グローバル投資のポイント(128)

JUGEMテーマ:株・投資


■ポンド下落の背景にある英国経済の憂鬱■

 先週末(1月23日)、外国為替市場では英国の通貨であるポンドが大きく下落しました。ポンド円は一時、1ポンド=118.84円と、1973年の変動相場制以来、史上最安値を更新しました。2007年7月、ポンド円は1ポンド=250円台を付けていますので、現在のポンド(対円)の価値は、1年半前の半分以下になったことになります。

 ポンドがここまで下落した理由は、英国銀行の予想をはるかに超えた巨額の損失です。英国銀行大手のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は、1月19日、2008年通期の決算で、最大280億ポンド(約3.3兆円)の損失を計上する可能性があるとの見通しを示しました。英国企業としては、過去最大の損失です。

 英国政府は、RBSの発表と同じ日に金融機関の追加救済策を発表しています。救済策の中には、不良債券から発生する将来の損失について、一定額を超えた分の90%を公的資金で肩代わりする損失保証制度が盛り込まれています。英国政府は、昨年 10月にRBSなど大手3大金融グループに総額370億ポンド(約4.4兆円)の資本を注入しています。わずか3カ月前に、これだけ巨額の資金を投入することを決めても、金融機関に追加の救済策をしなければいけない点に、英国銀行の深刻ぶりが示されています。

 日本や米国でも金融機関に公的資金を投入しているだけに、英国での銀行に対する公的資金の投入は、それほど違和感を持たない方もいらっしゃるかもしれません。ただ、英国経済全体の規模は、日本や米国と比べてかなり小さいだけに、英国の現状を日本や米国と同じように考えるのは、やや危険な気がします。

 たとえば、英国の名目GDPは約1.4兆ポンド(約167兆円)です。日本が約500兆円、米国が約1260兆円であることを考えると、英国の経済規模がいかに小さいかがわかります。英国政府が、日米政府と同じ規模(10兆円程度)で、金融機関に公的資金を投入するのは、金融機関の損失の大きさを考えれば自然のことです。ただ、英国の経済規模から考えると、それだけの資金を政府が調達できるのか?という疑念が生じてしまいます。英国の金融機関は、日米と同等クラスの規模になったものの、肝心の自国(英国)の規模が、金融機関と同じペースで拡大できなかったことが、今になって響いています。

 ただ外国為替市場を見ると、今週はポンドがやや値を戻しています。1月26日のポンド円は一時125円台まで回復し、その後も124円台後半で推移しています。RBSと同じ英国銀行のバークレイズが、2008年通期の業績について、80億ポンド(約9500億円)の評価損を計上しても黒字を確保できる見通しで、政府から公的資金を投入する必要性がないと発表したことが好感されたようです。

 しかし、バークレイズだけが頑張ったとしても、英国の金融システム不安が、それによって解決に向かうと考えるのはやや無理があるように思えます。経済規模を超えた規模で公的資金の投入を強いられる状況に変わりはないことを考えると、英ポンドは、目先は下落傾向を強めるように思われます。英国の状況は、アイスランドや韓国ですでに起きたことと非常に似ているようにも思われます。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070
「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

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世界の金融市場を縦横無尽に動き回るヘッジファンド。
しかし、ヘッジファンド業界に関する情報のほとんどは英語。。。。

日本語はOKだけど英語は苦手の方のために
ヘッジファンド業界を日本語で伝えるメルマガが誕生しました!!!

【ヘッジファンドジャーナル】
http://www.mag2.com/m/0000256832.html

 日本語ではなかなか得ることができないヘッジファンド事情を週に2回配信。
有名ヘッジファンドの情報や最先端の投資戦略を紹介。
主要なヘッジファンド・インデックスも合わせてお届けします。 

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

今号はいかがでしたか?面白かった・役に立ったと思った方は
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カンボジアについて

JUGEMテーマ:株・投資


 日本テレビの行列のできる法律相談所の学校建設プロジェクトで話題になったカンボジア王国に昨年何度か出張をしたので皆様に同国の紹介をさせて頂きたい。

 カンボジア王国は人口1400万人、国土面積は日本の面積の約半分181,035km2で、インドシナ半島の南西部に位置する。全長2,615kmの国境線はベトナム、タイ、ラオスの3カ国と接している。
 長期の内戦の影響等もあり、他のASEAN諸国の中でも未だ発展途上の段階にあり、一人当たりのGDPの水準は、約450ドルと、近隣のタイ3179ドル、ラオス606ドル、ベトナム715ドル、中国2000ドルなどと比較して、最も低い水準にある(2005年IMF資料)。

 現在カンボジアは開放経済に向けた努力をしており、インフラ面(経済特区、シアヌークビル港、シアヌークビル空港(拡張工事中)等)の整備が急ピッチに進められている。また投資促進の為のインセンティブとして、プノンペン経済特区の場合、1)外国人に対する恒久土地使用権99年間の認可(その後の更新・転売可能)、2)9年間の優遇税制、3)付加価値税免除、4)輸入関税免除、5)経済特区の投資家・家族の査証・就労許可証の取得、6)所得の外国送金無制限などが公表されている。さらにカンボジアにおける金融制度は開放的でありパスポートがあれば外国人の銀行口座開設やクレジットカードの発行も可能である。
 プノンペン市内には日本パチンコ業界大手のマルハンがマルハンジャパン銀行、SBIが出資するプノンペン商業銀行などが進出している。

 これらの努力が功を奏し、現在のカンボジアの生活水準は数字に現れない所で確実に伸びている事が日々の生活から実感できる。例えば車、日本車の高級車をカンボジアの至る所で目にした。田舎の都市では木造の高床式住居にレクサスが車庫にある所も何軒もあり驚いた。住居もカンボジアは地震がないとされている事からレンガ造りであり、高層ビルの基礎もレンガで建設されている。プノンペン近辺のレンガ工場だけでは供給が追いつかないほどの需要が今でもあるとの事であった。

 日本はカンボジアへのODA供与国として第1位であるが、投資に関しては第10位で全体の0.2%程度に留まっており、残念ながらここでも欧米諸国、韓国に遅れを取っている形になる。2009年(2010年に延期との情報有)までに証券取引所も韓国の支援の下、開設予定であり、その他にも大規模な不動産開発案件は韓国資本によって進められている案件が多い。(直近の韓国企業の不振により同国にどのぐらいの影響が出るかは注視していきたい)
 カンボジア進出はインフラ面(国内運送物改善等が必要)、電力コスト面(発電所の建設(シアヌークビルに大規模な火力発電所建設予定(200〜400MW)、その他にも15の水力発電所建設予定)でやや競争力が低いものの、長期的なスパンで見たホーチミン進出企業にとっての陸路続きのカンボジアは新たな生産分業体制の構築が大いに期待できる。
 現在のカンボジア王国の主な産業は、縫製分野であるが、今後の経済発展は農作物の生産業、加工業、他にもインフラ、エネルギー、観光(含むカジノ)、縫製、石油、天然ガス、鉱物資源等(シアヌークビル沖合では油田、ガス田が発見され、掘削活動を開始しているが、2011年末を見込んで石油開発のための資材補給基地も建設予定)の産業の発展が期待でき非常に魅力的な国である。

(番頭さん)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても当方は一切の責任を負いません。)

【筆者プロフィール】
 大学卒業後、某都市銀行6年間勤務、某外資銀行2年間勤務を経て、現在はイギリスに母体のある会計士の団体の日本法人を設立中、(日本法人はコンサルティングファームとして設立中)専門は個人富裕層業務。
 幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても当方は一切の責任を負いません。)

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億の近道2009/01/30

JUGEMテーマ:株・投資



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投資情報メールマガジン                   2009/01/30
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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             −本日の目次−
        (本日の担当:村田雅志&番頭さん)

  ◆コラム「グローバル投資のポイント(128)」:村田 雅志
  ◆コラム「カンボジアについて」:番頭さん

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◆コラム「グローバル投資のポイント(128)」

■ポンド下落の背景にある英国経済の憂鬱■

 先週末(1月23日)、外国為替市場では英国の通貨であるポンドが大きく
下落しました。ポンド円は一時、1ポンド=118.84円と、1973年の
変動相場制以来、史上最安値を更新しました。2007年7月、ポンド円は1
ポンド=250円台を付けていますので、現在のポンド(対円)の価値は、1
年半前の半分以下になったことになります。

 ポンドがここまで下落した理由は、英国銀行の予想をはるかに超えた巨額の
損失です。英国銀行大手のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)
は、1月19日、2008年通期の決算で、最大280億ポンド(約3.3兆
円)の損失を計上する可能性があるとの見通しを示しました。英国企業として
は、過去最大の損失です。

 英国政府は、RBSの発表と同じ日に金融機関の追加救済策を発表していま
す。救済策の中には、不良債券から発生する将来の損失について、一定額を超
えた分の90%を公的資金で肩代わりする損失保証制度が盛り込まれています。
英国政府は、昨年 10月にRBSなど大手3大金融グループに総額370億
ポンド(約4.4兆円)の資本を注入しています。わずか3カ月前に、これだ
け巨額の資金を投入することを決めても、金融機関に追加の救済策をしなけれ
ばいけない点に、英国銀行の深刻ぶりが示されています。

 日本や米国でも金融機関に公的資金を投入しているだけに、英国での銀行に
対する公的資金の投入は、それほど違和感を持たない方もいらっしゃるかもし
れません。ただ、英国経済全体の規模は、日本や米国と比べてかなり小さいだ
けに、英国の現状を日本や米国と同じように考えるのは、やや危険な気がしま
す。

 たとえば、英国の名目GDPは約1.4兆ポンド(約167兆円)です。日
本が約500兆円、米国が約1260兆円であることを考えると、英国の経済
規模がいかに小さいかがわかります。英国政府が、日米政府と同じ規模(10
兆円程度)で、金融機関に公的資金を投入するのは、金融機関の損失の大きさ
を考えれば自然のことです。ただ、英国の経済規模から考えると、それだけの
資金を政府が調達できるのか?という疑念が生じてしまいます。英国の金融機
関は、日米と同等クラスの規模になったものの、肝心の自国(英国)の規模が、
金融機関と同じペースで拡大できなかったことが、今になって響いています。

 ただ外国為替市場を見ると、今週はポンドがやや値を戻しています。1月2
6日のポンド円は一時125円台まで回復し、その後も124円台後半で推移
しています。RBSと同じ英国銀行のバークレイズが、2008年通期の業績
について、80億ポンド(約9500億円)の評価損を計上しても黒字を確保
できる見通しで、政府から公的資金を投入する必要性がないと発表したことが
好感されたようです。

 しかし、バークレイズだけが頑張ったとしても、英国の金融システム不安が、
それによって解決に向かうと考えるのはやや無理があるように思えます。経済
規模を超えた規模で公的資金の投入を強いられる状況に変わりはないことを考
えると、英ポンドは、目先は下落傾向を強めるように思われます。英国の状況
は、アイスランドや韓国ですでに起きたことと非常に似ているようにも思われ
ます。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070
「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

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しかし、ヘッジファンド業界に関する情報のほとんどは英語。。。。

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【ヘッジファンドジャーナル】
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 日本語ではなかなか得ることができないヘッジファンド事情を週に2回配信。
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【お知らせ】

 億の近道(NPO法人イノベーターズ・フォーラム)では、有料メールマガジ
ンをスタートいたします。第1弾は火曜日執筆者の石川臨太郎氏です。
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なお、この有料メールマガジンの売り上げの一部は億の近道の発行運営に活用
されます。皆様のお申し込みをお待ちしております。

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◆コラム「カンボジアについて」

 日本テレビの行列のできる法律相談所の学校建設プロジェクトで話題になっ
たカンボジア王国に昨年何度か出張をしたので皆様に同国の紹介をさせて頂き
たい。

 カンボジア王国は人口1400万人、国土面積は日本の面積の約半分181,
035km2で、インドシナ半島の南西部に位置する。全長2,615kmの国境
線はベトナム、タイ、ラオスの3カ国と接している。
 長期の内戦の影響等もあり、他のASEAN諸国の中でも未だ発展途上の段
階にあり、一人当たりのGDPの水準は、約450ドルと、近隣のタイ3179
ドル、ラオス606ドル、ベトナム715ドル、中国2000ドルなどと比較
して、最も低い水準にある(2005年IMF資料)。

 現在カンボジアは開放経済に向けた努力をしており、インフラ面(経済特区、
シアヌークビル港、シアヌークビル空港(拡張工事中)等)の整備が急ピッチ
に進められている。また投資促進の為のインセンティブとして、プノンペン経
済特区の場合、1)外国人に対する恒久土地使用権99年間の認可(その後の
更新・転売可能)、2)9年間の優遇税制、3)付加価値税免除、4)輸入関
税免除、5)経済特区の投資家・家族の査証・就労許可証の取得、6)所得の
外国送金無制限などが公表されている。さらにカンボジアにおける金融制度は
開放的でありパスポートがあれば外国人の銀行口座開設やクレジットカードの
発行も可能である。
 プノンペン市内には日本パチンコ業界大手のマルハンがマルハンジャパン銀
行、SBIが出資するプノンペン商業銀行などが進出している。

 これらの努力が功を奏し、現在のカンボジアの生活水準は数字に現れない所
で確実に伸びている事が日々の生活から実感できる。例えば車、日本車の高級
車をカンボジアの至る所で目にした。田舎の都市では木造の高床式住居にレク
サスが車庫にある所も何軒もあり驚いた。住居もカンボジアは地震がないとさ
れている事からレンガ造りであり、高層ビルの基礎もレンガで建設されている。
プノンペン近辺のレンガ工場だけでは供給が追いつかないほどの需要が今でも
あるとの事であった。

 日本はカンボジアへのODA供与国として第1位であるが、投資に関しては
第10位で全体の0.2%程度に留まっており、残念ながらここでも欧米諸国、
韓国に遅れを取っている形になる。2009年(2010年に延期との情報有)
までに証券取引所も韓国の支援の下、開設予定であり、その他にも大規模な不
動産開発案件は韓国資本によって進められている案件が多い。(直近の韓国企
業の不振により同国にどのぐらいの影響が出るかは注視していきたい)

 カンボジア進出はインフラ面(国内運送物改善等が必要)、電力コスト面
(発電所の建設(シアヌークビルに大規模な火力発電所建設予定(200〜4
00MW)、その他にも15の水力発電所建設予定)でやや競争力が低いもの
の、長期的なスパンで見たホーチミン進出企業にとっての陸路続きのカンボジ
アは新たな生産分業体制の構築が大いに期待できる。
 現在のカンボジア王国の主な産業は、縫製分野であるが、今後の経済発展は
農作物の生産業、加工業、他にもインフラ、エネルギー、観光(含むカジノ)、
縫製、石油、天然ガス、鉱物資源等(シアヌークビル沖合では油田、ガス田が
発見され、掘削活動を開始しているが、2011年末を見込んで石油開発のた
めの資材補給基地も建設予定)の産業の発展が期待でき非常に魅力的な国であ
る。

(番頭さん)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても当方は一切の責任を負いません。)

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 大学卒業後、某都市銀行6年間勤務、某外資銀行2年間勤務を経て、現在は
イギリスに母体のある会計士の団体の日本法人を設立中、(日本法人はコンサ
ルティングファームとして設立中)専門は個人富裕層業務。
 幼少期に6年間ドイツで過ごし帰国、その時の経験が後の人生に大きく影響。
日本人の基本的なフィナンシャルリテラシーの向上を願いつつ日々奔走中。

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木曜日担当の生涯遊人(YEN蔵)のネットラジオ、好評配信中です。
題して、「YEN蔵のマーケット天気予報!」
好評配信中。10分程度の番組なので、気軽に聞けます。

今回の内容は、先週の為替マーケット総括、今週の展望、そして今週の話題と
して、「オプションの満期」について語っています。
為替相場に影響を与えたオプション満期とは?
ぜひお聞き下さい! 毎週月曜日(火曜日の場合もあり)に更新予定。

最新版:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090126.mp3

第1回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081209.mp3
第2回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081216.mp3
第3回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081222.mp3
第4回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081229.mp3
第5回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090105.mp3
第6回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090113.mp3
第7回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090119.mp3
※億近のWebでも視聴できます。http://okuchika.net/

この番組では、皆さんのご質問をお待ちしております。番組の中でYEN蔵が
回答しますよ。お気軽にどうぞ!
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りになっております。現在、最新〜2005年1月分まで掲載しておりますが、
順次過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まと
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日本に残された時間は2年だけ?

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 今日は「アントレプレナーシップ&グローバリゼーション」というイベントに行ってきました。ベンチャー投資に関するものがメインでしたが、いくつか面白いお話を聞くことができました。

 私が一番面白いと思った話を紹介したいと思います。
 元ゴールドマンサックスアセットマージメントジャパンの会長で、現在シンクタンク山崎養世事務所社長の山崎養世氏のお話でした。彼は前から高速道路をタダにしろ等の主張していました。

 石油利権の代表ブッシュ大統領のおかげでこの8年間原油価格の上昇。コモディティが上昇したにもかかわらず、中国、インドの安い労働力のおかげで世界はインフレにならなかった。
 このために資源価格の上昇→インフレ→成長の限界といういままでのパターンが起こらなかった。そこに金融乗レバレジットをかけて高成長を続けてきたのが2001年以降の経済成長の姿。

 このパターンはバブル崩壊で終了。
 金融問題ばかりに目を奪われているが、実は実体経済自体がすでに成長の限界に行き着いていた。
 これから化石燃料に依存した20世紀型経済は終了し、太陽光、風力、地熱などの自然エネルギーを利用した第2次産業革命が起こる。
 第一次産業革命は石炭の時代で、これを握った英国が世界のヘゲモニーを握った。20世紀は石油の時代で米国がこれを握り世界のヘゲモニーを握った。

 さて21世紀は?

 オバマ政権はグリーンニューディールに舵を切り、米国を挙げてこれに邁進するから、いまのところ環境技術国全体の環境意識でおそらく世界トップの日本に残された時間は2年だけ。
 それ以内に日本も強力に環境政策を前面に押し出し、世界をリードしていくことが経済面でも、世界から尊敬を受けるためにも必要との主旨でした。

 私はここからはやはり政治の問題だと思います。
 民間にこれだけ良い技術と環境を志向する意識があるのを生かすには政治のシステム作りではないでしょうか。
 もうひとつ踏み込んで、日本の技術を開放して日本がイニシアティブをとる。2年間無為に過ごして、欧米が「この仕組でやります」といったときに日本の技術が取り残される可能性もあるので、それならばいっそ日本の技術を開放して、「これでやりましょう」と、彼らをわれわれの土俵に乗っける政治力。

 今の政治家を見渡すとないものねだりでしょうか。

生涯遊人(YEN蔵)

*ブログ「YEN蔵のFX投資術」http://blog.livedoor.jp/slalom2007/

【ネットラジオ好評配信中!】

木曜日担当の生涯遊人(YEN蔵)のネットラジオ好評配信中です。
題して、「YEN蔵のマーケット天気予報!」
10分程度の番組なので、気軽に聞けます。

今回の内容は、先週の為替マーケット総括、今週の展望、そして今週の話題と
して、「オプションの満期」について語っています。
為替相場に影響を与えたオプション満期とは?
ぜひお聞き下さい! 毎週月曜日(火曜日の場合もあり)に更新予定。

最新版:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090126.mp3

第1回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081209.mp3
第2回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081216.mp3
第3回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081222.mp3
第4回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081229.mp3
第5回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090105.mp3
第6回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090113.mp3
第7回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090119.mp3
※億近のWebでも視聴できます。http://okuchika.net/

この番組では、皆さんのご質問をお待ちしております。番組の中でYEN蔵が
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不動産 その3

JUGEMテーマ:株・投資


 またもや気になることがありましたので、今回も不動産をテーマにします。

 先々週の東洋経済に不動産再販が4ページほどの記事になっていました。この手の経済紙では一昨年末から半年くらいは景況不安をクローズアップする一方で資源や食糧の高騰をテーマにした特集記事が多く組まれていましたが、昨年秋からは景気悪化が主要テーマになり、不動産大暴落だの輸出大減速だのといった記事が続いています。
 年初のコラムで不動産は最も暗い時期を過ぎつつあるのではと書きましたが、勿論簡単に回復に向かうことは有り得ず、気になる事象を感じればその都度書いていきたいと考えています。

 正確な日付は覚えていませんが、昨年春過ぎの原油価格が$120辺りから急騰していた時期に、某外資系アナリスト(ゴールドマンの英国勤務アナリストだったか?)が「年末には1バレル$200もあり得る」などと書いていたと記憶しています。それが11月頃だったか$50近辺に下がった頃には、やはり同じ会社のアナリストが「$20を割る可能性が出てきた」と書くほど(確か週刊ダイヤモンドだったか?)ですから、昨年の資源価格の変動は凄まじかったですね。
 ところで、彼らのコメントはポジショントークでしょうか?
 何方かご存知の方がいらっしゃったら教えてください。今後の参考にしたいと思いますので。

 ただし、あの高騰時には、世界の経済環境や需給から算出される価格は$60程度が限界と言われているのに$200では資源輸入国は立ち行かなくなるはずで、いずれ早い時期に値崩れするだろうなぁ、と思っていたら案の定下落しました。
 やはり一般常識で何かおかしいと感じたら、それはやはり異常な訳で、その後の変化のタイミングを注意深く見続けなければいけないと改めて考えさせられました。

 ついでですが、先月の年末商戦では液晶TVがもの凄く安くなった(ヤマダ電機にて)ことを再確認しました。私が買った一昨年の半額以下! 
 世界中の消費が低迷する中でTV販売額も車同様に相当の勢いで下落しているようですが、これほどに安くなったなら買う人も増えるのではと考えて調べてみたら、実は数量はそれほど落ちてはいないようです。単価が下がっただけで。
 ということは、ソニー、シャープ、パナソニックなどの大手メーカーは儲からないかもしれないけど、これらに関連する設備投資がいつまでも低迷する事もないのではと。昨年北京オリンピックは終わったけど来年は上海万博ですし、再来年からは地デジへの移行もスタートします。
 部材メーカーも同様に単価下落に悩まされているのでしょうが、製造機器メーカーではそれほど低迷は続かないかもしれないと感じています。始まったばかりの第三四半期決算にて来期増益になる気配が見える銘柄はないかと注目しています。これは半導体も同様で、最終製品の販売数量がボトムアウトするなど、きっかけさえ掴めれば設備投資が徐々に動き出すのではと期待しています。ドイツのキマンダでさえ破産申請した訳ですから、悪化の度合いも相当のところまで来ていているのではと・・・まだちょっと早いですかね?

 随分と話が横道に逸れてしまいました。すみません。
 昨年暮れから目につき始めた新築マンションの値引き販売が今年に入りいよいよ本格化してきました。とは言えチラシを見比べると、値下げを大々的にうたっているものの値引き後の坪単価は大半が昨年春頃と変わりません。現在のマーケット環境では余程安いと感じなければ消費者は購入を手控えるはずなのですが、大げさな割りに安くない。
 現在販売中の新築物件は最も建築コストが高かった昨年央に竣工したものが多いことも理由でしょうが、中には値引きを前提にした価格設定かなぁ?と疑いたくなる物件もあります。先週末のものでは値引きの価格表示がドラッグストア店頭顔負けのフォントで書かれたチラシの物件は要注意かなと(つまりその会社も)。風説の流布などと言われると心外なので詳しくは書けませんが、その地域の他社物件と比較しても明らかに当初価格設定に無理があると感じるものもありました(真偽のほどは分かりません)。

 一般的に不動産再販事業は当初価格の半値程度で仕入れ、それを70〜80%程度の価格で販売する事業ですが、既に先行分譲が済んでしまった物件の値下げは通常デベさんは嫌がります。既存顧客と揉めるのは勿論のこと、物件の価値も下がりますし会社の評価も下がります。
 では、主にどのような物件が再販に出てくるのかと言うと、ご存じの通り、存亡の危機に立たされている会社の物件か、または既に倒産してしまった会社の物件で、その建築を請け負った建設会社が代物弁済で取得した物件だったりします。
 最近では利回りを前提とした一般的な投資物件とともに、この手の再販物件の投資情報もちらほら流れてきています。

 都心部を資金力のある大手に押さえられ、郊外に出て行った中小デベさん物件が大半を占めますが、やはりこれらの物件も取得価格(仕入れ価格)は概ね10%前後が多く、都内の投資物件と余り変わりません。
 「不動産が売れない!」と言われている割にはこれらも含めて何となく余裕が感じられますが、再販業者は今のところ2〜3割引なら売れると踏んで仕入れている様子です。
 が、しかし、私の個人的見解としては、再販物件とは言えこの時期に広告宣伝費もそれほど掛けずに30%以上も売買差益を抜ける商売が簡単に出来るとは思えません。
 同時に、長い間続いてきた慣習でもありますが、数億円以上を必要とする投資用物件と数千万円単位の個人取得物件との手間や条件を比較すれば、確かに価格差があってしかるべきですが、経済状況が悪い時期とは言え倍の開きがあること、また当たり前のように、仲介手数料が売り手買い手の双方から3%ずつ入ることなど、良く考えればどこかおかしいですよね。
 大半の個人にとって不動産購入は人生最大の投資です。高額商品とはいえ、そろそろ業者主導ではなく、消費者主導のマーケットに移りつつあるのではと考えても良いのでは無いでしょうか。一部では仲介手数料1%を打ち出している業者も出てきています。

 先週に続き少々長くなってしまいましたので、この続きは次週に書きます。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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億の近道2009/01/29

JUGEMテーマ:株・投資



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投資情報メールマガジン                   2009/01/29
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

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             −本日の目次−
    (本日の担当:生涯遊人(YEN蔵)&街のコンサルタント)

  ◆コラム「日本に残された時間は2年だけ?」:生涯遊人(YEN蔵)
  ◆コラム「不動産 その3」:街のコンサルタント

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◆コラム「日本に残された時間は2年だけ?」

 今日は「アントレプレナーシップ&グローバリゼーション」というイベント
に行ってきました。ベンチャー投資に関するものがメインでしたが、いくつか
面白いお話を聞くことができました。

 私が一番面白いと思った話を紹介したいと思います。
 元ゴールドマンサックアセットマージメントジャパンの会長で、現在シンク
タンク山崎養世事務所社長の山崎養世氏のお話でした。彼は前から高速道路を
タダにしろ等の主張していました。

 石油利権の代表ブッシュ大統領のおかげでこの8年間原油価格の上昇。コモ
ディティが上昇したにもかかわらず、中国、インドの安い労働力のおかげで世
界はインフレにならなかった。
 このために資源価格の上昇→インフレ→成長の限界といういままでのパター
ンが起こらなかった。そこに金融乗レバレジットをかけて高成長を続けてきた
のが2001年以降の経済成長の姿。

 このパターンはバブル崩壊で終了。
 金融問題ばかりに目を奪われているが、実は実体経済自体がすでに成長の限
界に行き着いていた。
 これから化石燃料に依存した20世紀型経済は終了し、太陽光、風力、地熱
などの自然エネルギーを利用した第2次産業革命が起こる。
 第一次産業革命は石炭の時代で、これを握った英国が世界のヘゲモニーを握
った。20世紀は石油の時代で米国がこれを握り世界のヘゲモニーを握った。

 さて21世紀は?

 オバマ政権はグリーンニューディールに舵を切り、米国を挙げてこれに邁進
するから、いまのところ環境技術国全体の環境意識でおそらく世界トップの日
本に残された時間は2年だけ。
 それ以内に日本も強力に環境政策を前面に押し出し、世界をリードしていく
ことが経済面でも、世界から尊敬を受けるためにも必要との主旨でした。

 私はここからはやはり政治の問題だと思います。
 民間にこれだけ良い技術と環境を志向する意識があるのを生かすには政治の
システム作りではないでしょうか。
 もうひとつ踏み込んで、日本の技術を開放して日本がイニシアティブをとる。
2年間無為に過ごして、欧米が「この仕組でやります」といったときに日本の
技術が取り残される可能性もあるので、それならばいっそ日本の技術を開放し
て、「これでやりましょう」と、彼らをわれわれの土俵に乗っける政治力。

 今の政治家を見渡すとないものねだりでしょうか。

生涯遊人(YEN蔵)

*ブログ「YEN蔵のFX投資術」http://blog.livedoor.jp/slalom2007/

【ネットラジオ好評配信中!】

木曜日担当の生涯遊人(YEN蔵)のネットラジオ好評配信中です。
題して、「YEN蔵のマーケット天気予報!」
10分程度の番組なので、気軽に聞けます。

今回の内容は、先週の為替マーケット総括、今週の展望、そして今週の話題と
して、「オプションの満期」について語っています。
為替相場に影響を与えたオプション満期とは?
ぜひお聞き下さい! 毎週月曜日(火曜日の場合もあり)に更新予定。

最新版:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090126.mp3

第1回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081209.mp3第2回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081216.mp3
第3回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081222.mp3
第4回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081229.mp3
第5回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090105.mp3
第6回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090113.mp3
第7回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090119.mp3
※億近のWebでも視聴できます。http://okuchika.net/

この番組では、皆さんのご質問をお待ちしております。番組の中でYEN蔵が
回答しますよ。お気軽にどうぞ!
宛先は: yenzopodcast@gmail.com

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【お知らせ】

 億の近道(NPO法人イノベーターズ・フォーラム)では、有料メールマガジ
ンをスタートいたします。第1弾は火曜日執筆者の石川臨太郎氏です。
現在第5号を配信中!! また、過去のサンプルを無料で読めます。
詳細は以下のページを参照下さい。
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なお、この有料メールマガジンの売り上げの一部は億の近道の発行運営に活用
されます。皆様のお申し込みをお待ちしております。

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◆コラム「不動産 その3」

 またもや気になることがありましたので、今回も不動産をテーマにします。

 先々週の東洋経済に不動産再販が4ページほどの記事になっていました。こ
の手の経済紙では一昨年末から半年くらいは景況不安をクローズアップする一
方で資源や食糧の高騰をテーマにした特集記事が多く組まれていましたが、昨
年秋からは景気悪化が主要テーマになり、不動産大暴落だの輸出大減速だのと
いった記事が続いています。
 年初のコラムで不動産は最も暗い時期を過ぎつつあるのではと書きましたが、
勿論簡単に回復に向かうことは有り得ず、気になる事象を感じればその都度書
いていきたいと考えています。

 正確な日付は覚えていませんが、昨年春過ぎの原油価格が$120辺りから
急騰していた時期に、某外資系アナリスト(ゴールドマンの英国勤務アナリス
トだったか?)が「年末には1バレル$200もあり得る」などと書いていた
と記憶しています。それが11月頃だったか$50近辺に下がった頃には、や
はり同じ会社のアナリストが「$20を割る可能性が出てきた」と書くほど
(確か週刊ダイヤモンドだったか?)ですから、昨年の資源価格の変動は凄ま
じかったですね。
 ところで、彼らのコメントはポジショントークでしょうか?
 何方かご存知の方がいらっしゃったら教えてください。今後の参考にしたい
と思いますので。

 ただし、あの高騰時には、世界の経済環境や需給から算出される価格は$6
0程度が限界と言われているのに$200では資源輸入国は立ち行かなくなる
はずで、いずれ早い時期に値崩れするだろうなぁ、と思っていたら案の定下落
しました。
 やはり一般常識で何かおかしいと感じたら、それはやはり異常な訳で、その
後の変化のタイミングを注意深く見続けなければいけないと改めて考えさせら
れました。

 ついでですが、先月の年末商戦では液晶TVがもの凄く安くなった(ヤマダ
電機にて)ことを再確認しました。私が買った一昨年の半額以下! 
 世界中の消費が低迷する中でTV販売額も車同様に相当の勢いで下落してい
るようですが、これほどに安くなったなら買う人も増えるのではと考えて調べ
てみたら、実は数量はそれほど落ちてはいないようです。単価が下がっただけ
で。
 ということは、ソニー、シャープ、パナソニックなどの大手メーカーは儲か
らないかもしれないけど、これらに関連する設備投資がいつまでも低迷する事
もないのではと。昨年北京オリンピックは終わったけど来年は上海万博ですし、
再来年からは地デジへの移行もスタートします。
 部材メーカーも同様に単価下落に悩まされているのでしょうが、製造機器メ
ーカーではそれほど低迷は続かないかもしれないと感じています。始まったば
かりの第三四半期決算にて来期増益になる気配が見える銘柄はないかと注目し
ています。これは半導体も同様で、最終製品の販売数量がボトムアウトするな
ど、きっかけさえ掴めれば設備投資が徐々に動き出すのではと期待しています。
ドイツのキマンダでさえ破産申請した訳ですから、悪化の度合いも相当のとこ
ろまで来ていているのではと・・・まだちょっと早いですかね?

 随分と話が横道に逸れてしまいました。すみません。
 昨年暮れから目につき始めた新築マンションの値引き販売が今年に入りいよ
いよ本格化してきました。とは言えチラシを見比べると、値下げを大々的にう
たっているものの値引き後の坪単価は大半が昨年春頃と変わりません。現在の
マーケット環境では余程安いと感じなければ消費者は購入を手控えるはずなの
ですが、大げさな割りに安くない。
 現在販売中の新築物件は最も建築コストが高かった昨年央に竣工したものが
多いことも理由でしょうが、中には値引きを前提にした価格設定かなぁ?と疑
いたくなる物件もあります。先週末のものでは値引きの価格表示がドラッグス
トア店頭顔負けのフォントで書かれたチラシの物件は要注意かなと(つまりそ
の会社も)。風説の流布などと言われると心外なので詳しくは書けませんが、
その地域の他社物件と比較しても明らかに当初価格設定に無理があると感じる
ものもありました(真偽のほどは分かりません)。

 一般的に不動産再販事業は当初価格の半値程度で仕入れ、それを70〜80
%程度の価格で販売する事業ですが、既に先行分譲が済んでしまった物件の値
下げは通常デベさんは嫌がります。既存顧客と揉めるのは勿論のこと、物件の
価値も下がりますし会社の評価も下がります。
 では、主にどのような物件が再販に出てくるのかと言うと、ご存じの通り、
存亡の危機に立たされている会社の物件か、または既に倒産してしまった会社
の物件で、その建築を請け負った建設会社が代物弁済で取得した物件だったり
します。
 最近では利回りを前提とした一般的な投資物件とともに、この手の再販物件
の投資情報もちらほら流れてきています。

 都心部を資金力のある大手に押さえられ、郊外に出て行った中小デベさん物
件が大半を占めますが、やはりこれらの物件も取得価格(仕入れ価格)は概ね
10%前後が多く、都内の投資物件と余り変わりません。
 「不動産が売れない!」と言われている割にはこれらも含めて何となく余裕
が感じられますが、再販業者は今のところ2〜3割引なら売れると踏んで仕入
れている様子です。
 が、しかし、私の個人的見解としては、再販物件とは言えこの時期に広告宣
伝費もそれほど掛けずに30%以上も売買差益を抜ける商売が簡単に出来ると
は思えません。
 同時に、長い間続いてきた慣習でもありますが、数億円以上を必要とする投
資用物件と数千万円単位の個人取得物件との手間や条件を比較すれば、確かに
価格差があってしかるべきですが、経済状況が悪い時期とは言え倍の開きがあ
ること、また当たり前のように、仲介手数料が売り手買い手の双方から3%ず
つ入ることなど、良く考えればどこかおかしいですよね。
 大半の個人にとって不動産購入は人生最大の投資です。高額商品とはいえ、
そろそろ業者主導ではなく、消費者主導のマーケットに移りつつあるのではと
考えても良いのでは無いでしょうか。一部では仲介手数料1%を打ち出してい
る業者も出てきています。

 先週に続き少々長くなってしまいましたので、この続きは次週に書きます。

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前回コラムへのフィードバック

JUGEMテーマ:株・投資


たくさんのフィードバックありがとうございました。
紹介しきれませんが、いくつかを。

K1さんより
「少子化対策に予算を配分するのは不景気とは関係なく永続的にすべき内容で、
応急処置的な意味合いの第2次補正予算の代替えとはなり得ない政策です。

重症患者にはまず応急処置が必要なのではないでしょうか?
しっかり止血しなくては、ちゃんとした治療をする前に失血死してしまいます。
(※ここ重要なポイントです by 筆者)

少子化対策に予算を厚くせよという山本氏の意見には賛同しますが、
それは補正予算とは別の国家戦略として取り組むべき問題で、
今我々に必要なことは、この緊急事態に政策に対してあれこれ文句を付けることではなく、
どんな政策であれ効果がゼロではないわけですから、
その効果を最大化するよう心がけることです。

今更政策批判をすることはかえって傷口を広げるだけで、
本来取り組むべき国家戦略の遂行を遅らせるのではないかと危惧します。」

まったくK1さんのおっしゃる通りです。
前々回のコラムで「他人を批判すれば自己矛盾に陥る」と書いておきながらの政策批判・・・
反省です。
国民の一人として、即効性のある経済対策が一日一時間でも早く施行されることを願っております。


K2さんより
「素晴らしいご意見だと感激しました。
私自身は、4人の子供を持つ53歳の自営業者です。
結婚から現在までの生活を振り返ってみるとあなた様のご意見、
実感としておっしゃる通りで、次世代を担うわが子の将来そして、
自分達の老後を想えば、今やるべき長期展望を明確に示しておられると感じました。」


Sさんより
「子供を増やすことがどれほど将来にわたって国を豊かにするかを国会議員は真剣に考えるべきです。
私も2人子供がいてもう一人欲しいと思いますが、生活レベルや子供への今後の教育費を考えると作る気がしません。
結婚をし、子供を産み育てることがこんなにすばらしいかを、子供をもってつくづく思います。
独身やこどもを持たない人に、そういう経験してもらいたいし、こんな経験をせずに人生を終えないでもらいたいです。
是非この提言を実行してくれる政治をしてくれることを願ってやみません。」


K3さんより
「〜前略〜
今回、『メルマガで2年前に募集した無料・手弁当アナリスト養成講座は、6回程度の勉強会を経て、無事終了いたしました。』との記述をみて、
ちょっとびっくりいたしました。
その勉強会ですが、2007年秋に募集されていたものでしょうか。
実は私も申し込みさせていただき、合格の通知をいただいておりましたが、
その後ご連絡をいただけませんでした。
〜中略〜
是非、次の機会をつくっていだき、その折には是非参加させていただければ、と思います。」

今回、事務局とわたしのミスにより、K3さんが勉強会に参加できなかったことを深くお詫び申し上げます。他意なく、単純ミスです。
実は、わたくしはメールを送付したつもりになっていたのですが、
確認作業を怠ってしまい、手違いとなりました。
本当に申し訳ございません。
次回の予定は未定ですが、参加者からは、再開の希望も多いため、
K3さんには、再開時には、必ず、ご連絡いたします。
(事務局からもお詫びのメールを送りました)

山本 潤

個人の力量が向上すれば、同時にチームも強くなる

JUGEMテーマ:株・投資


いきなりローカルな話になって、すみませんでした。
前回のコラムに対して「政治家よ、ビジョンを持て!」というフィードバックが多数寄せられたことに驚きました。

政治家は、様々な見方や意見を集約する、ということに真剣です。
いろいろな人の意見を聞けば、どうしても、八方美人的な方向で話がまとまってしまいます。
そこで、どうしても、みんなの顔を立てることになるのでしょう。

さて、
今年のコラムでは、金融危機、証券化、オフショア、格差社会、少子化と様々な問題を取り上げました。
すべての問題の根はグローバルに同時に生じているやっかいな問題であり、すべての問題は相互につながっていることを示唆してきたつもりです。
(格差社会で将来不安で子どもを産まない。景気をよくするために借金を重ねて金融危機になる etc.)

株式投資の視点からは、
グローバル企業への投資を通して、
1)オフショア税制のメリットを株主の立場から享受できる
2)リストラ、派遣止めなどは企業の固定費の低減につながる
3)人口の大きな中国・インドなどの経済成長を享受できる
ので、
勝ち組に乗るという意味で、グローバル投資をしておく必要があると感じています。

ただし、グローバル企業が目先の金儲けを優先すれば、ローカルな人々の経済的苦境と引き換えになります。
グローバルな株主にとっては、日本の構造問題も、単なるローカル問題のひとつです。

投資家は、
「日本が独力で国力を向上させれば、日本への投資を検討する」という受け身の姿勢です。
株主の立場とは、「企業は、インドでも中国でもロシアでも場所を問わず、儲けてくれればよい」とする立場です。

個人(日本)にとっては生死にかかわる問題も、他人(外国)にとっては単なる経済問題です。
今回は、日本という国を野球チームに例えてみたいと思います。


◆補欠は試合に出るべきか?

野球チームですから、先発メンバーは9人です。
しかし、チームには、選手が30人いるとします。
補欠がたくさんいます。(格差社会)

選手には親がいて、親が選手のコーチをしています。
コーチは30人です。

監督は野球をよく知る1人の長老がコーチの意見を参考にしながら、チーム運営をします。

試合は国際試合で、アジア予選があり、世界大会があります。
チーム・ジャパンの目標は、当然、世界大会での優勝です。

以前、日本チームには、選手が60人いて、熾烈なレギュラー争いがありました。
しかし、少子化の影響で、いまでは、人口が減り、30人になってしまいました。(少子化問題)
かつて、世界大会出場の常連だったチームが、
いまでは、力をつけてきたアジア諸国に大差で負けることが多くなりました。
(日本企業の国際競争力の低下)

補欠の選手をたくさん試合に出せば、試合に勝てない可能性が高くなる。
ベストメンバーを組めば、いつも、うまい選手だけに固定される。
(格差社会)

レギュラーは試合で経験を積むため、益々、技量が上達します。
しかし、補欠は、試合にでないため、経験が積めません。

みんなで楽しくやろうとすれば、すべての選手を試合に出すこともできます。
(=ワークシェアリング)

その場合は、アジア予選も「参加した」だけの状態になります。
大会を勝ち抜くことは難しくなります。

しかし、監督は「勝利しか目指さない」。
監督は勝つことが課せられている仕事です。
みんなを出し、勝利にはこだわらないのであれば、日本はアジア予選で負けてしまいます。
レベルが低いと国際社会からみなされた日本のプレイヤーは世界で活躍することができません。
一方で、勝利にこだわりレギュラーを固定すれば、補欠という負け組が発生します。
レギュラーを固定すれば、ひとつのポジションしか守れない人材になります。
また、レギュラー固定になれば、レギュラーが満足してしまい、レギュラー陣の技量向上のスピードが鈍化するかもしれません。

一方で、コーチの要望は、選手全員を試合に出してあげたい。
監督は板挟みです。
この状態で、監督、コーチ、選手、誰もが納得できる解決策は、どのようなものでしょうか。

ひとつだけそれらしい答えがあります。
「すべての選手の技量を例外なく非連続的に大きく向上させる」ことです。
個々人が大変な努力して、技量を「格段に」向上させるのです。

監督の立場からすれば、
コーチは、「自分の子どもを試合に出せ」という代わりに、
「この選手は、これだけ技量が上達した。ちょっと見てあげてほしい」というべきです。
どの子を使う、使わないで、コーチと監督が議論すれば、キリがありません。
そんな議論は不毛です。
みんなにいい顔をしようとすれば、試合は負ける、出せなかった子が不平等だと訴える・・・
収拾もつきません。

誰を出す、どんな試合をする、これは監督に一任するしかありません。
コーチは意見は進言しても、監督が聞き入れないときに、文句や批判をしてはいけません。

コーチの本来の仕事は、選手にやる気を持たせる手伝いをし、
選手の技量を確実に向上させることです。
ならば、そのことだけ(各自の技量アップ)にコーチも選手も集中しなければなりません。


◆信頼関係の構築 −話し合い、コミュニケーション、工夫、観察

監督と選手の間、コーチと選手との間、コーチ間、コーチと監督との間、
選手間、すべて、人と人との関係は信頼がベースになっています。

練習の在り方、練習試合の考え方、リーグ戦の戦い方、トーナメントの戦い方、
選手の起用法、すべてにおいて、関係者全員で、一定以上のコンセンサスを形作ることが大切です。

信頼関係は構築していくものです。
お互いの努力がなければ信頼は相互に得られません。
関係者間におけるコミュニケーションの頻度を高めること、
監督の一貫した、ぶれない考えにコーチや選手が共感・共鳴・納得すること、
などにより、信頼は築かれます。

試合に全員を出すことは可能です。
練習で紅白戦を定期的に行う、
強化試合(練習試合)を数多く行う、
などで選手全員にチャンスを与えることができます。

コーチの仕事のルーティンは、選手の技量を正確に測ること、よく選手のことを知ること、
よく選手の動きを見てあげること、話し合いをすること、などです。

しかし、大事なことは、各コーチのこのようなルーティンを仕組みとして、組織の制度に公正に組み入れることです。
「○○選手の走力が前回報告よりも10%向上しました。一塁駆け抜けタイムが4秒台になりました」というコーチの報告を、
しっかりと監督に伝えるシステムをつくり、
「どの選手であっても技量が向上した場合、監督はしっかり見ている」という安心感を組織に植え付けることが大切です。

どんな難問であっても、工夫すれば、全員が納得できる解決策が必ずあるはずです。
民主主義とは「多数決」ではなく「話し合い」のプロセスなのです。


◆工夫ある、意味ある反復練習を継続する

技量を格段に向上させるためには、反復練習が必要です。
惰性の練習(=意味の薄い練習)ではダメです。
いつも、練習に意味を持たせ、絶えず、実戦を意識した練習をすることです。

意味のある反復練習に、様々な工夫を添えることです。
そして、意味を持たせた、工夫を凝らした反復練習を長く継続し、確実にステップアップしていく。
その連続が、大きな技量の向上になるのです。

選手には、自分の欠点やチェックポイントを自分で客観的に分析することができません。
コーチは、選手の意欲を引き出し、「なぜ、世界一を目指すのか」を動機づけをしていきます。

目標を持ち、意味のある努力を継続することで、チーム・ジャパンは強くなります。

どんなにお金をかけても、それだけでは強くなりません。
どんなに練習をしても、意味のない練習では強くなりません。


◆周到な計画と具体的なアクション

国家運営も企業経営も草野球運営もすべてやり方は同じです。
国民すべて、従業員すべて、選手すべての技量とモーチベーションを向上させることで、突破口が開けるのです。
みんなでたくさん努力し、努力しようとしても努力ができない人(故障者、障害者、寝たきりの方々など)はみんなでカバーする。
突破口を開くには、日々の生活、日々の就業、日々の練習で、いままで出せなかった「よい結果」を出すことです。

たとえば、草野球で、どうしても、打球を怖がり、顔が背く癖のある選手がいたとします。
これは癖ですから、構造問題です。(自然には治らない)
構造問題に対しては、ひとつひとつの原因を調べ、周到な計画の下で、「計画的に」確実に克服しなければなりません。

この癖には、メンタルの強化、物理的な補習などが有効です。
たとえば、どんな強打者のバットスイングも草野球レベルでは、最高で時速120km程度。
これは秒速で33m。
打球はバットの初速(=物理的限界)で来るとしても、ミートから守備範囲に打球が届くまで、0.5秒程度のタイムラグがあります。
そうであれば、0.5秒という時間でどれだけ沢山の動きができるかを体感させる。
3mの距離から、スポンジボールをたくさん投げる。
何度も何度も体からスポンジボールに向かっていく。
実戦でもボールをスポンジだと思いこむ。
実戦でもボールに向かっていく習性を身に着ける。

こうした、いろいろな工夫や解決策をコーチが選手と一緒に考える。
そして、
工夫された、意味のある反復練習を創造し、練習が計画通りに長期的に、完全に身になるまで反復されて、問題がひとつひとつ克服されていく。
このパターンは、すべてにおいて通じる、勝利への方程式です。

国家レベルだろうが、企業経営レベルだろうが、現場レベルだろうが、オフィスレベルだろうが、学校だろうが、スポーツだろうが、すべて同様です。

それを、野球の練習時に、「なぜボールから逃げるんだ!」「ボールを怖がるな」と怒ってばかりいるコーチもいます。
1年たっても2年たっても、同じことを言われ続けている選手もいます。
こうした不毛の状況を放置して、時間だけが経過する、
そういうことがないように、本人も周りも、とにかく具体的な策を考えて実行することです。

不毛の環境、不毛の議論、惰性、これらは、構造問題を放置します。
個々のプレイヤーの技術的な構造問題の放置は、プレイヤーの上達を拒み、結果として、チームの力を落とします。


◆強い国をつくるのではなく、よいプレイヤーを育てる

日本という国家を強くしようとするのではなくて、
日本を背負って立つ、個人の技量を格段に向上させることが重要です。
企業を背負って立つ、企業人の技量を向上させ、
地域社会を背負って立つ、人材を育てることです。

チーム・ジャパンの一員として、世界を相手に戦うとき、
たとえ補欠であっても、確実な技量があれば、他国のチームでは、エースになれるかもしれません。
卓球の世界では、中国を代表する選手たちが、世界各国のエースとして活躍しています。
日本が世界一の分野があれば、世界中から日本で腕試しをしたいと思う若者が来日します。
技量や理解力の高い、考えたプレーができる選手を多く育てることで、世界に貢献できるのです。

成功に近道はありません。

「工夫し、反復練習に意味を持たせる。そのような反復練習を多数、創造する。
それらをメニューにし、毎日反復し、生活習慣とする。
長期にわたる、多くの反復練習により、技量が高まる。かつて、深く大きく、解決不可能に思えた構造問題が克服される」。

これが、わたしが拠って立つこのコラムの哲学です。

コーチ(周りの人々)の教え方のうまい下手や置かれた環境ではなく、選手(当事者)のやる気に物事の成否はかかっているのです。
当事者が自ら考え、反復し、工夫し、継続しなければ、真に学ぶということはできないのです。

自らの考える、自分の足で稼ぐ、自分の手でつくる、自分の耳で聞き、自分の目で見る、やるべきことを見出せば、
目標を定め、工夫し、反復し、練習し、自分のものにする。
トヨタのカイゼン活動にしろ、少年野球の練習にしろ、投資も、ピアノも、囲碁も、すべて同様です。
チェックポイントをつくる、測り、修正し、正確に見る、筋肉と意識を合わせる、深く考える、先のことを予測し、備える。

いま、わたしたちが置かれている状況は、厳しく、世界恐慌の様相です。
同時に、各自に与えられた人生の時間も、何十年という「わずか」な期間です。
「意味のある反復」なしに、物事は極められない。
本当にやりたいことがあるのであれば、世界がどんな状況だろうが、やりたいことを、ただ、やるだけです。
わたしは、一人でも多くのgood playerを育てたいと思っていますし、
わたし自身も、よいプレイヤーになれるように、毎日、多数の工夫された反復練習のメニューをこなすのみです。

ということで、ご迷惑をおかけしたK3さんをお招きして、次回の勉強会を開催しなければ・・・
などと、再び、ローカルな話題でコラムを閉じようと思います。

P.S.息子が野球チームのレギュラーで、練習試合がありました。わたしには気になっている補欠選手が数人いたので、
彼らが試合に出たかどうかを息子に確認しました。すると、息子はいいました。
「え? パパなにいっているの? 補欠がでるわけないじゃん。だって0−2で接戦だったんだよ」と。
このリプライを聞いて、わたしは、息子に野球をやめさせようかどうか迷いました。
そんな貧しい考えに洗脳されるために、野球をやらせているわけではありません。

親として、
試合で「ヒットを打ったか?」
「守備機会があったときに、しっかりアウトをとったか?」と聞きたいのを我慢して、
いつもこう聞くようにしています。

「バッターとして、一度でもフルスイングできるようなボールが来る幸運があったか?」
「そのとき、フルスイングしたか?」
「自信を持ってボールを見逃すことができたか?」(たとえストライクとコールされても・・・)
「内野ゴロを打ったときに、とにかく全力で走れたか?」
「ファールを含めて、バットの芯で捕らえた強い打球があったか?」(ヒットかどうかは問題ではない・・・)
「状況を考えて、進塁打を心がけることができたか?」などなど。

ヒットを打つ、ホームランを打つ、というのは結果です。
親が子に結果を求めるのは違うと思うのです。
結果を求めては、親も子もつまらない。
親は子に技量の上達・精神の健全な発達をコーチヒングするものです。
(結局、子どもが主役であり、やるのは子どもなのです)
結果ではなく、過程です。
結果は我々にはコントロールできません。
自分は他人をコントロールできません。
自分は自分しかコントロールできないのです。
同様に、結果はコントロールできないが、過程はコントロールできるのです。

自らが取り組むべき事柄を知り、それににどう取り組んだか?

「セカンド・ゴロでアウト」という失敗(結果はアウト)において、
全力で一塁に駆け抜けたときに、いままでで一番速かったとすれば、
それは失敗の中に、成功を見出すことになるのでしょう。
全力で走ったというだけで、そのアウトは0点ではなく、20点、30点という「部分点」はもらえるものです。
失敗に対しても、ひたむきさをもって取り組めば、
これを単に失敗と批判してはなりません。

一塁に駆け抜けた選手に、コーチが、「いままでで一番速かった!」といってくれたら、
その選手はどう感じるでしょうか?
コーチなら、そこまで見てあげてほしい。
監督はそう思うはずです。

見てあげる、聞いてあげる、評価してあげる、育てる。
会社もかつては従業員を育てることに一生懸命でした。
いま、社員に結果だけを求める会社が多くなりました。
社員に結果を求めて会社が伸びるのであれば、簡単すぎます。
そんな世の中は成り立たないはずです。
「人を大切に育てることで、会社が伸びる」という信念がいまの経営者には足りないのではと危惧します。

今回は、すべてを野球に例えてしまいました。
しかし、野球に限りません。
工夫をすれば、どんな悪い環境であっても、
すべての選手、すべての従業員、すべての国民にチャンスを与え、
全員がバッターボックスに立てるような環境が必ず整備できるはずです。

山本 潤

<筆者紹介>
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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億の近道2009/01/28

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                  2009/01/28号
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週5回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

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             −本日の目次−
           (本日の担当:山本潤)

 ◆コラム「前回コラムへのフィードバック」:山本潤
 ◆コラム「個人の力量が向上すれば、同時にチームも強くなる」:山本潤

===================================

◆コラム「前回コラムへのフィードバック」

たくさんのフィードバックありがとうございました。
紹介しきれませんが、いくつかを。

K1さんより
「少子化対策に予算を配分するのは不景気とは関係なく永続的にすべき内容で、
応急処置的な意味合いの第2次補正予算の代替えとはなり得ない政策です。

重症患者にはまず応急処置が必要なのではないでしょうか?
しっかり止血しなくては、ちゃんとした治療をする前に失血死してしまいます。
(※ここ重要なポイントです by 筆者)

少子化対策に予算を厚くせよという山本氏の意見には賛同しますが、
それは補正予算とは別の国家戦略として取り組むべき問題で、
今我々に必要なことは、この緊急事態に政策に対してあれこれ文句を付けるこ
とではなく、
どんな政策であれ効果がゼロではないわけですから、
その効果を最大化するよう心がけることです。

今更政策批判をすることはかえって傷口を広げるだけで、
本来取り組むべき国家戦略の遂行を遅らせるのではないかと危惧します。」

まったくK1さんのおっしゃる通りです。
前々回のコラムで「他人を批判すれば自己矛盾に陥る」と書いておきながらの
政策批判・・・
反省です。
国民の一人として、即効性のある経済対策が一日一時間でも早く施行されるこ
とを願っております。


K2さんより
「素晴らしいご意見だと感激しました。
私自身は、4人の子供を持つ53歳の自営業者です。
結婚から現在までの生活を振り返ってみるとあなた様のご意見、
実感としておっしゃる通りで、次世代を担うわが子の将来そして、
自分達の老後を想えば、今やるべき長期展望を明確に示しておられると感じま
した。」


Sさんより
「子供を増やすことがどれほど将来にわたって国を豊かにするかを国会議員は
真剣に考えるべきです。
私も2人子供がいてもう一人欲しいと思いますが、生活レベルや子供への今後
の教育費を考えると作る気がしません。
結婚をし、子供を産み育てることがこんなにすばらしいかを、子供をもってつ
くづく思います。
独身やこどもを持たない人に、そういう経験してもらいたいし、こんな経験を
せずに人生を終えないでもらいたいです。
是非この提言を実行してくれる政治をしてくれることを願ってやみません。」


K3さんより
「〜前略〜
今回、『メルマガで2年前に募集した無料・手弁当アナリスト養成講座は、6
回程度の勉強会を経て、無事終了いたしました。』との記述をみて、
ちょっとびっくりいたしました。
その勉強会ですが、2007年秋に募集されていたものでしょうか。
実は私も申し込みさせていただき、合格の通知をいただいておりましたが、
その後ご連絡をいただけませんでした。
〜中略〜
是非、次の機会をつくっていだき、その折には是非参加させていただければ、
と思います。」

今回、事務局とわたしのミスにより、K3さんが勉強会に参加できなかったこ
とを深くお詫び申し上げます。他意なく、単純ミスです。
実は、わたくしはメールを送付したつもりになっていたのですが、
確認作業を怠ってしまい、手違いとなりました。
本当に申し訳ございません。
次回の予定は未定ですが、参加者からは、再開の希望も多いため、
K3さんには、再開時には、必ず、ご連絡いたします。
(事務局からもお詫びのメールを送りました)

山本 潤

===================================

◆コラム「個人の力量が向上すれば、同時にチームも強くなる」

いきなりローカルな話になって、すみませんでした。
前回のコラムに対して「政治家よ、ビジョンを持て!」というフィードバック
が多数寄せられたことに驚きました。

政治家は、様々な見方や意見を集約する、ということに真剣です。
いろいろな人の意見を聞けば、どうしても、八方美人的な方向で話がまとまっ
てしまいます。
そこで、どうしても、みんなの顔を立てることになるのでしょう。

さて、
今年のコラムでは、金融危機、証券化、オフショア、格差社会、少子化と様々
な問題を取り上げました。
すべての問題の根はグローバルに同時に生じているやっかいな問題であり、
すべての問題は相互につながっていることを示唆してきたつもりです。
(格差社会で将来不安で子どもを産まない。景気をよくするために借金を重ね
て金融危機になる etc.)

株式投資の視点からは、
グローバル企業への投資を通して、
1)オフショア税制のメリットを株主の立場から享受できる
2)リストラ、派遣止めなどは企業の固定費の低減につながる
3)人口の大きな中国・インドなどの経済成長を享受できる
ので、
勝ち組に乗るという意味で、グローバル投資をしておく必要があると感じてい
ます。

ただし、グローバル企業が目先の金儲けを優先すれば、ローカルな人々の経済
的苦境と引き換えになります。
グローバルな株主にとっては、日本の構造問題も、単なるローカル問題のひと
つです。

投資家は、
「日本が独力で国力を向上させれば、日本への投資を検討する」という受け身
の姿勢です。
株主の立場とは、「企業は、インドでも中国でもロシアでも場所を問わず、
儲けてくれればよい」とする立場です。

個人(日本)にとっては生死にかかわる問題も、他人(外国)にとっては単な
る経済問題です。
今回は、日本という国を野球チームに例えてみたいと思います。


◆補欠は試合に出るべきか?

野球チームですから、先発メンバーは9人です。
しかし、チームには、選手が30人いるとします。
補欠がたくさんいます。(格差社会)

選手には親がいて、親が選手のコーチをしています。
コーチは30人です。

監督は野球をよく知る1人の長老がコーチの意見を参考にしながら、チーム運
営をします。

試合は国際試合で、アジア予選があり、世界大会があります。
チーム・ジャパンの目標は、当然、世界大会での優勝です。

以前、日本チームには、選手が60人いて、熾烈なレギュラー争いがありまし
た。
しかし、少子化の影響で、いまでは、人口が減り、30人になってしまいまし
た。(少子化問題)
かつて、世界大会出場の常連だったチームが、
いまでは、力をつけてきたアジア諸国に大差で負けることが多くなりました。
(日本企業の国際競争力の低下)

補欠の選手をたくさん試合に出せば、試合に勝てない可能性が高くなる。
ベストメンバーを組めば、いつも、うまい選手だけに固定される。
(格差社会)

レギュラーは試合で経験を積むため、益々、技量が上達します。
しかし、補欠は、試合にでないため、経験が積めません。

みんなで楽しくやろうとすれば、すべての選手を試合に出すこともできます。
(=ワークシェアリング)

その場合は、アジア予選も「参加した」だけの状態になります。
大会を勝ち抜くことは難しくなります。

しかし、監督は「勝利しか目指さない」。
監督は勝つことが課せられている仕事です。
みんなを出し、勝利にはこだわらないのであれば、日本はアジア予選で負けて
しまいます。
レベルが低いと国際社会からみなされた日本のプレイヤーは世界で活躍するこ
とができません。
一方で、勝利にこだわりレギュラーを固定すれば、補欠という負け組が発生し
ます。
レギュラーを固定すれば、ひとつのポジションしか守れない人材になります。
また、レギュラー固定になれば、レギュラーが満足してしまい、レギュラー陣
の技量向上のスピードが鈍化するかもしれません。

一方で、コーチの要望は、選手全員を試合に出してあげたい。
監督は板挟みです。
この状態で、監督、コーチ、選手、誰もが納得できる解決策は、どのようなも
のでしょうか。

ひとつだけそれらしい答えがあります。
「すべての選手の技量を例外なく非連続的に大きく向上させる」ことです。
個々人が大変な努力して、技量を「格段に」向上させるのです。

監督の立場からすれば、
コーチは、「自分の子どもを試合に出せ」という代わりに、
「この選手は、これだけ技量が上達した。ちょっと見てあげてほしい」という
べきです。
どの子を使う、使わないで、コーチと監督が議論すれば、キリがありません。
そんな議論は不毛です。
みんなにいい顔をしようとすれば、試合は負ける、出せなかった子が不平等だ
と訴える・・・
収拾もつきません。

誰を出す、どんな試合をする、これは監督に一任するしかありません。
コーチは意見は進言しても、監督が聞き入れないときに、文句や批判をしては
いけません。

コーチの本来の仕事は、選手にやる気を持たせる手伝いをし、
選手の技量を確実に向上させることです。
ならば、そのことだけ(各自の技量アップ)にコーチも選手も集中しなければ
なりません。


◆信頼関係の構築 −話し合い、コミュニケーション、工夫、観察

監督と選手の間、コーチと選手との間、コーチ間、コーチと監督との間、
選手間、すべて、人と人との関係は信頼がベースになっています。

練習の在り方、練習試合の考え方、リーグ戦の戦い方、トーナメントの戦い方、
選手の起用法、すべてにおいて、関係者全員で、一定以上のコンセンサスを形
作ることが大切です。

信頼関係は構築していくものです。
お互いの努力がなければ信頼は相互に得られません。
関係者間におけるコミュニケーションの頻度を高めること、
監督の一貫した、ぶれない考えにコーチや選手が共感・共鳴・納得すること、
などにより、信頼は築かれます。

試合に全員を出すことは可能です。
練習で紅白戦を定期的に行う、
強化試合(練習試合)を数多く行う、
などで選手全員にチャンスを与えることができます。

コーチの仕事のルーティンは、選手の技量を正確に測ること、よく選手のこと
を知ること、
よく選手の動きを見てあげること、話し合いをすること、などです。

しかし、大事なことは、各コーチのこのようなルーティンを仕組みとして、組
織の制度に公正に組み入れることです。
「○○選手の走力が前回報告よりも10%向上しました。一塁駆け抜けタイム
が4秒台になりました」というコーチの報告を、
しっかりと監督に伝えるシステムをつくり、
「どの選手であっても技量が向上した場合、監督はしっかり見ている」という
安心感を組織に植え付けることが大切です。

どんな難問であっても、工夫すれば、全員が納得できる解決策が必ずあるはず
です。
民主主義とは「多数決」ではなく「話し合い」のプロセスなのです。


◆工夫ある、意味ある反復練習を継続する

技量を格段に向上させるためには、反復練習が必要です。
惰性の練習(=意味の薄い練習)ではダメです。
いつも、練習に意味を持たせ、絶えず、実戦を意識した練習をすることです。

意味のある反復練習に、様々な工夫を添えることです。
そして、意味を持たせた、工夫を凝らした反復練習を長く継続し、確実にステ
ップアップしていく。
その連続が、大きな技量の向上になるのです。

選手には、自分の欠点やチェックポイントを自分で客観的に分析することがで
きません。
コーチは、選手の意欲を引き出し、「なぜ、世界一を目指すのか」を動機づけ
をしていきます。

目標を持ち、意味のある努力を継続することで、チーム・ジャパンは強くなり
ます。

どんなにお金をかけても、それだけでは強くなりません。
どんなに練習をしても、意味のない練習では強くなりません。


◆周到な計画と具体的なアクション

国家運営も企業経営も草野球運営もすべてやり方は同じです。
国民すべて、従業員すべて、選手すべての技量とモーチベーションを向上させ
ることで、突破口が開けるのです。
みんなでたくさん努力し、努力しようとしても努力ができない人(故障者、障
害者、寝たきりの方々など)はみんなでカバーする。
突破口を開くには、日々の生活、日々の就業、日々の練習で、いままで出せな
かった「よい結果」を出すことです。

たとえば、草野球で、どうしても、打球を怖がり、顔が背く癖のある選手がい
たとします。
これは癖ですから、構造問題です。(自然には治らない)
構造問題に対しては、ひとつひとつの原因を調べ、周到な計画の下で、「計画
的に」確実に克服しなければなりません。

この癖には、メンタルの強化、物理的な補習などが有効です。
たとえば、どんな強打者のバットスイングも草野球レベルでは、最高で時速1
20km程度。
これは秒速で33m。
打球はバットの初速(=物理的限界)で来るとしても、ミートから守備範囲に
打球が届くまで、0.5秒程度のタイムラグがあります。
そうであれば、0.5秒という時間でどれだけ沢山の動きができるかを体感さ
せる。
3mの距離から、スポンジボールをたくさん投げる。
何度も何度も体からスポンジボールに向かっていく。
実戦でもボールをスポンジだと思いこむ。
実戦でもボールに向かっていく習性を身に着ける。

こうした、いろいろな工夫や解決策をコーチが選手と一緒に考える。
そして、
工夫された、意味のある反復練習を創造し、練習が計画通りに長期的に、完全
に身になるまで反復されて、問題がひとつひとつ克服されていく。
このパターンは、すべてにおいて通じる、勝利への方程式です。

国家レベルだろうが、企業経営レベルだろうが、現場レベルだろうが、オフィ
スレベルだろうが、学校だろうが、スポーツだろうが、すべて同様です。

それを、野球の練習時に、「なぜボールから逃げるんだ!」「ボールを怖がる
な」と怒ってばかりいるコーチもいます。
1年たっても2年たっても、同じことを言われ続けている選手もいます。
こうした不毛の状況を放置して、時間だけが経過する、
そういうことがないように、本人も周りも、とにかく具体的な策を考えて実行
することです。

不毛の環境、不毛の議論、惰性、これらは、構造問題を放置します。
個々のプレイヤーの技術的な構造問題の放置は、プレイヤーの上達を拒み、結
果として、チームの力を落とします。


◆強い国をつくるのではなく、よいプレイヤーを育てる

日本という国家を強くしようとするのではなくて、
日本を背負って立つ、個人の技量を格段に向上させることが重要です。
企業を背負って立つ、企業人の技量を向上させ、
地域社会を背負って立つ、人材を育てることです。

チーム・ジャパンの一員として、世界を相手に戦うとき、
たとえ補欠であっても、確実な技量があれば、他国のチームでは、エースにな
れるかもしれません。
卓球の世界では、中国を代表する選手たちが、世界各国のエースとして活躍し
ています。
日本が世界一の分野があれば、世界中から日本で腕試しをしたいと思う若者が
来日します。
技量や理解力の高い、考えたプレーができる選手を多く育てることで、世界に
貢献できるのです。

成功に近道はありません。

「工夫し、反復練習に意味を持たせる。そのような反復練習を多数、創造する。
それらをメニューにし、毎日反復し、生活習慣とする。
長期にわたる、多くの反復練習により、技量が高まる。かつて、深く大きく、
解決不可能に思えた構造問題が克服される」。

これが、わたしが拠って立つこのコラムの哲学です。

コーチ(周りの人々)の教え方のうまい下手や置かれた環境ではなく、選手
(当事者)のやる気に物事の成否はかかっているのです。
当事者が自ら考え、反復し、工夫し、継続しなければ、真に学ぶということは
できないのです。

自らの考える、自分の足で稼ぐ、自分の手でつくる、自分の耳で聞き、自分の
目で見る、やるべきことを見出せば、
目標を定め、工夫し、反復し、練習し、自分のものにする。
トヨタのカイゼン活動にしろ、少年野球の練習にしろ、投資も、ピアノも、囲
碁も、すべて同様です。
チェックポイントをつくる、測り、修正し、正確に見る、筋肉と意識を合わせ
る、深く考える、先のことを予測し、備える。

いま、わたしたちが置かれている状況は、厳しく、世界恐慌の様相です。
同時に、各自に与えられた人生の時間も、何十年という「わずか」な期間です。
「意味のある反復」なしに、物事は極められない。
本当にやりたいことがあるのであれば、世界がどんな状況だろうが、やりたい
ことを、ただ、やるだけです。
わたしは、一人でも多くのgood playerを育てたいと思っています
し、
わたし自身も、よいプレイヤーになれるように、毎日、多数の工夫された反復
練習のメニューをこなすのみです。

ということで、ご迷惑をおかけしたK3さんをお招きして、次回の勉強会を開
催しなければ・・・
などと、再び、ローカルな話題でコラムを閉じようと思います。

P.S.息子が野球チームのレギュラーで、練習試合がありました。わたしに
は気になっている補欠選手が数人いたので、
彼らが試合に出たかどうかを息子に確認しました。すると、息子はいいました。
「え? パパなにいっているの? 補欠がでるわけないじゃん。だって0−2
で接戦だったんだよ」と。
このリプライを聞いて、わたしは、息子に野球をやめさせようかどうか迷いま
した。
そんな貧しい考えに洗脳されるために、野球をやらせているわけではありませ
ん。

親として、
試合で「ヒットを打ったか?」
「守備機会があったときに、しっかりアウトをとったか?」と聞きたいのを我
慢して、
いつもこう聞くようにしています。

「バッターとして、一度でもフルスイングできるようなボールが来る幸運があ
ったか?」
「そのとき、フルスイングしたか?」
「自信を持ってボールを見逃すことができたか?」(たとえストライクとコー
ルされても・・・)
「内野ゴロを打ったときに、とにかく全力で走れたか?」
「ファールを含めて、バットの芯で捕らえた強い打球があったか?」(ヒット
かどうかは問題ではない・・・)
「状況を考えて、進塁打を心がけることができたか?」などなど。

ヒットを打つ、ホームランを打つ、というのは結果です。
親が子に結果を求めるのは違うと思うのです。
結果を求めては、親も子もつまらない。
親は子に技量の上達・精神の健全な発達をコーチヒングするものです。
(結局、子どもが主役であり、やるのは子どもなのです)
結果ではなく、過程です。
結果は我々にはコントロールできません。
自分は他人をコントロールできません。
自分は自分しかコントロールできないのです。
同様に、結果はコントロールできないが、過程はコントロールできるのです。

自らが取り組むべき事柄を知り、それににどう取り組んだか?

「セカンド・ゴロでアウト」という失敗(結果はアウト)において、
全力で一塁に駆け抜けたときに、いままでで一番速かったとすれば、
それは失敗の中に、成功を見出すことになるのでしょう。
全力で走ったというだけで、そのアウトは0点ではなく、20点、30点とい
う「部分点」はもらえるものです。
失敗に対しても、ひたむきさをもって取り組めば、
これを単に失敗と批判してはなりません。

一塁に駆け抜けた選手に、コーチが、「いままでで一番速かった!」といって
くれたら、
その選手はどう感じるでしょうか?
コーチなら、そこまで見てあげてほしい。
監督はそう思うはずです。

見てあげる、聞いてあげる、評価してあげる、育てる。
会社もかつては従業員を育てることに一生懸命でした。
いま、社員に結果だけを求める会社が多くなりました。
社員に結果を求めて会社が伸びるのであれば、簡単すぎます。
そんな世の中は成り立たないはずです。
「人を大切に育てることで、会社が伸びる」という信念がいまの経営者には足
りないのではと危惧します。

今回は、すべてを野球に例えてしまいました。
しかし、野球に限りません。
工夫をすれば、どんな悪い環境であっても、
すべての選手、すべての従業員、すべての国民にチャンスを与え、
全員がバッターボックスに立てるような環境が必ず整備できるはずです。

山本 潤

<筆者紹介>
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。

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 億の近道(NPO法人イノベーターズ・フォーラム)では、有料メールマガジ
ンをスタートいたします。第1弾は火曜日執筆者の石川臨太郎氏です。
現在第5号を配信中!! また、過去のサンプルを無料で読めます。
詳細は以下のページを参照下さい。
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なお、この有料メールマガジンの売り上げの一部は億の近道の発行運営に活用
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【お知らせ】
【ネットラジオ好評配信中!!】

木曜日担当の生涯遊人(YEN蔵)のネットラジオ好評配信中です。
題して、「YEN蔵のマーケット天気予報!」
10分程度の番組なので、気軽に聞けます。

今回の内容は、先週の為替マーケット総括、今週の展望、そして今週の話題と
して、「オプションの満期」について語っています。
為替相場に影響を与えたオプション満期とは?
ぜひお聞き下さい! 毎週月曜日(火曜日の場合もあり)に更新予定。

最新版:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090126.mp3

第1回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081209.mp3
第2回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081216.mp3
第3回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081222.mp3
第4回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20081229.mp3
第5回:http://www.iforum.jp/podcast/yz20090105.mp3
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この番組では、皆さんのご質問をお待ちしております。番組の中でYEN蔵が
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「NPOイノベーターズ・フォーラム 公認日本株アナリスト 認定講座」
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 2005年4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタ
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 いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
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 価格は48,000円とやや高額ですが、2005年4月のセミナー(受講
料38,000円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約
450分の充実した内容となっています。

詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm

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ぬくぬくホッコリ株日記 定年後は株で楽しく暮らしたい

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■第93回■

 私は自分がいま行っている株式投資は事業だと考えています。株式投資は相場なんですが、それを事業のように中長期の視点で行なっていきたいと考えて実行しているのです。しかし、普通の事業と同じような面もあれば、相場として株式投資を行なっている参加者が殆どであるという特性から、特別に注意をしなければならない面も出てきます。

 私が相場について1994年ごろ、多くを学ばせていただいた為替ディーラーに若林英四さんがおられます。

 事業も新しい分野に進出したり製品を開発し発売するのは「賭け」である面も多々あります。したがって事業と相場にも共通点はあると考えています。

 1994年ごろ若林英四さんに学んでまとめた内容は、いま現在の事業として行なう株式投資にも、大いに役に立ってくれています。それをご紹介していこうかと思います。箇条書きすると以下のようなことを学びました。

相場を張ることに伴う恐怖

恐い思いをしなければ儲からない

相場は組織でやるものではない

相場は単純にやる

少数者のポジションは損が少ない

「あのときやっていたら」は禁句

恐くて売れないときに買うな

大事なことはロスと欲望のコントロール

今日は「少数者のポジションは損が少ない」について私の理解=解釈を少し書いてみたいと思います。

 若林さんは「少数者のポジションは損が少ない」ということについて、以下のような説明されていたと記憶しています。

『相場が本当にいくときというのは、全部損切りの力である。損切りのときに相場が一番走る。というのは、損切りは恐怖から逃げるわけだからプライスなんかどうでもよく、自分のポジションをゼロにしてひたすら逃げ出す。とにかくこれ以上損をだしたくないというので、とにかく損を切る。だからものすごいエネルギーがでる。

 ところが、マジョリティーのポジションは皆がそう思ってもっているわけだから、なかなか進まない、非常にスローなわけである。しかし、相場がマジョリティーの意に反して動くと、皆がぶん投げるから早い者勝ちで、非常なスピードでいく。相場が本当にいくときというのは、マジョリティーのポジションが皆やられる時である。

 だからマイノリティーになっていると、マイノリティーのポジションなどやられてもチマチマとしかいかないから、マジョリティーが儲かったとしてもすぐ損切りできる。逆に、マジョリティーがぶん投げてくると、反対のポジションが少ないだけに大きく儲かる。相場の原則というのは小さく損して大きく儲けることだから、常に少数派でなければいけないということである。』

 最後の「常に少数派でなければいけないということである。」というところを中途半端な理解で実践すると、酷い目に遭うことになります。いつもいつもマジョリティーに逆らって損ばかりすることになってしまいます。

 それぞれ読者の皆さんがご自分の人生をよ〜く振り返ってみてもらえば分かりますが、投資でも人生でもマジョリティーに属していることは、波風立てず迫害されず、ちゃんと生残るためにはとても有利で負担が少ないことなんです。

 たしか経済学者のケインズも株は美人投票と同じで、自分が美人と思う株より、皆(=マジョリティー)が美人だと思う株に投資するのが良いといっていたと思います。

 ただ今回の100年に一度の金融危機というような事が起こると、マジョリティーは崖に飛び込んで自滅するような、値段に構わず損切りブン投げて、逃げなければ命が危ないという大きい渦、群集心理に巻き込まれ大損する可能性も高い。大地震後の大火事で群集心理に巻き込まれて自分を死地に追いやってしまうような、そんな大きな痛手を被ることもあるわけです。そのことを誇張して説明しているのだと、私は理解しています。

 常に常にマイノリティーでいて、マジョリティーに逆らっていくのは損なことがおおいです。ただ信号を皆で渡れば怖くないと、信号を無視して渡ろうとしたら、空からヘリコプターが墜落してきて大惨事になった。新製品を出すとか新分野の仕事進出するか役員会で決を採るとき役員の殆ど皆が大丈夫だと賛成し「ゴーサイン」を出だしたものは当らないことが多い。このような、みんなの常識になってしまっていることは、えてして失敗して大きな成果を生まないことも多い、ということも知識としては知っています。

 世の中を上手く生きていくとか、相場で大損をしないでソコソコに利益を上げていくためには、通常はマジョリティー集団の真ん中で突き進んでいくのではなく、出来ればマジョリティー集団の外延の立ち位置で、マジョリティーに付いて行く。そしてマジョリティーが強気になって「イケイケドンドン」になって、今まで様子を見ていた、いつも遅れてくる人々までもがお祭りに入り込んできたならば、逃げる準備を始める。いつでもマジョリティーを抜けられるように準備を始めてスピードを落として、他人より早く反対の方に走り出す。これが欲張りすぎて壊滅的な打撃を受けないで、生残って行く道だと解釈して
います^^;

 いま現在の日本の株式市場を見てみれば、PBRが0.2倍程度に売り込まれたり、PERが2倍程度に売り込まれたりした、超がつく割安企業が溢れています。

 このような割安に叩き売られた企業の中で、有利子負債が少なくて、技術力が高い企業を分散してポートフォリオの中に迎えていけば、経済環境が上向きだした時には、大きな資産の成長という成果を得られると考えて、厳冬を耐えている状況です^^;

 今日配信の「生涯パートナー銘柄の研究」では配当優待銘柄として高配当で資産リッチな小型株と、時価総額1兆円前後で動いているPBR0.5倍前後の大型株について、あれこれ考えてみました。

 共に1月30日が第3四半期の決算短信発表日なので、その決算短信の内容で投資家が短絡的な動きをする可能性が高いです。企業の内在的価値を把握した上で、投資家の短絡的な動きをうまく利用できれば、投資価値がさらに高まるのではないかと考えています。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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