ムンバイのテロについて

JUGEMテーマ:株・投資


 各種報道を通じてすでに皆様ご存じかと思いますが、インドの商業大都市ムンバイ(旧名ボンベイ)にて大規模なテロが発生しました。被害に遭われた方へお見舞い申し上げます。

 さて、私はニューデリーの日本人会へ入っているのですが、緊急時に日本大使館などから日本人会を通じてメールでの注意喚起のお知らせが来ることがよくあります。通常は1回程度なのですが、今回の件では3回もお知らせがあり、事件の特殊性をよく表しています。すこし解説したいと思います。

 あまり日本では詳しく取り上げられてはいないかもしれませんが、インドではここ半年で以下のようなテロが発生しています。

5月13日:ラジャスターン州ジャイプールでの連続爆弾テロ
7月25日:南部カルナータカ州バンガロールでの連続爆弾テロ
7月26日:西部グジャラート州アーメダバードでの連続爆弾テロ
9月13日:デリー市内での連続爆弾テロ
10月1日:インド北東部トリプラ州アガルタラでの連続爆弾テロ
10月30日:アッサム州グワハティでの連続爆弾テロ
(在インド日本大使館の情報より)

 それぞれかなりの犠牲者が発生していますが、外国人の被害者はほとんど無く、発生場所も市場やバス停など、インドの庶民が集まる場所です。
 通常、一部の旅行者などは除いて、ビジネスでの在留外国人はそのような場所と縁がありません。直接買い物をする場合は大規模スーパーやショッピングモールですし、一般の市場へは使用人が買い出しに行きます。移動も運転手付きの自家用車で、バスや鉄道をつかうことはありません。したがって、今までのテロはわれわれ外国人にとっては対岸の火事的な出来事でした。

 しかし今回はちょっと事情が違います。
 明確に外国人を標的にしたテロはインドではあまり無かったはずです。立てこもりも起こったホテルは、インドでは超高級ホテルで有名なタジとオベロイで、宿泊はもちろん、待ち合わせや打ち合わせ、会食など我々外国人がよく利用する施設です。1泊800ドル程度はするので、インドの一般庶民には縁のない場所といってもいいでしょう。
 誤解を受けるといけないのですが、なにも贅沢をして経費使いまくっているのではありません。安心・安全でちゃんとしたサービスが受けられる施設はホテルがベストなのです。

 そこが狙われたということは、今後同様のテロが起こる可能性が出てきました。外国人が多く住む高級マンションだとか、ショッピングモールとか、外資系企業が多く入っているオフィスビルなどなど、従来は安全だと思われていた場所も油断が出来ないと言うことになります。

 また、ムンバイという都市で起きたと言うことも結構な意味があります。インドの首都はニューデリーですが、ビジネスの都市としてはムンバイの方が上といえます。日本企業でも、ムンバイだけに進出しているところも結構あります。オフィス家賃や物価などもインドで一番高いところです。それだけ外国人が多い場所で起こったのです。

 インドはいま、外資や外国の援助などを積極的に取り入れながら発展している国の一つです。そこに冷や水をかけるような今回のテロ。テロリストはすべてインド人かどうか分かりません(近隣国から流入して事件を起こすことも多々ありますから)が、もしインド人だとしたら、祖国の発展を阻害する、考えられない行動といえます。

 心理的には非常に冷えてしまうでしょうが、それでも経済発展は止められません。状況が悪化した環境の中、日々日本とインドのために現地で奮闘している方々には、お気をつけて頑張っていただきたいと祈念しています。

 なお、インド外務省では邦人安否確認の窓口を開設したそうなので、日本大使館からのメールを転載しておきます。

(ぢんぢ部長)

****
本テロ事件に対応する為、インド政府は外務省内に24時間体制のコントロール・ルームを設置しました。同コントロール・ルームには日本人の安否照会を受け付けるため専用の電話回線を設けています。

在留邦人の皆様におけれましては、邦人の安否確認の必要がある場合は、下記の電話番号で行って頂くこともお勧めします。なお、邦人安否照会の担当オフィサーは英語での対応となります。

インド外務省コントロール・ルーム
邦人安否照会担当オフィサー

電話番号:2301−5300
FAX番号:2301−8158

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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デリバティブへの理解 その2

JUGEMテーマ:株・投資


 今週は先週に引き続きデリバティブについて書いてみたいと思います。

 報道によるとレストランチェーンの150億円の上る損失は食材の輸入に絡む豪ドル円でのデリバティブによるものでした。

 私の想像ですが、
・おそらく豪ドル円が90−100円のレベルにあった時点で(みんな豪ドルがさらに上昇を予想)
・3−5年(もしくはそれ以上の期間)毎月きまった額の豪ドルの受け取り(オージービーフの輸入?)
・受け取りレートは1豪ドル=80円(見た目はすごくお得感あり、実勢より20円も安い!)
・その代わり豪ドル円が期間内で70円になると1豪ドル=130円で買う義務がでてくる
・しかも130円で買う義務は80円で受け取る額の2−3倍

このような取引かその類似品と予想されます。

 輸入業者が使うデリバティブにクーポン・スワップという商品があります。これは日本円とドル円、豪ドル円などの金利差のある通貨の買いに使います。金利差がありますからこれらの通貨は1−3年後にはいまのレートより低いレートで買うことができます。
 これは証拠金取引のスワップ(金利分)の受け取りと同じで、金利を受け取る代わりに安い外貨が購入できるわけです。
 輸入業者はこのような仕組を使って1ドル=115−120円のときに5年間で90円の外貨を毎月受け取るという取引を大量に行いました。
 レストランチェーンの取引もそれと似たものをさらにハイブリッドにしたものです。

 ではなぜこの取引がいけないのでしょうか。

・日本と他国の金利差を利用するのはいいですが期間が長すぎるとリスクも大きい
・金利差と期間が長いほど表面上有利に見える仕組ができますがリスクはそれ以上に拡大
・価格、金利の変動に対して正確な損益の計算ができない
・そもそも金融はゼロサムゲーム、一方的に儲かることはないので財務ではコストの削減を心がけ、本業で儲けるべき
・タダより高いものはない、おいしく見える話にはかならず裏(リスク)がある

 個人投資家、企業家の方でオプションのディーリングが可能で、知識とシステム入手が可能な方以外はオプションの複雑な仕組を組み込んだ商品は避けるべきです。
 やるのならシンプルなオプションの買いのみです。日経新聞の金融欄、投信欄、YAHOOファイナンスの株価で自分の保有するポジションの現在価格、損益計算ができるものだけに投資するべきです。

生涯遊人(YEN蔵)

*ブログ「YEN蔵のFX投資術」http://blog.livedoor.jp/slalom2007/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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グローバル投資のポイント(121)

JUGEMテーマ:株・投資


■個人消費の拡大が期待される中国の大幅利下げ■

 11月26日、中国の中央銀行である中国人民銀行は、商業銀行の基準金利(1年物)を1.08%引き下げ、貸出金利を5.58%、預金金利を2.52%とすること(いわゆる利下げ)を発表しました。今回の利下げは、9月以降で4回目で、利下げ幅が1%を超えるのは、アジア通貨危機時の1997年10月以来11年ぶりとなります。

 中国が11年ぶりとなる大幅な利下げを実施した背景に、経済成長率の鈍化があります。中国の今年7―9月期の実質GDP成長率は、前年同期比9.0%増と、10%を超えていた前期までと比べ大幅に減速しています。また、世界銀行は、来年(2009年)のGDP成長率を7.5%にとどまると予測しています。中国政府は、雇用を維持するための成長率として8%を強く意識しているといわれていますので、中国政府としては、なんとしてでも8%という水準は維持したいところなのでしょう。

 ただ、欧米を中心に世界景気が後退色を強めている以上、中国が得意とする輸出主導型の景気拡大は難しいといえます。おそらく中国政府としては、内需を刺激することで8%成長率を維持する考えと思われます。実際、中国政府がすでに発表している総額4兆元の景気対策も、公共投資が中心の内需刺激型となっています。

 今回の利下げは、おそらく設備投資よりも個人消費の拡大につながるものと思われます。10月の中国の消費者物価指数の伸び(前年同月比)は4.0%ですので、預金金利は実質的にはマイナス(2.52%−4.0%=▲1.48%)です。預金することで得られる利息が、物価上昇分に満たない状況なので、家計は、預金をせずに、製品などを購入した方が得をするといえます。

 実質的な預金金利をマイナスにすることは、短期的には個人消費は拡大するでしょうが、中長期的には物価上昇圧力を高めることになります。おそらく中国政府は、経済成長を優先することもあり、実質的な預金金利をマイナスにする状態を続けるでしょう。言い換えれば、足元で落ち着きを見せてきた中国のインフレ懸念は、中国の景気拡大をとともに高まることになると思われます。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

●●●●いよいよ登場した日本語によるヘッジファンド・メルマガ●●●●

世界の金融市場を縦横無尽に動き回るヘッジファンド。
しかし、ヘッジファンド業界に関する情報のほとんどは英語。。。。

日本語はOKだけど英語は苦手の方のために
ヘッジファンド業界を日本語で伝えるメルマガが誕生しました!!!

【ヘッジファンドジャーナル】
http://www.mag2.com/m/0000256832.html

 日本語ではなかなか得ることができないヘッジファンド事情を週に2回配信。
有名ヘッジファンドの情報や最先端の投資戦略を紹介。
主要なヘッジファンド・インデックスも合わせてお届けします。 

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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億の近道2008/11/28

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                   2008/11/28
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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             −本日の目次−
     (本日の担当:村田雅志&生涯遊人&ぢんぢ部長)

  ◆コラム「グローバル投資のポイント(121)」:村田 雅志
  ◆コラム「デリバティブへの理解その2」:生涯遊人
  ◆コラム「ムンバイのテロについて」:ぢんぢ部長

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     ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

皆様のご声援のおかげで、億の近道が『まぐまぐ大賞2008』の【マネー部門】
にノミネートされました!
ノミネートに投票いただきました読者の方々に感謝いたします。
ありがとうございます!

さて、続く大賞、各賞については、11/26から12/8(18:00)までの、読者さん
からの投票で決定いたします。引き続き、皆様のご声援をお願いいたします。
もし、「億の近道」が良いと感じられましたら、投票いただければ嬉しいです。

投票ページ
http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/

部門賞の「マネー部門」からプルダウンで「億の近道」を選択
総合大賞の「総合大賞を選んでください!!」をプルダウンで「億の近道」を選択
以上の手順で投票できます。

     ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

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◆コラム「グローバル投資のポイント(121)」

■個人消費の拡大が期待される中国の大幅利下げ■

 11月26日、中国の中央銀行である中国人民銀行は、商業銀行の基準金利
(1年物)を1.08%引き下げ、貸出金利を5.58%、預金金利を2.5
2%とすること(いわゆる利下げ)を発表しました。今回の利下げは、9月以
降で4回目で、利下げ幅が1%を超えるのは、アジア通貨危機時の1997年
10月以来11年ぶりとなります。

 中国が11年ぶりとなる大幅な利下げを実施した背景に、経済成長率の鈍化
があります。中国の今年7―9月期の実質GDP成長率は、前年同期比9.0
%増と、10%を超えていた前期までと比べ大幅に減速しています。また、世
界銀行は、来年(2009年)のGDP成長率を7.5%にとどまると予測し
ています。中国政府は、雇用を維持するための成長率として8%を強く意識し
ているといわれていますので、中国政府としては、なんとしてでも8%という
水準は維持したいところなのでしょう。

 ただ、欧米を中心に世界景気が後退色を強めている以上、中国が得意とする
輸出主導型の景気拡大は難しいといえます。おそらく中国政府としては、内需
を刺激することで8%成長率を維持する考えと思われます。実際、中国政府が
すでに発表している総額4兆元の景気対策も、公共投資が中心の内需刺激型と
なっています。

 今回の利下げは、おそらく設備投資よりも個人消費の拡大につながるものと
思われます。10月の中国の消費者物価指数の伸び(前年同月比)は4.0%
ですので、預金金利は実質的にはマイナス(2.52%−4.0%=▲1.4
8%)です。預金することで得られる利息が、物価上昇分に満たない状況なの
で、家計は、預金をせずに、製品などを購入した方が得をするといえます。

 実質的な預金金利をマイナスにすることは、短期的には個人消費は拡大する
でしょうが、中長期的には物価上昇圧力を高めることになります。おそらく中
国政府は、経済成長を優先することもあり、実質的な預金金利をマイナスにす
る状態を続けるでしょう。言い換えれば、足元で落ち着きを見せてきた中国の
インフレ懸念は、中国の景気拡大をとともに高まることになると思われます。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070
「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

●●●●いよいよ登場した日本語によるヘッジファンド・メルマガ●●●●

世界の金融市場を縦横無尽に動き回るヘッジファンド。
しかし、ヘッジファンド業界に関する情報のほとんどは英語。。。。

日本語はOKだけど英語は苦手の方のために
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【ヘッジファンドジャーナル】
http://www.mag2.com/m/0000256832.html

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有名ヘッジファンドの情報や最先端の投資戦略を紹介。
主要なヘッジファンド・インデックスも合わせてお届けします。 

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 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「デリバティブへの理解 その2」

 今週は先週に引き続きデリバティブについて書いてみたいと思います。

 報道によるとレストランチェーンの150億円の上る損失は食材の輸入に絡
む豪ドル円でのデリバティブによるものでした。

 私の想像ですが、
・おそらく豪ドル円が90−100円のレベルにあった時点で(みんな豪ドル
 がさらに上昇を予想)
・3−5年(もしくはそれ以上の期間)毎月きまった額の豪ドルの受け取り
 (オージービーフの輸入?)
・受け取りレートは1豪ドル=80円(見た目はすごくお得感あり、実勢より
 20円も安い!)
・その代わり豪ドル円が期間内で70円になると1豪ドル=130円で買う義
 務がでてくる
・しかも130円で買う義務は80円で受け取る額の2−3倍

このような取引かその類似品と予想されます。

 輸入業者が使うデリバティブにクーポン・スワップという商品があります。
これは日本円とドル円、豪ドル円などの金利差のある通貨の買いに使います。
金利差がありますからこれらの通貨は1−3年後にはいまのレートより低いレ
ートで買うことができます。
 これは証拠金取引のスワップ(金利分)の受け取りと同じで、金利を受け取
る代わりに安い外貨が購入できるわけです。
 輸入業者はこのような仕組を使って1ドル=115−120円のときに5年
間で90円の外貨を毎月受け取るという取引を大量に行いました。
 レストランチェーンの取引もそれと似たものをさらにハイブリッドにしたも
のです。

 ではなぜこの取引がいけないのでしょうか。

・日本と他国の金利差を利用するのはいいですが期間が長すぎるとリスクも大
 きい
・金利差と期間が長いほど表面上有利に見える仕組ができますがリスクはそれ
 以上に拡大
・価格、金利の変動に対して正確な損益の計算ができない
・そもそも金融はゼロサムゲーム、一方的に儲かることはないので財務ではコ
 ストの削減を心がけ、本業で儲けるべき
・タダより高いものはない、おいしく見える話にはかならず裏(リスク)があ
 る

 個人投資家、企業家の方でオプションのディーリングが可能で、知識とシス
テム入手が可能な方以外はオプションの複雑な仕組を組み込んだ商品は避ける
べきです。
 やるのならシンプルなオプションの買いのみです。日経新聞の金融欄、投信
欄、YAHOOファイナンスの株価で自分の保有するポジションの現在価格、
損益計算ができるものだけに投資するべきです。

生涯遊人(YEN蔵)

*ブログ「YEN蔵のFX投資術」http://blog.livedoor.jp/slalom2007/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「ムンバイのテロについて」

 各種報道を通じてすでに皆様ご存じかと思いますが、インドの商業大都市ム
ンバイ(旧名ボンベイ)にて大規模なテロが発生しました。被害に遭われた方
へお見舞い申し上げます。

 さて、私はニューデリーの日本人会へ入っているのですが、緊急時に日本大
使館などから日本人会を通じてメールでの注意喚起のお知らせが来ることがよ
くあります。通常は1回程度なのですが、今回の件では3回もお知らせがあり、
事件の特殊性をよく表しています。すこし解説したいと思います。

 あまり日本では詳しく取り上げられてはいないかもしれませんが、インドで
はここ半年で以下のようなテロが発生しています。

5月13日:ラジャスターン州ジャイプールでの連続爆弾テロ
7月25日:南部カルナータカ州バンガロールでの連続爆弾テロ
7月26日:西部グジャラート州アーメダバードでの連続爆弾テロ
9月13日:デリー市内での連続爆弾テロ
10月1日:インド北東部トリプラ州アガルタラでの連続爆弾テロ
10月30日:アッサム州グワハティでの連続爆弾テロ
(在インド日本大使館の情報より)

 それぞれかなりの犠牲者が発生していますが、外国人の被害者はほとんど無
く、発生場所も市場やバス停など、インドの庶民が集まる場所です。
 通常、一部の旅行者などは除いて、ビジネスでの在留外国人はそのような場
所と縁がありません。直接買い物をする場合は大規模スーパーやショッピング
モールですし、一般の市場へは使用人が買い出しに行きます。移動も運転手付
きの自家用車で、バスや鉄道をつかうことはありません。したがって、今まで
のテロはわれわれ外国人にとっては対岸の火事的な出来事でした。

 しかし今回はちょっと事情が違います。
 明確に外国人を標的にしたテロはインドではあまり無かったはずです。立て
こもりも起こったホテルは、インドでは超高級ホテルで有名なタジとオベロイ
で、宿泊はもちろん、待ち合わせや打ち合わせ、会食など我々外国人がよく利
用する施設です。1泊800ドル程度はするので、インドの一般庶民には縁の
ない場所といってもいいでしょう。
 誤解を受けるといけないのですが、なにも贅沢をして経費使いまくっている
のではありません。安心・安全でちゃんとしたサービスが受けられる施設はホ
テルがベストなのです。

 そこが狙われたということは、今後同様のテロが起こる可能性が出てきまし
た。外国人が多く住む高級マンションだとか、ショッピングモールとか、外資
系企業が多く入っているオフィスビルなどなど、従来は安全だと思われていた
場所も油断が出来ないと言うことになります。

 また、ムンバイという都市で起きたと言うことも結構な意味があります。イ
ンドの首都はニューデリーですが、ビジネスの都市としてはムンバイの方が上
といえます。日本企業でも、ムンバイだけに進出しているところも結構ありま
す。オフィス家賃や物価などもインドで一番高いところです。それだけ外国人
が多い場所で起こったのです。

 インドはいま、外資や外国の援助などを積極的に取り入れながら発展してい
る国の一つです。そこに冷や水をかけるような今回のテロ。テロリストはすべ
てインド人かどうか分かりません(近隣国から流入して事件を起こすことも多々
ありますから)が、もしインド人だとしたら、祖国の発展を阻害する、考えら
れない行動といえます。

 心理的には非常に冷えてしまうでしょうが、それでも経済発展は止められま
せん。状況が悪化した環境の中、日々日本とインドのために現地で奮闘してい
る方々には、お気をつけて頑張っていただきたいと祈念しています。

 なお、インド外務省では邦人安否確認の窓口を開設したそうなので、日本大
使館からのメールを転載しておきます。

(ぢんぢ部長)

****
本テロ事件に対応する為、インド政府は外務省内に24時間体制のコントロー
ル・ルームを設置しました。同コントロール・ルームには日本人の安否照会を
受け付けるため専用の電話回線を設けています。

在留邦人の皆様におけれましては、邦人の安否確認の必要がある場合は、下記
の電話番号で行って頂くこともお勧めします。なお、邦人安否照会の担当オフ
ィサーは英語での対応となります。

インド外務省コントロール・ルーム
邦人安否照会担当オフィサー

電話番号:2301−5300
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りになっております。現在、最新〜2005年1月分まで掲載しておりますが、
順次過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まと
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会社計画を鵜呑みにしない−ではどうすれば?

JUGEMテーマ:株・投資


日経平均は相変わらず急上昇、急落を繰り返し、
上がった日に売り、下がった日に買うを繰り返していると
儲かりそう、というボラティリティの高い状況が続いています。

日本では第2四半期決算がほぼ終結し、
(銀行の決算が短期的にはちょっと怖い材料ではありますが)
悪材料を織り込んだという意見も一部では聞かれますが
本格的な不況はこれからで、企業業績の悪化が数字に表れてくるのはこれからと思われます。
不況が2,3年続くと考えれば、2年程度は本格的な上昇は期待できないようと考えます。
根拠についてはまた、機会があれば・・・ということで。

<違和感のある会社予想>

ところで、決算説明会に参加していると、
たまに違和感を感じる説明を聞くことがあります。

あるSIerの説明会にて・・・・
同業他社の多くが今後の見通しとして
”下期に減速を懸念しており、下期の受注不透明。
厳しい状況は2,3年続きそう”
とコメントしているなかで、
”下期も好調。今後の計画も右肩上がり。”

・・・質疑応答にて

”若干(相当?)違和感を感じますが・・・?”
と質問したところ
”そうですか? 減少しますか?(と逆質問!?)”
”XXXビジネスの需要はありますから・・・”
参加者の数名が表現を変えながら同様の質問(笑)


少なくともここで参加した数名を含む方々の
違和感は払拭されず・・・・。
(こんな時は会社予想が織り込まれないわけですから
 逆に言えば投資チャンスなのかもしれませんが・・・)

<事業環境を考慮した無理のない判断>

では、どう考えようか・・・

まず、事業環境を把握する

業界別でIT投資の状況を見ると
・証券は業績悪化を背景に新規案件の多くがストップ
 当分、投資に対しては極めて慎重な状況が続く見通し
・製造業などは急激な事業環境の変化に、見送り等も見られるようだが
 海外も含め事業環境の落ち着きと共に会社の事業展開の方向性が示されれば
 投資の回復も期待できよう。

IT投資における状況を業界別でざっくり分けると、
金融と金融以外(もっというと、証券と証券以外)で
収益性が大きく違います。(若干無理な分け方ですが・・)

コスト意識の違いでしょう。

証券または金融以外の業界で投資が回復しても、
もともと収益性が低いわけですから、SIerの業績は数年厳しい状況が予想されます。

先日の日経新聞ではIT投資の減速についての記事がありました。

なかなか好材料が見当たらない状況です。

<その後の展開を考える>

 事業環境が落ち着きを取り戻せば、投資が回復してきますが、
顧客企業は業界に関わらず
・新規投資は極力抑制
・トータルコスト、費用対効果を強く意識
・既存システムの使用延長

という状態が予想されます。

とすれば、投資する対象として

・必要不可欠な投資
・費用対効果が圧倒的に高いもの

に注目する必要があるでしょう。

・”必要不可欠”としては
 ”既存システムの運用保守”
(例:運用保守の割合が大きい日立情報)

・”必要不可欠”でかつ”費用対効果が圧倒的に高い”
 制度改正等への対応
(例:ROIを意識したワークスAP)

といったところがあげられるかもしれません。

<常に無理のない見方を維持する>

 SIerの決算を例に見てきました。
業界を把握する為にその業界の複数の企業の見方を聞いて
事業環境を把握する。
その後、個別企業を見て、無理のない判断をする。

アナリストの見方や個別企業の経営者”固有”の意見はあまり当てにならないことが多い。

投資における事前調査は当たり前のことを当たり前として捉え無理のない判断をする。

そんなことを”まず”基本として考えたい。

(知の利)

<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−

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なぜ信用危機下では株価バリエーションは効かないのか?

JUGEMテーマ:株・投資


不況下では、cash is king であり、
複雑なものは嫌われます。
simple is the bestなのです。

前回と前々回のコラムでは、銀行システムの脆弱性について述べ、
証券化の時代の到来と、リスクを他人にパスする姿勢を批判しました。
今回は、リスクを意図的に変質させ、「よいところ取り」をしようとする姿勢が何を招くかについてコメントします。

「トレードオフ」という言葉があります。
何かを得れば、何かが犠牲になる、という意味です。
現代人は、たくさんのリスクを扱えるようになった結果、何が犠牲になっているのでしょうか。
みなさんも一緒に考えてください。


■原子力発電所

今年のある時期、いつだったでしょうか、
株式市場で、原子力発電所関連が賑わったことがあります。
長期的に全世界が電力不足に陥り、世界中いたるところで原子力発電所が次々に建設される見通しです。

我が運用チームにも、
「原子力関連企業をポートフォーリオに入れたい」というアナリストが出てきました。

しかし、原発銘柄は運用対象から除外することになりました。
チームで夜遅くまで議論を尽くした結果でした。

自然界に「広く」、「薄く」ばらまかれている放射能は、普段、わたしたちは
意識する必要がありません。
放射能は自然に存在している限り、人類に有害とはいえません。

しかし、その放射能物質は、一か所に濃縮に濃縮を重ねて集めることにより、
極めて危険なものに変質してしまいます。

運用チームの議論で問題になったのは、
「核廃棄物を、どこにどうやって捨てるのか」ということでした。

核廃棄物は、きわめて有害であり、長い時間をかけても、自然に戻ることはない。
そんな怪物をつくったあと、人類はそれをどう処理したらよいのでしょうか?

「99.99999%安全だとされる」ところに、厳重に保管しておくしかありません。
それは、将来、毎年、毎年、累積されるリスクであり、今後、原発が世界中で建設されれば、着実に将来にわたって長い時間をかけて、どんどんと累積される死と直結するリスクです。
計算上は絶対に安全なシステムが、安全ではない例など、わたしたちは日常的に体験しています・・・

こればかりは、完全な解決策がないようなのです。
将来の子孫に対して、そんなやっかいなものをお土産としてパスするのはいかがなものか?
そんな主張をするアナリストがいて、
最後には、メンバー全員が、
納得した上で、わたしたちは原発を投資対象から除外したわけです。

かつて複写機メーカーや自動車セクターがきわめて低いPERで推移していたときも、
高速コピアなどという一度に大量の紙(=森林)を消費してしまうやり方や、
自動車が、地球環境を汚し続けてきた過去の膨大な累積被害に躊躇して、
投資する気持ちにならなかったことがありました。

もちろん、どんな企業も、形を変えて、役に立っているところが必ずあり、
このような個人的な感情は、投資家としては不要(というよりかなり有害??)なものかもしれません。
たとえば、サラ金企業でさえ、多くの税金を納めており、その税金によって、
国民生活が成り立っているともいえます。

好き嫌いで、企業を選ぶべきではありません!!

しかしながら、
1)リスクの内容が、毎年、累積していく性質なもの
2)稼働台数が毎年増えていく製品や設備
3)制御不可能となる危険のあるもの(=環境破壊や原発やレバレッジ型の証券化商品)

これらの場合は、いつか、ビジネスモデルが破綻するはずです。

前回のコラムで紹介した証券化商品への保証などは、リスクが累積していく商品の典型でした。
また、今回の原子力発電所も、リスクはどんどん累積されていく施設です。

しかし、金融と違って、原発は、直接的に核爆発や放射能汚染に結びつきます。
命に直接関わる分だけ、圧倒的に、やっかいなものです。

それを「原始時代に帰れというのか?」
「開発途上国に成長をやめよというのか?」
「原発は、石化燃料を使わない地球にやさしいエネルギーだ」
などと議論がすり替わっていき、本質的なリスクに関する疑念は解決されることはありません。


■後付けの説明よりも・・・

バブルがはじけた後、世界金融危機が起きた後、それらを解説することは簡単です。
しかし、いま、累積されているリスクに対しても、責任を持ち、問題を提起することは、悲劇の後から悲劇を解説することよりも重要です。


■なぜ信用危機は株価の低迷を招くのか?? (前回のコラム 続き)

前々回のコラムでは、銀行システムの脆弱性について書きました。
前回は、行き過ぎた証券化がレバレッジによって、もたらされたことや、
レバレッジにより増幅されたリスクが、破裂することで、金融危機が生じることや、
金融危機が生じたときに、貸しはがしが起こり、国民生活にも大きな影響を与えることを書きました。

今回は、証券化とは一見、関係のない、株式市場の不振にスポットを当てます。

株式市場の下落によって、
かつての天才ファンドマネージャーや、新興市場バブルで億万長者になった個人投資家が、坂を転げ落ちるように、没落していきました。

運用停止に追い込まれるファンドが相次ぎ、顧客に資金を返還しない(できない?)ファンドも出てきました。
彼らの運用報告書などを読むと、
「100年に1度の危機」、
「考えられないほどのバリエーションの崩壊」などの文言が並びます。

要は、「PERやPBRや配当利回りなどの従来の株式指標が全く通用しない」
という言い訳がされているのです。


■典型的な破産例

ファンドの運用の典型的な破産のパターンは、「正しいのは自分で、マーケットは間違っている」という態度から引き起こされます。
取材を何度もして、何度も念を押して、企業からはよいニュースしか入らない。
しかし、株価はどんどん下落していく。
こういうパターンでは、買い下がり、買い下がりを繰り返して、ファンドの累積的な損失が膨らんでいきます。

たとえば、あるファンドが、ある不動産銘柄を
PER3倍でPBR0.3倍、配当利回り5%で安いと思って購入したケース。
なぜか、株価は半減して、PERは2倍に、PBRは0.15倍に、利回りは10%となった。
その後、さらに株価は半減して、PERは1倍に、PBRは0.1倍を切り、利回りは20%を超えた。
その過程で、毎日のように買い下がり、何ヶ月かかかっても、売りきれないほどの株券を集めるようになった。
その後、その株は、赤字に転落し、
PERは計測不能になり、PBRも大きな赤字の後では、0.3倍に戻り、配当は無配になってしまった。

さらに、来期以降も、黒字化の目処が立たないため、さらに、そこから株価は、
1/3になり、出来高もほとんどなくなってしまった。
PBR0.3倍で買っても、株価は数分の1になるという経験は、
このファンドマネージャーの過去には経験のないものであった。

そのファンドマネージャーは、「バリエーションが効かなかった」と言い訳した。

「前は、低いPERやPBRで買い、徹底的に買い下がったら、最後には相場は反転して、大儲けした」。
今回は、その成功体験が仇となったのです。


■本当にバリエーションは効かないのか??

PBRという指標を信じている方は多くいらっしゃるでしょう。
なぜならば、PERは、将来の収益と株価との関係で、将来収益はブレてしまいます。
しかし、PBRは自己資本と株価の関係です。
自己資本は過去の利益の蓄積であり、それほどブレるものではありません。
しかし・・・
自己資本は、期間利益が赤字であれば、その分、目減りします。
また、資産内容が劣化すれば、自己資本は大きく棄損します。

つまり、PBRを信じるためには、
1)資産内容が劣化しない
2)期間利益が赤字ではない
という条件が必要なのです。

上記ファンドマネージャーが嵌った銘柄の自己資本比率はわずか10%でした。
さらに、資産のほとんどは不動産でした。
100%を不動産に投資していたために、
不動産価格が値下がりすれば、自己資本は、すぐになくなります。
「バリエーションが効かない」のではなく、
「効くようなバリューがその企業にはなかった」というのが本当のことです。

どんな時代にも、現金を持っている人がいる限り、
資産の内容に見合う価格は提示されるものです。

今回の金融危機においても、
無借金企業で、赤字でない企業で、ビジネスモデルが安定している企業の株価は、比較的堅調です。

また、優良不動産の買い手は今でもいます。
「バリエーションが通じない」ということは全くなく、
これまでも、これからも、いまも、「株価はバリエーションが歯止めになっている」のです。
わたしの見るところ、株価は、今回も、バリエーションによって説明できるレベルを保っています。


■「貸しはがし」と「投げ売り」

タイタニック号が沈没するときに、救命ボートに乗れない人が、
「1億円払うから替ってくれ」といったところで、
席を譲ってくれる人はいないでしょう。

何を言いたいかというと、
「価格というものは、需給で決まる」ということで、
「困っている人は、値段に関係なく資産を投げ売らなければならない」ということです。

今回、信用収縮で、多くのファンドが解約売りに苦しみました。
解約売りとは、悲惨なものです。
ファンドマネージャーとして、せっかくピックアップした銘柄を投げ売りしなければならないからです。

信用収縮で、ファンドの解約売りが出る一方で(=株式市場における株価の需給)、
信用収縮の影響を受ける赤字企業や借金漬け企業では、貸しはがしの影響をもろに受けます(=企業業績に影響を与える)。

貸しはがしは、2重の意味で、企業業績にとって深刻です。
1)貸しはがしによって、企業規模が縮小する
2)貸しはがしによって、資産を投げ売りしなければならない
という点です。

貸しはがしによって、借金を返済すると、資産は減少します。
自己資本比率が10%しかなかった上記の企業なら、
借金返済により、企業規模は、1/10になります。

企業規模が激減すると、売上げも数分の1になります。
企業規模が激減すれば、利益水準も激減します。

企業が元の水準まで、企業規模を拡大しようとすれば、
資本の10倍の規模のエクイティファイナンスが必要になります。
貸しはがしは、どうころんでも、1株当たりの企業価値を激減させます。

また、貸しはがしは、資産を投げ売りを強要します。
資産を泣く泣く売るのは仕方ありませんが、
資産を「即座に」売らなければならないのがつらいところです。

資産というものは、時間をかけて売れば、結構な値段で売れたりするのですが、
大量の成り行き注文を相対市場で一度に売らなければならないと、足もとを見られて買いたたかれてしまいます。

日本でも、邦銀を中心に、バブル崩壊後に、名門企業の多くが、都内の一等地の社員寮や接待用の施設を文字通り「投げ売り」しました。
投げ売りされた物件は、適正価格の数分の1でたたき売られました。

信用収縮が株式市場に、多大な影響を与えることがおわかりでしょうか。
1)ファンドが解約されることにより、直接的な、株券の投げ売り。
2)貸しはがしによるレバレッジ企業の価値の棄損。

適正な価格を大きく下回る異常な価格で購入できる優良物件もなかにはあるでしょう。

また、貸しはがしにあっている企業は、一見、割安に見えますが、まったく割安とはいえません。
資産をどれだけ急いで換金売りをするかにより、企業価値が大きく変わってしまうからです。


■信用収縮下での投資戦略

バブル崩壊後に、都内の一等地を格安の値段で手にいれた人たちも大きな利益を手に入れました。

信用収縮下では、現金を持っている人が強い。
普段、借金してビットする人が信用危機では、借金ができないためです。
競合する人がいないため、現金で買える余力のある人は、安く買えるというわけです。

同様に、株式市場では、解約売りに苦しむファンドのおかげで、
需給要因のみで、売り込まれた適正価格を下回る優良企業が散見されます。

信用収縮下では、借金の大きい会社や貸しはがしに直面している会社を買う理由はまったくありません。
無借金のピカピカの会社だけを買うべきなのです。

これは、株式市場に限らず、不動産市場や証券化市場でも同様のことです。
信用収縮により、急いで換金しなければならない人がいるわけですから、
ピカピカの証券化商品や不動産を、いま、安く仕込むチャンスです。

さすがに、何億や何十億円もする不動産を現金で買うわけにはいかないですが、
数万円からできる株式投資においては、無借金企業をファンドから安く買いたたくチャンスです。

投資家として、心がけることは、
現金で優良な物件を買うことです。
もちろん、来年も、景気はいたって悪く、さらに悲惨な市場環境が続く可能性もあります。
この1−2年、欲張らず、困り果てた人を助けるつもりで、投げ売り玉の中から、本当に優良なものだけを選んで、ゆっくりと買っていけばよいでしょう。


■何かを得れば、必ず失うものもある・・・

人がたくさんのリスクを扱うようになったことで、
リスクを変質させることもできるようになりました。
リスクを変質させるだけではなく、人はリスクを濃縮することもできるようになりました。

これから、どんなことが起こるかは、想像もできません。

リスクの変質の目的は、「いいところ取り」にあります。

つらさや痛みや不便さを避けて、便利さや快適さを手に入れた人類は、
知らず知らずのうちに、本来、受け止めるべきリスクに向き合わず、
リスクを変質させ、切り売りし、誰も見ていない場所に、無用なリスクを捨て置いているかのようです。

これらの「いいところ取り」の精神は、着実に、わたしたちの子孫を苦しめるでしょう。


■REITの行き末

たとえば、REITという便利な商品は、
不動産という本来であれば流動性のないモノに流動性を付与し、
上場まで、させました。

まさに、よいところだけをとった商品であり、投資家にとっては、空室になるリスクも減って、いつでも好きな時に売却できる、という理想の商品となりました。
いわゆる「ポートフォーリオの分散効果」、「流動性の向上」などなど。

しかし・・・その結果、わたしたちは何を失ったのでしょうか?

実際に、RIETの株主は、何を所有しているのだろうか?
株主は、どの部屋を所有しているのか?
(10万円のREIT投資では、本来はある特定の部屋のエアコンぐらいしか所有できないはずだ・・・)
その部屋にはどんな人が住んでいるのだろう?
実感のない、リスクのないREITのような商品が存在しなければならない強い理由はどこにあるのでしょうか?

REITは、その存在意義の薄さによって、銀行から貸しはがしにあっています。
そして、貸しはがしにあった企業がたどった運命をREITもまた、たどっているのです。

人が不動産を所有する意味は、経済的な理由だけではありません。
「この建物は絶対に売らない。ここには、死んだ母親がずっと住んでいた」という所有者もいるでしょう。
また、入居者と長きにわたる良好な関係を築いている方もいるでしょう。

一方で、
REITの所有者(株主)が、入居者のことをどれだけ考えてあげられるでしょうか?
家賃の収入の遅れを、どれだけ暖かく待ってあげられるでしょうか?
「いつでも売れる」、「絶対に空室にならない」という「よいところ取り」の結果として、事業に思い入れのない株主を乱造するだけではないでしょうか?
REITの株主は、大家の素養や貫禄を身につけることができるでしょうか?

リスクを取らない人間が、えらそうなことをいったら、
いったい、どんな世の中になってしまうのでしょうか?

<著者紹介>
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。
山本 潤

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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億の近道2008/11/26

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                  2008/11/26号
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
       (本日の担当:山本潤&億近産業調査部)

◆コラム「なぜ信用危機下では株価バリエーションは効かないのか?」:山本潤
◆コラム「会社計画を鵜呑みにしない−ではどうすれば?」:知の利

===================================

◆コラム「なぜ信用危機下では株価バリエーションは効かないのか?」

不況下では、cash is king であり、
複雑なものは嫌われます。
simple is the bestなのです。

前回と前々回のコラムでは、銀行システムの脆弱性について述べ、
証券化の時代の到来と、リスクを他人にパスする姿勢を批判しました。
今回は、リスクを意図的に変質させ、「よいところ取り」をしようとする姿勢
が何を招くかについてコメントします。

「トレードオフ」という言葉があります。
何かを得れば、何かが犠牲になる、という意味です。
現代人は、たくさんのリスクを扱えるようになった結果、何が犠牲になってい
るのでしょうか。
みなさんも一緒に考えてください。


■原子力発電所

今年のある時期、いつだったでしょうか、
株式市場で、原子力発電所関連が賑わったことがあります。
長期的に全世界が電力不足に陥り、世界中いたるところで原子力発電所が次々
に建設される見通しです。

我が運用チームにも、
「原子力関連企業をポートフォーリオに入れたい」というアナリストが出てき
ました。

しかし、原発銘柄は運用対象から除外することになりました。
チームで夜遅くまで議論を尽くした結果でした。

自然界に「広く」、「薄く」ばらまかれている放射能は、普段、わたしたちは
意識する必要がありません。
放射能は自然に存在している限り、人類に有害とはいえません。

しかし、その放射能物質は、一か所に濃縮に濃縮を重ねて集めることにより、
極めて危険なものに変質してしまいます。

運用チームの議論で問題になったのは、
「核廃棄物を、どこにどうやって捨てるのか」ということでした。

核廃棄物は、きわめて有害であり、長い時間をかけても、自然に戻ることはな
い。
そんな怪物をつくったあと、人類はそれをどう処理したらよいのでしょうか?

「99.99999%安全だとされる」ところに、厳重に保管しておくしかあ
りません。
それは、将来、毎年、毎年、累積されるリスクであり、今後、原発が世界中で
建設されれば、着実に将来にわたって長い時間をかけて、どんどんと累積され
る死と直結するリスクです。
計算上は絶対に安全なシステムが、安全ではない例など、わたしたちは日常的
に体験しています・・・

こればかりは、完全な解決策がないようなのです。
将来の子孫に対して、そんなやっかいなものをお土産としてパスするのはいか
がなものか?
そんな主張をするアナリストがいて、
最後には、メンバー全員が、
納得した上で、わたしたちは原発を投資対象から除外したわけです。

かつて複写機メーカーや自動車セクターがきわめて低いPERで推移していた
ときも、
高速コピアなどという一度に大量の紙(=森林)を消費してしまうやり方や、
自動車が、地球環境を汚し続けてきた過去の膨大な累積被害に躊躇して、
投資する気持ちにならなかったことがありました。

もちろん、どんな企業も、形を変えて、役に立っているところが必ずあり、
このような個人的な感情は、投資家としては不要(というよりかなり有害??)
なものかもしれません。
たとえば、サラ金企業でさえ、多くの税金を納めており、その税金によって、
国民生活が成り立っているともいえます。

好き嫌いで、企業を選ぶべきではありません!!

しかしながら、
1)リスクの内容が、毎年、累積していく性質なもの
2)稼働台数が毎年増えていく製品や設備
3)制御不可能となる危険のあるもの(=環境破壊や原発やレバレッジ型の証
券化商品)

これらの場合は、いつか、ビジネスモデルが破綻するはずです。

前回のコラムで紹介した証券化商品への保証などは、リスクが累積していく商
品の典型でした。
また、今回の原子力発電所も、リスクはどんどん累積されていく施設です。

しかし、金融と違って、原発は、直接的に核爆発や放射能汚染に結びつきます。
命に直接関わる分だけ、圧倒的に、やっかいなものです。

それを「原始時代に帰れというのか?」
「開発途上国に成長をやめよというのか?」
「原発は、石化燃料を使わない地球にやさしいエネルギーだ」
などと議論がすり替わっていき、本質的なリスクに関する疑念は解決されるこ
とはありません。


■後付けの説明よりも・・・

バブルがはじけた後、世界金融危機が起きた後、それらを解説することは簡単
です。
しかし、いま、累積されているリスクに対しても、責任を持ち、問題を提起す
ることは、悲劇の後から悲劇を解説することよりも重要です。


■なぜ信用危機は株価の低迷を招くのか?? (前回のコラム 続き)

前々回のコラムでは、銀行システムの脆弱性について書きました。
前回は、行き過ぎた証券化がレバレッジによって、もたらされたことや、
レバレッジにより増幅されたリスクが、破裂することで、金融危機が生じるこ
とや、
金融危機が生じたときに、貸しはがしが起こり、国民生活にも大きな影響を与
えることを書きました。

今回は、証券化とは一見、関係のない、株式市場の不振にスポットを当てます。

株式市場の下落によって、
かつての天才ファンドマネージャーや、新興市場バブルで億万長者になった個
人投資家が、坂を転げ落ちるように、没落していきました。

運用停止に追い込まれるファンドが相次ぎ、顧客に資金を返還しない(できな
い?)ファンドも出てきました。
彼らの運用報告書などを読むと、
「100年に1度の危機」、
「考えられないほどのバリエーションの崩壊」などの文言が並びます。

要は、「PERやPBRや配当利回りなどの従来の株式指標が全く通用しない」
という言い訳がされているのです。


■典型的な破産例

ファンドの運用の典型的な破産のパターンは、「正しいのは自分で、マーケッ
トは間違っている」という態度から引き起こされます。
取材を何度もして、何度も念を押して、企業からはよいニュースしか入らない。
しかし、株価はどんどん下落していく。
こういうパターンでは、買い下がり、買い下がりを繰り返して、ファンドの累
積的な損失が膨らんでいきます。

たとえば、あるファンドが、ある不動産銘柄を
PER3倍でPBR0.3倍、配当利回り5%で安いと思って購入したケース。
なぜか、株価は半減して、PERは2倍に、PBRは0.15倍に、利回りは
10%となった。
その後、さらに株価は半減して、PERは1倍に、PBRは0.1倍を切り、
利回りは20%を超えた。
その過程で、毎日のように買い下がり、何ヶ月かかかっても、売りきれないほ
どの株券を集めるようになった。
その後、その株は、赤字に転落し、
PERは計測不能になり、PBRも大きな赤字の後では、0.3倍に戻り、配
当は無配になってしまった。

さらに、来期以降も、黒字化の目処が立たないため、さらに、そこから株価は、
1/3になり、出来高もほとんどなくなってしまった。
PBR0.3倍で買っても、株価は数分の1になるという経験は、
このファンドマネージャーの過去には経験のないものであった。

そのファンドマネージャーは、「バリエーションが効かなかった」と言い訳し
た。

「前は、低いPERやPBRで買い、徹底的に買い下がったら、最後には相場
は反転して、大儲けした」。
今回は、その成功体験が仇となったのです。


■本当にバリエーションは効かないのか??

PBRという指標を信じている方は多くいらっしゃるでしょう。
なぜならば、PERは、将来の収益と株価との関係で、将来収益はブレてしま
います。
しかし、PBRは自己資本と株価の関係です。
自己資本は過去の利益の蓄積であり、それほどブレるものではありません。
しかし・・・
自己資本は、期間利益が赤字であれば、その分、目減りします。
また、資産内容が劣化すれば、自己資本は大きく棄損します。

つまり、PBRを信じるためには、
1)資産内容が劣化しない
2)期間利益が赤字ではない
という条件が必要なのです。

上記ファンドマネージャーが嵌った銘柄の自己資本比率はわずか10%でした。
さらに、資産のほとんどは不動産でした。
100%を不動産に投資していたために、
不動産価格が値下がりすれば、自己資本は、すぐになくなります。
「バリエーションが効かない」のではなく、
「効くようなバリューがその企業にはなかった」というのが本当のことです。

どんな時代にも、現金を持っている人がいる限り、
資産の内容に見合う価格は提示されるものです。

今回の金融危機においても、
無借金企業で、赤字でない企業で、ビジネスモデルが安定している企業の株価
は、比較的堅調です。

また、優良不動産の買い手は今でもいます。
「バリエーションが通じない」ということは全くなく、
これまでも、これからも、いまも、「株価はバリエーションが歯止めになって
いる」のです。
わたしの見るところ、株価は、今回も、バリエーションによって説明できるレ
ベルを保っています。


■「貸しはがし」と「投げ売り」

タイタニック号が沈没するときに、救命ボートに乗れない人が、
「1億円払うから替ってくれ」といったところで、
席を譲ってくれる人はいないでしょう。

何を言いたいかというと、
「価格というものは、需給で決まる」ということで、
「困っている人は、値段に関係なく資産を投げ売らなければならない」という
ことです。

今回、信用収縮で、多くのファンドが解約売りに苦しみました。
解約売りとは、悲惨なものです。
ファンドマネージャーとして、せっかくピックアップした銘柄を投げ売りしな
ければならないからです。

信用収縮で、ファンドの解約売りが出る一方で(=株式市場における株価の需
給)、
信用収縮の影響を受ける赤字企業や借金漬け企業では、貸しはがしの影響をも
ろに受けます(=企業業績に影響を与える)。

貸しはがしは、2重の意味で、企業業績にとって深刻です。
1)貸しはがしによって、企業規模が縮小する
2)貸しはがしによって、資産を投げ売りしなければならない
という点です。

貸しはがしによって、借金を返済すると、資産は減少します。
自己資本比率が10%しかなかった上記の企業なら、
借金返済により、企業規模は、1/10になります。

企業規模が激減すると、売上げも数分の1になります。
企業規模が激減すれば、利益水準も激減します。

企業が元の水準まで、企業規模を拡大しようとすれば、
資本の10倍の規模のエクイティファイナンスが必要になります。
貸しはがしは、どうころんでも、1株当たりの企業価値を激減させます。

また、貸しはがしは、資産を投げ売りを強要します。
資産を泣く泣く売るのは仕方ありませんが、
資産を「即座に」売らなければならないのがつらいところです。

資産というものは、時間をかけて売れば、結構な値段で売れたりするのですが、
大量の成り行き注文を相対市場で一度に売らなければならないと、足もとを見
られて買いたたかれてしまいます。

日本でも、邦銀を中心に、バブル崩壊後に、名門企業の多くが、都内の一等地
の社員寮や接待用の施設を文字通り「投げ売り」しました。
投げ売りされた物件は、適正価格の数分の1でたたき売られました。

信用収縮が株式市場に、多大な影響を与えることがおわかりでしょうか。
1)ファンドが解約されることにより、直接的な、株券の投げ売り。
2)貸しはがしによるレバレッジ企業の価値の棄損。

適正な価格を大きく下回る異常な価格で購入できる優良物件もなかにはあるで
しょう。

また、貸しはがしにあっている企業は、一見、割安に見えますが、まったく割
安とはいえません。
資産をどれだけ急いで換金売りをするかにより、企業価値が大きく変わってし
まうからです。


■信用収縮下での投資戦略

バブル崩壊後に、都内の一等地を格安の値段で手にいれた人たちも大きな利益
を手に入れました。

信用収縮下では、現金を持っている人が強い。
普段、借金してビットする人が信用危機では、借金ができないためです。
競合する人がいないため、現金で買える余力のある人は、安く買えるというわ
けです。

同様に、株式市場では、解約売りに苦しむファンドのおかげで、
需給要因のみで、売り込まれた適正価格を下回る優良企業が散見されます。

信用収縮下では、借金の大きい会社や貸しはがしに直面している会社を買う理
由はまったくありません。
無借金のピカピカの会社だけを買うべきなのです。

これは、株式市場に限らず、不動産市場や証券化市場でも同様のことです。
信用収縮により、急いで換金しなければならない人がいるわけですから、
ピカピカの証券化商品や不動産を、いま、安く仕込むチャンスです。

さすがに、何億や何十億円もする不動産を現金で買うわけにはいかないですが、
数万円からできる株式投資においては、無借金企業をファンドから安く買いた
たくチャンスです。

投資家として、心がけることは、
現金で優良な物件を買うことです。
もちろん、来年も、景気はいたって悪く、さらに悲惨な市場環境が続く可能性
もあります。
この1−2年、欲張らず、困り果てた人を助けるつもりで、投げ売り玉の中か
ら、本当に優良なものだけを選んで、ゆっくりと買っていけばよいでしょう。


■何かを得れば、必ず失うものもある・・・

人がたくさんのリスクを扱うようになったことで、
リスクを変質させることもできるようになりました。
リスクを変質させるだけではなく、人はリスクを濃縮することもできるように
なりました。

これから、どんなことが起こるかは、想像もできません。

リスクの変質の目的は、「いいところ取り」にあります。

つらさや痛みや不便さを避けて、便利さや快適さを手に入れた人類は、
知らず知らずのうちに、本来、受け止めるべきリスクに向き合わず、
リスクを変質させ、切り売りし、誰も見ていない場所に、無用なリスクを捨て
置いているかのようです。

これらの「いいところ取り」の精神は、着実に、わたしたちの子孫を苦しめる
でしょう。


■REITの行き末

たとえば、REITという便利な商品は、
不動産という本来であれば流動性のないモノに流動性を付与し、
上場まで、させました。

まさに、よいところだけをとった商品であり、投資家にとっては、空室になる
リスクも減って、いつでも好きな時に売却できる、という理想の商品となりま
した。
いわゆる「ポートフォーリオの分散効果」、「流動性の向上」などなど。

しかし・・・その結果、わたしたちは何を失ったのでしょうか?

実際に、RIETの株主は、何を所有しているのだろうか?
株主は、どの部屋を所有しているのか?
(10万円のREIT投資では、本来はある特定の部屋のエアコンぐらいしか
所有できないはずだ・・・)
その部屋にはどんな人が住んでいるのだろう?
実感のない、リスクのないREITのような商品が存在しなければならない強
い理由はどこにあるのでしょうか?

REITは、その存在意義の薄さによって、銀行から貸しはがしにあっていま
す。
そして、貸しはがしにあった企業がたどった運命をREITもまた、たどって
いるのです。

人が不動産を所有する意味は、経済的な理由だけではありません。
「この建物は絶対に売らない。ここには、死んだ母親がずっと住んでいた」と
いう所有者もいるでしょう。
また、入居者と長きにわたる良好な関係を築いている方もいるでしょう。

一方で、
REITの所有者(株主)が、入居者のことをどれだけ考えてあげられるでし
ょうか?
家賃の収入の遅れを、どれだけ暖かく待ってあげられるでしょうか?
「いつでも売れる」、「絶対に空室にならない」という「よいところ取り」の
結果として、事業に思い入れのない株主を乱造するだけではないでしょうか?
REITの株主は、大家の素養や貫禄を身につけることができるでしょうか?

リスクを取らない人間が、えらそうなことをいったら、
いったい、どんな世の中になってしまうのでしょうか?

<著者紹介>
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。
山本 潤

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「会社計画を鵜呑みにしない−ではどうすれば?」

日経平均は相変わらず急上昇、急落を繰り返し、
上がった日に売り、下がった日に買うを繰り返していると
儲かりそう、というボラティリティの高い状況が続いています。

日本では第2四半期決算がほぼ終結し、
(銀行の決算が短期的にはちょっと怖い材料ではありますが)
悪材料を織り込んだという意見も一部では聞かれますが
本格的な不況はこれからで、企業業績の悪化が数字に表れてくるのはこれから
と思われます。
不況が2,3年続くと考えれば、2年程度は本格的な上昇は期待できないよう
と考えます。
根拠についてはまた、機会があれば・・・ということで。

<違和感のある会社予想>

ところで、決算説明会に参加していると、
たまに違和感を感じる説明を聞くことがあります。

あるSIerの説明会にて・・・・
同業他社の多くが今後の見通しとして
”下期に減速を懸念しており、下期の受注不透明。
厳しい状況は2,3年続きそう”
とコメントしているなかで、
”下期も好調。今後の計画も右肩上がり。”

・・・質疑応答にて

”若干(相当?)違和感を感じますが・・・?”
と質問したところ
”そうですか? 減少しますか?(と逆質問!?)”
”XXXビジネスの需要はありますから・・・”
参加者の数名が表現を変えながら同様の質問(笑)


少なくともここで参加した数名を含む方々の
違和感は払拭されず・・・・。
(こんな時は会社予想が織り込まれないわけですから
 逆に言えば投資チャンスなのかもしれませんが・・・)

<事業環境を考慮した無理のない判断>

では、どう考えようか・・・

まず、事業環境を把握する

業界別でIT投資の状況を見ると
・証券は業績悪化を背景に新規案件の多くがストップ
 当分、投資に対しては極めて慎重な状況が続く見通し
・製造業などは急激な事業環境の変化に、見送り等も見られるようだが
 海外も含め事業環境の落ち着きと共に会社の事業展開の方向性が示されれば
 投資の回復も期待できよう。

IT投資における状況を業界別でざっくり分けると、
金融と金融以外(もっというと、証券と証券以外)で
収益性が大きく違います。(若干無理な分け方ですが・・)

コスト意識の違いでしょう。

証券または金融以外の業界で投資が回復しても、
もともと収益性が低いわけですから、SIerの業績は数年厳しい状況が予想
されます。

先日の日経新聞ではIT投資の減速についての記事がありました。

なかなか好材料が見当たらない状況です。

<その後の展開を考える>

 事業環境が落ち着きを取り戻せば、投資が回復してきますが、
顧客企業は業界に関わらず
・新規投資は極力抑制
・トータルコスト、費用対効果を強く意識
・既存システムの使用延長

という状態が予想されます。

とすれば、投資する対象として

・必要不可欠な投資
・費用対効果が圧倒的に高いもの

に注目する必要があるでしょう。

・”必要不可欠”としては
 ”既存システムの運用保守”
(例:運用保守の割合が大きい日立情報)

・”必要不可欠”でかつ”費用対効果が圧倒的に高い”
 制度改正等への対応
(例:ROIを意識したワークスAP)

といったところがあげられるかもしれません。

<常に無理のない見方を維持する>

 SIerの決算を例に見てきました。
業界を把握する為にその業界の複数の企業の見方を聞いて
事業環境を把握する。
その後、個別企業を見て、無理のない判断をする。

アナリストの見方や個別企業の経営者”固有”の意見はあまり当てにならない
ことが多い。

投資における事前調査は当たり前のことを当たり前として捉え
無理のない判断をする。

そんなことを”まず”基本として考えたい。

(知の利)

<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−

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共催:エンジュク 協力:ダイヤモンド経営分析チーム

 2005年4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタ
ルズ分析に必要な内容を新たに撮り下ろした映像を全て収録した4枚組DVD
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 いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
います。受講出来なかった方や反復学習したい方には最適な内容です。

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 価格は48,000円とやや高額ですが、2005年4月のセミナー(受講
料38,000円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約
450分の充実した内容となっています。

詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm

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転職も相場も”タイミング・イズ・マネー”

JUGEMテーマ:株・投資


 よくタイム・イズ・マネーと言いますが、私は”タイミング・イズ・マネー”という観点で物事を捉えることも非常に大事だと考えています。転職も相場も、このことが大変良く当てはまるのではないかと思います。相場については、言うまでもありませんが、転職についても、このタイミングこそが、最も重要な要素と言っても過言ではありません。そして転職におけるタイミングの優位性は、年齢と決断力によってほぼ決まってくると言えます。

 私は今までに、この転職のタイミングを逸した為に、良い転職が難しくなってしまった人材を数多く見てきました。例えば金融業界の給与水準は、概ねそれなりに高いレベルにあるため、転職に強い興味がある人材でも、それまでの比較的安定した高収入や職場環境を手放すには、相応の決断力がどうしても必要になってきます。その為、どうしても躊躇してしまい転職の決断を何年も先送りにしてしまう人も少なくありません。

 しかし、何年も決断を先送りにしてしまった代償は必ず払うことになります。まず、年齢が高くなるにつれ、求人案件が少なくなっていきます。そして、求人案件が少ない分、競争も激しくなります。厳しい競争を勝ち抜き何とか採用されたとしても、年齢が高いほど柔軟性が無くなってきているため、職場環境や文化の違いに対応するのに大変苦労したりするのです。

 繰り返しになりますが、転職におけるタイミングの優位性は、年齢と決断力によって殆ど決まると言えます。そしてタイミングの優位性を測る要素として、転職を考えるようになってから実際に行動に移すまでの期間、つまり「決断するまでの期間」と転職時の年齢があります。この二つの要素から、特に最初の転職の場合、私は以下のような公式が成り立つのではないかと考えています。

○良い転職ができる可能性の高い人材:
 転職時の年齢/決断するまでの期間 >10

●良い転職ができる可能性の低い人材:
 転職時の年齢/決断するまでの期間 <10

 たとえば、30歳の人材が転職を考え始めたのですが中々決断ができず、4年迷った末に34歳で何とか転職した場合、34歳(転職時の年齢)/4年(決断するまでの期間)=8.5 ということで、10より少ない数字になってしまいます。この数字が小さければ小さいほど、その人材が良い転職をできる可能性も低くなってしまう傾向があるように思います。

 一方、この30歳の人材が3年迷って33歳で転職した場合は、33歳(転職時の年齢)/3年(決断するまでの期間)=11 ということで、僅かに10より大きい数字になります。この数字が大きければ大きいほど、その人材の決断力があり、良い転職をできる可能性が高くなってくるように思います。ただし、1年や2年毎に転職を繰り返すジョブホッパーには、この公式は全く当てはまらないことを付け加えておきます。

 比較的安定した高収入や職場環境など、今すぐに手放すのにはそれなりに勇気や決断力が必要な場合、その決断自体が安定を捨ててリスクを取るという覚悟を要求されるので、ある意味、決断した時点で相応の精神的な代償を既に払っていることになります。しかしリスクを取るという精神的な代償を払うことを単に先送りし続けると、今度は満足いく転職自体が困難になってくるという代償を払わされてしまうのです。 

 業務内容的に充実感を得られるのは勿論、給与面でも良い待遇を得られてこそ、良い転職・満足いく転職と言えます。こうしたことから、決断のタイミングがいかに重要かを理解し、実際に時機を得た決断ができることこそが、その人材の実力を端的に表していると言っても過言ではないのです。
 まさに、「転職も相場も”タイミング・イズ・マネー”」と言えるのではないでしょうか。
(渡辺直行)

*渡辺直行のプロフィール
トウキョウ・フォレックス株式会社、ソシエテ・ジェネラル証券国内法人先物・オプション部長を経てインターネットベンチャー2社の立ち上げに参加。その後米系ヘッドハンティング会社を経て起業、2005年1月、エグゼクティブ・サーチ・ジャパン株式会社代表取締役就任。

*本田健のライフワークスクール・ナビゲーターもしています。
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ぬくぬくホッコリ株日記 定年後は株で楽しく暮らしたい

JUGEMテーマ:株・投資


■第85回■

 自分の老後を託すことの出来る企業とは、どんな企業だろうかと、いろいろ考えて銘柄選択をしているわけですが、考えれば考えるほど、投資指標というものの使い方を間違えると、バカを見ることになるな〜ということを強く感じるようになりました。

 いま流行のROEという指標も、「バカとハサミは使いよう」ということに当てはまると感じます。確かにROEが高いということは、悪くはないのかもしれませんが、製造業などにおいて、バカ経営者がROE経営に染まると、その企業の将来を失うことになりかねません。

 代表的なのがアメリカの自動車メーカーなのかな〜と感じます。こすっからいというか、金勘定だけは得意だけれど、企業の本質が分からない、機関投資家のファンドマネージャーなどが、ROEの高い企業が良い企業だと思い込み、工場を売り飛ばしたり、生産を外部委託して、一時的な小手先技術でROEを高めた企業を評価して投資するのは、いかがなものかと思います。

 特に年金を預かるファンドなどがが、そのような間抜けな投資戦術をとっているならば、噴飯ものだと感じます。

 企業が成長していくためには、研究開発を怠らず、直ぐには利益に結びつかない分野の研究も進めていくことが大事です。失敗するかもしれない研究に資金をつぎ込むためには、借入や増資に頼よるのは考え物です。やはり過去の利益で積み上げた内部留保を利用して、新しい画期的ではあるけれど、直ぐには利益に結びつかない研究開発を地道に進めていくことが大事です。また効率的に研究開発を進めていくにも、生産工程を合理化するためにも、研究所と生産工場が離れていては、効率がすこぶる悪いです。

 アメリカの企業の経営者は、自分達の高い報酬を維持するためにROE短絡経営に染まった人も多そうです。日本にも時代の流行に流されて、事業経営というものの本質を見失い、短絡的なROE経営を謳うような企業も出てきたような気がします。金儲け主義の金融屋が乗っ取ってPOE経営をしたために、アメリカの高技術の機械メーカーなどは滅亡してしまったように感じます。短期的な利益の増加なんてものは、老後を託する目的から言えば、全く評価に値しません。

 だから私が老後を託すのは、そのような短絡的経営を行なうような企業ではありません。今回の暴落では、最後にラスト落下者として、日本を代表する高技術企業で、将来の技術開発のための内部留保もしっかり貯め込んだ企業がやってきました。

 去年の高値から見て見れば、半値、八掛け、ニ割引では終わらずに、そこから更に「もってけ泥棒、5割引」というように去年の高値の15%以下になる、超有望企業も出る始末です。

 イビデン、村田製作所、ミツミ電機、JSRなどのように、世界シェアトップの商品を持ちながら、さらに将来の高い飛躍のために布石を着実に打っている企業の株を拾ったら、少しの利益で手放すなんて、間抜けトレーダーにならないで、握りこんで離さないようにしようと思います。株式会社の起源であるイタリアの貿易船に分散投資した投資家のように船=企業に将来を託する「死なば諸とも」精神のステークスホルダーとして、事業そのものに長期投資を行なっていこうと考えています。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

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億の近道2008/11/25

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                  2008/11/25号
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

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             −本日の目次−
       (本日の担当:石川臨太郎&渡辺直行)

 ◆コラム「定年後は株で楽しく暮らしたい(85)」:石川 臨太郎
 ◆コラム「転職も相場も”タイミング・イズ・マネー”」:渡辺 直行

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◆コラム「連載:ぬくぬくホッコリ株日記 定年後は株で楽しく暮らしたい」

■第85回■

 自分の老後を託すことの出来る企業とは、どんな企業だろうかと、いろいろ
考えて銘柄選択をしているわけですが、考えれば考えるほど、投資指標という
ものの使い方を間違えると、バカを見ることになるな〜ということを強く感じ
るようになりました。

 いま流行のROEという指標も、「バカとハサミは使いよう」ということに
当てはまると感じます。確かにROEが高いということは、悪くはないのかも
しれませんが、製造業などにおいて、バカ経営者がROE経営に染まると、そ
の企業の将来を失うことになりかねません。

 代表的なのがアメリカの自動車メーカーなのかな〜と感じます。こすっから
いというか、金勘定だけは得意だけれど、企業の本質が分からない、機関投資
家のファンドマネージャーなどが、ROEの高い企業が良い企業だと思い込み、
工場を売り飛ばしたり、生産を外部委託して、一時的な小手先技術でROEを
高めた企業を評価して投資するのは、いかがなものかと思います。

 特に年金を預かるファンドなどがが、そのような間抜けな投資戦術をとって
いるならば、噴飯ものだと感じます。

 企業が成長していくためには、研究開発を怠らず、直ぐには利益に結びつか
ない分野の研究も進めていくことが大事です。失敗するかもしれない研究に資
金をつぎ込むためには、借入や増資に頼よるのは考え物です。やはり過去の利
益で積み上げた内部留保を利用して、新しい画期的ではあるけれど、直ぐには
利益に結びつかない研究開発を地道に進めていくことが大事です。また効率的
に研究開発を進めていくにも、生産工程を合理化するためにも、研究所と生産
工場が離れていては、効率がすこぶる悪いです。

 アメリカの企業の経営者は、自分達の高い報酬を維持するためにROE短絡
経営に染まった人も多そうです。日本にも時代の流行に流されて、事業経営と
いうものの本質を見失い、短絡的なROE経営を謳うような企業も出てきたよ
うな気がします。金儲け主義の金融屋が乗っ取ってPOE経営をしたために、
アメリカの高技術の機械メーカーなどは滅亡してしまったように感じます。短
期的な利益の増加なんてものは、老後を託する目的から言えば、全く評価に値
しません。

 だから私が老後を託すのは、そのような短絡的経営を行なうような企業では
ありません。今回の暴落では、最後にラスト落下者として、日本を代表する高
技術企業で、将来の技術開発のための内部留保もしっかり貯め込んだ企業がや
ってきました。

 去年の高値から見て見れば、半値、八掛け、ニ割引では終わらずに、そこか
ら更に「もってけ泥棒、5割引」というように去年の高値の15%以下になる、
超有望企業も出る始末です。

 イビデン、村田製作所、ミツミ電機、JSRなどのように、世界シェアトッ
プの商品を持ちながら、さらに将来の高い飛躍のために布石を着実に打ってい
る企業の株を拾ったら、少しの利益で手放すなんて、間抜けトレーダーになら
ないで、握りこんで離さないようにしようと思います。株式会社の起源である
イタリアの貿易船に分散投資した投資家のように船=企業に将来を託する「死
なば諸とも」精神のステークスホルダーとして、事業そのものに長期投資を行
なっていこうと考えています。

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◆コラム「転職も相場も”タイミング・イズ・マネー”」

 よくタイム・イズ・マネーと言いますが、私は”タイミング・イズ・マネー”
という観点で物事を捉えることも非常に大事だと考えています。転職も相場も、
このことが大変良く当てはまるのではないかと思います。相場については、言
うまでもありませんが、転職についても、このタイミングこそが、最も重要な
要素と言っても過言ではありません。そして転職におけるタイミングの優位性
は、年齢と決断力によってほぼ決まってくると言えます。

 私は今までに、この転職のタイミングを逸した為に、良い転職が難しくなっ
てしまった人材を数多く見てきました。例えば金融業界の給与水準は、概ねそ
れなりに高いレベルにあるため、転職に強い興味がある人材でも、それまでの
比較的安定した高収入や職場環境を手放すには、相応の決断力がどうしても必
要になってきます。その為、どうしても躊躇してしまい転職の決断を何年も先
送りにしてしまう人も少なくありません。

 しかし、何年も決断を先送りにしてしまった代償は必ず払うことになります。
まず、年齢が高くなるにつれ、求人案件が少なくなっていきます。そして、求
人案件が少ない分、競争も激しくなります。厳しい競争を勝ち抜き何とか採用
されたとしても、年齢が高いほど柔軟性が無くなってきているため、職場環境
や文化の違いに対応するのに大変苦労したりするのです。

 繰り返しになりますが、転職におけるタイミングの優位性は、年齢と決断力
によって殆ど決まると言えます。そしてタイミングの優位性を測る要素として、
転職を考えるようになってから実際に行動に移すまでの期間、つまり「決断す
るまでの期間」と転職時の年齢があります。この二つの要素から、特に最初の
転職の場合、私は以下のような公式が成り立つのではないかと考えています。

○良い転職ができる可能性の高い人材:
 転職時の年齢/決断するまでの期間 >10

●良い転職ができる可能性の低い人材:
 転職時の年齢/決断するまでの期間 <10

 たとえば、30歳の人材が転職を考え始めたのですが中々決断ができず、4
年迷った末に34歳で何とか転職した場合、34歳(転職時の年齢)/4年
(決断するまでの期間)=8.5 ということで、10より少ない数字になっ
てしまいます。この数字が小さければ小さいほど、その人材が良い転職をでき
る可能性も低くなってしまう傾向があるように思います。

 一方、この30歳の人材が3年迷って33歳で転職した場合は、33歳(転
職時の年齢)/3年(決断するまでの期間)=11 ということで、僅かに1
0より大きい数字になります。この数字が大きければ大きいほど、その人材の
決断力があり、良い転職をできる可能性が高くなってくるように思います。た
だし、1年や2年毎に転職を繰り返すジョブホッパーには、この公式は全く当
てはまらないことを付け加えておきます。

 比較的安定した高収入や職場環境など、今すぐに手放すのにはそれなりに勇
気や決断力が必要な場合、その決断自体が安定を捨ててリスクを取るという覚
悟を要求されるので、ある意味、決断した時点で相応の精神的な代償を既に払
っていることになります。しかしリスクを取るという精神的な代償を払うこと
を単に先送りし続けると、今度は満足いく転職自体が困難になってくるという
代償を払わされてしまうのです。 

 業務内容的に充実感を得られるのは勿論、給与面でも良い待遇を得られてこ
そ、良い転職・満足いく転職と言えます。こうしたことから、決断のタイミン
グがいかに重要かを理解し、実際に時機を得た決断ができることこそが、その
人材の実力を端的に表していると言っても過言ではないのです。
 まさに、「転職も相場も”タイミング・イズ・マネー”」と言えるのではな
いでしょうか。
(渡辺直行)

*渡辺直行のプロフィール
トウキョウ・フォレックス株式会社、ソシエテ・ジェネラル証券国内法人先物
・オプション部長を経てインターネットベンチャー2社の立ち上げに参加。
その後米系ヘッドハンティング会社を経て起業、2005年1月、エグゼクテ
ィブ・サーチ・ジャパン株式会社代表取締役就任。

*本田健のライフワークスクール・ナビゲーターもしています。
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