グローバル投資のポイント(108)

JUGEMテーマ:株・投資


■新たな冷戦構造の出現で懸念される世界の株式市場の行方■

 8月26日、ロシアのメドベージェフ大統領は、ロシア南部ソチでテレビ演説し、グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認する大統領令に署名したと発表しました。これに対し、グルジアのサアカシュビリ大統領は、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立は非合法的なものであり、欧州で大国が他国の領土を併合するのは、ナチスドイツとスターリン以来のことだ、ロシアを非難しています。

 日米欧諸国もグルジアと同じ態度を示しています。ブッシュ米大統領は、声明を発表し、「緊張を高め、外交交渉を複雑にするだけだ」と非難した上で、ロシアに「無責任な決定」の見直しを求めています。またライス米国務長官も、国連安保理でグルジアの「領土の一体性」を守り抜き、ロシアを孤立させる考えを示しています。日本では高村外相が、ロシアの態度に対し声明を発表し、ロシアに主要8カ国のメンバーとして責任ある行動を強く期待する、と表明しています。

 これまでなら、こうした諸外国の対応を踏まえ、ロシアも大人しい動きを示す傾向がありましたが、今回は違うようです。メドベージェフ大統領は、「われわれは何をも恐れない。冷戦状態をも覚悟している」と述べ、仮に南オセチア自治州とアブハジア自治共和国が攻撃を受けた場合、ロシアは軍事的手段で援助をすることもほのめかしています。

 ロシアと日米欧の対立が鮮明化したことから、ロシアの株価は急落しています。ロシア株の代表的な指数であるRTSは、8月25、26日の2日間で7.2%も下落しています。ロシアと日米欧諸国との対立が強まれば、海外投資家の資金はロシアの株式市場から流出する傾向を強めることが予想され、海外資金で上昇を続けたとされるRTSは、下落傾向を強める可能性が高まるからです。

 仮にロシアと日米欧諸国の対立がさらに強まれば、株価下落は、ロシアだけでなく世界的なものになる可能性も出てきます。一般に、経済環境の先行き不透明感が強まれば、株式市場では、将来不安に見合ったリスクプレミアムがリターンに要求され、株価はリスクプレミアムを織り込むように下落します。1990年代に、いわゆる冷戦構造が崩壊したことで、世界的に株価が上昇基調に転じたのと逆の展開です。ロシア株の下落を新興国株式市場にありがちな動きと考えず、日米をはじめとする先進国株式市場でも起こりうるものと考え、慎重な姿勢を取ることが今まさに求められているような気がします。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070
「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

●●●●いよいよ登場した日本語によるヘッジファンド・メルマガ●●●●

世界の金融市場を縦横無尽に動き回るヘッジファンド。
しかし、ヘッジファンド業界に関する情報のほとんどは英語。。。。

日本語はOKだけど英語は苦手の方のために
ヘッジファンド業界を日本語で伝えるメルマガが誕生しました!!!

【ヘッジファンドジャーナル】
http://www.mag2.com/m/0000256832.html

 日本語ではなかなか得ることができないヘッジファンド事情を週に2回配信。
有名ヘッジファンドの情報や最先端の投資戦略を紹介。
主要なヘッジファンド・インデックスも合わせてお届けします。 

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

億の近道2008/08/29

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                   2008/08/29
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
          (本日の担当:村田雅志)

    ◆コラム「グローバル投資のポイント(108)」:村田 雅志

===================================

◆コラム「グローバル投資のポイント(108)」

■新たな冷戦構造の出現で懸念される世界の株式市場の行方■

 8月26日、ロシアのメドベージェフ大統領は、ロシア南部ソチでテレビ演
説し、グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州とアブハジア自治共
和国の独立を承認する大統領令に署名したと発表しました。これに対し、グル
ジアのサアカシュビリ大統領は、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の
独立は非合法的なものであり、欧州で大国が他国の領土を併合するのは、ナチ
スドイツとスターリン以来のことだ、ロシアを非難しています。

 日米欧諸国もグルジアと同じ態度を示しています。ブッシュ米大統領は、声
明を発表し、「緊張を高め、外交交渉を複雑にするだけだ」と非難した上で、
ロシアに「無責任な決定」の見直しを求めています。またライス米国務長官も、
国連安保理でグルジアの「領土の一体性」を守り抜き、ロシアを孤立させる考
えを示しています。日本では高村外相が、ロシアの態度に対し声明を発表し、
ロシアに主要8カ国のメンバーとして責任ある行動を強く期待する、と表明し
ています。

 これまでなら、こうした諸外国の対応を踏まえ、ロシアも大人しい動きを示
す傾向がありましたが、今回は違うようです。メドベージェフ大統領は、「わ
れわれは何をも恐れない。冷戦状態をも覚悟している」と述べ、仮に南オセチ
ア自治州とアブハジア自治共和国が攻撃を受けた場合、ロシアは軍事的手段で
援助をすることもほのめかしています。

 ロシアと日米欧の対立が鮮明化したことから、ロシアの株価は急落していま
す。ロシア株の代表的な指数であるRTSは、8月25、26日の2日間で7.
2%も下落しています。ロシアと日米欧諸国との対立が強まれば、海外投資家
の資金はロシアの株式市場から流出する傾向を強めることが予想され、海外資
金で上昇を続けたとされるRTSは、下落傾向を強める可能性が高まるからで
す。

 仮にロシアと日米欧諸国の対立がさらに強まれば、株価下落は、ロシアだけ
でなく世界的なものになる可能性も出てきます。一般に、経済環境の先行き不
透明感が強まれば、株式市場では、将来不安に見合ったリスクプレミアムがリ
ターンに要求され、株価はリスクプレミアムを織り込むように下落します。1
990年代に、いわゆる冷戦構造が崩壊したことで、世界的に株価が上昇基調
に転じたのと逆の展開です。ロシア株の下落を新興国株式市場にありがちな動
きと考えず、日米をはじめとする先進国株式市場でも起こりうるものと考え、
慎重な姿勢を取ることが今まさに求められているような気がします。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070
「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

●●●●いよいよ登場した日本語によるヘッジファンド・メルマガ●●●●

世界の金融市場を縦横無尽に動き回るヘッジファンド。
しかし、ヘッジファンド業界に関する情報のほとんどは英語。。。。

日本語はOKだけど英語は苦手の方のために
ヘッジファンド業界を日本語で伝えるメルマガが誕生しました!!!

【ヘッジファンドジャーナル】
http://www.mag2.com/m/0000256832.html

 日本語ではなかなか得ることができないヘッジファンド事情を週に2回配信。
有名ヘッジファンドの情報や最先端の投資戦略を紹介。
主要なヘッジファンド・インデックスも合わせてお届けします。 

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

===================================

 「億の近道」のwebはバックナンバー閲覧を重点に置いた、ブログ風の作
りになっております。現在、2005年11月分まで掲載しておりますが、順
次過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まとめ
読みなどに是非ご利用下さい。
 http://okuchika.net/

===================================

 「億の近道」は特定非営利活動法人イノベーターズ・フォーラムの登録商標
です。この名称での有償のサービス等は行っておりません。紛らわしい名称の
サービスは弊社と一切関係ありませんのでご注意下さい。

===================================

億近オフィシャルクラブ掲示板(無料)は、執筆陣を含めた様々な方がコミュ
ニケートしております。是非ご参加ください。MSNのサービスを利用してお
ります。
http://groups.msn.com/okuchika

===================================

当メルマガは以下のシステムを利用して発行しております。
 ◆まぐまぐ ID:0000020640
       購読解除:http://www.kaijo.com/
 ◆E-Magazine ID:okuchika
       購読解除:http://www.emaga.com/info/okuchika.html
 ◆melma!  ID:m00010868
       購読解除:http://www.melma.com/

編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
 email:okuchika.mail@gmail.com
 http://www.iforum.jp/
このメールマガジンの無断転載・引用を禁じます。
==================================

ぬくぬくホッコリ株日記 定年後は株で楽しく暮らしたい

JUGEMテーマ:株・投資


■第72回■

 期待していたよりも早い勢いで株価が上昇して、配当優待利回りが低下してしまった株(←数年分の配当と優待の期待額を数ヶ月で値上がり益で確保できた、という意味でもあります)は、勢いがあるので更に上昇する可能性が高いですが、一旦利食いして別の優待配当利回りが高いままの(←企業価値に比べ、更に株価が下落しいるもの)に一部シフトをしています。

 いま、私が投資している100社以上の優待銘柄のうち、一番資産価値から見て割安だと考えている、東証第2部の東セロを奥さんに買ってもらいました。しかし売ってもらったマースエンジニアリングが上昇を続け、東セロが下げ止まりらないので、奥さんに怒られちゃいました(苦笑)。

 買ってもらった株の中では一単位500株で投資額が一番大きかったので、なぜ買ってもらったかの一生懸命に説明をしました^^;。買ってから株価が下がると、どこまで下がるか不安になったりするでしょうが、ちゃんと説明すれば、たかが株価の下落に不安がることはないと理解してもらえました。(「と期待していまます」というのが正確な表現です)「もっと待って安くなったときに買えばよかったのに」とも言われてしまいましたが、こればっかりはね(苦笑)。

 東セロは過去にも紹介したことがありますが、三井化学の子会社で、売上高は四季報で見られる6期間は連続増収で、営業利益、経常利益は前期のみ前期比マイナスですが、税引き後の最終利益は6期連続増益と、どんな状況の中でも儲ける力を持っている成長企業と考えて良いと思えます。

 主力は食料品などに使われる包装用フィルムなので、毒物を流通ルートのどこかで部外者に混入されたら、直ぐ分かるようにほとんどの加工食料品には使われているので、需要が無くなる事はまず無いでしょう。中国でも農薬入りギョウザが出回ったようですが、発展著しい新興国でも、食の安全の意識が高まれば、今後とも発展の可能性は高いと思われます^^;

 PERは6.3倍程度だし、PBRは0.73倍程度なので、指標だけで割安を計っている人には、割安指標の株が増えすぎなので、並の企業に見えるでしょうね。バランスシートを表面的に見ただけではキャッシュ・リッチではありません。金融資産より有利子負債のほうが大きいです。金融資産は現・預金10.7億円+投資有価証券26.7億円=37.4億円。有利子負債は106.1億円。自己資本比率41.4%。

 株価455円で計算すると時価総額は159億円程度。土地の簿価は13.5億円。これだけ見ると、三井財閥系(三井化学の子会社)とはいえ、四季報で見ると設備投資は07年29億円→08年49億円→(今期予定)69億円と強気で拡大しています。この不況期に積極的に設備投資をしていると借入も増え、怖いと思えてしまうかもしれません。
 しかし、この会社の安心材料は土地の含みが膨大なことでず。本社の底地は有価証券報告書によると7000平米。東京都京橋1丁目の中央通りに面する一等地。中央通り正面右隣の公示地の価格は平米当り1640万円です。

公示地は↓
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/FullDataServlet?MOD=0&NO1=13102&NO2=5&NO3=53&YER=2008

路線価図↓
http://www.rosenka.nta.go.jp/main_h20/tokyo/tokyo/prices/html/18004f.htm

 路線価は東セロ本社の側が高いですが、公示地は角地なので、同額で計算すると1148億円(簿価1.7億円)。ちなみに本社ほど明確に位置特定できず、荒っぽい皮算用ですが、茨城工場時価18.9億円(簿価1.2億円)、古河工場時価17.6億円(簿価8億円)、浜松工場時価29億円(簿価1.1億円)と子会社の工場用地除きでも55億円程度の含みがありそう。

 金融資産37.4億円+土地簿価13.5億円+土地含み1200億円−有利子負債106.1億円=1148.4億円の資産が時価総額159億円程度にしか評価されていません。ちなみに建物と設備は合計で139億円の簿価。毎期の新設している設備等をゼロ評価するのもなんだかな〜と思いますが、私は資産を計算する時、売りやすくて現金に変えやすい(←多くの買い手に価値がある=買い手が多い現・預金、投資有価証券、土地)のみを計算するようにしています。設備などはその設備を使いこなせる買い手にしか買ってもらえないので、資産としてはゼロ評価にしておいて、事業価値のほうでひっくるめて
評価の対象にしています。

 東セロはこの設備を利用して、40億から50億の経常利益を稼いでいます。事業内容は将来性が充分認められるし、過去にも着実に利益を稼いでいる企業です。
 優待品は取引先の食品メーカーの製品が6ヶ月ごとに2000円分(一株換算年8円)もらえます。配当優待総合利回りは、5.9%になりました。配当利回りだけでも4%を超えてきたので、いいんじゃないかと思ってます^^;。

 出来高が小さいので、たぶん個人投資家のあきらめ売りや恐怖売りで株価を下げているだけで、資産背景も業績も関係ないって感じです。どこ見て投資しているんでしょうかね。新興市場の薄っぺらな資産背景の、IPOで自己資本を膨らませただけのペラッペラ企業や資金繰り倒産の可能性が高い不動産関連企業とは違うのにね^^;

 たぶんPERとかPBRと四季報だけ見て、ファンダメンタルズ分析をしたなんて思い込んで、原材料費が上がるから化学系の会社はダメだと勘違いして、株価が下がるのでビビッてブン投げているだけなんでしょうね^^;

 いつ株価が上昇に転じるか分かりませんが、将来的にインフレに強い資産を持つという視点で見れば、買っておいて損の無い割安資産だと感じます。積極的に設備投資をして、成長戦略を描いているところが、不動産バブリー企業とか、ITインチキ企業とか、質の劣る企業群とは一味違う、安心資産だと思うんですがね。

 ただし集中投資は怖いので、資産リッチ、金融リッチで業績も安定的なトラスコ中山やサザビーリーグ、ドウシシャ、シモジマ、星医療酸器など、売り飛ばされて値下がりが続いている企業に、シコシコ分散を続けています。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

億の近道2008/08/26

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                  2008/08/26号
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
          (本日の担当:石川臨太郎)

 ◆コラム「定年後は株で楽しく暮らしたい(72)」:石川 臨太郎

===================================

◆コラム「連載:ぬくぬくホッコリ株日記 定年後は株で楽しく暮らしたい」

■第72回■

 期待していたよりも早い勢いで株価が上昇して、配当優待利回りが低下して
しまった株(←数年分の配当と優待の期待額を数ヶ月で値上がり益で確保でき
た、という意味でもあります)は、勢いがあるので更に上昇する可能性が高い
ですが、一旦利食いして別の優待配当利回りが高いままの(←企業価値に比べ、
更に株価が下落しいるもの)に一部シフトをしています。

 いま、私が投資している100社以上の優待銘柄のうち、一番資産価値から
見て割安だと考えている、東証第2部の東セロを奥さんに買ってもらいました。
しかし売ってもらったマースエンジニアリングが上昇を続け、東セロが下げ止
まりらないので、奥さんに怒られちゃいました(苦笑)。

 買ってもらった株の中では一単位500株で投資額が一番大きかったので、
なぜ買ってもらったかの一生懸命に説明をしました^^;。買ってから株価が
下がると、どこまで下がるか不安になったりするでしょうが、ちゃんと説明す
れば、たかが株価の下落に不安がることはないと理解してもらえました。(「
と期待していまます」というのが正確な表現です)「もっと待って安くなった
ときに買えばよかったのに」とも言われてしまいましたが、こればっかりはね
(苦笑)。

 東セロは過去にも紹介したことがありますが、三井化学の子会社で、売上高
は四季報で見られる6期間は連続増収で、営業利益、経常利益は前期のみ前期
比マイナスですが、税引き後の最終利益は6期連続増益と、どんな状況の中で
も儲ける力を持っている成長企業と考えて良いと思えます。

 主力は食料品などに使われる包装用フィルムなので、毒物を流通ルートのど
こかで部外者に混入されたら、直ぐ分かるようにほとんどの加工食料品には使
われているので、需要が無くなる事はまず無いでしょう。中国でも農薬入りギ
ョウザが出回ったようですが、発展著しい新興国でも、食の安全の意識が高ま
れば、今後とも発展の可能性は高いと思われます^^;

 PERは6.3倍程度だし、PBRは0.73倍程度なので、指標だけで割
安を計っている人には、割安指標の株が増えすぎなので、並の企業に見えるで
しょうね。バランスシートを表面的に見ただけではキャッシュ・リッチではあ
りません。金融資産より有利子負債のほうが大きいです。金融資産は現・預金
10.7億円+投資有価証券26.7億円=37.4億円。有利子負債は10
6.1億円。自己資本比率41.4%。

 株価455円で計算すると時価総額は159億円程度。土地の簿価は13.
5億円。これだけ見ると、三井財閥系(三井化学の子会社)とはいえ、四季報
で見ると設備投資は07年29億円→08年49億円→(今期予定)69億円
と強気で拡大しています。この不況期に積極的に設備投資をしていると借入も
増え、怖いと思えてしまうかもしれません。

 しかし、この会社の安心材料は土地の含みが膨大なことでず。本社の底地は
有価証券報告書によると7000平米。東京都京橋1丁目の中央通りに面する
一等地。中央通り正面右隣の公示地の価格は平米当り1640万円です。

公示地は↓
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/FullDataServlet?MOD=0&NO1=13102&NO2=5&NO3=53&YER=2008

路線価図↓
http://www.rosenka.nta.go.jp/main_h20/tokyo/tokyo/prices/html/18004f.htm

 路線価は東セロ本社の側が高いですが、公示地は角地なので、同額で計算す
ると1148億円(簿価1.7億円)。ちなみに本社ほど明確に位置特定でき
ず、荒っぽい皮算用ですが、茨城工場時価18.9億円(簿価1.2億円)、
古河工場時価17.6億円(簿価8億円)、浜松工場時価29億円(簿価1.
1億円)と子会社の工場用地除きでも55億円程度の含みがありそう。

 金融資産37.4億円+土地簿価13.5億円+土地含み1200億円−有
利子負債106.1億円=1148.4億円の資産が時価総額159億円程度
にしか評価されていません。ちなみに建物と設備は合計で139億円の簿価。
毎期の新設している設備等をゼロ評価するのもなんだかな〜と思いますが、私
は資産を計算する時、売りやすくて現金に変えやすい(←多くの買い手に価値
がある=買い手が多い現・預金、投資有価証券、土地)のみを計算するように
しています。設備などはその設備を使いこなせる買い手にしか買ってもらえな
いので、資産としてはゼロ評価にしておいて、事業価値のほうでひっくるめて
評価の対象にしています。

 東セロはこの設備を利用して、40億から50億の経常利益を稼いでいます。
事業内容は将来性が充分認められるし、過去にも着実に利益を稼いでいる企業
です。
 優待品は取引先の食品メーカーの製品が6ヶ月ごとに2000円分(一株換
算年8円)もらえます。配当優待総合利回りは、5.9%になりました。配当
利回りだけでも4%を超えてきたので、いいんじゃないかと思ってます^^;。

 出来高が小さいので、たぶん個人投資家のあきらめ売りや恐怖売りで株価を
下げているだけで、資産背景も業績も関係ないって感じです。どこ見て投資し
ているんでしょうかね。新興市場の薄っぺらな資産背景の、IPOで自己資本
を膨らませただけのペラッペラ企業や資金繰り倒産の可能性が高い不動産関連
企業とは違うのにね^^;

 たぶんPERとかPBRと四季報だけ見て、ファンダメンタルズ分析をした
なんて思い込んで、原材料費が上がるから化学系の会社はダメだと勘違いして、
株価が下がるのでビビッてブン投げているだけなんでしょうね^^;

 いつ株価が上昇に転じるか分かりませんが、将来的にインフレに強い資産を
持つという視点で見れば、買っておいて損の無い割安資産だと感じます。積極
的に設備投資をして、成長戦略を描いているところが、不動産バブリー企業と
か、ITインチキ企業とか、質の劣る企業群とは一味違う、安心資産だと思う
んですがね。

 ただし集中投資は怖いので、資産リッチ、金融リッチで業績も安定的なトラ
スコ中山やサザビーリーグ、ドウシシャ、シモジマ、星医療酸器など、売り飛
ばされて値下がりが続いている企業に、シコシコ分散を続けています。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

===================================

 「億の近道」のwebはバックナンバー閲覧を重点に置いた、ブログ風の作
りになっております。現在、2005年11月分まで掲載しておりますが、順
次過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まとめ
読みなどに是非ご利用下さい。
 http://okuchika.net/

===================================

 「億の近道」は特定非営利活動法人イノベーターズ・フォーラムの登録商標
です。この名称での有償のサービス等は行っておりません。紛らわしい名称の
サービスは弊社と一切関係ありませんのでご注意下さい。

===================================

■億近執筆陣の本 好評発売中!■

石川臨太郎
▲あなたにピッタリの投資手法がきっと見つかる投資実践ノート▲
パンローリング 1680円(税込)
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990346

▲副業はサラリーマン 年収3000万円、資産1億円超を実現した私の投資法
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784492732038
東洋経済新報社 1552円(税込)240ページ

▲年収300万円の私を月収300万円の私に変えた投資戦略
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990179
パンローリング 1890円(税込)250ページ

▲マンガ 投資力を育てる魔法のノート〜己を知り、株に勝つために
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775930335
パンローリング 1050円(税込)176ページ

▲マンガ バリュー株 カンニング投資法
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775930298
パンローリング 1260円(税込)176ページ

▲マンガ 不動産投資入門の入門
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775930205
パンローリング 1890円(税込)176ページ

▲電子書籍 マンガ 不動産投資入門の入門
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=2011017500009
パンローリング ダウンロード販売 168頁 34MB 1680円(税込)

▲電子書籍 マンガ バリュー株 カンニング投資法
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=2011015500001
パンローリング ダウンロード販売 178頁 25MB 1260円(税込)

===================================

億近オフィシャルクラブ掲示板(無料)は、執筆陣を含めた様々な方がコミュ
ニケートしております。是非ご参加ください。MSNのサービスを利用してお
ります。
http://groups.msn.com/okuchika

===================================

当メルマガは以下のシステムを利用して発行しております。
 ◆まぐまぐ ID:0000020640
       購読解除:http://www.kaijo.com/
 ◆E-Magazine ID:okuchika
       購読解除:http://www.emaga.com/info/okuchika.html
 ◆melma!  ID:m00010868
       購読解除:http://www.melma.com/

編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
 email:okuchika.mail@gmail.com
 http://okuchika.net/
このメールマガジンの無断転載・引用を禁じます。
==================================

ミヤノ(6162)に次ぐTOB候補銘柄

JUGEMテーマ:株・投資


 ミヤノという中小型NC旋盤専門メーカーは2006年9月に東証2部に上場(公募価格425円)し、2007年1月にシチズンと資本・業務提携をしました。その際の2007年2月に株価は459円という高値をつけましたが、その後の株価は低迷し、8月8日には170円という安値をつけました。
 この結果、時価総額は100億円を切ってしまいました今期の予想経常利益は39億円、予想EPSが38円ですからPERは4.5倍という水準だった訳です。

 シチズンは資本提携で1750万株を保有する筆頭株主でしたので、今回は2028万株を追加で市場から単価300円買うことで3778万株を保有することになり、ミヤノを連結対象子会社とします。ミヤノはシチズングループの有力企業として今後はますますグローバル化を推進し成長指向を強めていくものと期待されます。
 300円という株価水準は今期の業績水準が下方修正されないことを前提にPERは8倍以下の水準ですので、予想PERが18倍台のシチズンHD(7762)にとっては株主にも喜ばれる投資だと評価されます。

 たまたまシチズンHDの場合は昨年4月に持株会社化してM&Aを指向していたということもありますからこうした事例が今後、増加するのかどうかは分かりませんが、現状においてもそうした可能性を秘める企業はあるかと思われます。

 以下、ミヤノに次ぐTOB候補銘柄をピックアップしてみたいと思います。上位株主の中に有力企業があって、収益性、成長性、割安感がある銘柄をいくつかピックアップしてみましたのでご参照下さい。

【注目される機械・設備投資関連セクター】

 日本の中小機械メーカーの技術力は優秀ですが、グローバルな経営視点では見劣りしていますので大手企業とコラボレーションすることは次の発展につながるものと期待されます。そうした観点で設備投資に絡んだ8銘柄をピックアップしてみました。

1.トーアミ(5973)☆
 コンクリート補強の土木建築用溶接金網のトップ企業で技術力高い。国内型企業。
 筆頭株主:セントラル硝子17.2%
 時価総額:49億円
 今期予想経常利益:13億円
 今期予想EPS:118円
 時価:771円
 PER:6.5倍
 配当金:30円
 配当利回り:3.89%
 浮動株:14.7%

2.イハラサイエンス(5999)☆☆
 産業用継ぎ手最大手。半導体向けに強み。国内型企業。
 筆頭株主:ユニチャーム9.2%+高原興産8.8%=18.0%
 時価総額:105億円
 今期予想経常利益:30億円
 今期予想EPS:135円
 時価:749円
 PER:5.5倍
 配当金:22円
 配当利回り:2.93%
 浮動株:21.3%

3.滝澤鉄工所(6121)☆☆☆
 NC旋盤、MCが主力。投資ファンドの出資で95年に再建。自主経営に復帰。海外売上60%でグローバル指向。
 筆頭株主:ファナック4.5%
 時価総額:85億円
 今期予想経常利益:36億円
 今期予想EPS:29円
 時価:129円
 PER:4.4倍
 配当金:6円
 配当利回り:4.65%
 浮動株:53.2%

4.小池酸素工業(6137)☆☆
 プラズマ・レーザー・ガス切断機のトップ企業。海外31%でグローバル指向。
 3位の大株主:大陽日酸5.3%(1位:自社株6.3%、2位:小池商事5.4%)
 時価総額:160億円
 今期予想経常利益:48.5億円
 今期予想EPS:62.6円
 時価:354円
 PER:5.6倍
 配当金:10円
 配当利回り:2.82%
 浮動株:16.0%

5.西部電機(6144)☆☆
 搬送装置、産業機械、放電加工機・工作機械の3つの分野を手がける。海外売上17%でなお国内中心だが、アジア向けなどに注力
 筆頭株主:安川電機17.3%
 時価総額:66億円
 今期予想経常利益:16億円
 今期予想EPS:63.3円
 時価:435円
 PER:6.9倍
 配当金:9円
 配当利回り:2.06%
 浮動株:34%

6.日特エンジニアリング(6145)☆☆
 コイル用巻線機の最大手。全自動システム機に特色。FA企業目指す。海外47%でグローバル指向。中国、欧州の拡大を図る。
 2位株主:SMC6.8%(1位:自社株11.3%)
 時価総額:153億円
 今期予想経常利益:20億円
 今期予想EPS:67.3円
 時価:806円
 PER:12.0倍
 配当金:20円
 配当利回り:2.48%
 浮動株:17.9%

7.東洋機械金属(6210)☆☆
 小型射出成形機、ダイカストマシンに強み。射出成形機は中・大型へもレパートリーを拡大。海外62%でグローバル化指向。
 筆頭株主:日立17.0%
 時価総額:64億円
 今期予想経常利益:15億円
 今期予想EPS:44.6円
 時価:307円
 PER:6.9倍
 配当金:12円
 配当利回り:3.9%
 浮動株:26.5%

8.シンニッタン(6319)☆☆
 自動車・建機向け鍛造品を製造。海外26%で国内が中心。
 5位株主:東プレ4.4%
 6位株主:新日鉄4.4%
 時価総額:160億円
 今期予想経常利益:32億円
 今期予想EPS:68.7円
 時価:553円
 PER:8.0倍
 配当金:20円
 配当利回り:3.61%
 浮動株:8.4%

(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

新版・投資の王道(その15)

JUGEMテーマ:株・投資


■中・長期投資のための銘柄徹底研究■

 本連載では<企業価値・成長力の高い>中・長期投資適格銘柄をピックアップする。あくまでそれぞれの会社の<企業価値・成長力の高さ>に着目して選んだので、どのタイミングで購入するかの判断は、PERなどの指標を参考にして判断しなければならない。また、各社の売上高、利益は「会社四季報」や各社ホームページ上のIRコーナーで最新のものを確認いただきたい。

<2445>エスアールジータカミヤ
 建設用軽仮設材のレンタルを行う。売り上げ構成は、仮説建材レンタル95%、その他5%。

<2448>イーコンテクスト
 ネット通販事業者などを対象に、コンビニ決済・クレジットカード決済などを提供する。売り上げ構成は、決済サービス91%、物流サービス3%、システム開発受託他6%。

<2449>プラップジャパン
 1970年港区青山にて創立。企業の広報・PR活動の支援・コンサルティングを主力事業とする。外資系企業顧客の売り上げ比率が約7割。中国に子会社がある。売り上げ構成は。コミニュケーションサービス73%、クリエイティブサービス27%。

<2450>一休
 ネット上で、宿泊予約サービス「一休ドットコム」を運営する。売り上げ構成は、サイト運営手数料95%、広告他5%。

<2453>ジャパンベストレスキューシステム
 鍵、ガラス、水周り等日常生活のトラブル解決事業を行う。「生活救急車」で定評。平成6年に榊原暢宏氏(現代表取締役)が個人でバイクロードサービスを目的として、創業。その後、平成9年、愛知県名古屋市にて、現在のジャパンベストレスキューシステム株式会社の前身である「日本二輪車ロードサービス株式会社」を設立。平成14年、旭硝子株式会社との提携事業である一般消費者向け緊急ガラス割換サービス「旭硝子ガラスの救急車」を開始。平成16年、セコム株式会社とセコムテクノサービス株式会社との共同出資会社「セコムウィン株式会社」を当社出資比率33.3%にて設立し、高機能防犯性ガラスの販売を開始。また、株式会社INAXとの共同出資会社「株式会社水の救急車」を当社出資比率40.0%にて設立し、水まわりサービス事業を拡充。売り上げ構成は、企業提携51%、会員36%、コールセンター6%、加盟店5%、その他1%。

<2454>オールアバウト
 専門分野のプロがインターネット上で、情報を提供するビジネス。リクルートが47.6%、YAHOOが35.1%の株式を保有する。売り上げ構成は、エディトリアル広告38%、スポンサーサイト23%、トラフィック広告23%、インプレッション広告、その他8%。

<2458>フルキャストテクノロジー
 半導体・エレクトロニクス向けのエンジニア派遣が主な業務。フルキャストが68.6%の株式を保有する。売り上げ構成は、エンジニアアウトソーシング92%、ビジネスソリューション8%。
(OH)

*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)



売られ過ぎ局面からの脱出に期待

JUGEMテーマ:株・投資


 〜株式相場の新潮流を探る〜

 相変わらずの低迷相場。世界的な景気の先行きへの不安が株式市場全体に暗い影を落としています。北京オリンピックが終わり、中国の景気にも先行き不安が起きてしまうとますます日本にもその余波が起きてしまうといった漠然とした不安感が私たちの脳裏を横切ってしまいます。日本には1500兆円もの国民金融資産があると言われますが、先行きへの不安がリスクへの挑戦を妨げてしまっているようで、株価下落で配当利回りが高まった株式への評価もなかなか上がってきません。
 多くの上場企業の株価は低迷しており、売られ過ぎ局面に入ってきてはいると感じられてもそれが当然のようなムードが流れていますので、底入れがいつなのかが見えないままとなっています。

 リスク資産である株式への投資は将来の収益拡大、それに伴う配当金の増加といったリターンが高まることへの期待を背景に行いますが、その評価は投資家ごとに違っていて、その集大成がその会社の現在の株価となって反映されています。
 売られ過ぎ局面からの脱出を図ることはなかなか容易なことではありません。3900もの銘柄がほぼ全面高となるぐらいの凄まじい市場環境の変化が見出せないと反転上昇は困難ではないかと思われますが、そうした極端な変化が生じるほどの景気の回復など見出せるはずもなく、個別銘柄ごとの変化を求めてせいぜい個人投資家ごとの細かな対応が見られる程度となっています。

 それでも株式市場にはほのかな底入れへの期待を抱かせる事象が見出せるようになってきました。

 そのひとつの事例が先日のJR東海による日本車両(7102)株への公開買い付けです。これによって日本車両株は260円台から一気に340円へと30%の上昇を演じました。公開買い付けに応募する投資家の享受するメリットは発表前に比べて80億円の増加が見込まれます。
 また、筆頭株主が株式を市場から買い入れして買い増しに動く事例も見られます。シチズンHDによるミヤノ(6162)株の買い付けはその代表的な事例です。ミヤノ株の時価総額は発表前の108億円から現在買い物を集めて上昇しており買い付け価格300円に接近中です。公開買い付け後の時価総額は176億円の水準が想定されますが、同社の今期予想EPS38円に対してPERはまだ7.9倍ですので買い付けが成功すればシチズンHDとしてはかなり良い買い物をしたことになります。
 ミヤノは2006年に上場したNC旋盤専門メーカーで産業再生機構の下で再生が図られて上場した会社です。上場時の公募価格425円から下落傾向にあった株価は今回の公開買い付けでどこまで見直されるか分かりませんが、少なくとも公開買い付け株数2028万株分×100円余り、つまり単純には20億円分投資家へメリットを与えることになります。

 全体株式相場はなおも不透明感が漂っていますが、こうした新たな潮流によって売られ過ぎ局面からの脱出を期待したいところです。
 株価が低迷しているからと個人投資家の皆さんは悲観視ばかりしないで、もっと前向きにその企業の価値を見出してみることです。もう一度御手持ちの銘柄をTOB、MBO、M&Aなどされる要素がないかをチェックされてみてはいかがでしょうか?
(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

億の近道2008/08/25

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                   2008/08/25

             イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
   (本日の担当:炎のファンドマネージャ&投資野おーちゃん)

   ◆コラム「売られ過ぎ局面からの脱出に期待」:炎
   ◆コラム「新版・投資の王道(その15)」:投資野おーちゃん
   ◆コラム「ミヤノ(6162)に次ぐTOB候補銘柄」:炎

===================================

◆コラム「売られ過ぎ局面からの脱出に期待」

 〜株式相場の新潮流を探る〜

 相変わらずの低迷相場。世界的な景気の先行きへの不安が株式市場全体に暗
い影を落としています。北京オリンピックが終わり、中国の景気にも先行き不
安が起きてしまうとますます日本にもその余波が起きてしまうといった漠然と
した不安感が私たちの脳裏を横切ってしまいます。日本には1500兆円もの
国民金融資産があると言われますが、先行きへの不安がリスクへの挑戦を妨げ
てしまっているようで、株価下落で配当利回りが高まった株式への評価もなか
なか上がってきません。
 多くの上場企業の株価は低迷しており、売られ過ぎ局面に入ってきてはいる
と感じられてもそれが当然のようなムードが流れていますので、底入れがいつ
なのかが見えないままとなっています。

 リスク資産である株式への投資は将来の収益拡大、それに伴う配当金の増加
といったリターンが高まることへの期待を背景に行いますが、その評価は投資
家ごとに違っていて、その集大成がその会社の現在の株価となって反映されて
います。
 売られ過ぎ局面からの脱出を図ることはなかなか容易なことではありません。
3900もの銘柄がほぼ全面高となるぐらいの凄まじい市場環境の変化が見出
せないと反転上昇は困難ではないかと思われますが、そうした極端な変化が生
じるほどの景気の回復など見出せるはずもなく、個別銘柄ごとの変化を求めて
せいぜい個人投資家ごとの細かな対応が見られる程度となっています。

 それでも株式市場にはほのかな底入れへの期待を抱かせる事象が見出せるよ
うになってきました。

 そのひとつの事例が先日のJR東海による日本車両(7102)株への公開
買い付けです。これによって日本車両株は260円台から一気に340円へと
30%の上昇を演じました。公開買い付けに応募する投資家の享受するメリッ
トは発表前に比べて80億円の増加が見込まれます。
 また、筆頭株主が株式を市場から買い入れして買い増しに動く事例も見られ
ます。シチズンHDによるミヤノ(6162)株の買い付けはその代表的な事
例です。ミヤノ株の時価総額は発表前の108億円から現在買い物を集めて上
昇しており買い付け価格300円に接近中です。公開買い付け後の時価総額は
176億円の水準が想定されますが、同社の今期予想EPS38円に対してP
ERはまだ7.9倍ですので買い付けが成功すればシチズンHDとしてはかな
り良い買い物をしたことになります。
 ミヤノは2006年に上場したNC旋盤専門メーカーで産業再生機構の下で
再生が図られて上場した会社です。上場時の公募価格425円から下落傾向に
あった株価は今回の公開買い付けでどこまで見直されるか分かりませんが、少
なくとも公開買い付け株数2028万株分×100円余り、つまり単純には2
0億円分投資家へメリットを与えることになります。

 全体株式相場はなおも不透明感が漂っていますが、こうした新たな潮流によ
って売られ過ぎ局面からの脱出を期待したいところです。
 株価が低迷しているからと個人投資家の皆さんは悲観視ばかりしないで、も
っと前向きにその企業の価値を見出してみることです。もう一度御手持ちの銘
柄をTOB、MBO、M&Aなどされる要素がないかをチェックされてみては
いかがでしょうか?
(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

===================================

◆コラム「新版・投資の王道(その15)」

■中・長期投資のための銘柄徹底研究■

 本連載では<企業価値・成長力の高い>中・長期投資適格銘柄をピックアッ
プする。あくまでそれぞれの会社の<企業価値・成長力の高さ>に着目して選
んだので、どのタイミングで購入するかの判断は、PERなどの指標を参考に
して判断しなければならない。また、各社の売上高、利益は「会社四季報」や
各社ホームページ上のIRコーナーで最新のものを確認いただきたい。

<2445>エスアールジータカミヤ
 建設用軽仮設材のレンタルを行う。売り上げ構成は、仮説建材レンタル95
%、その他5%。

<2448>イーコンテクスト
 ネット通販事業者などを対象に、コンビニ決済・クレジットカード決済など
を提供する。売り上げ構成は、決済サービス91%、物流サービス3%、シス
テム開発受託他6%。

<2449>プラップジャパン
 1970年港区青山にて創立。企業の広報・PR活動の支援・コンサルティ
ングを主力事業とする。外資系企業顧客の売り上げ比率が約7割。中国に子会
社がある。売り上げ構成は。コミニュケーションサービス73%、クリエイテ
ィブサービス27%。

<2450>一休
 ネット上で、宿泊予約サービス「一休ドットコム」を運営する。売り上げ構
成は、サイト運営手数料95%、広告他5%。

<2453>ジャパンベストレスキューシステム
 鍵、ガラス、水周り等日常生活のトラブル解決事業を行う。「生活救急車」
で定評。平成6年に榊原暢宏氏(現代表取締役)が個人でバイクロードサービ
スを目的として、創業。その後、平成9年、愛知県名古屋市にて、現在のジャ
パンベストレスキューシステム株式会社の前身である「日本二輪車ロードサー
ビス株式会社」を設立。平成14年、旭硝子株式会社との提携事業である一般
消費者向け緊急ガラス割換サービス「旭硝子ガラスの救急車」を開始。平成1
6年、セコム株式会社とセコムテクノサービス株式会社との共同出資会社「セ
コムウィン株式会社」を当社出資比率33.3%にて設立し、高機能防犯性ガ
ラスの販売を開始。また、株式会社INAXとの共同出資会社「株式会社水の
救急車」を当社出資比率40.0%にて設立し、水まわりサービス事業を拡充。
売り上げ構成は、企業提携51%、会員36%、コールセンター6%、加盟店
5%、その他1%。

<2454>オールアバウト
 専門分野のプロがインターネット上で、情報を提供するビジネス。リクルー
トが47.6%、YAHOOが35.1%の株式を保有する。売り上げ構成は、
エディトリアル広告38%、スポンサーサイト23%、トラフィック広告23
%、インプレッション広告、その他8%。

<2458>フルキャストテクノロジー
 半導体・エレクトロニクス向けのエンジニア派遣が主な業務。フルキャスト
が68.6%の株式を保有する。売り上げ構成は、エンジニアアウトソーシン
グ92%、ビジネスソリューション8%。
(OH)

*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

===================================

◆コラム「ミヤノ(6162)に次ぐTOB候補銘柄」

 ミヤノという中小型NC旋盤専門メーカーは2006年9月に東証2部に上
場(公募価格425円)し、2007年1月にシチズンと資本・業務提携をし
ました。その際の2007年2月に株価は459円という高値をつけましたが、
その後の株価は低迷し、8月8日には170円という安値をつけました。
 この結果、時価総額は100億円を切ってしまいました今期の予想経常利益
は39億円、予想EPSが38円ですからPERは4.5倍という水準だった
訳です。

 シチズンは資本提携で1750万株を保有する筆頭株主でしたので、今回は
2028万株を追加で市場から単価300円買うことで3778万株を保有す
ることになり、ミヤノを連結対象子会社とします。ミヤノはシチズングループ
の有力企業として今後はますますグローバル化を推進し成長指向を強めていく
ものと期待されます。
 300円という株価水準は今期の業績水準が下方修正されないことを前提に
PERは8倍以下の水準ですので、予想PERが18倍台のシチズンHD(7
762)にとっては株主にも喜ばれる投資だと評価されます。

 たまたまシチズンHDの場合は昨年4月に持株会社化してM&Aを指向して
いたということもありますからこうした事例が今後、増加するのかどうかは分
かりませんが、現状においてもそうした可能性を秘める企業はあるかと思われ
ます。

 以下、ミヤノに次ぐTOB候補銘柄をピックアップしてみたいと思います。
上位株主の中に有力企業があって、収益性、成長性、割安感がある銘柄をいく
つかピックアップしてみましたのでご参照下さい。

【注目される機械・設備投資関連セクター】

 日本の中小機械メーカーの技術力は優秀ですが、グローバルな経営視点では
見劣りしていますので大手企業とコラボレーションすることは次の発展につな
がるものと期待されます。そうした観点で設備投資に絡んだ8銘柄をピックア
ップしてみました。

1.トーアミ(5973)☆
 コンクリート補強の土木建築用溶接金網のトップ企業で技術力高い。国内型
 企業。
 筆頭株主:セントラル硝子17.2%
 時価総額:49億円
 今期予想経常利益:13億円
 今期予想EPS:118円
 時価:771円
 PER:6.5倍
 配当金:30円
 配当利回り:3.89%
 浮動株:14.7%

2.イハラサイエンス(5999)☆☆
 産業用継ぎ手最大手。半導体向けに強み。国内型企業。
 筆頭株主:ユニチャーム9.2%+高原興産8.8%=18.0%
 時価総額:105億円
 今期予想経常利益:30億円
 今期予想EPS:135円
 時価:749円
 PER:5.5倍
 配当金:22円
 配当利回り:2.93%
 浮動株:21.3%

3.滝澤鉄工所(6121)☆☆☆
 NC旋盤、MCが主力。投資ファンドの出資で95年に再建。自主経営に復
 帰。海外売上60%でグローバル指向。
 筆頭株主:ファナック4.5%
 時価総額:85億円
 今期予想経常利益:36億円
 今期予想EPS:29円
 時価:129円
 PER:4.4倍
 配当金:6円
 配当利回り:4.65%
 浮動株:53.2%

4.小池酸素工業(6137)☆☆
 プラズマ・レーザー・ガス切断機のトップ企業。海外31%でグローバル指
 向。
 3位の大株主:大陽日酸5.3%(1位:自社株6.3%、2位:小池商事
 5.4%)
 時価総額:160億円
 今期予想経常利益:48.5億円
 今期予想EPS:62.6円
 時価:354円
 PER:5.6倍
 配当金:10円
 配当利回り:2.82%
 浮動株:16.0%

5.西部電機(6144)☆☆
 搬送装置、産業機械、放電加工機・工作機械の3つの分野を手がける。海外
 売上17%でなお国内中心だが、アジア向けなどに注力
 筆頭株主:安川電機17.3%
 時価総額:66億円
 今期予想経常利益:16億円
 今期予想EPS:63.3円
 時価:435円
 PER:6.9倍
 配当金:9円
 配当利回り:2.06%
 浮動株:34%

6.日特エンジニアリング(6145)☆☆
 コイル用巻線機の最大手。全自動システム機に特色。FA企業目指す。海外
 47%でグローバル指向。中国、欧州の拡大を図る。
 2位株主:SMC6.8%(1位:自社株11.3%)
 時価総額:153億円
 今期予想経常利益:20億円
 今期予想EPS:67.3円
 時価:806円
 PER:12.0倍
 配当金:20円
 配当利回り:2.48%
 浮動株:17.9%

7.東洋機械金属(6210)☆☆
 小型射出成形機、ダイカストマシンに強み。射出成形機は中・大型へもレパ
 ートリーを拡大。海外62%でグローバル化指向。
 筆頭株主:日立17.0%
 時価総額:64億円
 今期予想経常利益:15億円
 今期予想EPS:44.6円
 時価:307円
 PER:6.9倍
 配当金:12円
 配当利回り:3.9%
 浮動株:26.5%

8.シンニッタン(6319)☆☆
 自動車・建機向け鍛造品を製造。海外26%で国内が中心。
 5位株主:東プレ4.4%
 6位株主:新日鉄4.4%
 時価総額:160億円
 今期予想経常利益:32億円
 今期予想EPS:68.7円
 時価:553円
 PER:8.0倍
 配当金:20円
 配当利回り:3.61%
 浮動株:8.4%

(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

===================================

【炎氏よりPR】
【9月の購読者大募集】

残暑お見舞い申し上げます。
たくさんの感動を残して北京オリンピックが終わり、季節はもう秋。残暑の中
にも秋の風情が漂う今日この頃となって参りました。株式相場は相変わらずの
調整局面が続き、先行き不透明感が継続していますが、過去から多くの経験を
積んで来られた多くの個人投資家の皆さんにとってはこうした調整局面を冷静
な目でご覧になっているものと拝察申し上げます。
先行き不安から多くの銘柄が売り込まれ、なすすべのない状況とはなっていま
すが、中には明らかに売られ過ぎゾーンに達した銘柄もあり、勇気をもって立
ち向かうタイミングも接近しているのではないかと推察します。
第1四半期決算の説明会の中で気になった銘柄をピックアップして私の有料メ
ルマガでは産地直送銘柄としてお届けしたり、特別な研究銘柄としてお届けし
ています。
「天高く株肥ゆるの秋」となることを夢見て皆様の投資の一助になるべく9月
も企業レポートをお届けしますので購読の御申し込みをお願い申し上げます。
(炎)

有料メルマガの詳細は炎氏のサイトまで。
http://www.irisjapan.co.jp/join.htm

===================================

 「億の近道」のwebはバックナンバー閲覧を重点に置いた、ブログ風の作
りになっております。現在、2005年11月分まで掲載しておりますが、順次
過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まとめ読
みなどに是非ご利用下さい。
 http://okuchika.net/

===================================

 「億の近道」は特定非営利活動法人イノベーターズ・フォーラムの登録商標
です。この名称での有償のサービス等は行っておりません。紛らわしい名称の
サービスは弊社と一切関係ありませんのでご注意下さい。

===================================

億近オフィシャルクラブ掲示板(無料)は、執筆陣を含めた様々な方がコミュ
ニケートしております。是非ご参加ください。MSNのサービスを利用してお
ります。
http://groups.msn.com/okuchika

===================================

当メルマガは以下のシステムを利用して発行しております。
 ◆まぐまぐ ID:0000020640
       購読解除:http://www.kaijo.com/
 ◆E-Magazine ID:okuchika
       購読解除:http://www.emaga.com/info/okuchika.html
 ◆melma!  ID:m00010868
       購読解除:http://www.melma.com/

編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
 email:okuchika.mail@gmail.com
 http://www.iforum.jp/
このメールマガジンの無断転載・引用を禁じます。
==================================

グローバル投資のポイント(107)

JUGEMテーマ:株・投資


■低迷するのも無理はない東証のETF取引高■

 8月22日付の日本経済新聞は、東京証券取引所(東証)に上場されている上場投資信託(ETF)の売買が伸び悩んでいると報じています。東証はETFを戦略分野と位置づけ、年初13だったETFの数を7月までに54まで拡大させています。しかし、今年1−7月のETF売買代金は前年同期に比べ3.3%減少しています。

 報道では、東証を含めた世界の主要取引所の売買代金ランキングを紹介しています。これによると、1−7月期のETF売買代金は、1位であるニューヨーク証券取引所グループの売買代金が3兆8080億ドルであるのに対し、東証は139億ドルに過ぎません。東証よりも時価総額が小さい大阪証券取引所(大証)のETF売買高が141億ドル(前年同期に比べ15.3%増)と、東証を上回っていることも考えると、東証のETF取引は低迷していると言わざるをえません。

 ETFは、一般的な投資信託に比べ手数料(信託報酬)が低く、上場株式と同様に取引所で取引されるため価格形成の透明性が高いといったメリットがあります。このため、ETFは投資家にとって投資信託よりも有利な投資手法といえ、本来であれば、東証のETF売買は、投資信託を投資対象とする投資家の資金を取り込む形で拡大してよいはずです。

 日本経済新聞の記事では、東証でのETF取引が低迷している理由として、ETFの商品内容や利点が投資家の間で十分知られていないうえ、株価低迷で投資を手控える傾向が強いため、と記されています。しかし、仮に東証でのETF取引低迷の理由が、ETFに関する認知不足や株価低迷にあるならば、東証だけでなく大証のETF取引も低迷するはずです。しかし、先にご紹介したように大証のETF取引は、前の年に比べ15%以上も伸びています。個人的には、東証でのETF取引低迷の理由は、ETFに対する東証の姿勢に問題があるように思えます。

 現在、東証に上場されている54のETFをみると、大半がTOPIX(東証株価指数)の動きに連動したもの、もしくはTOPIXを構成する業種(セクター)と連動するETFとなっています。TOPIXの値動きに投資をしたいのであればTOPIX先物、特定の業種に投資をしたいのであれば、業種を代表する個別銘柄(例えば自動車であるならトヨタ)が存在する以上、投資家にとってTOPIX関連のETFの魅力は高くないと思われます。

 世界で取引の盛んなETFをみると、他国の市場に連動したETFの取引高が大きい傾向にあります。しかし東証で上場されているETFのうち、海外市場と連動するのは、KOSPI200(韓国200種株価指数)、CSI300(中国A株の一指数)、ボベスパ指数(ブラジルの株価指数)の3種類のみです。一方、大証では、上海株式指数、南アフリカ株式指数、ロシア株式指数のほか、9月には、ルピー(インドの通貨)、レアル(ブラジルの通貨)、ルーブル(ロシアの通貨)が追加される予定です。ブラジル、南アフリカ、ロシア、インド、といった国々への投資は、投資手法が数少ないだけに、こうした国々への投資を可能とするETFは、国内株指数に連動したETFよりも人気が高まるのは自然といえます。

 外国為替証拠金取引(FX)の取引所「くりっく365」を運営する東京金融取引所は、くりっく365で取引できる通貨ペアを現在の7種類から25種類に増やすことを決めています。対円取引では、トルコリラ、ポーランドズロチ、南アフリカランド、ノルウェークローネ、香港ドル、スウェーデンクローナ、メキシコペソの計7通貨ペアが追加されます。東証は、大証だけでなく、FXでの動きも見据えたうえで、ETF戦略を構築する必要があるように思えます。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070
「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

●●●●いよいよ登場した日本語によるヘッジファンド・メルマガ●●●●

世界の金融市場を縦横無尽に動き回るヘッジファンド。
しかし、ヘッジファンド業界に関する情報のほとんどは英語。。。。

日本語はOKだけど英語は苦手の方のために
ヘッジファンド業界を日本語で伝えるメルマガが誕生しました!!!

【ヘッジファンドジャーナル】
http://www.mag2.com/m/0000256832.html

 日本語ではなかなか得ることができないヘッジファンド事情を週に2回配信。
有名ヘッジファンドの情報や最先端の投資戦略を紹介。
主要なヘッジファンド・インデックスも合わせてお届けします。 

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


億の近道2008/08/22

JUGEMテーマ:株・投資



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                   2008/08/22
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
          (本日の担当:村田雅志)

    ◆コラム「グローバル投資のポイント(107)」:村田 雅志

===================================

◆コラム「グローバル投資のポイント(107)」

■低迷するのも無理はない東証のETF取引高■

 8月22日付の日本経済新聞は、東京証券取引所(東証)に上場されている
上場投資信託(ETF)の売買が伸び悩んでいると報じています。東証はET
Fを戦略分野と位置づけ、年初13だったETFの数を7月までに54まで拡
大させています。しかし、今年1−7月のETF売買代金は前年同期に比べ3.
3%減少しています。

 報道では、東証を含めた世界の主要取引所の売買代金ランキングを紹介して
います。これによると、1−7月期のETF売買代金は、1位であるニューヨ
ーク証券取引所グループの売買代金が3兆8080億ドルであるのに対し、東
証は139億ドルに過ぎません。東証よりも時価総額が小さい大阪証券取引所
(大証)のETF売買高が141億ドル(前年同期に比べ15.3%増)と、
東証を上回っていることも考えると、東証のETF取引は低迷していると言わ
ざるをえません。

 ETFは、一般的な投資信託に比べ手数料(信託報酬)が低く、上場株式と
同様に取引所で取引されるため価格形成の透明性が高いといったメリットがあ
ります。このため、ETFは投資家にとって投資信託よりも有利な投資手法と
いえ、本来であれば、東証のETF売買は、投資信託を投資対象とする投資家
の資金を取り込む形で拡大してよいはずです。

 日本経済新聞の記事では、東証でのETF取引が低迷している理由として、
ETFの商品内容や利点が投資家の間で十分知られていないうえ、株価低迷で
投資を手控える傾向が強いため、と記されています。しかし、仮に東証でのE
TF取引低迷の理由が、ETFに関する認知不足や株価低迷にあるならば、東
証だけでなく大証のETF取引も低迷するはずです。しかし、先にご紹介した
ように大証のETF取引は、前の年に比べ15%以上も伸びています。個人的
には、東証でのETF取引低迷の理由は、ETFに対する東証の姿勢に問題が
あるように思えます。

 現在、東証に上場されている54のETFをみると、大半がTOPIX(東
証株価指数)の動きに連動したもの、もしくはTOPIXを構成する業種(セ
クター)と連動するETFとなっています。TOPIXの値動きに投資をした
いのであればTOPIX先物、特定の業種に投資をしたいのであれば、業種を
代表する個別銘柄(例えば自動車であるならトヨタ)が存在する以上、投資家
にとってTOPIX関連のETFの魅力は高くないと思われます。

 世界で取引の盛んなETFをみると、他国の市場に連動したETFの取引高
が大きい傾向にあります。しかし東証で上場されているETFのうち、海外市
場と連動するのは、KOSPI200(韓国200種株価指数)、CSI30
0(中国A株の一指数)、ボベスパ指数(ブラジルの株価指数)の3種類のみ
です。一方、大証では、上海株式指数、南アフリカ株式指数、ロシア株式指数
のほか、9月には、ルピー(インドの通貨)、レアル(ブラジルの通貨)、ル
ーブル(ロシアの通貨)が追加される予定です。ブラジル、南アフリカ、ロシ
ア、インド、といった国々への投資は、投資手法が数少ないだけに、こうした
国々への投資を可能とするETFは、国内株指数に連動したETFよりも人気
が高まるのは自然といえます。

 外国為替証拠金取引(FX)の取引所「くりっく365」を運営する東京金
融取引所は、くりっく365で取引できる通貨ペアを現在の7種類から25種
類に増やすことを決めています。対円取引では、トルコリラ、ポーランドズロ
チ、南アフリカランド、ノルウェークローネ、香港ドル、スウェーデンクロー
ナ、メキシコペソの計7通貨ペアが追加されます。東証は、大証だけでなく、
FXでの動きも見据えたうえで、ETF戦略を構築する必要があるように思え
ます。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070
「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

●●●●いよいよ登場した日本語によるヘッジファンド・メルマガ●●●●

世界の金融市場を縦横無尽に動き回るヘッジファンド。
しかし、ヘッジファンド業界に関する情報のほとんどは英語。。。。

日本語はOKだけど英語は苦手の方のために
ヘッジファンド業界を日本語で伝えるメルマガが誕生しました!!!

【ヘッジファンドジャーナル】
http://www.mag2.com/m/0000256832.html

 日本語ではなかなか得ることができないヘッジファンド事情を週に2回配信。
有名ヘッジファンドの情報や最先端の投資戦略を紹介。
主要なヘッジファンド・インデックスも合わせてお届けします。 

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

===================================

 「億の近道」のwebはバックナンバー閲覧を重点に置いた、ブログ風の作
りになっております。現在、2005年11月分まで掲載しておりますが、順
次過去分を追加していく予定です。コメントなどはつけられませんが、まとめ
読みなどに是非ご利用下さい。
 http://okuchika.net/

===================================

 「億の近道」は特定非営利活動法人イノベーターズ・フォーラムの登録商標
です。この名称での有償のサービス等は行っておりません。紛らわしい名称の
サービスは弊社と一切関係ありませんのでご注意下さい。

===================================

億近オフィシャルクラブ掲示板(無料)は、執筆陣を含めた様々な方がコミュ
ニケートしております。是非ご参加ください。MSNのサービスを利用してお
ります。
http://groups.msn.com/okuchika

===================================

当メルマガは以下のシステムを利用して発行しております。
 ◆まぐまぐ ID:0000020640
       購読解除:http://www.kaijo.com/
 ◆E-Magazine ID:okuchika
       購読解除:http://www.emaga.com/info/okuchika.html
 ◆melma!  ID:m00010868
       購読解除:http://www.melma.com/

編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
 email:okuchika.mail@gmail.com
 http://www.iforum.jp/
このメールマガジンの無断転載・引用を禁じます。
==================================

calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< August 2008 >>
selected entries
mag2year2016_0000020640_asset-stock_200x200.png mag2year2016_0000020640_asset-stock_200x200.png
twitter
twetter
okuchika
購読無料! 億の近道メルマガ申込はこちらから!
億近申込バナー
まだ登録していない方はこちらからどうぞ!週5回無料で届きます。
億近執筆陣の本
億近本
億近執筆陣の書籍/DVDをご紹介。億の近道コラムのエッセンスをぜひ。
【石川臨太郎】人生最後の著書好評発売中!

「資産を作るための株式投資 資産を遺すための株式投資〜余命宣告を受けた「バリュー投資家」の人生最後の教え〜」
生涯投資家であり続けた故石川臨太郎氏の、投資人生の集大成とも言える最後の書籍が、好評発売中です。石川臨太郎 著、パンローリング刊 2,800円+税
石川臨太郎有料メルマガの特別研究版!
元火曜日執筆者、故石川臨太郎氏の"研究"メルマガ全12回分をイッキ読み出来ます。 著名エコノミスト村田雅志氏による分かりやすい分析が好評です。 詳細は以下のページを参照下さい。
 
categories
archives
recent comment
  • 情熱投資家、相川伸夫が語る注目銘柄 東北特殊鋼(5484)
    内燃機関関係 (01/20)
  • 1981年2月2日 愛知県立春日井高校:コーヒー牛乳の青春。(天国の幸宏へ捧げる)part 2
    ■ (08/19)
  • 1981年2月2日 愛知県立春日井高校:コーヒー牛乳の青春。(天国の幸宏へ捧げる)part 2
    内藤朝雄 (10/12)
  • 情熱投資家、相川伸夫が語る注目銘柄 特殊電極(3437)
    reformer21 (06/15)
  • 公立中学校という選択:区立から難関大学へ その6
    m (05/01)
  • 公立中学校という選択:区立から難関大学へ
    m (03/30)
  • アンジェスMG(4563)の相場シナリオ
    暇潰亭 (10/01)
  • 日本でトップクラスの低PER銘柄
    kkk (02/19)
  • 粘り強くつきあっていれば億の資産ができる
    億の近道 (12/04)
  • 粘り強くつきあっていれば億の資産ができる
    せーねん (12/04)
links
mag2year2016_0000020640_asset-stock_240x65.png メルマガ大賞2008ノミネートバナー
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM