ベーシック・インディア(7)

 皆さんは「インド」というと何を思い浮かべますか?
カレー、高成長、中国の次、ターバン、マハラジャ、貧困、ガンジス川、ナン、パキスタン紛争、IT産業、etc…。
 経済的にも期待され、報道などでも取り上げられることが多くなったインド。あのビジネス漫画「島耕作」でも舞台となるなど、最近とみに目にすることが多くなってきました。さらに東証が日本版預託証券(JDR)を来年にも認める方針を打ち出すなど、インド企業に投資できるチャンスも身近なものとなりそうです。
 縁あって、数回のインド訪問をし、多くの現地の方々と交流を持つようになった私ぢんぢ部長が、不定期ながら私が経験したインドのインサイドな情報を執筆してみたいと思います。本日は第7回です。

■エアショー

 先日、訪印したとき偶然にもエアショー(航空機見本市)の日程にぶつかりました(その分、ホテルが全て満室で苦労しましたが)。良い機会だと思い、親交ある州政府の方にお願いしたところ、案内してもらえることとなりました。

 今年のエアショーの目玉は2つ。1つはミグ社の新型戦闘機が世界で初めてお披露目になるということ。もう一つは史上初めてアメリカ製の戦闘機が参加するということです。ミグに関しては、初日にプーチン大統領まで来印し売り込む熱の入れよう。地元新聞は連日トップ扱いでエアショー関係の記事を掲載していました。

 会場は軍の練習飛行場。屋内展示と屋外展示があり、全てが売り込む気マンマン。屋内は部品メーカや軍事関係の関連企業などがブース出展しており、仮設プレハブのため屋根が低いことを除けば、東京ビックサイトか幕張メッセのビジネスショーと同様の雰囲気。違うのは扱っているモノですね。特に目立っていたのが通信関係。通信リンクとも言うべき、現場と本部の情報網を構築する(衛星リンク含む)ような製品が多く見受けられました。

 さて、飛行デモンストレーションは戦闘機から輸送機、プライベートジェットに至るまで盛り沢山。それぞれが売り込みのために飛んでいるわけで、限界性能を見せつけるような激しいものが多い。飛んでいる間、メーカーと思われる解説のアナウンスが響き渡ってます。「攻撃力と運動性能と経済性を兼ね備えた機体で…」「多用なオプションで偵察から局地攻撃まで対応…」などと目的からすれば当たり前ですが、我々日本人が聞くとかなり過激な内容をがなり立てていました。

 現地の企業の方も含めて話していたところ、今回の目玉のひとつアメリカ製の戦闘機(F−16とF/A−18)に、インドの最大財閥タタの総帥ラタン・タタ氏が乗るというのが話題になっており、しかも操縦するとのこと。聞いた話では、今回アメリカ製の戦闘機がインド空軍に購入された場合、そのライセンス生産をタタグループが行うのではないかと言うこと。今回の搭乗はそのためのデモではないかと。

 噂の真相はどうあれ、過去、兵器調達ではロシアとの関係が深いインドが、アメリカの機体を購入候補にするというのは非常に興味深い出来事です(ちなみに、現在の主力戦闘機もロシア製です)。軍事的同盟関係になることはないでしょうが、それなりの関係深化があることは間違いないでしょう。ただ、アメリカに対する国民感情は必ずしも好意的とは言えない印象がありますので、どこまで踏み込むのかが未知数ではあります。蛇足ながら、その他の国からは、スウェーデン、フランスなどからの参加がありました。

 以上、兵器売買という日本ではおよそ日常的でない経済行為をインドで垣間見た経験でした。

 なお、今回も訪れた南部カルナタカ州都のバンガロールでは、新空港と地下鉄の工事が着々と進行中でした。特に地下鉄は日本の援助で建設中とのこと。3年もすれば大きく変わることでしょう。

(ぢんぢ部長)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

SI業界(1)

 システムインテグレーション(大規模なシステム開発を行う、以下SI)業界は、ITバブル以来の好景気に沸いている。この業界はゼネコン業界と非常に近いものがあり、プライマリーと呼ばれる元請が大規模な事案を受注し、下請けに仕事を発注する。そのため業界全体の景気に、個別企業の業績が連動しやすい。

 SI業界の景気が良くなった理由は複数ある。不良債権処理に目処をつけた金融機関の発注の増加、NTTの次世代通信網に絡んだ案件の増加、J−SOX法関連の案件の増加等々外部環境の好転が強い追い風になっている。需要過多で、受注単価の上昇が起きている。

 加えて企業の自助努力も大きい。ゼネコンに例えるなら、材料の値段も計算しない、工事に何日かかるかも分からない(よって人件費がどれくらいかかるのか分からない)業者ばかりだった。そんな状態のため突然大きな赤字案件が出てきて、業績の下方修正など頻繁に行われた。しかしここ1,2年は受注時における採算管理、システム構築中のプロジェクト管理を徹底して、赤字案件が急減している。

 長らく低収益構造に喘いできたSI業界に、今強い追い風が吹いている。好況は、今後数年間は継続するだろう。

テーマは、
(1)上流のコンサル工程への特化
(2)オフショアの活用
(3)ストックビジネスへの転換
などが考えられる。

こうした観点から、今後の有望企業を探っていきたい。

***



<前回の記事(アプリックス)について>

 スーパーエルフさんから、掲示板に頂いたコメントを拝見しました。ちょっと書き込めない状況なのでこちらで、返信させていただきます。

 EPSの算出を間違っていました。10倍にして読んでください。
 バリュエーションについてですが、将来収益で評価したため、PERを割り引きました(収益でなく)。
 あと、あまりにも長くなるのであえて記載しなかったのですが、Javaの技術支援の売上が将来減少に転じるであろうこと、主力商品の単価下落、BSに資産計上されている多額の研究開発費などの要因を考慮の上で算出しました。

当然ですが前回の記事は、当該企業への投資を推奨するものではありません。

(アナリスト修行僧)

<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

億の近道2007/02/28

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                  2007/02/28号
             イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。執筆陣は証券・金融業界に身を置いて
いる人間ばかりです。プロの目から見た各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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      −本日の目次−(本日の担当:億近産業調査部)

 ◆コラム「SI業界(1)」:億近産業調査部 アナリスト修行僧
 ◆コラム「ベーシック・インディア(7)」:億近産業調査部 ぢんぢ部長

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◆コラム「SI業界(1)」

 システムインテグレーション(大規模なシステム開発を行う、以下SI)業
界は、ITバブル以来の好景気に沸いている。この業界はゼネコン業界と非常
に近いものがあり、プライマリーと呼ばれる元請が大規模な事案を受注し、下
請けに仕事を発注する。そのため業界全体の景気に、個別企業の業績が連動し
やすい。

 SI業界の景気が良くなった理由は複数ある。不良債権処理に目処をつけた
金融機関の発注の増加、NTTの次世代通信網に絡んだ案件の増加、J−SO
X法関連の案件の増加等々外部環境の好転が強い追い風になっている。需要過
多で、受注単価の上昇が起きている。

 加えて企業の自助努力も大きい。ゼネコンに例えるなら、材料の値段も計算
しない、工事に何日かかるかも分からない(よって人件費がどれくらいかかる
のか分からない)業者ばかりだった。そんな状態のため突然大きな赤字案件が
出てきて、業績の下方修正など頻繁に行われた。しかしここ1,2年は受注時
における採算管理、システム構築中のプロジェクト管理を徹底して、赤字案件
が急減している。

 長らく低収益構造に喘いできたSI業界に、今強い追い風が吹いている。好
況は、今後数年間は継続するだろう。

テーマは、
(1)上流のコンサル工程への特化
(2)オフショアの活用
(3)ストックビジネスへの転換
などが考えられる。

こうした観点から、今後の有望企業を探っていきたい。

***

<前回の記事(アプリックス)について>

 スーパーエルフさんから、掲示板に頂いたコメントを拝見しました。ちょっ
と書き込めない状況なのでこちらで、返信させていただきます。

 EPSの算出を間違っていました。10倍にして読んでください。
 バリュエーションについてですが、将来収益で評価したため、PERを割り
引きました(収益でなく)。
 あと、あまりにも長くなるのであえて記載しなかったのですが、Javaの
技術支援の売上が将来減少に転じるであろうこと、主力商品の単価下落、BS
に資産計上されている多額の研究開発費などの要因を考慮の上で算出しました。

当然ですが前回の記事は、当該企業への投資を推奨するものではありません。

(アナリスト修行僧)

<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「ベーシック・インディア(7)」

 皆さんは「インド」というと何を思い浮かべますか?
カレー、高成長、中国の次、ターバン、マハラジャ、貧困、ガンジス川、ナン、
パキスタン紛争、IT産業、etc…。
 経済的にも期待され、報道などでも取り上げられることが多くなったインド。
あのビジネス漫画「島耕作」でも舞台となるなど、最近とみに目にすることが
多くなってきました。さらに東証が日本版預託証券(JDR)を来年にも認め
る方針を打ち出すなど、インド企業に投資できるチャンスも身近なものとなり
そうです。
 縁あって、数回のインド訪問をし、多くの現地の方々と交流を持つようにな
った私ぢんぢ部長が、不定期ながら私が経験したインドのインサイドな情報を
執筆してみたいと思います。本日は第7回です。

■エアショー

 先日、訪印したとき偶然にもエアショー(航空機見本市)の日程にぶつかり
ました(その分、ホテルが全て満室で苦労しましたが)。良い機会だと思い、
親交ある州政府の方にお願いしたところ、案内してもらえることとなりました。

 今年のエアショーの目玉は2つ。1つはミグ社の新型戦闘機が世界で初めて
お披露目になるということ。もう一つは史上初めてアメリカ製の戦闘機が参加
するということです。ミグに関しては、初日にプーチン大統領まで来印し売り
込む熱の入れよう。地元新聞は連日トップ扱いでエアショー関係の記事を掲載
していました。

 会場は軍の練習飛行場。屋内展示と屋外展示があり、全てが売り込む気マン
マン。屋内は部品メーカや軍事関係の関連企業などがブース出展しており、仮
設プレハブのため屋根が低いことを除けば、東京ビックサイトか幕張メッセの
ビジネスショーと同様の雰囲気。違うのは扱っているモノですね。特に目立っ
ていたのが通信関係。通信リンクとも言うべき、現場と本部の情報網を構築す
る(衛星リンク含む)ような製品が多く見受けられました。

 さて、飛行デモンストレーションは戦闘機から輸送機、プライベートジェッ
トに至るまで盛り沢山。それぞれが売り込みのために飛んでいるわけで、限界
性能を見せつけるような激しいものが多い。飛んでいる間、メーカーと思われ
る解説のアナウンスが響き渡ってます。「攻撃力と運動性能と経済性を兼ね備
えた機体で…」「多用なオプションで偵察から局地攻撃まで対応…」などと目
的からすれば当たり前ですが、我々日本人が聞くとかなり過激な内容をがなり
立てていました。

 現地の企業の方も含めて話していたところ、今回の目玉のひとつアメリカ製
の戦闘機(F−16とF/A−18)に、インドの最大財閥タタの総帥ラタン
・タタ氏が乗るというのが話題になっており、しかも操縦するとのこと。聞い
た話では、今回アメリカ製の戦闘機がインド空軍に購入された場合、そのライ
センス生産をタタグループが行うのではないかと言うこと。今回の搭乗はその
ためのデモではないかと。

 噂の真相はどうあれ、過去、兵器調達ではロシアとの関係が深いインドが、
アメリカの機体を購入候補にするというのは非常に興味深い出来事です(ちな
みに、現在の主力戦闘機もロシア製です)。軍事的同盟関係になることはない
でしょうが、それなりの関係深化があることは間違いないでしょう。ただ、ア
メリカに対する国民感情は必ずしも好意的とは言えない印象がありますので、
どこまで踏み込むのかが未知数ではあります。蛇足ながら、その他の国からは、
スウェーデン、フランスなどからの参加がありました。

 以上、兵器売買という日本ではおよそ日常的でない経済行為をインドで垣間
見た経験でした。

 なお、今回も訪れた南部カルナタカ州都のバンガロールでは、新空港と地下
鉄の工事が着々と進行中でした。特に地下鉄は日本の援助で建設中とのこと。
3年もすれば大きく変わることでしょう。

(ぢんぢ部長)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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■「山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD」
 発売!!■

「NPOイノベーターズ・フォーラム 公認日本株アナリスト 認定講座」
共催:エンジュク 協力:ダイヤモンド経営分析チーム

 2005年4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタ
ルズ分析に必要な内容を新たに撮り下ろした映像を全て収録した4枚組DVD
です。

◆ファンダメンタルズ分析の決定版。
 いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
います。受講出来なかった方や反復学習したい方には最適な内容です。

◆充実したボリューム
 価格は48,000円とやや高額ですが、4月のセミナー(受講料38,0
00円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約450分の
充実した内容となっています。

詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm

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■「個人投資家のための景気観養成セミナーDVD」発売中!■
 2003年11月に行われた村田雅志氏の景気観養成セミナーを全て収録し
た2枚組DVDです。

◆受講したいけど行けなかった…という方には最適
 当日行われたセミナーの全てを漏らさず収録。もちろん、セミナー当日配布
された資料も収録しております。これで開催地に縛られることなく、自分のペ
ースで学習することが可能です。

◆マスターへの早道は反復
 頭で理解しているつもりでも、いざ実践してみると様々な疑問点が新たに湧
いてくるもの。DVDで何度も復習することにより、マスターへの早道となり
ます。今回のセミナーをより自分のものにするためのツールとしてお役立て下
さい。

詳細はイノベーターズ・フォーラムのホームページまで。
http://www.iforum.jp/dvd.htm

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■億近執筆陣の本 好評発売中!■

石川臨太郎
新!!▲あなたにピッタリの投資手法がきっと見つかる投資実践ノート▲
パンローリング 1680円(税込)
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=2596&c=9784775990346

▲潜在意識を活用した最強の投資術入門▲
パンローリング ISBN4-7759-9011 2800円+税 288ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990117

村田 雅志
▼景気予測から始める株式投資入門▼
パンローリング ISBN4-7759-9007 3300円+税 231ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070

山本 潤
▲投資家から「自立する」投資家へ▲
パンローリング ISBN4-7759-9008 4800円+税 426ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990087

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(炎)

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技術を評価できる個人投資家の養成講座season3(46)

(46)マイクロSDカード(2)

今回は、マイクロSDカードについて、株式投資をする際に重要な市場規模を中心にお話をしていきたいと思います。

早速ですが、市場規模はどれぐらいでしょうか?

マイクロSDカード一枚の単価を約900円とすると月100万枚で9億円の売り上げ、年間108億円の売り上げ、月500万枚で、月商45億円、年間540億円の売り上げです。

これに、付随するかたちで、マイクロSDコネクタも必要です。こちらは、単価を約70円とすると月100万個で7000万円の売り上げ、年間8億4千万円の売り上げ、月500万個で3億5000万円の売り上げ、年間42億円の売り上げとなります。

マイクロSDカードとコネクタで年間500億円の市場規模です。

また、i−PODなどに搭載されているHDDの市場規模を見積もってみましょう。単価を約1万円とすると、月100万個で月100億円の売り上げ、年間1200億円の売り上げ、月500万個の売り上げで月500億円、年間7000億円の売り上げとなります。

HDDの市場規模の方が大きいので、投資する際の判断として、売り上げによる株価へのインパクトも当然大きくなります。

では、株式投資をする上で重要な、今後の展開を予想してみましょう。

メモリというくくりで、マイクロSD、HDDやNANDメモリが今後どのようになるか、考えて見ましょう。

どれか、ひとつに集約されていくのでしょうか。

取り外し可能なメモリと機器内部に固定のメモリという視点でみていくと…。

マイクロSDは取り外しという利点でずっと技術としては残っていくでしょう。

では、機器内部に固定されるHDDとNANDメモリは、どうなるのでしょうか。

小型化というキーワードで考えていくと、乱暴に言ってしまえば、HDDの構造はCDと同じ様に、記憶されたディスクがグルグルと回っていますので、この機械的構造がある分、小型化に対しては、NANDメモリより不利となり、NANDメモリに集約していくと考えるのが妥当かもしれません。

携帯電話の小型化を考える際には、HDDは機械構造があるため、小型化は難しいでしょう。小型化に特化する携帯電話ではなく、PDAやパソコンに近い携帯電話には、記憶容量という点でHDDはなじみやすいでしょう。

HDDの動向はフォローしていく必要があるでしょう。

彼岸
技術のわかる個人投資家への道
Road to Investor with Technology Sense

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

株式投資で人生を変える(40)

 うつで苦しんでいる時、感覚的に苦しかったのが「もはや取り返しがつかない、過去はもう変えることが不可能だ」という思いだったように記憶しています。

 斉藤一人さんの本で「過去は変えることができる」それは「過去に対する評価を変えることだ」と教えていただいたことがありました。

 そのときは、すんなりとは納得できませんでした。でも株式投資を実践しているうちに、「あ、過去の評価が変わるというのは、当たり前のことなんだ」と体感することが出来ました。

 デイトレードでは、なかなか体感できないかもしれませんが、中長期投資をやっていると「過去の評価は変わる」ということを日常的に体験することになります。過去はいつも毎日のように変わってしまいます。

 たとえ話をしますね^^。1600円で買った住友金属鉱山が1400円に下がった時、私は損切りしてしまいました。これだと1600円で買ったことは間違えだったということになります。そして1400円で売った株が1300円に更に下がれば、1400円で売った行為、損切りは正しかったことになります。これは住友金属鉱山の株価が1300円のときの過去の評価です。

 でも住友鉱山の株価が、そこから反転し将来=未来で1500円になったとすると、1600円で買ったのは間違いだった。1400円で売ったのも間違いだったというように、過去の評価は変わります。さらに住友金属鉱山の株価が1800円になったとしましょう。すると1600円で買ったのは正しかったという評価になり、1400円で売ったのは大失敗というように過去の評価は未来の現実によって、たえず変化していってしまいます。

 人生は生きている限り、株式投資のように、途中でもうやめたということができないものです。デイトレードではなくて長期投資のようなものです。もちろん最近頻繁にニュースに出てくる、家族間の殺人のように取り返しのつかないこともありますが、日常的なほとんどの出来事は、将来=未来の出来事によって、常に評価が変わっていくものがほとんどなのではないかと感じます。「人間万事塞翁が馬」ということわざは、このことを教えてくれているのだと思います。

 最近は哲学に逃げ込んでおります。心の安定を取り戻すために^^;。内田樹先生からも「過去は取り返しのつくもの。なぜなら新しい経験をしただけで、過去の意味なんて一気に全部変わる。過去は可変的であり、未来は未知である」「過去についても、未来についても、確定的なことは何も言えないというのが時間の中を生きる人間の健全な姿でしょう」ということを教えていただきました。

 人生は長いので、ひとつひとつの出来事の評価が変わるためには時間がかかることが多いです。ところが株式投資では、毎日のように株価が変わっていくので「過去は可変的であり、未来は未知である」というのが日々いやというほど体感させられます。こんなことからも「下手な人生論より実践する株式投資」のほうが、人生には役に立つように感じるこの頃です^^;


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

ファンダメンタルズ分析入門第3部(8)

■■業績予想 取材その6■■

◇◇◇新規需要

需要は、買い替え需要だけではありません。
普及率の上昇による新規の需要増加が見込まれる分野もあります。
様々なケースがありますが、たとえば、普及率が20%のものが将来50%となり、その後は50%で成熟するというケースを考えて見ましょう。


1)対象の人数(人口や世帯数)
2)現在の普及率 と
3)将来の普及率の予想 と
4)その普及率にいたるまでの普及期間
とを予測します。

C国では今後5年間でテレビ普及率が20%から50%まで上昇することが予想されているとします。
C国の世帯数を200万世帯とします。

年間需要=200万世帯×(50%−20%)/普及期間
      =60万/5
      =12万台
となります。

普及期間の見通しが変わることが往々にあります。
5年で普及するだろうと見ていたのに、様々な要因で10年かかるかもしれません。
そうなれば、需要は半減し、業界は大混乱となります。

普及率の想定や普及期間の推定は誰が想定しても難しいものです。

普及期間や普及率に影響を与える最大のものは、価格です。
普及が進んでいくと見られているものは、あれば便利で快適なものが多いのです。しかし、ネックは価格です。
また、インフラが整わなければ普及は進みません。
テレビの場合なら、電気が普及していること、また放送があること、電波が届くこと、いろいろな要素があるでしょう。

:::ガイドライン:::

新規需要は普及率や普及期間や価格の設定をすれば予想できる。


◇◇◇需要の予測

買い替え需要や新規需要を正確に分けることはなかなかできません。
テレビを始めて買う若い夫婦は新規需要ということになるでしょう。
テレビを買い換える老夫婦は買い替え需要である場合が多いでしょう。
しかし、市場では、どれだけテレビが売れたかはわかりますが、それが買い替えか新規かということはわかりません。企業は、今年は800万台売れたが、来年はどうだろう? ということを考えるわけです。

需要を予測するもっとも簡単な方法は、実績の成長率を用いることです。
たとえば、「今年はテレビが昨年よりも10%多く売れた」としましょう。
すると、成長率は10%です。「当面、10%ぐらいで成長するのかな」と考えるわけです。

最近、テレビは年率10%で売れているのだから、将来も年率10%で売れるだろうと予測する方法もあるのです。

【Q】
買い替えサイクルを3年とします。
ある国の世帯数を1600万世帯として、将来の普及率を50%とします。
普及期間は5年とします。

普及率の推移を想定します。

年数  1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
普及率 10% 20% 30% 40% 50%

5年目に普及率50%ということですから、毎年均等に普及率が上がる前提であれば、毎年10%普及率が上がると想定します。

毎年の新規需要= 想定普及率/普及期間 × 対象人口(対象世帯)

新規需要は1600万世帯の10%にあたる160万/年となります。

一方で、買い替え需要はどうでしょうか。
3年間の買い替えサイクルです。
1年目の160万台が4年目に買い替えとなります。
2年目の160万台は5年目に買い替えとなります。


年数     1年目   2年目   3年目   4年目   5年目
普及率     10%   20%   30%   40%   50%
新規需要  160万台 160万台 160万台 160万台 160万台
買い替え需要   −     −     −  160万台 160万台
総需要   160万台 160万台 160万台 320万台 320万台
需要成長率    −     0%    0%  100%    0%

6年目以降は、普及率50%の上限があるため、新規需要はゼロになります。
6年目は買い替え需要が160万台で新規需要ゼロで総需要は160万台と激減します。

株式投資の鉄則は、変化に着目することです。4年目に新規需要と買い替え需要とで急成長するときに対象製品を販売している会社の株価は上昇するでしょう。しかし、5年目以降、新規需要がなくなるため、総需要は激減します。需要が減れば対象製品を販売している会社の株価は下がるでしょう。


応用として、製品寿命に幅を持たせる予想方法があります。
ある製品の更新サイクルを5年としたとき、均等に4年から6年の3年間で33%ずつの更新需要が発生すると想定したりするのです。
あるいは3年から7年の5年間で20%ずつ更新需要が発生すると想定することもあるでしょう。
前提はいくらでも置けます。


:::ガイドライン:::

製品寿命を推定できれば過去の製品の売れ行きを調べて、将来予想の参考とすること。

例:「30年前に住宅投資が高水準であれば、更新需要が、いまから期待できるかもしれない」。

Enjoy Every Moment! 山本 潤

(この連載は2005年12月時点で執筆されたものです。情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

やる気とはなにか その3 〜時代の風となれ〜

やる気シリーズの第1回では、野球少年(天然野球小僧)の話をしました。
本気でやりたいことが見つかった者は、すすんで努力して、スキルを飛躍的に向上させます。

やる気シリーズ第2回(前回)では、そうはいっても、やる気のない者をやる気にさせるのは大変である点を少し掘り下げました。
馬を水のみ場に連れて行くことはできても、馬が水を飲むかどうかは別問題です。
勉強したくない子どもに、勉強を強制しても、勉強が嫌いになるだけです。

やる気のない人が、やる気が満ちるまで待つためには、どうしたらよいか。

本人に時間を与え、ゆっくり考えさせ、何かひとつのこと(=コア分野)を習熟させること。
上司は、周りからの批判を封じ込め、本人を信頼すること。
時間的な余裕、精神的な余裕の中から、短期の停滞を超えた、長期的な真の展望が芽生えてきます。

前回のキーワードは、「余裕」でした。
余裕こそが、やる気を再生産する源泉であると。(詳しくは前号を参照下さい)
余裕を保証する義務は、職場(上司)にあります。
「上司は社員に余裕を保証すべし」 − が示唆でした。

社員がやる気になれば、あとは簡単。
一度、やる気になった者には、誰も消すことができないパッションが生じ、文字通りの「水を得た魚」となります。

しかし、「社員を生かすも殺すも上司や職場の環境次第だ」といってしまえば、余裕が保証されていない現状の大多数の社員はどうしたらよいのでしょうか。

前回の主張のように、「雑務や残業をやめろ」、「余裕を取り戻そう」といっても、一方で、給料が減ったり、待遇や人事面で不利益を被ったのでは合いません。

今回、やる気シリーズを継続したのは、このことが、気になって、引っかかっているからです。

わたしたちは、どうすればよいのでしょうか?

プロフェッショナルではない人々、
恵まれない環境にある人、
たとえば、派遣社員やフリーターには、何をすればよいのでしょうか。
彼らには、どんな将来展望があるのでしょうか。

「恵まれない職場にある社員・派遣社員やフリーターはどうしたらよいのか」
をみなさんと一緒に考えていきたいのです。

■ 学習の意味

挫けそうになったときに、それを乗り越える精神力。
失敗したときに味わう挫折感。
しかし、その挫折を乗り越えようとするガッツ。
失敗の中から学び、再度、挑戦しようとする気持ち。

そんな精神力、ガッツ、気の持ちようは、学習経験のある者しか持ち得ないといえば、読者は驚かれるかもしれません。
基本的な学習能力が備わらない動物は、失敗から学び、挫折を乗り越えることはできません。

学習とは、論理の積み重ねです。
学習とは、事実をただ羅列して暗記するだけではありません。
物事を原理原則に基づいて整理する、推論する、結論づける。
「これとこれを合わせると、こうなる」という学習効果による自信・確信が、決断を促します。

「失敗から学ぶ」ということは、動物にはなかなかできないものです。

ストーブに近づけば、やけどするとわかった犬は、ストーブには二度と近づかないでしょう。
しかし、人間は、ストーブでやけどをしても、やけどをしないための所作を学びます。(悪いのはストーブではない。)

「学ぶということは、難関に挑戦する能力を磨く」ということなのです。

■ 中退する側の論理

世間では、長らく、学習は、偏差値の高い大学に行く手段でした。
よい大学に行き、一流企業に勤めれば、あとはエスカレータでした。

日本も変わりました。
バブル崩壊後の不況期に多感な時代をすごした世代は、その父親世代が、不況でリストラされてしまったことを重く受け止めました。

「手段としての勉強などしても、意味がない」。
大人も、子どもも、自信がなくなってしまいました。

フリーターの増加は、バブル崩壊後の不景気と就職氷河期も関わっています。
また、学歴に対して意味を見出せない若者たちが、学ぶことをやめて、高校を簡単に中退してしまう例が増加しました。
中退者の増加は、
「勉強しても仕方ない」、
「努力しても仕方ない」、
という厭世感がその背景になるのではないでしょうか。

手段として学習をとらえ、
「よい会社に入社して楽な人生を送る」という目的が達成できないから、
「勉強しても、しなくても同じ」というのが中退する側の論理です。
(同調できないまでも、理解はできます。)

■ ゆとり教育の履き違え

日本では、「ゆとり教育」が導入されました。
が、その結果、国語や算数といった主要科目の学習時間が削られました。

ゆとりの教育とは、算数の時間を削って遊ぶことではありません。

そうではなく、教員数を大幅に増加させることによって、1クラス10人、15人といった少人数クラスを実現することが本来の意味での「ゆとり」です。(異論噴出でしょうが、このことを今回議論するつもりはありません)

教員に数倍規模のゆとりを持たせ、まずは、教員が、余裕を取り戻し、精気を取り戻し、自学していく。
自分を高めた教員が、思いやりをもって、生徒に接する。
「ゆとり」は、生徒にも、教員にも、必要なものでした。

■ 少人数クラス

少人数教育ならば、こんなことも可能です。
たとえば、遊び時間に、「砂場の砂の数はいくつあるのか」に興味を持った子どもがいれば、考えさせる。
ひとつではない、幾通りもの解決策を思いつかせる行き届いた教育が可能になります。

「砂場の砂数を推論する」のは、算数と理科の複合です。
そうしたテーマに取り組んだ子どもにとっても、その解答の数も、解答への道筋さえも、砂の数ほどあります。

たとえば、砂数の推論には、「密度」、「比重」、「平均」、「分散」といった概念が導入されるでしょう。
また、それらの概念を自分で気づかせることができます。
たとえば、1ミリグラムの砂に何個の砂粒があるのかを知ることで、「密度」という新しい概念を生徒が自身で発見する。
そうなれば、その生徒は、「密度」という概念(そして発見時の感動)を一生、忘れようと思っても忘れることはできません。

■ 三度手間

今、日本の教育の質が問われているのは、落ちこぼれが大量生まれ、彼らが、高校生になって、分数を復習しなければならないことです。
そのような落ちこぼれを、一度、大量に出してしまえば、中学・高校教師がまたまた分数を教えなおすという「教育プロセスの2度手間、3度手間」が発生します。
工場の歩留まりや従業員の生産性を向上させなければ、企業は生き残れません。
同様に、学校においても、2度も3度も同じ手間をかけるぐらいであれば、徹底的に落ちこぼれを撲滅する少人数および習熟度別のプロセスを導入すべきなのです。

習熟度別かつ少人数の教育で、
勉強のやり方、
自学の仕方、
興味の持たせ方そのものを学ぶ制度が求められています。

出来合いのゲームやおもちゃでは、工夫は生まれません。
また、基礎学力の徹底も必要ですが、それだけでは、好奇心は育まれません。

■ いじめ根絶への切り札

いじめの問題が深刻です。
現場である学校や学校の教師の対応がいつも問題になります。
ひとりの教師が45人も40人もの生徒を一度に育てるというシステムでは、限界があります。
学校の対応や教師の資質を責めて、いじめ問題を矮小化してはなりません。
一クラスで10人であれば、座学ではなく、ひとりひとりとの対話形式の授業になります。
もちろん、クラス10人でも40人でも、いじめはなくならないでしょう。
生徒ひとりひとりにつぎ込まれる思いや時間が大きくなれば、いじめも沈静化するはずです。
いじめっ子たちのストレスが少人数クラスでは、緩和されるはずだからです。

少人数クラスは、余裕です。余裕がやる気を導きます。
(=前回のコラムの示唆)

■ 変化した昔話

昔の絵本は、勧善懲悪が徹底していました。
悪者は、死ぬか、殺されるか、でした。
今は、悪玉と善玉が最後に仲良くなって「めでたし」となります。

昔は、鬼が悪さをしたら、ぶっ殺した。
今は、鬼が悪さをしたら、鬼が謝って、仲良しになって、めでたしです。

小学校の運動会も、徒競走に順位をつけないという有様です。

■ 甘えの構造 − 共通するバックボーン

1)偏差値が高い大学に行っても、リストラになる。だから、勉強しても仕方ない。(高校中退の論理)
2)反復練習は無意味。学ぶ意味や意義を教える。(ゆとり教育の論理)
3)悪者であっても、話し合えばわかる。最後は、仲良しになれる。(今の絵本の論理)

これらの共通する項は、「甘え」といえましょう。

まず、勉強は、権利であって、義務ではありません。
挑戦する心を磨くのが、学習です。
学習は、手段ではなく、それ自体が目的となりうるものです。

反復練習か、応用問題か、ではなく、反復も応用もどちらも重要です。
もっともっともっと、反復練習も応用練習も、必要であり、それらは圧倒的に足りません。

■ 質量ともに圧倒的に足りない

たとえば、英語の学習においては、コミュニケーションが実務上できるレベル
は、TOEICなら満点ではないでしょうか。
700点、800点、900点は、あくまでも通過点で、満点をとることが、実務家であれば求められます。
そのためには、学校教育で習うような1000語や2000語といった語彙では、到底、不十分です。
10倍の語彙力がなければ、役に立つレベルとはいえません。

しかし、他の日本人との比較において、「何点ぐらいとれば偏差値が65」という低いレベルで落ち着いてしまう。

■ 本音だけでよい

絵本や徒競走においても、そこに、残酷さや冷徹さがあるから、それがゆえに、暖かさや感動も生まれるのです。

建前と本音とを区別する必要はありません。
絵本や競争は、すべて、本音で描かれるべきです。

■ 二者択一の偽り

「AかBか」ではないのです。
「AもBも」重要であり、
Aが足りないのは、Bのせいではなく、
Bが足りないのも、Aのせいではないのです。

父親世代がリストラされたことは、たしかに、「偏差値が高い大学に行っても、リストラされることはある」を意味します。

だからといって、「偏差値の高い大学に行っても仕方ない」を意味しません。
「偏差値が低ければ、たとえば、中退者ならば、真っ先にリストラされた」かもしれません。
また、大学へ行くことは、就職の手段ではありません。
自分にとっての、生きる目的を見出す大切な期間です。
学校は、甘えと決別し、挑戦できるだけの知力を養うところです。

■ 「甘え」とプロフェッショナル

大きくなって、いまだに親を暮らしていたり、経済的な自立を目指そうとしないのは、「甘え」です。

世間から、認められないのも、技能を磨いてこなかった報いです。

●甘えは論理を不明確にします。

●甘えは善悪、真偽をあいまいにします。

プロフェッショナルの対極が甘えん坊です。
甘えん坊では、プロフェッショナルには、到底、なれません。

■ 甘える側の論理(甘えは動物の本能)

どうやら、今回のコラムの示唆は、
「やる気を阻害するの要因のひとつは「甘え」だ」
ということになりそうです。

甘えとは、何でしょうか?
甘えの定義は難しいのですが、

甘えとは、
「しない」、
「できない」、
「やらない」ことへの現状追認の態度とでもいいましょうか。

「よい大学へ行かなかったから、よいところへ就職ができなかった」
「先生の教え方が下手だったため、テストでよい点がとれなかった」
「お母さんが7時に起こしてくれなかったから、学校に遅刻した」
「塾に行かせてくれないから、成績が上がらない」
「お金がないから、あきらめた」
「ずるい」

甘えとは、
「〜がないから、しない」
「〜があれば、やるのに」
「〜のせいで、できない」という思考です。

「まず、自分。他人は後から」なのです。
「面倒くさいのはいや」。

甘えの底流にある哲学は、
「楽して成果をあげたい」、「楽なままの状態を維持したい」です。

現状を追認するのは、自分がかわいいからです。
甘えとは、生物の持つ生存本能です。

面倒くさい、なにもしない、ぐーたらな状態は、エネルギー状態でいえば、「低」のレベルです。

水は高いところから低いところへ流れます。
エネルギー(生きるちから)も低いところで落ち着こうとします。
楽な状態を続けようとするのは、生物の属性でです。

年初から始まった、このコラムの教えは、
「楽して儲けようと思う投資家は貧乏になる」です。
(このコラムでは、一度、導いた結論を、必要であれば、何度でも何度でも繰り返します)
(「信用取引をやめよう」のシリーズでも、当たり前でありきたりの示唆を繰り返しました)

同様に、「楽して成果をあげたい」という人間は成果をあげることはできない、ともいえます。

「楽して得したい」という本能(=敵)は、学習(教育)によって克服するしかありません。

教育がなぜ重要であるか − 
むき出しの生存本能のまま、子どもが大きくなれば、たんなる大きな甘えん坊(=低エネルギー、低モーチベーション)になってしまいます。教育は、甘えん坊を大人にできます。
甘えん坊にやる気を持たせることが教育の主旨ではないでしょうか。

■ 甘えてはいけない訳 − フリーターのA君へのメッセージ

先週のコラムを読んで、メールをくれたA君。
28才男性のフリーターです。
わが社で、「無給でよいから働く機会がほしい」との懇願のメールでした。
しかし、弱肉強食のヘッジファンド業界にいま、彼の実力で、入ったとしても、わたしの足手まといになるだけです。
厳しいようですが、自分なりの努力をした後で、「出直して来い」と返信しました。
冷たいメールを送ったためでしょうか、わたし自身も気がめいりました。

フリーターのA君、君へのメッセージです。
(君を拒絶したわたしのメッセージを読んでくれるだろうか。)

さきほどのことです。
電車の中で、子どもが靴を履いたまま、座席に立って、車窓の外を見ていました。
お母さんが隣で、そわそわしながら、注意していました。
「靴を脱ごうね。こわーいおじさん(=わたしのこと)に怒られちゃうよー」
と。
こんな的を射ない注意の仕方ってあるでしょうか(笑)。
物事の本質を知らない大人を見るとつかれます。

「なぜ勉強するのか」
「なぜ甘えてはならないのか」
この問いかけに、君なら、どう答えますか?

甘えてはならない理由とは、なにか。

たとえば君が、「楽して成果をあげた」としましょう。
努力もしないで、何の対価も払わずに、大きな成果をあげたとしましょう。

そこに、どんな充実感があるでしょうか。
どんな感動があるでしょうか。
どんな達成感があるでしょうか。

楽して成果をあげたとして、そこに感動がなければ、その成果に何の意味があるのでしょうか。

積み木を背の高さよりも高く積み上げた子どもは、喜び、その成果を回りに報告します。
最初から積んである積み木に感動があるのか − ということなのです。

甘えるのは、楽です。
楽したいという気持ちは、自然です。
しかし、それでも、君には、甘えてほしくないのです。

甘えるな − なぜならば、
甘えれば、君は、真理から遠ざかってしまう。
甘えは、君を感動から遠ざける。
甘えは、君を本物からも遠ざけてしまうからです。

甘えていては、真の喜びを味わうことはできません。
甘えからは、感動も生まれません。

君が、
何の達成感もいらない、
何の充実感もいらない、
自分の人生に感動はいらないというなら、
今のまま、存分に、親に甘えてよいでしょう。
しかし、そうなれば、君の人生は、感動とは無縁になり、生涯、「本物だけが持つすごさ」に、ふれることさえ、できなくなるでしょう。

■ 氷河期を経験した意味

君は、就職活動をした時期が、たまたま不況期にあたり、希望した会社に入れなかった。

「甘えるな」という精神論は、手厳しく、不合理に響くでしょう。
大学卒業のとき、小説家になりたくて、フリーターになったきっかけは、そのきっかけは、今でも正しかった、とわたしは思う。
ただ、身体を壊してしまったり、
壁にぶつかって、
小説の勉強も、とうとう、やめてしまった。

28才になって、いま、いつ、どうやって、やりたいことを見出すか、を真剣に懸命に考えているのだと思う。

確かに、就職氷河期を経験した分、他人にやさしくなれるでしょう。
氷河期にも意味があった。

「だれもがプロになる必要なんてない」と君は、思うかもしれません。
しかし、わたしは、そうは思いません。
人生をかけてもよいと思えることをなんとか見出して、それにかけてほしいのです。
ひとつの分野にフォーカスをして、その分野の専門家になってほしいのです。

■プロフェッショナルとリーダーシップ

前向きさ、積極性、行動力といったリーダーの資質は、誰もにも最初から備わってはいません。
リーダーシップとは、現実を変えたいという思いです。
また、みんなをよい結果に導きたいという態度です。

リーダーシップは、世の中を少しだけ動かすことができます。

だまされたと思って、行動してください。
まずは、小さなプロジェクトでよいでしょう。
お世話になった親をサプライズ旅行につれていく、でもよい。
自身が立案し、計画し、リーダーシップをとる、小さな一歩を踏み出してほしい。

サークルや飲み友達とでもよいでしょう。
お別れ会、誕生日会、なんてよくないですか?
パーティを企画するのです。
場所、会費、びっくりの出し物、演出、ひとつひとつ、サブのリーダーを置いて、お互いがリーダーとして、ひとつのイベントを催してほしい。

それらイベントをまずやってみて、その結果、少しだけでもいい、
人生の充実感があってくれればなあと思います。

■ リーダーシップをシェアリングする

君のメールの中には、
「友達もフリーターですし、フリーターの友達のことも、なんとかしなくてはと思っている」とあった。

仲間とリーダーシップをシェアしてみてはどうでしょうか。
いくつかのプロジェクト、案件は、それぞれがやりたいことを決める。
みんなが仲間となり、リーダーを手伝う。
誰もが、ひとつのプロジェクトでは主役になるのです。

まずは、小さなプロジェクトの主役から始めてはどうだろうか。

日本のフリーター全員が、リーダーシップを学ぶ必要はない?
わたしはそうは思いません。

この国の教育水準は、落ちたとはいえ、それでも、尚、世界最高水準です。
今後ますます、日本には、世界を導くリーダーとしての役割が世界から求められています。

ベトナムでは、外資系に勤めても、1ヶ月で1万円の給料です。
君たち(フリーター諸君)は、1ヶ月で何万円ももらっています。

■リーダーシップとプロフェッショナリズム

リーダーシップとは、態度であり、君の思いひとつで、身に付くものです。
また、プロフェッショナルは、一瞬の態度ではなく、何十年と月日を積み重ねて深めていく「過程」のことです。
一瞬の態度を積み重ねてプロへの過程をつくってほしい。
君がメールで書いたように、株式投資に興味があるのであれば、まず、資格をとれ。
同時に、自分の頭で考えたレポートを月に1回、わたしに送ってみなさい。
3年間、毎月、忘れずに継続できるのであれば、君は、プロになれるだろう。

■ 時代の風となれ

世界では、何十億人という人たちが、文字が書けません。
文字が読める君たちは、情勢を分析する基盤があります。
文字が読めるために、自学もできます。

ベトナムと日本を比較するなんて、ずるいですか?
それにしては、君たちだって、随分といろいろな比較をしているじゃないですか。
先週の君からのメールにあったような
「派遣と正社員との差」、「男女の差」、「就職氷河期とそうではない世代との差」。「親の世代との差」。

ちいさな日本の中で、近所のおばさんから批評され、近所の同級生と比較され、君たちは、確かにかわいそうです。
(でも、君もわかっているように、それをいっても始まらないのです。)

「みんながリーダーである必要はない」、
「みんながプロフェッショナルになる必要はない」、
「企業の歯車も重要である」とわたしは思いません。
みんなに、プロフェッショナルになってほしい。
リーダーシップをもって、世界をリードしてもらいたい。
組織の歯車になんかなってほしくない。

日本人全員がリーダーになったって、世界が求めるリーダーの人材募集のキャパシティは埋まりません。
世界は大いなるリーダー不足なのです。

世界は、君たちを、前から、昔から、ずっとずっと必要としていたのです。
(数十億人が困っているのですから!)
君たちが気が付かなかっただけで。

数十万円で、学校で出来る、
数万円で、井戸が掘れる、
そんな世界が一方で、あります。
切実なニーズが数万円で実現できる場合だってあるのです。

資金力もプラニング力もあり、教育も十分に受けてきた君たちが、世界で大きな仕事ができないはずはありません。

企業もグローバルです。
世界は、そもそも、なんといっても、グローバル。

日本の若者が、世界でどれだけ大きな仕事ができるか、については、この変なおじさんが保証します。

本日、まず、小さな、一歩を踏み出してみたらどうだろうか。
これまでの甘えと決別し、世界のリーダーとしての一歩を。
甘えを捨て去った、リーダーとしての一歩は、現実を変える一歩です。
自分自身を変えるスーパーショットとなるのです。
遠くにある目指すべき目標(一流のプロフェッショナル)への第一歩です。

氷河期という貴重な体験をしてきた君たちは、きっと、時代の風になるでしょう。
そう、世界精神を体現する時代の風は、日本から吹く、とわたしは信じています。

A君、こういったからといって、無理してベトナムへ行く必要はないよ(笑)。
(君は貧乏なのだから、日本にいながら、お金がなくてもできることから考えよう)

■ まとめ

●やる気を阻害するのは甘えだ
●甘えは、生存本能であり自然な態度
●甘えは、論理や善悪や真偽を不明確にする
●甘えは、人間を真理や本物や感動から遠ざける
●甘えん坊はプロフェッショナルの対極
●リーダーシップを学べ − 小さなプロジェクトでよいから自分で企画立案し、実行せよ
●甘えと決別し、プロを目指せ
●日本の多くの若者がリーダーシップをとれば、日本は世界のリーダーになる
●個人のやる気が世界を変える
●楽して儲けたいという投資家は貧乏になる
●楽して成果をあげたとして、その成果になんの意味があろう
●楽して儲けても、大きな感動はない、充実感はない、達成感はない
●余裕のある職場と甘えない自己規律があれば、能力の差を越えて、プロになれる

Enjoy Every Moment!
〜Slow Investment ゆっくり考え ゆったり投資 〜
山本 潤

■変わらぬメッセージ:長期の読者に感謝■

99年に始まった億の近道は、16000人程度の読者で成り立っています。
長期間購読を続けていただいた読者が多い、古い読者が多いことが特徴です。

このメルマガ(火曜日版)では、多くの株式投資メルマガにあるようなことは行いません。
つまり以下のことはやりません。

●手っ取り早い情報(証券会社の格付けの変更など)
●何を買うべきか
●投資指南
●お勧め銘柄
●マーケットをどうみているか

わたしたちは「タダなのにすごいことが書いてある」メルマガを志向しません。
また、編集に時間をかけることもできません。

わたしたちが伝えたいことは、

●日本が欧米に並ぶ金融大国になるために日本人がもっと学ぶべきこと
●若い世代がワーキングプアにならないためにすべきこと
●株式市場は手っ取り早く儲けようとする投資家を貧乏にするという教え
●株式市場はゆっくり考え賢明に投資するものに富をもたらすという教え
などです。

いわば投資の実務家としての哲学や歴史観・人生観です。

わたしたちが目指すのは、「ファンダメンタル分析」宗教の普及です。

Enjoy Every Moment!
by 山本 潤 (やまもと じゅん)


<著者紹介>

億の近道に2000年3月に執筆を開始。
およそ7年間 毎週執筆してきました。
継続は力です!
昨年、念願の独立を果たす。
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。

(職歴)
1990−1997年
 和光証券国際本部
(1990−1992年日本興業銀行外国為替部および国際資金部へ出向)
1997年−2005年
 米系投資顧問クレイ フィンレイ インク ポートフォーリオマネージャー。
2006年1月より独立起業。
 エイム インベストメントでファンドマネージャー。
(学歴)
コロンビア大学院 電気工学科 工学修士。
(六本木裏通りの人生大学 夜間部卒。専攻は夜間泥酔行動経済学)
(主な著書)
 「インベストメント―米系バイサイド・アナリストの投資哲学と投資技法」(2001年イーフロンティア)
 「投資家から「自立する」投資家へ」(2003年パンローリング)
 「マンガ ファンダメンタルズ分析 入門の入門」(2004年パンローリング)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

億の近道2007/02/27

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                   2007/02/27
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

===================================

             −本日の目次−
      (本日の担当:山本潤&石川臨太郎&彼岸先生)

  ◆コラム「やる気とはなにか その3」:山本潤
  ◆コラム「連載 ファンダメンタルズ分析入門第3部(8)」:山本潤
  ◆コラム「連載 株式投資で人生を変える(40)」:石川 臨太郎
  ◆コラム「連載 技術のわかる個人投資家season3(46)」:彼岸

===================================

◆コラム「やる気とはなにか その3 〜時代の風となれ〜」

やる気シリーズの第1回では、野球少年(天然野球小僧)の話をしました。
本気でやりたいことが見つかった者は、すすんで努力して、スキルを飛躍的に
向上させます。

やる気シリーズ第2回(前回)では、そうはいっても、やる気のない者をやる
気にさせるのは大変である点を少し掘り下げました。
馬を水のみ場に連れて行くことはできても、馬が水を飲むかどうかは別問題で
す。
勉強したくない子どもに、勉強を強制しても、勉強が嫌いになるだけです。

やる気のない人が、やる気が満ちるまで待つためには、どうしたらよいか。

本人に時間を与え、ゆっくり考えさせ、何かひとつのこと(=コア分野)を習
熟させること。
上司は、周りからの批判を封じ込め、本人を信頼すること。
時間的な余裕、精神的な余裕の中から、短期の停滞を超えた、長期的な真の展
望が芽生えてきます。

前回のキーワードは、「余裕」でした。
余裕こそが、やる気を再生産する源泉であると。(詳しくは前号を参照下さい)
余裕を保証する義務は、職場(上司)にあります。
「上司は社員に余裕を保証すべし」 − が示唆でした。

社員がやる気になれば、あとは簡単。
一度、やる気になった者には、誰も消すことができないパッションが生じ、文
字通りの「水を得た魚」となります。

しかし、「社員を生かすも殺すも上司や職場の環境次第だ」といってしまえば、
余裕が保証されていない現状の大多数の社員はどうしたらよいのでしょうか。

前回の主張のように、「雑務や残業をやめろ」、「余裕を取り戻そう」といっ
ても、一方で、給料が減ったり、待遇や人事面で不利益を被ったのでは合いま
せん。

今回、やる気シリーズを継続したのは、このことが、気になって、引っかかっ
ているからです。

わたしたちは、どうすればよいのでしょうか?

プロフェッショナルではない人々、
恵まれない環境にある人、
たとえば、派遣社員やフリーターには、何をすればよいのでしょうか。
彼らには、どんな将来展望があるのでしょうか。

「恵まれない職場にある社員・派遣社員やフリーターはどうしたらよいのか」
をみなさんと一緒に考えていきたいのです。

■ 学習の意味

挫けそうになったときに、それを乗り越える精神力。
失敗したときに味わう挫折感。
しかし、その挫折を乗り越えようとするガッツ。
失敗の中から学び、再度、挑戦しようとする気持ち。

そんな精神力、ガッツ、気の持ちようは、学習経験のある者しか持ち得ないと
いえば、読者は驚かれるかもしれません。
基本的な学習能力が備わらない動物は、失敗から学び、挫折を乗り越えること
はできません。

学習とは、論理の積み重ねです。
学習とは、事実をただ羅列して暗記するだけではありません。
物事を原理原則に基づいて整理する、推論する、結論づける。
「これとこれを合わせると、こうなる」という学習効果による自信・確信が、
決断を促します。

「失敗から学ぶ」ということは、動物にはなかなかできないものです。

ストーブに近づけば、やけどするとわかった犬は、ストーブには二度と近づか
ないでしょう。
しかし、人間は、ストーブでやけどをしても、やけどをしないための所作を学
びます。(悪いのはストーブではない。)

「学ぶということは、難関に挑戦する能力を磨く」ということなのです。

■ 中退する側の論理

世間では、長らく、学習は、偏差値の高い大学に行く手段でした。
よい大学に行き、一流企業に勤めれば、あとはエスカレータでした。

日本も変わりました。
バブル崩壊後の不況期に多感な時代をすごした世代は、その父親世代が、不況
でリストラされてしまったことを重く受け止めました。

「手段としての勉強などしても、意味がない」。
大人も、子どもも、自信がなくなってしまいました。

フリーターの増加は、バブル崩壊後の不景気と就職氷河期も関わっています。
また、学歴に対して意味を見出せない若者たちが、学ぶことをやめて、高校を
簡単に中退してしまう例が増加しました。
中退者の増加は、
「勉強しても仕方ない」、
「努力しても仕方ない」、
という厭世感がその背景になるのではないでしょうか。

手段として学習をとらえ、
「よい会社に入社して楽な人生を送る」という目的が達成できないから、
「勉強しても、しなくても同じ」というのが中退する側の論理です。
(同調できないまでも、理解はできます。)

■ ゆとり教育の履き違え

日本では、「ゆとり教育」が導入されました。
が、その結果、国語や算数といった主要科目の学習時間が削られました。

ゆとりの教育とは、算数の時間を削って遊ぶことではありません。

そうではなく、教員数を大幅に増加させることによって、1クラス10人、
15人といった少人数クラスを実現することが本来の意味での「ゆとり」です。
(異論噴出でしょうが、このことを今回議論するつもりはありません)

教員に数倍規模のゆとりを持たせ、まずは、教員が、余裕を取り戻し、精気を
取り戻し、自学していく。
自分を高めた教員が、思いやりをもって、生徒に接する。
「ゆとり」は、生徒にも、教員にも、必要なものでした。

■ 少人数クラス

少人数教育ならば、こんなことも可能です。
たとえば、遊び時間に、「砂場の砂の数はいくつあるのか」に興味を持った子
どもがいれば、考えさせる。
ひとつではない、幾通りもの解決策を思いつかせる行き届いた教育が可能にな
ります。

「砂場の砂数を推論する」のは、算数と理科の複合です。
そうしたテーマに取り組んだ子どもにとっても、その解答の数も、解答への道
筋さえも、砂の数ほどあります。

たとえば、砂数の推論には、「密度」、「比重」、「平均」、「分散」といっ
た概念が導入されるでしょう。
また、それらの概念を自分で気づかせることができます。
たとえば、1ミリグラムの砂に何個の砂粒があるのかを知ることで、「密度」
という新しい概念を生徒が自身で発見する。
そうなれば、その生徒は、「密度」という概念(そして発見時の感動)を一生、
忘れようと思っても忘れることはできません。

■ 三度手間

今、日本の教育の質が問われているのは、落ちこぼれが大量生まれ、彼らが、
高校生になって、分数を復習しなければならないことです。
そのような落ちこぼれを、一度、大量に出してしまえば、中学・高校教師がま
たまた分数を教えなおすという「教育プロセスの2度手間、3度手間」が発生
します。
工場の歩留まりや従業員の生産性を向上させなければ、企業は生き残れません。
同様に、学校においても、2度も3度も同じ手間をかけるぐらいであれば、
徹底的に落ちこぼれを撲滅する少人数および習熟度別のプロセスを導入すべき
なのです。

習熟度別かつ少人数の教育で、
勉強のやり方、
自学の仕方、
興味の持たせ方そのものを学ぶ制度が求められています。

出来合いのゲームやおもちゃでは、工夫は生まれません。
また、基礎学力の徹底も必要ですが、それだけでは、好奇心は育まれません。

■ いじめ根絶への切り札

いじめの問題が深刻です。
現場である学校や学校の教師の対応がいつも問題になります。
ひとりの教師が45人も40人もの生徒を一度に育てるというシステムでは、
限界があります。
学校の対応や教師の資質を責めて、いじめ問題を矮小化してはなりません。
一クラスで10人であれば、座学ではなく、ひとりひとりとの対話形式の授業
になります。
もちろん、クラス10人でも40人でも、いじめはなくならないでしょう。
生徒ひとりひとりにつぎ込まれる思いや時間が大きくなれば、いじめも沈静化
するはずです。
いじめっ子たちのストレスが少人数クラスでは、緩和されるはずだからです。

少人数クラスは、余裕です。余裕がやる気を導きます。
(=前回のコラムの示唆)

■ 変化した昔話

昔の絵本は、勧善懲悪が徹底していました。
悪者は、死ぬか、殺されるか、でした。
今は、悪玉と善玉が最後に仲良くなって「めでたし」となります。

昔は、鬼が悪さをしたら、ぶっ殺した。
今は、鬼が悪さをしたら、鬼が謝って、仲良しになって、めでたしです。

小学校の運動会も、徒競走に順位をつけないという有様です。

■ 甘えの構造 − 共通するバックボーン

1)偏差値が高い大学に行っても、リストラになる。
 だから、勉強しても仕方ない。(高校中退の論理)
2)反復練習は無意味。学ぶ意味や意義を教える。(ゆとり教育の論理)
3)悪者であっても、話し合えばわかる。最後は、仲良しになれる。(今の絵
 本の論理)

これらの共通する項は、「甘え」といえましょう。

まず、勉強は、権利であって、義務ではありません。
挑戦する心を磨くのが、学習です。
学習は、手段ではなく、それ自体が目的となりうるものです。

反復練習か、応用問題か、ではなく、反復も応用もどちらも重要です。
もっともっともっと、反復練習も応用練習も、必要であり、それらは圧倒的に
足りません。

■ 質量ともに圧倒的に足りない

たとえば、英語の学習においては、コミュニケーションが実務上できるレベル
は、TOEICなら満点ではないでしょうか。
700点、800点、900点は、あくまでも通過点で、満点をとることが、
実務家であれば求められます。
そのためには、学校教育で習うような1000語や2000語といった語彙で
は、到底、不十分です。
10倍の語彙力がなければ、役に立つレベルとはいえません。

しかし、他の日本人との比較において、「何点ぐらいとれば偏差値が65」と
いう低いレベルで落ち着いてしまう。

■ 本音だけでよい

絵本や徒競走においても、そこに、残酷さや冷徹さがあるから、それがゆえに、
暖かさや感動も生まれるのです。

建前と本音とを区別する必要はありません。
絵本や競争は、すべて、本音で描かれるべきです。

■ 二者択一の偽り

「AかBか」ではないのです。
「AもBも」重要であり、
Aが足りないのは、Bのせいではなく、
Bが足りないのも、Aのせいではないのです。

父親世代がリストラされたことは、たしかに、「偏差値が高い大学に行っても、
リストラされることはある」を意味します。

だからといって、「偏差値の高い大学に行っても仕方ない」を意味しません。
「偏差値が低ければ、たとえば、中退者ならば、真っ先にリストラされた」か
もしれません。
また、大学へ行くことは、就職の手段ではありません。
自分にとっての、生きる目的を見出す大切な期間です。
学校は、甘えと決別し、挑戦できるだけの知力を養うところです。

■ 「甘え」とプロフェッショナル

大きくなって、いまだに親を暮らしていたり、経済的な自立を目指そうとしな
いのは、「甘え」です。

世間から、認められないのも、技能を磨いてこなかった報いです。

●甘えは論理を不明確にします。

●甘えは善悪、真偽をあいまいにします。

プロフェッショナルの対極が甘えん坊です。
甘えん坊では、プロフェッショナルには、到底、なれません。

■ 甘える側の論理(甘えは動物の本能)

どうやら、今回のコラムの示唆は、
「やる気を阻害するの要因のひとつは「甘え」だ」
ということになりそうです。

甘えとは、何でしょうか?
甘えの定義は難しいのですが、

甘えとは、
「しない」、
「できない」、
「やらない」ことへの現状追認の態度とでもいいましょうか。

「よい大学へ行かなかったから、よいところへ就職ができなかった」
「先生の教え方が下手だったため、テストでよい点がとれなかった」
「お母さんが7時に起こしてくれなかったから、学校に遅刻した」
「塾に行かせてくれないから、成績が上がらない」
「お金がないから、あきらめた」
「ずるい」

甘えとは、
「〜がないから、しない」
「〜があれば、やるのに」
「〜のせいで、できない」という思考です。

「まず、自分。他人は後から」なのです。
「面倒くさいのはいや」。

甘えの底流にある哲学は、
「楽して成果をあげたい」、「楽なままの状態を維持したい」です。

現状を追認するのは、自分がかわいいからです。
甘えとは、生物の持つ生存本能です。

面倒くさい、なにもしない、ぐーたらな状態は、エネルギー状態でいえば、
「低」のレベルです。

水は高いところから低いところへ流れます。
エネルギー(生きるちから)も低いところで落ち着こうとします。
楽な状態を続けようとするのは、生物の属性でです。

年初から始まった、このコラムの教えは、
「楽して儲けようと思う投資家は貧乏になる」です。
(このコラムでは、一度、導いた結論を、必要であれば、何度でも何度でも繰
り返します)
(「信用取引をやめよう」のシリーズでも、当たり前でありきたりの示唆を繰
り返しました)

同様に、「楽して成果をあげたい」という人間は成果をあげることはできない、
ともいえます。

「楽して得したい」という本能(=敵)は、学習(教育)によって克服するし
かありません。

教育がなぜ重要であるか − 
むき出しの生存本能のまま、子どもが大きくなれば、たんなる大きな甘えん坊
(=低エネルギー、低モーチベーション)になってしまいます。教育は、甘え
ん坊を大人にできます。
甘えん坊にやる気を持たせることが教育の主旨ではないでしょうか。

■ 甘えてはいけない訳 − フリーターのA君へのメッセージ

先週のコラムを読んで、メールをくれたA君。
28才男性のフリーターです。
わが社で、「無給でよいから働く機会がほしい」との懇願のメールでした。
しかし、弱肉強食のヘッジファンド業界にいま、彼の実力で、入ったとしても、
わたしの足手まといになるだけです。
厳しいようですが、自分なりの努力をした後で、「出直して来い」と返信しま
した。
冷たいメールを送ったためでしょうか、わたし自身も気がめいりました。

フリーターのA君、君へのメッセージです。
(君を拒絶したわたしのメッセージを読んでくれるだろうか。)

さきほどのことです。
電車の中で、子どもが靴を履いたまま、座席に立って、車窓の外を見ていまし
た。
お母さんが隣で、そわそわしながら、注意していました。
「靴を脱ごうね。こわーいおじさん(=わたしのこと)に怒られちゃうよー」
と。
こんな的を射ない注意の仕方ってあるでしょうか(笑)。
物事の本質を知らない大人を見るとつかれます。

「なぜ勉強するのか」
「なぜ甘えてはならないのか」
この問いかけに、君なら、どう答えますか?

甘えてはならない理由とは、なにか。

たとえば君が、「楽して成果をあげた」としましょう。
努力もしないで、何の対価も払わずに、大きな成果をあげたとしましょう。

そこに、どんな充実感があるでしょうか。
どんな感動があるでしょうか。
どんな達成感があるでしょうか。

楽して成果をあげたとして、そこに感動がなければ、その成果に何の意味があ
るのでしょうか。

積み木を背の高さよりも高く積み上げた子どもは、喜び、その成果を回りに報
告します。
最初から積んである積み木に感動があるのか − ということなのです。

甘えるのは、楽です。
楽したいという気持ちは、自然です。
しかし、それでも、君には、甘えてほしくないのです。

甘えるな − なぜならば、
甘えれば、君は、真理から遠ざかってしまう。
甘えは、君を感動から遠ざける。
甘えは、君を本物からも遠ざけてしまうからです。

甘えていては、真の喜びを味わうことはできません。
甘えからは、感動も生まれません。

君が、
何の達成感もいらない、
何の充実感もいらない、
自分の人生に感動はいらないというなら、
今のまま、存分に、親に甘えてよいでしょう。
しかし、そうなれば、君の人生は、感動とは無縁になり、生涯、「本物だけが
持つすごさ」に、ふれることさえ、できなくなるでしょう。

■ 氷河期を経験した意味

君は、就職活動をした時期が、たまたま不況期にあたり、希望した会社に入れ
なかった。

「甘えるな」という精神論は、手厳しく、不合理に響くでしょう。
大学卒業のとき、小説家になりたくて、フリーターになったきっかけは、
そのきっかけは、今でも正しかった、とわたしは思う。
ただ、身体を壊してしまったり、
壁にぶつかって、
小説の勉強も、とうとう、やめてしまった。

28才になって、いま、いつ、どうやって、やりたいことを見出すか、を真剣
に懸命に考えているのだと思う。

確かに、就職氷河期を経験した分、他人にやさしくなれるでしょう。
氷河期にも意味があった。

「だれもがプロになる必要なんてない」と君は、思うかもしれません。
しかし、わたしは、そうは思いません。
人生をかけてもよいと思えることをなんとか見出して、それにかけてほしいの
です。
ひとつの分野にフォーカスをして、その分野の専門家になってほしいのです。

■プロフェッショナルとリーダーシップ

前向きさ、積極性、行動力といったリーダーの資質は、誰もにも最初から備わ
ってはいません。
リーダーシップとは、現実を変えたいという思いです。
また、みんなをよい結果に導きたいという態度です。

リーダーシップは、世の中を少しだけ動かすことができます。

だまされたと思って、行動してください。
まずは、小さなプロジェクトでよいでしょう。
お世話になった親をサプライズ旅行につれていく、でもよい。
自身が立案し、計画し、リーダーシップをとる、小さな一歩を踏み出してほし
い。

サークルや飲み友達とでもよいでしょう。
お別れ会、誕生日会、なんてよくないですか?
パーティを企画するのです。
場所、会費、びっくりの出し物、演出、ひとつひとつ、サブのリーダーを置い
て、お互いがリーダーとして、ひとつのイベントを催してほしい。

それらイベントをまずやってみて、その結果、少しだけでもいい、
人生の充実感があってくれればなあと思います。

■ リーダーシップをシェアリングする

君のメールの中には、
「友達もフリーターですし、フリーターの友達のことも、なんとかしなくては
と思っている」とあった。

仲間とリーダーシップをシェアしてみてはどうでしょうか。
いくつかのプロジェクト、案件は、それぞれがやりたいことを決める。
みんなが仲間となり、リーダーを手伝う。
誰もが、ひとつのプロジェクトでは主役になるのです。

まずは、小さなプロジェクトの主役から始めてはどうだろうか。

日本のフリーター全員が、リーダーシップを学ぶ必要はない?
わたしはそうは思いません。

この国の教育水準は、落ちたとはいえ、それでも、尚、世界最高水準です。
今後ますます、日本には、世界を導くリーダーとしての役割が世界から求めら
れています。

ベトナムでは、外資系に勤めても、1ヶ月で1万円の給料です。
君たち(フリーター諸君)は、1ヶ月で何万円ももらっています。

■リーダーシップとプロフェッショナリズム

リーダーシップとは、態度であり、君の思いひとつで、身に付くものです。
また、プロフェッショナルは、一瞬の態度ではなく、何十年と月日を積み重ね
て深めていく「過程」のことです。
一瞬の態度を積み重ねてプロへの過程をつくってほしい。
君がメールで書いたように、株式投資に興味があるのであれば、まず、資格を
とれ。
同時に、自分の頭で考えたレポートを月に1回、わたしに送ってみなさい。
3年間、毎月、忘れずに継続できるのであれば、君は、プロになれるだろう。

■ 時代の風となれ

世界では、何十億人という人たちが、文字が書けません。
文字が読める君たちは、情勢を分析する基盤があります。
文字が読めるために、自学もできます。

ベトナムと日本を比較するなんて、ずるいですか?
それにしては、君たちだって、随分といろいろな比較をしているじゃないです
か。
先週の君からのメールにあったような
「派遣と正社員との差」、「男女の差」、「就職氷河期とそうではない世代と
の差」。「親の世代との差」。

ちいさな日本の中で、近所のおばさんから批評され、近所の同級生と比較され、
君たちは、確かにかわいそうです。
(でも、君もわかっているように、それをいっても始まらないのです。)

「みんながリーダーである必要はない」、
「みんながプロフェッショナルになる必要はない」、
「企業の歯車も重要である」とわたしは思いません。
みんなに、プロフェッショナルになってほしい。
リーダーシップをもって、世界をリードしてもらいたい。
組織の歯車になんかなってほしくない。

日本人全員がリーダーになったって、世界が求めるリーダーの人材募集のキャ
パシティは埋まりません。
世界は大いなるリーダー不足なのです。

世界は、君たちを、前から、昔から、ずっとずっと必要としていたのです。
(数十億人が困っているのですから!)
君たちが気が付かなかっただけで。

数十万円で、学校で出来る、
数万円で、井戸が掘れる、
そんな世界が一方で、あります。
切実なニーズが数万円で実現できる場合だってあるのです。

資金力もプラニング力もあり、教育も十分に受けてきた君たちが、世界で大き
な仕事ができないはずはありません。

企業もグローバルです。
世界は、そもそも、なんといっても、グローバル。

日本の若者が、世界でどれだけ大きな仕事ができるか、については、この変な
おじさんが保証します。

本日、まず、小さな、一歩を踏み出してみたらどうだろうか。
これまでの甘えと決別し、世界のリーダーとしての一歩を。
甘えを捨て去った、リーダーとしての一歩は、現実を変える一歩です。
自分自身を変えるスーパーショットとなるのです。
遠くにある目指すべき目標(一流のプロフェッショナル)への第一歩です。

氷河期という貴重な体験をしてきた君たちは、きっと、時代の風になるでしょ
う。
そう、世界精神を体現する時代の風は、日本から吹く、とわたしは信じていま
す。

A君、こういったからといって、無理してベトナムへ行く必要はないよ(笑)。
(君は貧乏なのだから、日本にいながら、お金がなくてもできることから考え
よう)

■ まとめ

●やる気を阻害するのは甘えだ
●甘えは、生存本能であり自然な態度
●甘えは、論理や善悪や真偽を不明確にする
●甘えは、人間を真理や本物や感動から遠ざける
●甘えん坊はプロフェッショナルの対極
●リーダーシップを学べ − 小さなプロジェクトでよいから自分で企画立案
 し、実行せよ
●甘えと決別し、プロを目指せ
●日本の多くの若者がリーダーシップをとれば、日本は世界のリーダーになる
●個人のやる気が世界を変える
●楽して儲けたいという投資家は貧乏になる
●楽して成果をあげたとして、その成果になんの意味があろう
●楽して儲けても、大きな感動はない、充実感はない、達成感はない
●余裕のある職場と甘えない自己規律があれば、能力の差を越えて、プロにな
 れる

Enjoy Every Moment!
〜Slow Investment ゆっくり考え ゆったり投資 〜
山本 潤

■変わらぬメッセージ:長期の読者に感謝■

99年に始まった億の近道は、16000人程度の読者で成り立っています。
長期間購読を続けていただいた読者が多い、古い読者が多いことが特徴です。

このメルマガ(火曜日版)では、多くの株式投資メルマガにあるようなことは
行いません。
つまり以下のことはやりません。

●手っ取り早い情報(証券会社の格付けの変更など)
●何を買うべきか
●投資指南
●お勧め銘柄
●マーケットをどうみているか

わたしたちは「タダなのにすごいことが書いてある」メルマガを志向しません。
また、編集に時間をかけることもできません。

わたしたちが伝えたいことは、

●日本が欧米に並ぶ金融大国になるために日本人がもっと学ぶべきこと
●若い世代がワーキングプアにならないためにすべきこと
●株式市場は手っ取り早く儲けようとする投資家を貧乏にするという教え
●株式市場はゆっくり考え賢明に投資するものに富をもたらすという教え
などです。

いわば投資の実務家としての哲学や歴史観・人生観です。

わたしたちが目指すのは、「ファンダメンタル分析」宗教の普及です。

Enjoy Every Moment!
by 山本 潤 (やまもと じゅん)


<著者紹介>

億の近道に2000年3月に執筆を開始。
およそ7年間 毎週執筆してきました。
継続は力です!
昨年、念願の独立を果たす。
日本株ロングショートのヘッジファンドマネージャー。

(職歴)
1990−1997年
 和光証券国際本部
(1990−1992年日本興業銀行外国為替部および国際資金部へ出向)
1997年−2005年
 米系投資顧問クレイ フィンレイ インク ポートフォーリオマネージャー。
2006年1月より独立起業。
 エイム インベストメントでファンドマネージャー。
(学歴)
コロンビア大学院 電気工学科 工学修士。
(六本木裏通りの人生大学 夜間部卒。専攻は夜間泥酔行動経済学)
(主な著書)
 「インベストメント―米系バイサイド・アナリストの投資哲学と投資技法」
 (2001年イーフロンティア)
 「投資家から「自立する」投資家へ」(2003年パンローリング)
 「マンガ ファンダメンタルズ分析 入門の入門」
 (2004年パンローリング)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「連載 ファンダメンタルズ分析入門第3部(8)」

■■業績予想 取材その6■■

◇◇◇新規需要

需要は、買い替え需要だけではありません。
普及率の上昇による新規の需要増加が見込まれる分野もあります。
様々なケースがありますが、たとえば、普及率が20%のものが将来50%と
なり、その後は50%で成熟するというケースを考えて見ましょう。


1)対象の人数(人口や世帯数)
2)現在の普及率 と
3)将来の普及率の予想 と
4)その普及率にいたるまでの普及期間
とを予測します。

C国では今後5年間でテレビ普及率が20%から50%まで上昇することが予
想されているとします。
C国の世帯数を200万世帯とします。

年間需要=200万世帯×(50%−20%)/普及期間
      =60万/5
      =12万台
となります。

普及期間の見通しが変わることが往々にあります。
5年で普及するだろうと見ていたのに、様々な要因で10年かかるかもしれま
せん。
そうなれば、需要は半減し、業界は大混乱となります。

普及率の想定や普及期間の推定は誰が想定しても難しいものです。

普及期間や普及率に影響を与える最大のものは、価格です。
普及が進んでいくと見られているものは、あれば便利で快適なものが多いので
す。しかし、ネックは価格です。
また、インフラが整わなければ普及は進みません。
テレビの場合なら、電気が普及していること、また放送があること、電波が届
くこと、いろいろな要素があるでしょう。

:::ガイドライン:::

新規需要は普及率や普及期間や価格の設定をすれば予想できる。


◇◇◇需要の予測

買い替え需要や新規需要を正確に分けることはなかなかできません。
テレビを始めて買う若い夫婦は新規需要ということになるでしょう。
テレビを買い換える老夫婦は買い替え需要である場合が多いでしょう。
しかし、市場では、どれだけテレビが売れたかはわかりますが、それが買い替
えか新規かということはわかりません。企業は、今年は800万台売れたが、
来年はどうだろう? ということを考えるわけです。

需要を予測するもっとも簡単な方法は、実績の成長率を用いることです。
たとえば、「今年はテレビが昨年よりも10%多く売れた」としましょう。
すると、成長率は10%です。「当面、10%ぐらいで成長するのかな」と考
えるわけです。

最近、テレビは年率10%で売れているのだから、将来も年率10%で売れる
だろうと予測する方法もあるのです。

【Q】
買い替えサイクルを3年とします。
ある国の世帯数を1600万世帯として、将来の普及率を50%とします。
普及期間は5年とします。

普及率の推移を想定します。

年数  1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
普及率 10% 20% 30% 40% 50%

5年目に普及率50%ということですから、毎年均等に普及率が上がる前提で
あれば、毎年10%普及率が上がると想定します。

毎年の新規需要= 想定普及率/普及期間 × 対象人口(対象世帯)

新規需要は1600万世帯の10%にあたる160万/年となります。

一方で、買い替え需要はどうでしょうか。
3年間の買い替えサイクルです。
1年目の160万台が4年目に買い替えとなります。
2年目の160万台は5年目に買い替えとなります。


年数     1年目   2年目   3年目   4年目   5年目
普及率     10%   20%   30%   40%   50%
新規需要  160万台 160万台 160万台 160万台 160万台
買い替え需要   −     −     −  160万台 160万台
総需要   160万台 160万台 160万台 320万台 320万台
需要成長率    −     0%    0%  100%    0%

6年目以降は、普及率50%の上限があるため、新規需要はゼロになります。
6年目は買い替え需要が160万台で新規需要ゼロで総需要は160万台と激
減します。

株式投資の鉄則は、変化に着目することです。4年目に新規需要と買い替え需
要とで急成長するときに対象製品を販売している会社の株価は上昇するでしょ
う。しかし、5年目以降、新規需要がなくなるため、総需要は激減します。需
要が減れば対象製品を販売している会社の株価は下がるでしょう。


応用として、製品寿命に幅を持たせる予想方法があります。
ある製品の更新サイクルを5年としたとき、 均等に4年から6年の3年間で
33%ずつの更新需要が発生すると想定したりするのです。
あるいは3年から7年の5年間で20%ずつ更新需要が発生すると想定するこ
ともあるでしょう。
前提はいくらでも置けます。


:::ガイドライン:::

製品寿命を推定できれば過去の製品の売れ行きを調べて、将来予想の参考とす
ること。

例:「30年前に住宅投資が高水準であれば、更新需要が、いまから期待でき
 るかもしれない」。

Enjoy Every Moment! 山本 潤

(この連載は2005年12月時点で執筆されたものです。情報提供を目的に
 しており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任
 と判断で願います。)

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◆コラム「連載:株式投資で人生を変える(40)」

 うつで苦しんでいる時、感覚的に苦しかったのが「もはや取り返しがつかな
い、過去はもう変えることが不可能だ」という思いだったように記憶していま
す。

 斉藤一人さんの本で「過去は変えることができる」それは「過去に対する評
価を変えることだ」と教えていただいたことがありました。

 そのときは、すんなりとは納得できませんでした。でも株式投資を実践して
いるうちに、「あ、過去の評価が変わるというのは、当たり前のことなんだ」
と体感することが出来ました。

 デイトレードでは、なかなか体感できないかもしれませんが、中長期投資を
やっていると「過去の評価は変わる」ということを日常的に体験することにな
ります。過去はいつも毎日のように変わってしまいます。

 たとえ話をしますね^^。1600円で買った住友金属鉱山が1400円に
下がった時、私は損切りしてしまいました。これだと1600円で買ったこと
は間違えだったということになります。そして1400円で売った株が130
0円に更に下がれば、1400円で売った行為、損切りは正しかったことにな
ります。これは住友金属鉱山の株価が1300円のときの過去の評価です。

 でも住友鉱山の株価が、そこから反転し将来=未来で1500円になったと
すると、1600円で買ったのは間違いだった。1400円で売ったのも間違
いだったというように、過去の評価は変わります。さらに住友金属鉱山の株価
が1800円になったとしましょう。すると1600円で買ったのは正しかっ
たという評価になり、1400円で売ったのは大失敗というように過去の評価
は未来の現実によって、たえず変化していってしまいます。

 人生は生きている限り、株式投資のように、途中でもうやめたということが
できないものです。デイトレードではなくて長期投資のようなものです。もち
ろん最近頻繁にニュースに出てくる、家族間の殺人のように取り返しのつかな
いこともありますが、日常的なほとんどの出来事は、将来=未来の出来事によ
って、常に評価が変わっていくものがほとんどなのではないかと感じます。
「人間万事塞翁が馬」ということわざは、このことを教えてくれているのだと
思います。

 最近は哲学に逃げ込んでおります。心の安定を取り戻すために^^;。内田
樹先生からも「過去は取り返しのつくもの。なぜなら新しい経験をしただけで、
過去の意味なんて一気に全部変わる。過去は可変的であり、未来は未知である」
「過去についても、未来についても、確定的なことは何も言えないというのが
時間の中を生きる人間の健全な姿でしょう」ということを教えていただきまし
た。

 人生は長いので、ひとつひとつの出来事の評価が変わるためには時間がかか
ることが多いです。ところが株式投資では、毎日のように株価が変わっていく
ので「過去は可変的であり、未来は未知である」というのが日々いやというほ
ど体感させられます。こんなことからも「下手な人生論より実践する株式投資」
のほうが、人生には役に立つように感じるこの頃です^^;


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「連載:技術を評価できる個人投資家の養成講座season3(46)」

(46)マイクロSDカード(2)

今回は、マイクロSDカードについて、株式投資をする際に重要な市場規模を
中心にお話をしていきたいと思います。

早速ですが、市場規模はどれぐらいでしょうか?

マイクロSDカード一枚の単価を約900円とすると月100万枚で9億円の
売り上げ、年間108億円の売り上げ、月500万枚で、月商45億円、年間
540億円の売り上げです。

これに、付随するかたちで、マイクロSDコネクタも必要です。こちらは、単
価を約70円とすると月100万個で7000万円の売り上げ、年間8億4千
万円の売り上げ、月500万個で3億5000万円の売り上げ、年間42億円
の売り上げとなります。

マイクロSDカードとコネクタで年間500億円の市場規模です。

また、i−PODなどに搭載されているHDDの市場規模を見積もってみまし
ょう。単価を約1万円とすると、月100万個で月100億円の売り上げ、年
間1200億円の売り上げ、月500万個の売り上げで月500億円、年間7
000億円の売り上げとなります。

HDDの市場規模の方が大きいので、投資する際の判断として、売り上げによ
る株価へのインパクトも当然大きくなります。

では、株式投資をする上で重要な、今後の展開を予想してみましょう。

メモリというくくりで、マイクロSD、HDDやNANDメモリが今後どのよ
うになるか、考えて見ましょう。

どれか、ひとつに集約されていくのでしょうか。

取り外し可能なメモリと機器内部に固定のメモリという視点でみていくと…。

マイクロSDは取り外しという利点でずっと技術としては残っていくでしょう。

では、機器内部に固定されるHDDとNANDメモリは、どうなるのでしょう
か。

小型化というキーワードで考えていくと、乱暴に言ってしまえば、HDDの構
造はCDと同じ様に、記憶されたディスクがグルグルと回っていますので、こ
の機械的構造がある分、小型化に対しては、NANDメモリより不利となり、
NANDメモリに集約していくと考えるのが妥当かもしれません。

携帯電話の小型化を考える際には、HDDは機械構造があるため、小型化は難
しいでしょう。小型化に特化する携帯電話ではなく、PDAやパソコンに近い
携帯電話には、記憶容量という点でHDDはなじみやすいでしょう。

HDDの動向はフォローしていく必要があるでしょう。

彼岸
技術のわかる個人投資家への道
Road to Investor with Technology Sense

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)

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■「山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD」
 発売!!■

「NPOイノベーターズ・フォーラム 公認日本株アナリスト 認定講座」
共催:エンジュク 協力:ダイヤモンド経営分析チーム

 2005年4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタ
ルズ分析に必要な内容を新たに撮り下ろした映像を全て収録した4枚組DVD
です。

◆ファンダメンタルズ分析の決定版。
 いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
います。受講出来なかった方や反復学習したい方には最適な内容です。

◆充実したボリューム
 価格は48,000円とやや高額ですが、4月のセミナー(受講料38,0
00円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約450分の
充実した内容となっています。

詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm

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■億近執筆陣の本 好評発売中!■

石川臨太郎
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山本 潤
▲投資家から「自立する」投資家へ▲
パンローリング ISBN4-7759-9008 4800円+税 426ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990346

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決算説明会報告

■今年からスタートしたエスクロー信託事業の成長で注目される山田サービサー(4351)
 時価:1465円
 時価総額:63億円
 今期予想経常利益:7.5億円

 昨年11月の安値728円から本日の高値1470円まで約3ヶ月で2倍以上に株価が上昇。新興市場の復活を告げるようなシンボリックな値動きを感じるのは私だけではないだろう。

 2月22日に開催された決算説明会は同社株の動きを裏付ける示唆に富む内容だった。
 前期は12月に予定していた大口の不動産取引(4億円の見込み)が不成立となって業績が下方修正され、株価もこれに影響されて下落した。サービサー業務も競争激化で選別受注を進めたために買取が減少してしまった。同社は前期中にビジネスポートフォリオの再構築に向け布石を打った。これまでは単純な再生案件に取り組んできたが、そうした単純な再生作業では取り組みが困難となってきたことに対応して新たに取り扱い業務を拡大し、パッケージでサービスを提供する戦略に転換してきたのだ。その結果として再生案件の対象が拡大。
1)ブリッジファイナンス
2)再生債務者の保有不動産買取
3)リースバック
4)エクイティ投資
といった新たなサービスを提供しストック型のビジネスへと転換をしはじめた。

 こうした兼業免許の取得によって前期末の受注残は約23億円となり、2月22日現在では新規に約20億円を受注。受注残40億円に対して年10%の収益獲得を目指す。この分野では安定した収益が3年程度にわたり得られる仕組みとなっており、収益の安定性が増すことになる見込み。
 また、おまけに日本エスクロー信託の登録が完了し、高度化、複雑化する不動産取引やM&A案件の取引の安全性確保のためのサービスとして今後急速な事業拡大が見込まれる。

 同社ではすでに全国50の司法書士事務所と代理店契約も交わしており、近い将来においては船井財産などと組んで遺言信託事業にも乗り出す考えである。
 米国では一般化されているエスクローの仕組みが日本でもいよいよ本格的に登場し、取引の利便性が高まる時代となるが、同社はその業務を営む唯一の上場企業として今後大いに注目を集めるに違いない。

 今期の業績については売上高24億円、経常利益7.5億円、EPS103円という計画を期初段階では公表したが、兼業スキームが貢献して2005年12月期の業績売上高25億97百万円、経常利益10億12百万円をクリアする可能性も秘めている。なお、エスクロー信託業務の売上高は今期1億円程度。まだ営業赤字の見通しであるが単月黒字化に向け努力中。来期は売上の拡大ピッチが早まり黒字化が見込まれる。

 また、新会社「山田知財再生」を設立。知的財産権の活用を特許事務所等との連携のもとに事業再生に組み込む計画で事業開始を行うことも評価できる。
(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

株主優待制度を研究しよう!!(その4)

■大勢上昇トレンドの中のミニ調整銘柄の中から株主優待銘柄を探そう

 先日、読者の方から株主優待制度を実施している銘柄でこんな銘柄がありますよと情報を頂いた。普段なかなか具体的な株主優待制度を体験できない私にとっては貴重なご意見と参考にさせて頂いた。

 株主優待制度は個人が喜ぶものであれば長期的に見れば株価を下支えしてくれることになる。いくら赤字となってもバランスシートが良くて個人投資家に訴求する株主優待制度を実施している会社の株価は堅調に推移するという仮説を基に有望銘柄を探すことにした。

 今回は結婚を準備中の女性に贈る株主優待アラカルト。

1.イマージュ(9947)
 時価:482円 時価総額:70億円
 20代女性を照準においた通販会社。2月期決算は間もなく終了。2月期決算の赤字が伝えられて11月に322円という安値まで売り込まれて、その後10円配当と株主優待制度で「ライスフォース」というコメで作られた化粧品(8000円相当)やカタログ掲載商品の10%割引きといった優待がついているということもあって、2月上旬に608円という高値まで戻った。ここまでは某有名雑誌1月号を見た方が作った相場。その後直近安値465円まで反落の動きだが、次回優待は8月。投資タイミングは2月期決算の発表後となるか・・・。昨年11月をボトムとした上昇トレンドが続くなら、ここから更に
調整は投資のチャンスタイミングとなるだろう。先日のメルマガ購読者Aさんからヒントを頂いて只今更に研究中。100株、48000円余りの投資で8000円相当の化粧品がもらえるなんて・・・。うそみたい、と思われるかも知れませんが、現状はそうしたチャンスがあります。

2.ワタベウェディング(4696)
 ・時価:1875円 時価総額:185億円
 海外で挙式を挙げようという方にサービスする会社。華やかな結婚式を思い出に残るものにしたいとお考えの皆さんにとっては同社株を100株だけ持てば国内外の挙式披露宴の5万円割引優待券がついてくるほか自社のドレス、タキシード割引券各1枚、貸衣装30%割引券2枚と充実。スタジオフォトプラン「花嫁物語」2万円割引優待券、国内外の旅行割引券など至れりつくせりの優待が受けられます。株価は昨年11月のボトム1600円からジリ高歩調。

3.ノリタケ(5331)
 時価:617円 時価総額:978億円
 世界的陶磁器メーカー、森村グループの中核企業がまだ時価総額1000億円以下に放置されている。経常利益が100億円の予想だから仕方がないのだろう。個人投資家は株価が上がらなくてもこの株価水準では株主優待制度を楽しんで気長に待つこと。2006年前半の800円台の高値から調整が続いてきたがようやく下げ止まりの傾向が見られるようになってきた。陶器の25%割引が1000株持てば受けられる。新居の陶磁器購入など計画されているならお奨めです。
(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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