定の少ない
11月などの優待株は、権利落ち後に優待の価値の何倍も暴落することも多く、
危険なこともよくあります。その原因の一つに優待を貰おうとして駆け込みで
買う人や、優待をタダ取りしようという、優待おもらい族とよばれる人々がう
ごめくからです。優待株を現物で買って、信用で売って、リスクを少なくして
優待をタダに近い形(→逆日歩という信用取引特有のコストが莫大になり、か
えって大きな損をすることもあるので、まねをしないでくださいね)で、もら
おうとして投資行動をとるのです。

 しかし3月の優待銘柄は数が多くて的が絞れないこともあり、去年の3月に
関しては、優待族の動きで、株価が暴落することは、少なかったように感じて
います。

 この特別レポートでは、優待内容がよいのはもちろん、財務的にも強いと判
断できる企業を中心に選びました。(レポート前文より抜粋)
= = = = = =

有料メルマガ詳細は以下のページを参照下さい。
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儲からないときにも、借金は返さなければならないが、配当は払う必要はない

わたしは携帯電話でメールのやりとりができません。
親指で文字が打てません。
メールの送信もできません。
自分の携帯電話のアドレスがわかりません。
全く、時代遅れで困ったものです。


◆情報端末

ファンドマネージャーになって、数多くの人々から助言を受けました。
「ブルームバーグ端末を持て」と。
ブルームバーグとは、運用業界で、スタンダードになっている情報端末です。
これがあれば、株価が見れる、企業の財務内容が見れる、などの機能がたくさん付加されています。
ブルームバーグがないと、業界の友達から、ちょっとバカにされます。
ブルームバーグがないぐらい貧乏か??と・・・そうじゃないんだけども。
友達に説明しても、だめです。
アナリストの給与や教育だとか、端末という機械より、もっと大切な人材にお金をかけたいと説明してもわかってもらえません。

そう。
ブルームバーグやクイックという端末は本当に便利です。
しかし・・・
わたしの投資プロセスは、企業訪問をベースにしています。
企業担当者との「人間関係」が基本です。

わたしの投資プロセスには、ブルームバーグという「おもちゃ」はあったらいいなと思う程度。
絶対に必要なものではありません。
携帯やパソコンやインターネットやメールがなくても、運用成績には、影響がありません。

多くの運用機関で見られる一般的な風景があります。
運用担当者たちが、多数のブルームバーグ画面を鳥瞰というか、凝視し、
刻一刻と変化する各市場の様を真剣に「理解」しようとしている光景です。
いわゆるトレーディング・ルームです。
これが、(残念ながら?)、今の多くの運用機関のあり様です。

多数の画面を凝視しながら、無理に売買をしようとしても、
「瞬間芸」「日技」「週技」の繰り返しでは、運用成績を上げることができないばかりか、
そのように画面を凝視していたら、目が悪くなります(笑)。

目が悪くなるだけではありません。
深く考える時間もなくなります。


◆メールの落とし穴

以前、同僚から、「メールで相手に指示を出すな」「メールで人を批判してはいけない」と注意されました。
わたしは、仕事柄、毎日のように同僚アナリストの執筆したレポートをいただくのですが、
昔は、そのレポートに対して、足りない点を、メールで羅列し、それを返していました。

「どうして君は、この大切なポイントを見落としたのか?」と電子メールにて、
担当者を責める癖がありました。

メールでの批判は、一方的になります。
批判を受け取る方の気分は、必ず悪くなります。

そのころ、人間として、そんな初歩的なこともわかりませんでした。
メールがあまりにも便利だったものですから、
自分の一方的な見解を相手に伝えっぱなしにしていたのです。
困ったマネージャーでした。

それを見かねた同僚が、「メールはやめようよ」と苦言を呈してくれて、わたしは我に返ったのです。
同僚に感謝です。

いまでも、ほんの1メートルしか離れていない同じ会社の人から、メールがくるときがあります(苦笑)。
「ほんの数メートルの距離なら、直接、相手の目を見ながら話をすべきだ」とその同僚はいうのです。

社内に限りません。
仕事の付き合いでも、
すごく大切なことを、直接、面談をするわけでもなく、
簡単にメールに託す人が最近どれほど多いかと、ようやく、わたしも気がつきました。
「こんな大切なことを一方的に送りつけてくるのは、どんな了見だろうか」と、
いまでは、そう考えるようになったのです。

メールは、書いているうちに、自分をどんどん正当化してしまいます。
インターネットの世界は、中傷も多いと聞きます。
わたしは、あえて実名で、このメルマガを書いています。
中傷される危険もあり、ネットでの実名は、本来はタブーです。

とくに、ネットやメールの世界は、批判・中傷が日常茶飯事です。
ネット世界の中傷は、その内容も、表現も、どぎつく、
それを読めば、どんなに鈍感な人でも、参ってしまうほどです。

わたしも、ネットの世界では、批判され、批難され、中傷されることがあります。
「ネット社会では、誹謗は仕方のないこと」とあきらめるしかありません。
ネット社会で、もし、学童や未成年者が、他人から匿名でひどく中傷されるなら、経験が浅い彼らの中には自殺する者もいるでしょう。
いまどきの子どものいじめ。
仲間をメールで批判するのがいじめの中心のようです。
メールで傷つけられる子ども。
可哀そうですね。


◆いたるところで失われた信頼

世の中は信頼がベースに成り立ちます。
今の世の中が、これほど脆弱に見えるのは、いろいろなところで、信頼が揺らいでいるからです。

銀行は、誰にでもお金を貸して、それを証券化し、さらにお金を貸していきました。
本来、ローンや貸出は銀行という債権者 対 債務者という1対1の信頼関係をベースにしています。
しかし、証券化は、1対1の関係を流してしまい、不特定多数の投資家とペーパーカンパニーとの関係へと置き換えてしまいます。
すると、証券化を通して、投資家は、その債務者を、「返済の意思と能力のある個人」としてみるのではなく、
「確率的なキャッシュフローを産む出す証券」としてとらえることになります。
本来、信用の低い人たちにまで、お金を貸しせば、当然、それは銀行にとって、
自らの信用を傷つける自殺行為。

証券化によって、金融機関の信頼が失われました。

インターネットというテクノロジーも同様です。
昔であれば、すべての商行為は、相対取り引きが基本で、1対1で直談判していました。
今は、一瞬のうちにひとつのサーバーから何百、何千、何万という不特定多数の端末へ一方的にスパムメールを送るつけるようになりました。

この便利さを得ることで、ネット社会の信頼は失われました。

食料品が低コストで大量生産されるようになりました。
割高なものは、スーパーや八百屋さんでは、売れないからです。
労働集約的な産業の代表である農業は、低コストを追及すれば、日本には根付きません。
中国などの賃金の安い国でつくられ、それを船で日本に輸入するという事態です。
食に関しては、いろいろな事件が起こっています。
誰が食べるのかイメージできないのに、安い賃金で長時間働かされる中国の方々を思えば、
彼らだけを一方的に責めることはできないでしょう。
食品の安全は脅かされ、食品業界の信頼は地に落ちました。


◆便利さの陰で信頼が犠牲に

効率を高めれば、信頼が犠牲になるのは、自明の論理です。
たとえば、先生の話をノートに取るときに、急いでノートをとれば、字は汚くなります。
しっかりと書けば、字は奇麗になりますが、多少の余分の時間はかかってしまいます。

運用の仕事も同様です。
きっちりとした責任のある仕事をすれば、時間はいくらあっても足りないぐらいです。

これは深く反省していることですが、
昔、ITバブルのときに、わたしの机の上には、3分間PLが乱造されました。
インターネットが世界で5%普及したら、売上はこう、10%の普及で売上はこう、というPLです。
すべてのネット関連の「机上の企業価値」は膨大なものとなりました。

職人のように仕事をすれば、
「今年の売上は、誰と誰と誰には決まっており、しかし、誰と誰は可能性はあるが、まだ不確定だ」という仕事になっていきます。
作業は膨大であり、やってもやっても、終わりはありません。
その仕事を3分で乱造すれば、職業への信頼が失われます。


◆自由と平等とのトレード・オフ

このコラムでは、好んで「トレード・オフ」という言葉を用います。
何かを得ようとすれば、何かが犠牲になるという意味です。
仕事のスピードを上げれば、仕事の質は犠牲になります。

自由主義的な発想で、
効率の高さ、生産性の高さを求めれば、何がトレード・オフになるのか、前回のコラムで示唆いたしました。
効率の追求により、
地球の資源は特定の者に所有され、富の偏在を助長します。

反対に、社会主義的な発想で、
富を人類に分け隔てなくバラまけば、事業の収益率が犠牲になり、
朝、うっすらと積もる春先の雪のように夕方にその姿をとどめることなく、大胆な経済効果は見込めません。

社会主義的なバラマキを「経済効果なし」と批判しながら、一方で、自由主義的な富の偏在を「不平等」である批判するのは、矛盾です。
この悩みは、解決できないトレード・オフなのです。
自由と平等のトレード・オフ。
この両極端の狭間で、わたしたちは、悩み、苦しみ、試行錯誤の毎日です。
しかし、この両極端のどこか中間に、最大多数の最大幸福があるのではないでしょうか。


◆長期に渡る変わらない態度、ぶれない信念が、信頼を築いていく

同僚アナリストが、わたしに同情しました。
「山本さん、大変ですね。この仕事って、成績で評価されるので・・・よくやっていけますね。ちゃんと眠れますか??」と。
わたしは、笑って答えました。
「わたしは、この仕事が大好きで、まさに天職だと思っている。こういう男が、
成績で評価されないで、他に何で評価されればいいの?」

こんなことを書くと誤解されそうですが、
わたしは、自分の長所が存分に活かせる運用という仕事をさせていただける立場にあります。
わたしの長所とは、他人と違っていることが気にならない。(長所は短所でもあります・・・)
着るものには、まったっくこだわらない。
ブランドがよいとは思えないところ。
高級スポーツカー、単に嫌い。(狭いし・・・)

シャツやTシャツを裏返しに着るばかりではなく、前後ろを反対に着てしまう。
少数派が好き。自分が少数派と知れば、それが、かえって快適です。
孤独が気になりません。

わたしは、他人と成績を比較され、相対的に客観的に評価されればされるほど、
気が楽になります。
(すみません。一部の方々には不愉快な記述かもしれません・・・)

一方で、
わたしは、同僚アナリストを査定(=評価=感謝)する立場です。
もちろん、評価というか、感謝は、結果ではなく、過程で行います。

アナリストがある銘柄を勧めた。
その銘柄が上がる下がるは、評価(感謝)の対象ではありません。

大切なことは、「アナリストがどれだけの自信を持って企業を分析できたか」
なのです。
いちいち、これをしろ、これをしろと指導していたのでは、手がかかり、人も育ちません。
結果で評価するのであれば、当たった、外れたで一喜一憂となってしまいます。

こなした仕事に誇りを持つことができれば、そのひとは、高く評価されるべきです。
仕事に誇りを持つことができないのであれば、他の仕事を探すべきです。

「長期投資」という言葉があります。
わたしは、2年前、このコラムで「信用取引をやめよう」というコラムを連続して書きました。
レバレッジ取引は勝率が低いことを繰り返し書いてきました。
レバレッジを利用した取引は、どうしても短期取引となります。
同じ銘柄を信用取引で10年間保有し続けたという投資家はいないはずです。

レバレッジとは、本質的に、短期のパフォーマンスを押し上げるための手段に過ぎないからです。
長期投資家は、レバレッジのちからをあえて利用しません。
長期投資の前提は、レバレッジに頼らないことです。

長期投資という言葉には、
「長期で投資をする」という意味だけではなく、
「投資家として一人前になるには、長い年月がかかる」という意味が含まれると思うのです(ちょっと違うか??)。

今年に入って、激動の世の中です。
このコラムでは、
銀行の貸し渋り、信用収縮、金融危機、証券化、格差社会、グローバル企業、
雇用の危機、需要の半減、富の偏在、富と借入金、
毎週、いろいろなテーマを書き綴ってきました。

しかし・・・すべてはひとつにつながっているのです。(同じことを繰り返し書いているだけなのです。)

わたしが、これらのコラムで示唆したかったことは、
「市場というのは、短期的な投機者から、長期的な投資家へ富を移転するシステムである」ということです。

機関投資家の中にも、「今月はこのファクターが効いた」、「このセクターが上がった」と議論している会社があります。
数週間や数日といった循環の波をとらえようとするのは無茶です。無茶とわかっていても短期に振り回されてしまうのでしょうね。
次に来るセクターを当てようなどと、そういうことに大切なエネルギーを浪費して、
何十年という貴重な時間を犠牲にしてしまうのでしょうね。

最後に、引退するとき、運用のプロフェッショナルとしてわかったことが、
「セクターの短期的な循環で儲けることはできない」という自明の理だとしたら、それは、まさに、悲劇です・・・・


◆信頼は幸せへのパスポート

レバレッジを使えば、短期的な成果は得られるでしょう。
為替証拠金の100倍のレバレッジ。すごいですよね。

しかし、レバレッジは、長期的には、必ず犠牲を伴います。

なぜなら・・・簡単な理屈です。
「金利は、必ず払う義務があるが、配当は儲かったときだけ払えばよい」からです。
レバレッジを使うものは、必ず支払わなければならない義務だけを負い、
運がよければもらえるだけの不確定な配当をあてにしているからです。
借金は重い義務。
キャピタル・ゲインは幸運の産物です。

確率的に不利なゲームにあえて挑む者は、「自分は例外である」と考えている自信家が多いのではないでしょうか。
「自分は例外でありたい」と考える者は、未来を建設的に形づくる社会の担い手にはなれないでしょう。
短期のパフォーマンスを追いかける人々は、往々にして、長期にわたって、なんらかの犠牲を支払うことになるのです。

一方で、未来を建設的に形づくろうと努力し、節制する者には、よいチームやすばらしい出会いが用意されています。
そのチームには、長期にわたるブレない信念があり、その仕事ぶりには、他者からの信頼・信用が寄せられます。
信頼や信用は世の中のベースであり、金融の世界においても、実業の世界においても、もっとも大切な人生の基礎です。
信頼は、人と人との絆そのものです。

絆を預かる者は、建設的な世の中を築く担い手です。
どんなに短期主義者が欲しても、彼らには絶対に獲得できない「幸せへのパスポート」、それが信用と信頼。
信頼や信用はお金では買えないのです。

「幸せはお金では買えない」という、言い古されたクリシェ。

もし、あなたが「信頼は幸せへのパスポート」と信じていただけるのであれば、
長期にわたって、「あなただけの正しい生き方」を貫いてほしいのです。
それは、携帯メールのように、気軽に、どこでも、いつでも、すぐに簡単に返事がもらえるものではありません。

さて、メールをここまで否定しながら、このようなメルマガを書いていることをどうかお許しください!(笑)

そして、毎回、投機やレバレッジに対する、ぼやきや批判に付き合っていただき、ありがとうございます。

また、市場にたっぷりと流動性を付与していただいている多くの短期投資家の方々へ、
メルマガという不特定多数に向けて、送りつける度重なる失礼な言葉の数々を、
どうか、どうか、ご容赦ください。

P.S.

3月に億の近道主催の無料・手弁当勉強会を再度、開催する運びとなりました。
このメルマガのように15000人の人々へ一度には発信できません。
たった10人の集まりです。

でも、「1人とのフィジカルなコンタクトは、15000人へのメール配信に勝る」と考えて、このような勉強会を開催しています。
携帯メールで、今日も繰り返される誹謗中傷・個人攻撃。
多感・感受性の高い中学生・高校生・未成年者の方々が、いじめで、大切な命を粗末に扱わないように願っています。
メールでの個人攻撃は卑怯ですよね。

山本 潤

<筆者紹介>
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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(続)橋の話

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以前、”日本の橋が危ない”という話を書かせていただきました。

その後、もうちょっと調べてみようと思い、いろいろなデータをあたってみました。

面白い話もありましたので、ちょっとまとめてみます。

 足元では景気対策として公共投資の前倒しが検討されており
老朽化が進む道路や橋の整備も項目としてあげられている模様で、
投資のネタとしても少しは役に立つかもしれませんね。

 高度成長期に建設された橋の老朽化が進むという話は前回書きました。
橋齢(橋が建設されてからの年数)50年以上の橋梁の割合が今後急速に増える。
2006年度6%→2026年47%
にもなる。

<橋の寿命って>

 ところで、この話の前提として橋の寿命50〜60年という話がありますが、
橋には鋼橋もあればコンクリート橋もあるのに
寿命が同じ基準で語られることに若干疑問がありました。

 ひとつの理由は資産の耐用年数として鋼橋45年、コンクリート橋60年が
設定されていることが基準となっているようです。
資産の耐用年数と寿命が一致しているかといえば、
ちょっと説得力に欠ける気がしますが、
現在の橋梁の崩落事故や点検により確認されている疲労度から見れば
50年程度はおおよそ妥当な年数といえそう。


<社会の変化が道路の劣化につながっている>

・私達の生活を便利にしてくれたコンビニ
・在庫圧縮のための実現したジャストインタイム方式
この二つに共通するのはなんでしょうか?

ヒントはなぜ便利か?どうやってJITを実現したか?
を輸送の面から考えてみてください。



























多頻度少量配送です。

ちょっとヒント、難しすぎましたか?(笑)

多頻度少量配送には船舶、鉄道、航空などはあいませんよね。

結果として自動車貨物の利用が増加しています。

船舶や鉄道などで大量に一回で運ぶほうが効率的なはずですが、

多頻度少量配送を実現する為に自動車貨物が選択され、

そこでコストを下げる為、貨物トラックの大型化が進む。

加えて、人口集中も影響を及ぼしています。
東京だけでなく地方都市においても特定の都市に人口が集中する傾向にあり
その都市に持ち込まれるものが増加し、
都市圏内で移動する貨物量も増えたということです。


そういえば、ちょっと前に
CO2削減に向けて”モーダルシフト”がすすむ
なんて記事をどこかで見ましたが、
全体を見てみると、逆行が続いているようです。


数十年前には考えられないような社会の変化、産業構造の変化など
様々な変化が社会資本の老朽化に影響を与えていると言えそうです。


<首都高速橋!?>

 皆さんご存知の首都高。
運営する会社名は
”首都高速道路株式会社”
です。
確かに”道路”ともいえますが、構造的には”橋”というところが
多いのではないでしょうか

実は首都高速や阪神高速(私は実際に走ったことがないですが)の
構造の8割は”橋”が占めるのです。

道路整備において日本の国土のように起伏が大きいことは弱点です。
橋の構造を生かすことが高速性を確保する役目を果たしています。

橋に敬意を表して
首都高速”橋”株式会社
にしてみてはいかがでしょうか(笑)

(知の利)

<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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■編集後記■

JUGEMテーマ:株・投資


 知の利さんが橋梁の話題を出していますが、先日ある番組で道路関連の値段をはじき出していました。
例えば、LED式の信号機は本体56万円+支柱35万円+制御機器&電気工事150万円+施工費120万円=361万円(1本あたり)…とか、横断歩道のペイントは1mあたり780円で、長さ4m(と決まってる)なので、白線1本3120円、20本白線がある横断歩道だと約6万円…といった具合です(東京都の場合)。
この計算の拠り所になっているのが、「土木施工単価(経済調査会)」というハンドブックです。業界の方はご存じでしょうが、都道府県別に参考単価が掲載されています。橋梁の項目まであるかどうかは確認していませんが、こんなものを元にして経済効果や予算などを推計してみるのも面白いですね。
3,400円もする本なので、図書館などで閲覧するのが良いかもしれません。使う頻度が多い方はこの限りでは無いですが…(笑)。(ぢんぢ部長)

億の近道2009/02/25

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                  2009/02/25号
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
         (本日の担当:山本潤&知の利)

◆コラム「儲からないときにも、借金は返さなければならないが…」:山本潤
◆コラム「(続)橋の話」:知の利

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◆コラム「儲からないときにも、借金は返さなければならないが、
     配当は払う必要はない」

わたしは携帯電話でメールのやりとりができません。
親指で文字が打てません。
メールの送信もできません。
自分の携帯電話のアドレスがわかりません。
全く、時代遅れで困ったものです。


◆情報端末

ファンドマネージャーになって、数多くの人々から助言を受けました。
「ブルームバーグ端末を持て」と。
ブルームバーグとは、運用業界で、スタンダードになっている情報端末です。
これがあれば、株価が見れる、企業の財務内容が見れる、などの機能がたくさ
ん付加されています。
ブルームバーグがないと、業界の友達から、ちょっとバカにされます。
ブルームバーグがないぐらい貧乏か??と・・・そうじゃないんだけども。
友達に説明しても、だめです。
アナリストの給与や教育だとか、端末という機械より、もっと大切な人材にお
金をかけたいと説明してもわかってもらえません。

そう。
ブルームバーグやクイックという端末は本当に便利です。
しかし・・・
わたしの投資プロセスは、企業訪問をベースにしています。
企業担当者との「人間関係」が基本です。

わたしの投資プロセスには、ブルームバーグという「おもちゃ」はあったらい
いなと思う程度。
絶対に必要なものではありません。
携帯やパソコンやインターネットやメールがなくても、運用成績には、影響が
ありません。

多くの運用機関で見られる一般的な風景があります。
運用担当者たちが、多数のブルームバーグ画面を鳥瞰というか、凝視し、
刻一刻と変化する各市場の様を真剣に「理解」しようとしている光景です。
いわゆるトレーディング・ルームです。
これが、(残念ながら?)、今の多くの運用機関のあり様です。

多数の画面を凝視しながら、無理に売買をしようとしても、
「瞬間芸」「日技」「週技」の繰り返しでは、運用成績を上げることができな
いばかりか、
そのように画面を凝視していたら、目が悪くなります(笑)。

目が悪くなるだけではありません。
深く考える時間もなくなります。


◆メールの落とし穴

以前、同僚から、「メールで相手に指示を出すな」「メールで人を批判しては
いけない」と注意されました。
わたしは、仕事柄、毎日のように同僚アナリストの執筆したレポートをいただ
くのですが、
昔は、そのレポートに対して、足りない点を、メールで羅列し、それを返して
いました。

「どうして君は、この大切なポイントを見落としたのか?」と電子メールにて、
担当者を責める癖がありました。

メールでの批判は、一方的になります。
批判を受け取る方の気分は、必ず悪くなります。

そのころ、人間として、そんな初歩的なこともわかりませんでした。
メールがあまりにも便利だったものですから、
自分の一方的な見解を相手に伝えっぱなしにしていたのです。
困ったマネージャーでした。

それを見かねた同僚が、「メールはやめようよ」と苦言を呈してくれて、わた
しは我に返ったのです。
同僚に感謝です。

いまでも、ほんの1メートルしか離れていない同じ会社の人から、メールがく
るときがあります(苦笑)。
「ほんの数メートルの距離なら、直接、相手の目を見ながら話をすべきだ」と
その同僚はいうのです。

社内に限りません。
仕事の付き合いでも、
すごく大切なことを、直接、面談をするわけでもなく、
簡単にメールに託す人が最近どれほど多いかと、ようやく、わたしも気がつき
ました。
「こんな大切なことを一方的に送りつけてくるのは、どんな了見だろうか」と、
いまでは、そう考えるようになったのです。

メールは、書いているうちに、自分をどんどん正当化してしまいます。
インターネットの世界は、中傷も多いと聞きます。
わたしは、あえて実名で、このメルマガを書いています。
中傷される危険もあり、ネットでの実名は、本来はタブーです。

とくに、ネットやメールの世界は、批判・中傷が日常茶飯事です。
ネット世界の中傷は、その内容も、表現も、どぎつく、
それを読めば、どんなに鈍感な人でも、参ってしまうほどです。

わたしも、ネットの世界では、批判され、批難され、中傷されることがありま
す。
「ネット社会では、誹謗は仕方のないこと」とあきらめるしかありません。
ネット社会で、もし、学童や未成年者が、他人から匿名でひどく中傷されるな
ら、経験が浅い彼らの中には自殺する者もいるでしょう。
いまどきの子どものいじめ。
仲間をメールで批判するのがいじめの中心のようです。
メールで傷つけられる子ども。
可哀そうですね。


◆いたるところで失われた信頼

世の中は信頼がベースに成り立ちます。
今の世の中が、これほど脆弱に見えるのは、いろいろなところで、信頼が揺ら
いでいるからです。

銀行は、誰にでもお金を貸して、それを証券化し、さらにお金を貸していきま
した。
本来、ローンや貸出は銀行という債権者 対 債務者という1対1の信頼関係
をベースにしています。
しかし、証券化は、1対1の関係を流してしまい、不特定多数の投資家とペー
パーカンパニーとの関係へと置き換えてしまいます。
すると、証券化を通して、投資家は、その債務者を、「返済の意思と能力のあ
る個人」としてみるのではなく、
「確率的なキャッシュフローを産む出す証券」としてとらえることになります。
本来、信用の低い人たちにまで、お金を貸しせば、当然、それは銀行にとって、
自らの信用を傷つける自殺行為。

証券化によって、金融機関の信頼が失われました。

インターネットというテクノロジーも同様です。
昔であれば、すべての商行為は、相対取り引きが基本で、1対1で直談判して
いました。
今は、一瞬のうちにひとつのサーバーから何百、何千、何万という不特定多数
の端末へ一方的にスパムメールを送るつけるようになりました。

この便利さを得ることで、ネット社会の信頼は失われました。

食料品が低コストで大量生産されるようになりました。
割高なものは、スーパーや八百屋さんでは、売れないからです。
労働集約的な産業の代表である農業は、低コストを追及すれば、日本には根付
きません。
中国などの賃金の安い国でつくられ、それを船で日本に輸入するという事態で
す。
食に関しては、いろいろな事件が起こっています。
誰が食べるのかイメージできないのに、安い賃金で長時間働かされる中国の方々
を思えば、
彼らだけを一方的に責めることはできないでしょう。
食品の安全は脅かされ、食品業界の信頼は地に落ちました。


◆便利さの陰で信頼が犠牲に

効率を高めれば、信頼が犠牲になるのは、自明の論理です。
たとえば、先生の話をノートに取るときに、急いでノートをとれば、字は汚く
なります。
しっかりと書けば、字は奇麗になりますが、多少の余分の時間はかかってしま
います。

運用の仕事も同様です。
きっちりとした責任のある仕事をすれば、時間はいくらあっても足りないぐら
いです。

これは深く反省していることですが、
昔、ITバブルのときに、わたしの机の上には、3分間PLが乱造されました。
インターネットが世界で5%普及したら、売上はこう、10%の普及で売上は
こう、というPLです。
すべてのネット関連の「机上の企業価値」は膨大なものとなりました。

職人のように仕事をすれば、
「今年の売上は、誰と誰と誰には決まっており、しかし、誰と誰は可能性はあ
るが、まだ不確定だ」という仕事になっていきます。
作業は膨大であり、やってもやっても、終わりはありません。
その仕事を3分で乱造すれば、職業への信頼が失われます。


◆自由と平等とのトレード・オフ

このコラムでは、好んで「トレード・オフ」という言葉を用います。
何かを得ようとすれば、何かが犠牲になるという意味です。
仕事のスピードを上げれば、仕事の質は犠牲になります。

自由主義的な発想で、
効率の高さ、生産性の高さを求めれば、何がトレード・オフになるのか、前回
のコラムで示唆いたしました。
効率の追求により、
地球の資源は特定の者に所有され、富の偏在を助長します。

反対に、社会主義的な発想で、
富を人類に分け隔てなくバラまけば、事業の収益率が犠牲になり、
朝、うっすらと積もる春先の雪のように夕方にその姿をとどめることなく、大
胆な経済効果は見込めません。

社会主義的なバラマキを「経済効果なし」と批判しながら、一方で、自由主義
的な富の偏在を「不平等」である批判するのは、矛盾です。
この悩みは、解決できないトレード・オフなのです。
自由と平等のトレード・オフ。
この両極端の狭間で、わたしたちは、悩み、苦しみ、試行錯誤の毎日です。
しかし、この両極端のどこか中間に、最大多数の最大幸福があるのではないで
しょうか。


◆長期に渡る変わらない態度、ぶれない信念が、信頼を築いていく

同僚アナリストが、わたしに同情しました。
「山本さん、大変ですね。この仕事って、成績で評価されるので・・・よくや
っていけますね。ちゃんと眠れますか??」と。
わたしは、笑って答えました。
「わたしは、この仕事が大好きで、まさに天職だと思っている。こういう男が、
成績で評価されないで、他に何で評価されればいいの?」

こんなことを書くと誤解されそうですが、
わたしは、自分の長所が存分に活かせる運用という仕事をさせていただける立
場にあります。
わたしの長所とは、他人と違っていることが気にならない。(長所は短所でも
あります・・・)
着るものには、まったっくこだわらない。
ブランドがよいとは思えないところ。
高級スポーツカー、単に嫌い。(狭いし・・・)

シャツやTシャツを裏返しに着るばかりではなく、前後ろを反対に着てしまう。
少数派が好き。自分が少数派と知れば、それが、かえって快適です。
孤独が気になりません。

わたしは、他人と成績を比較され、相対的に客観的に評価されればされるほど、
気が楽になります。
(すみません。一部の方々には不愉快な記述かもしれません・・・)

一方で、
わたしは、同僚アナリストを査定(=評価=感謝)する立場です。
もちろん、評価というか、感謝は、結果ではなく、過程で行います。

アナリストがある銘柄を勧めた。
その銘柄が上がる下がるは、評価(感謝)の対象ではありません。

大切なことは、「アナリストがどれだけの自信を持って企業を分析できたか」
なのです。
いちいち、これをしろ、これをしろと指導していたのでは、手がかかり、人も
育ちません。
結果で評価するのであれば、当たった、外れたで一喜一憂となってしまいます。

こなした仕事に誇りを持つことができれば、そのひとは、高く評価されるべき
です。
仕事に誇りを持つことができないのであれば、他の仕事を探すべきです。

「長期投資」という言葉があります。
わたしは、2年前、このコラムで「信用取引をやめよう」というコラムを連続
して書きました。
レバレッジ取引は勝率が低いことを繰り返し書いてきました。
レバレッジを利用した取引は、どうしても短期取引となります。
同じ銘柄を信用取引で10年間保有し続けたという投資家はいないはずです。

レバレッジとは、本質的に、短期のパフォーマンスを押し上げるための手段に
過ぎないからです。
長期投資家は、レバレッジのちからをあえて利用しません。
長期投資の前提は、レバレッジに頼らないことです。

長期投資という言葉には、
「長期で投資をする」という意味だけではなく、
「投資家として一人前になるには、長い年月がかかる」という意味が含まれる
と思うのです(ちょっと違うか??)。

今年に入って、激動の世の中です。
このコラムでは、
銀行の貸し渋り、信用収縮、金融危機、証券化、格差社会、グローバル企業、
雇用の危機、需要の半減、富の偏在、富と借入金、
毎週、いろいろなテーマを書き綴ってきました。

しかし・・・すべてはひとつにつながっているのです。(同じことを繰り返し
書いているだけなのです。)

わたしが、これらのコラムで示唆したかったことは、
「市場というのは、短期的な投機者から、長期的な投資家へ富を移転するシス
テムである」ということです。

機関投資家の中にも、「今月はこのファクターが効いた」、「このセクターが
上がった」と議論している会社があります。
数週間や数日といった循環の波をとらえようとするのは無茶です。無茶とわか
っていても短期に振り回されてしまうのでしょうね。
次に来るセクターを当てようなどと、そういうことに大切なエネルギーを浪費
して、
何十年という貴重な時間を犠牲にしてしまうのでしょうね。

最後に、引退するとき、運用のプロフェッショナルとしてわかったことが、
「セクターの短期的な循環で儲けることはできない」という自明の理だとした
ら、それは、まさに、悲劇です・・・・


◆信頼は幸せへのパスポート

レバレッジを使えば、短期的な成果は得られるでしょう。
為替証拠金の100倍のレバレッジ。すごいですよね。

しかし、レバレッジは、長期的には、必ず犠牲を伴います。

なぜなら・・・簡単な理屈です。
「金利は、必ず払う義務があるが、配当は儲かったときだけ払えばよい」から
です。
レバレッジを使うものは、必ず支払わなければならない義務だけを負い、
運がよければもらえるだけの不確定な配当をあてにしているからです。
借金は重い義務。
キャピタル・ゲインは幸運の産物です。

確率的に不利なゲームにあえて挑む者は、「自分は例外である」と考えている
自信家が多いのではないでしょうか。
「自分は例外でありたい」と考える者は、未来を建設的に形づくる社会の担い
手にはなれないでしょう。
短期のパフォーマンスを追いかける人々は、往々にして、長期にわたって、な
んらかの犠牲を支払うことになるのです。

一方で、未来を建設的に形づくろうと努力し、節制する者には、よいチームや
すばらしい出会いが用意されています。
そのチームには、長期にわたるブレない信念があり、その仕事ぶりには、他者
からの信頼・信用が寄せられます。
信頼や信用は世の中のベースであり、金融の世界においても、実業の世界にお
いても、もっとも大切な人生の基礎です。
信頼は、人と人との絆そのものです。

絆を預かる者は、建設的な世の中を築く担い手です。
どんなに短期主義者が欲しても、彼らには絶対に獲得できない「幸せへのパス
ポート」、それが信用と信頼。
信頼や信用はお金では買えないのです。

「幸せはお金では買えない」という、言い古されたクリシェ。

もし、あなたが「信頼は幸せへのパスポート」と信じていただけるのであれば、
長期にわたって、「あなただけの正しい生き方」を貫いてほしいのです。
それは、携帯メールのように、気軽に、どこでも、いつでも、すぐに簡単に返
事がもらえるものではありません。

さて、メールをここまで否定しながら、このようなメルマガを書いていること
をどうかお許しください!(笑)

そして、毎回、投機やレバレッジに対する、ぼやきや批判に付き合っていただ
き、ありがとうございます。

また、市場にたっぷりと流動性を付与していただいている多くの短期投資家の
方々へ、
メルマガという不特定多数に向けて、送りつける度重なる失礼な言葉の数々を、
どうか、どうか、ご容赦ください。

P.S.

3月に億の近道主催の無料・手弁当勉強会を再度、開催する運びとなりました。
このメルマガのように15000人の人々へ一度には発信できません。
たった10人の集まりです。

でも、「1人とのフィジカルなコンタクトは、15000人へのメール配信に
勝る」と考えて、このような勉強会を開催しています。
携帯メールで、今日も繰り返される誹謗中傷・個人攻撃。
多感・感受性の高い中学生・高校生・未成年者の方々が、いじめで、大切な命
を粗末に扱わないように願っています。
メールでの個人攻撃は卑怯ですよね。

山本 潤

<筆者紹介>
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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【お知らせ】
【春の優待シーズンキャンペーン開始!】

 億の近道(NPO法人イノベーターズ・フォーラム)では、有料メールマガジ
ンをスタートいたしました。第1弾は火曜日執筆者の石川臨太郎氏です。
現在第8号を配信中!! 過去のサンプル(創刊〜4号)は無料で読めます。

■春の株主優待キャンペーン!!
 2月末日までにご購読お申し込みのすべての方へ、キャンペーンといたしま
して、「石川臨太郎チョイス・3月優待で優待1単位投資銘柄レポート」を差
し上げます。年に1回の優待ゲットチャンスに、是非お申し込み下さい。

=前書きより=

 1単位くらい持っていると、とてもうれしい食べ物などの優待がもらえる高
配当優待利回り株をご紹介しようと考えました。

 3月は優待族にとっては年に一番大きなお祭りです。優待権利確定の少ない
11月などの優待株は、権利落ち後に優待の価値の何倍も暴落することも多く、
危険なこともよくあります。その原因の一つに優待を貰おうとして駆け込みで
買う人や、優待をタダ取りしようという、優待おもらい族とよばれる人々がう
ごめくからです。優待株を現物で買って、信用で売って、リスクを少なくして
優待をタダに近い形(→逆日歩という信用取引特有のコストが莫大になり、か
えって大きな損をすることもあるので、まねをしないでくださいね)で、もら
おうとして投資行動をとるのです。

 しかし3月の優待銘柄は数が多くて的が絞れないこともあり、去年の3月に
関しては、優待族の動きで、株価が暴落することは、少なかったように感じて
います。

 この特別レポートでは、優待内容がよいのはもちろん、財務的にも強いと判
断できる企業を中心に選びました。(レポート前文より抜粋)
= = = = = =

有料メルマガ詳細は以下のページを参照下さい。
 http://www.iforum.jp/magazine.htm
過去サンプル
 http://okuchika.net/?eid=2170

なお、この有料メールマガジンの売り上げの一部は億の近道の発行運営に活用
されます。皆様のお申し込みをお待ちしております。

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◆コラム「(続)橋の話」

以前、”日本の橋が危ない”という話を書かせていただきました。

その後、もうちょっと調べてみようと思い、いろいろなデータをあたってみま
した。

面白い話もありましたので、ちょっとまとめてみます。

 足元では景気対策として公共投資の前倒しが検討されており
老朽化が進む道路や橋の整備も項目としてあげられている模様で、
投資のネタとしても少しは役に立つかもしれませんね。

 高度成長期に建設された橋の老朽化が進むという話は前回書きました。
橋齢(橋が建設されてからの年数)50年以上の橋梁の割合が今後急速に増え
る。
2006年度6%→2026年47%
にもなる。

<橋の寿命って>

 ところで、この話の前提として橋の寿命50〜60年という話がありますが、
橋には鋼橋もあればコンクリート橋もあるのに
寿命が同じ基準で語られることに若干疑問がありました。

 ひとつの理由は資産の耐用年数として鋼橋45年、コンクリート橋60年が
設定されていることが基準となっているようです。
資産の耐用年数と寿命が一致しているかといえば、
ちょっと説得力に欠ける気がしますが、
現在の橋梁の崩落事故や点検により確認されている疲労度から見れば
50年程度はおおよそ妥当な年数といえそう。


<社会の変化が道路の劣化につながっている>

・私達の生活を便利にしてくれたコンビニ
・在庫圧縮のための実現したジャストインタイム方式
この二つに共通するのはなんでしょうか?

ヒントはなぜ便利か?どうやってJITを実現したか?
を輸送の面から考えてみてください。



























多頻度少量配送です。

ちょっとヒント、難しすぎましたか?(笑)

多頻度少量配送には船舶、鉄道、航空などはあいませんよね。

結果として自動車貨物の利用が増加しています。

船舶や鉄道などで大量に一回で運ぶほうが効率的なはずですが、

多頻度少量配送を実現する為に自動車貨物が選択され、

そこでコストを下げる為、貨物トラックの大型化が進む。

加えて、人口集中も影響を及ぼしています。
東京だけでなく地方都市においても特定の都市に人口が集中する傾向にあり
その都市に持ち込まれるものが増加し、
都市圏内で移動する貨物量も増えたということです。


そういえば、ちょっと前に
CO2削減に向けて”モーダルシフト”がすすむ
なんて記事をどこかで見ましたが、
全体を見てみると、逆行が続いているようです。


数十年前には考えられないような社会の変化、産業構造の変化など
様々な変化が社会資本の老朽化に影響を与えていると言えそうです。


<首都高速橋!?>

 皆さんご存知の首都高。
運営する会社名は
”首都高速道路株式会社”
です。
確かに”道路”ともいえますが、構造的には”橋”というところが
多いのではないでしょうか

実は首都高速や阪神高速(私は実際に走ったことがないですが)の
構造の8割は”橋”が占めるのです。

道路整備において日本の国土のように起伏が大きいことは弱点です。
橋の構造を生かすことが高速性を確保する役目を果たしています。

橋に敬意を表して
首都高速”橋”株式会社
にしてみてはいかがでしょうか(笑)

(知の利)

<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
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【お知らせ】
【ネットラジオ好評配信中!!】

木曜日担当の生涯遊人(YEN蔵)のネットラジオ本日更新です。
題して、「YEN蔵のマーケット天気予報!」
好評配信中!! 10分程度の番組なので、気軽に聞けます。

今回の内容は、先週の為替マーケット総括、今週の展望、そして今週の話題と
して、「銀行の国有化」について語っています。
あの銀行を米国が国有化すると?
ぜひお聞き下さい! 毎週月曜日(火曜日の場合もあり)に更新予定。

最新版:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090223.mp3

第1回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081209.mp3
第2回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081216.mp3
第3回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081222.mp3
第4回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081229.mp3
第5回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090105.mp3
第6回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090113.mp3
第7回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090119.mp3
第8回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090126.mp3
第9回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090202.mp3
第10回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090209.mp3
第11回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090216.mp3
※億近のWebでも視聴できます。http://okuchika.net/

この番組では、皆さんのご質問をお待ちしております。番組の中でYEN蔵が
回答しますよ。お気軽にどうぞ!
宛先は: yenzopodcast@gmail.com

===================================

■編集後記■

 知の利さんが橋梁の話題を出していますが、先日ある番組で道路関連の値段
をはじき出していました。例えば、LED式の信号機は本体56万円+支柱3
5万円+制御機器&電気工事150万円+施工費120万円=361万円(1
本あたり)…とか、横断歩道のペイントは1mあたり780円で、長さ4m
(と決まってる)なので、白線1本3120円、20本白線がある横断歩道だ
と約6万円…といった具合です(東京都の場合)。この計算の拠り所になって
いるのが、「土木施工単価(経済調査会)」というハンドブックです。業界の
方はご存じでしょうが、都道府県別に参考単価が掲載されています。橋梁の項
目まであるかどうかは確認していませんが、こんなものを元にして経済効果や
予算などを推計してみるのも面白いですね。3,400円もする本なので、図
書館などで閲覧するのが良いかもしれません。使う頻度が多い方はこの限りで
は無いですが…(笑)。(ぢんぢ部長)

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 「億の近道」のwebはバックナンバー閲覧を重点に置いた、ブログ風の作
りになっております。現在、2005年1月分まで掲載しておりますが、順次
過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まとめ読
みなどに是非ご利用下さい。
 http://okuchika.net/

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 「億の近道」は特定非営利活動法人イノベーターズ・フォーラムの登録商標
です。この名称での有償のサービス等は「石川臨太郎の有料メールマガジン」
以外行っておりません。紛らわしい名称のサービスは弊社と一切関係ありませ
んのでご注意下さい。

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■億近執筆陣の本 好評発売中!■

山本 潤
▲投資家から「自立する」投資家へ▲
パンローリング ISBN4-7759-9008 4800円+税 426ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990087

▲電子書籍 マンガ ファンダメンタルズ分析入門の入門▲
パンローリング ダウンロード販売 KeyringPDF 176頁 23MB 1,890円
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=2011020100005

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パンローリング 680円 192ページ
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===================================

■「山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD」
 発売中!!■

「NPOイノベーターズ・フォーラム 公認日本株アナリスト 認定講座」
共催:エンジュク 協力:ダイヤモンド経営分析チーム

 2005年4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタ
ルズ分析に必要な内容を新たに撮り下ろした映像を全て収録した4枚組DVD
です。

◆ファンダメンタルズ分析の決定版。
 いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
います。受講出来なかった方や反復学習したい方には最適な内容です。

◆充実したボリューム
 価格は48,000円とやや高額ですが、2005年4月のセミナー(受講
料38,000円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約
450分の充実した内容となっています。

詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm

===================================

当メルマガは以下のシステムを利用して発行しております。
 ◆まぐまぐ ID:0000020640
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 ◆E-Magazine ID:okuchika
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編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
 email:okuchika.mail@gmail.com
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このメールマガジンの無断転載・引用を禁じます。
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ぬくぬくホッコリ株日記 定年後は株で楽しく暮らしたい

JUGEMテーマ:株・投資


■第97回■

 私はインフレなど経済変動に対応できる将来の生活防衛のための投資対象(=将来に重点を置いたスタンス)と現在の生活費を安定的に確保するための投資対象(現在に重点を置いたスタンス)と大きく二つのカテゴリーに分け、それぞれに適した企業を探しては分散投資しています。

 将来に対しては、財務内容の良い高技術企業(←爆発的に業績が伸び、株価上昇期待も高いけれど、難点は現在の配当優待利回りが低め)を主に探し求めています。

 現在の生活費を安定的に確保するためには、業種的に将来的に爆発的な株価上昇は期待できないけれど安定的な事業基盤を持ち、現在のような経済環境でも高い配当優待高利回りを確保できる可能性の高い企業を主に探し求めています。

 しかし2月決算企業では、経済環境と投資環境の悪化のために、大きく株価を下落させる企業が出てきました。特に財務内容の堅実な高配当優待利回り株に、配当権利落ち後に、配当や配当優待の価値の2倍以上の株価下落を見せる企業が散見されるようになりました。インカムゲイン狙いの投資部門のピンチです。

 2月20日決算の2つの企業の権利落ち後(2月17日が権利落ちの日です)配当や配当+優待の価値の2倍以上に相当する株価の下落を目の当りにして、ビビってしまいました。その会社はパレモとチェルトです。
 パレモは配当優待利回りが10%に回る高利回り株です。ただし業績は不振。多くの業績不振企業が優待廃止や減配を発表している時代なので、一応リスクを避けるために権利落ち2営業日前に撤退しました。

 株価は権利最終日16日の終値290円から権利落ち後につるべ落としの急落をして2月23日の終値は230円になりました。額にして60円の下落です。現在会社の発表している2月配当10円と1株当たり10円(100株で1000円の図書カード)20円のインカムゲインの3倍の下落となります。
 パレモは業績不振なので、もしやという勘が働きましたが、チェルトは業績好調で、増益で、増配する企業です。


その企業の株が69円の配当権利落ちのあと

http://smartchart.nikkei.co.jp/smartchart.aspx?Scode=3354.9

 業績不振のパレモと同じような急落となりました。株価は権利最終日16日の終値1377円から2月23日には1200円となり177円の下落となりました。現在会社の発表している2月配当69円のインカムゲインの2.56倍の下落となります。

 有利子負債ゼロで安定した収益基盤を持っている財務内容の良い、高配当株の株価が配当権利落ちという理由で暴落する。

 日本の株価はやはり合理的には動かない。他人の投資行動を予測して動くのは投資家ではなくトレーダーであり、忠誠心のない質の悪いステークスホルダーだとは思いますが、インカムゲイン期待の投資家としても、被る痛手は大きいです。

 2月末配当権利落ち銘柄は4つ持っていましたが、長い付き合いの2銘柄は残しても、最近2月末配当狙いで投資したフェリシモとワキタについては迷いました。

 フェリシモは配当以上のキャピタルゲインを得られるのと、配当優待総合利まわりが4%程度なので、案外早く決断でき配当額以上の利益で、あっさり一時退避ができました。悩んだのが、なまじ資産背景が良すぎて、配当利回り7%でゲットできているワキタです。決断遅れで配当権利落ち日まで売るか持ち続けるかの決断を持ち越したままにしてしまいました。

 それまでに資産背景と安定的な事業基盤を評価して投資し続ける。リスクを避けて一時撤退する。どちらかに投資方針をはっきり決断できれば、それ以後は迷うこともなく、その後の株価が上がろうと下がろうと精神的なダメージは少ないです。自分の最初の決定事項をきちんと変更することなく、優柔不断で持ち続け、他の資産背景の豊かな株の暴落を知って、不安を抱えながら持ち越して、不安的中で大きく株価が下落した場合に受ける精神的なダメージは、株価下落の金額以上に大きなものになってしまいます。後々の他の投資判断に悪い影響を与えます。

 ワキタは先週のメルマガにも書いたとおり、当初の投資目的は「配当を確保したら3月配当銘柄にシフトする」というものでした。しかし資産背景の豊富さに目がくらみ、ワキタに対する投資判断に迷いを残したまま危険な配当権利落ち日を迎えてしまいました。

 迷った末に欲に引きずられ、少ないながら税引き後の配当額に近い利益を確保できるチャンスを逃しての、配当額以上の大きな株価下落は、自分のルールに従わなかったから損失を受けたという大きな精神的ダメージを残します(←私の場合はですが)。

http://plaza.rakuten.co.jp/lucky7lucky/diary/200902210000/

 自分の2月21日のブログ↑に、このように書いたあと、「決断を引きのばしたから追い込まれたという反省も含めて、少しでも売却益を出せるなら23日の寄り付きで撤退しよう。寄付きから大きく下落して、買い値を下回ったら、資産背景を頼りに篭城、塩漬け株にしよう。」このように投資方針を決めました。ここまで決めたら、後は決めたとおりに動くだけです。

 自分の投資に対する性格にあった投資ルールを作る。そして自分で自分の投資ルールを作ったら、そのルールを守っていく。

 もしも24日の権利落ち日にワキタの株価が上がったりしても、自分で決断して行動した結果なのだから、精神的苦痛を受けることはありません。

 自分が迷って売ってから、自社株買いの発表だとか、TOBが発表され、株価が暴騰してしまっても、悔やまない。そんな場合に、変な方向違いの反省をすることにより、将来の投資で大きな損失を被る可能性も高くなります。自分の性格にあった投資ルールを投資実践を通してどうやって作っていくか。投資で失敗した時の次の投資に活かせる反省はどうあるべきなのか。失敗を更なる失敗の母にしないためにはどのように考えたらよいのか。自分の手痛い失敗談などを題材に、有料メルマガ「生涯パートナー銘柄の研究」のコラムなどで取り上げていきたいと考えています。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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