技術を評価できる個人投資家の養成講座season3(31)

(31)ちょっと一休み(ソフトバンクの現状)

 今回は、ちょっと一休みということで、ナンバーポータビリティ(携帯番号持ち運び制度)導入前後のソフトバンクの動きを簡単にまとめて見たいと思います。

 ドコモ、au、ソフトバンクのどのキャリアを選んでも、自分の携帯電話番号は変えなくてもよいサービス、いわゆるナンバーポータビリティ(携帯電話番号持ち運び制度)が導入される直前に、ソフトバンクは、自社同志の通話、メールを定額制にするサービスを発表しました。

 一部の時間帯に制限がありますが、一定料金を払えば、通話、メールの使い放題というサービスであるため、サービス切り替えのユーザーが殺到し、切り替え業務がパンクするという事態が発生したと報道されています。

ソフトバンクは、似たような戦略をとっていたのではないでしょうか。
ソフトバンクというよりは、孫社長と言い換えた方が良いかもしれません。

まずは、ヤフーBBのことを思い出してください。インターネットへの接続会社であるヤフーBBは、当時、インターネット接続用のターミナルアダプタを無料配布しシェアを拡大しました。

これは、シェア拡大し、ターミナルアダプタ等の初期投資はシェア拡大後にユーザーから回収するという考え方です。今回は、携帯電話の端末を無料配布までは行っていませんが、利息なしの分割払いとしてユーザーの負担を軽くしています。

基本的には、シェア拡大後の資金回収の考え方はかわっていないと言ってよいでしょう。

もう少し、広い視点で考えてみましょう。

インターネット事業、情報起業の世界では、ホームページへのアクセス数の増加が売上の増加となります。パソコンでアクセスするユーザーは、色々な選択が出来ますので、いかに自分のホームページにアクセスさせるかが、インターネット事業成功のカギとなります。

ヤフーJapanは、インターネットの世界では、怪物ともいえるホームページであらゆるマーケット手法を駆使しています。逆を言えば、これ以上ユーザーアクセスが難しいということにもなります。

では、どうすればよいでしょうか?

パソコンからのアクセスでは、これ以上急激なアクセス数が望めないとしたら?

携帯電話経由のアクセスはどうでしょうか。

携帯電話経由でのホームページへのアクセスを獲得することによって、パソコンをもっていないマーケット、また、パソコンをもっていても、携帯電話しか使えない時間帯のマーケットが手に入るのです。

このように、ヤフーJapanのホームページを運営しているインターネット事業、情報企業という視点で、ソフトバンクモバイルの動きを考えると、次の一手が見えるかもしれません。

彼岸
技術のわかる個人投資家への道
Road to Investor with Technology Sense

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


株式投資で人生を変える(24)

 どうやって生きていくのが幸せかを、いろいろ考えることが多くなりました。相変わらず株価の変動に一喜一憂する毎日が続いています。しかし年金をもらえる歳になるまでは投資収益に生活費を依存しているので、これが現在の本業になります。先週書いたジェイコブ長者さんみたいに資産をたくさん持っていればいいですが、私の資産規模では豊かに遊んで暮らすわけにはいきません。これも自分で選んだ道ですから、きちんと全うしていきたいと思っています。

 サラリーマンを辞めると肩書きがなくて寂しいく空しいという人が多いようです。私も奥さんから、いろいろな申込書などを書くときに、『夫の職業欄をどう書いたらいいかわからないので困る』と苦情を言われたことがあります。無職と書くのもなんか嫌だし、投資家と書くのも、何かやだ。そうだ、これもおこがましいけれど『著述業』としようということにしました^^;。または『不動産賃貸業』。

 知人の会社に電話をするときも、公的な機関に電話する時は、『石川ですが、○○さんをお願いします』で通じることが多いのですが、民間の企業の場合は『どちらの石川さまですか』と所属を尋ねられることが多いのが、ちょっと面倒で、嫌ですね。でもサラリーマン時代、たいした肩書きを持っていなかったので、肩書きがないから寂しいとか、困ったということはありません。いまは資本金1円で会社を作り、誰でも社長になれる時代です。勝手に会を作って会長に収まってしまうことも出来ます。私も『現代の錬金術師協会』というのを作って会長に就任しています^^;。これならお金はかかりません。でもいくら図太い私でも、さすがに『現代の錬金術師協会』の石川ですというのは、とっても恥ずかしいです。だからもっと穏やかな会を作って会長になってしまうのもいいかもしれませんね。

 それ以外に肩書きがなくなって、嫌だとか、寂しいとか感じたことはないので、皆さんもサラリーマンを卒業したら、直ぐになれると思います。

 ちょっと余談が長くなりすぎました。最近はどう生きることが自分にとって幸せかを考えることが多くなるというお話をしようと思っていたのでした^^;

 そのために、いろいろな本を読んでいるので、たくさんの学びを得ているのですが、そんな本ばかり読んでいると流石に疲れるので、ときどき大好きなマンガも読んでいます。50歳をすぎてもマンガから卒業できないのは、子供のころ両親からマンガを読むことを禁じられていて、思う存分読めなかったからのような気がします。でもマンガも侮れません。子供向けのマンガでもビジネス書以上に学べることが多いのです。

 特にスタジオジブリの宮崎駿氏の作品には学ぶことが多いです。そして生きる上でのヒントをたくさんもらえます。みなさんは『千と千尋の神隠し』をご覧になりましたでしょうか。見ていないならぜひご覧になることをお薦めしたいと思います。

 この作品の中に双子の『湯婆婆(ユバーバ)』と『銭婆(ゼニーバ)』という魔女が出てきます。最初に見た時は湯婆婆のほうがお金にセコくて高級な絨毯がしかれ、金銀財宝や調度品に囲まれたバロック風の装飾過剰な『油屋』の豪華な部屋に住んでいます。それに反し双子の姉の銭婆の家のほうが板の間で、なんの装飾もない質素な、しかし温かそうな家でした。

 後で、銭湯である湯婆婆が経営する風呂屋の『油屋』が舞台になるので、その銭湯の経営者なので湯婆婆(ユバーバ)と呼んでいるのだと分かりました。その双子の姉なので銭婆。つまり銭湯から2人の名前をつけたのでお姉さんが銭婆になったと納得。しかし銭婆というもののお金に執着はありません。この2人はものを持つことに執着する人と、ものを持つことに執着しない人の生き方を、それぞれ象徴しているように感じます。

 そして銭婆が主人公の千(=千尋)とのお別れにさいして「魔法で作ったんじゃ何にもならないからね」といって千とともにたずねてきた坊ネズミ、カオナシ、ハエドリとともに糸をつむいで作った小さな髪どめの輪を「お守り」としてくれます。

 世の中にはモノを溢れるほど持っていながら、お金を溢れるほど、使い切れないほど持っていても、もっともっと欲しいと欲をかきまくる人もいます。いつもか儲かる株を探せる魔法の手法を探す旅を続けている人も多いように感じます。そんな人に銭婆の「魔法で作ったんじゃ何にもならないからね」という言葉を贈りたいと思います。

 来週はカオナシから学んだことをお話しようと思います。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

ファンダメンタルズ分析入門第2部(37)

■■■セグメント情報の分析 その4■■■

★ケーススタディ 日立製作所の場合

信越化学のセグメント情報

●電力・産業システム  14年〜17年累計
売上高         9,377,242
営業費用        9,161,391
営業損益          215,851
減価償却費         315,488
資本的支出         374,260

●デジタルメディア・民生機器 14年〜17年累計
売上高         4,883,552
営業費用        4,876,378
営業利益          7,174
減価償却費         169,814
資本的支出         157,284

●高機能材料      14年〜17年累計
売上高         5,300,195
営業費用        5,169,637
営業利益          130,558
減価償却費         298,637
資本的支出         296,585


日立の主要な3つのセグメントを並べてみました。
資本的支出の項目を見て、まず、目に付くのがメリハリのなさです。
ほとんど毎年、国家予算のように変動がありません。
信越化学のように、年によっては倍の投資をするセグメントはありません。

電力・産業システムの4年間の累計の営業利益は2158億円です。
しかし、投資額はそれを大きく上回る3740億円です。

セグメントのフリーキャッシュフロー
 =税引き後の営業利益{2158億円×(1−税率0.4)
 =1295億円}+減価償却累計3155億円−投資3743億円
 =707億円の黒字です。

4年間で3743億円をこのセグメントに投資をして、どれだけ売上が増加したかをチェックします。
17年3月期の売上(2,515,366)から14年3月期の売上(2,266,895)を引きます。266億円しか増えていません。
売上増加分266億円に対して、投資は3743億円。
装置産業といわれる信越化学が1.1倍以上だったことを考えると、この数値では投資家は満足できません。
266億円の売上の増加のために、3000億円以上をつぎ込んでいるからです。

*A)4年累計売上9兆3772億円/4年間累計の投資額3743億円
 =25倍
*B)営業利益率=2158億円/9兆3772億円
 =2.3%
*C)投資効率=A)×B)=57%

このセグメントの問題点は、明らかに営業利益率にあります。
営業利益率を高める努力をすれば、投資効率は100%を超えることができるでしょう。

日立は、グループ会社の連合体であり、各事業部門がそれぞれ独立性があるようです。そのため、メリハリのある戦略的な投資が難しい面があるのではないかと推定できます。
しかし、結果としては、選択と集中という経営手腕のかけらも見られないのは残念なことです。強い事業を創出しようという気概がないため、毎年、同じような予算を消化している印象を与えてしまっています。

フリーキャッシュフローは、主要3事業とも、水準は低いものの、プラスです。
日立は、フリーキャッシュフローを意識していることがわかります。
健全な経営といえるでしょう。


(山本潤)

(この連載は2005年12月時点で執筆されたものです。情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

億の近道2006/10/31


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
投資情報メールマガジン                   2006/10/31
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。火曜日版は証券・金融業界に身を置い
ている人間に加え、個人投資家も執筆に加わっています。各種分析や銘柄を参
考にして、「億」の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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             −本日の目次−
       (本日の担当:山本潤&石川臨太郎&彼岸先生)

 ◆コラム「連載 ファンダメンタルズ分析入門第2部(37)」:山本潤
 ◆コラム「連載 株式投資で人生を変える(24)」:石川 臨太郎
 ◆コラム「連載 技術のわかる個人投資家season3(31)」:彼岸

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◆コラム「連載 ファンダメンタルズ分析入門第2部(37)」:山本潤

■■■セグメント情報の分析 その4■■■

★ケーススタディ 日立製作所の場合

信越化学のセグメント情報

●電力・産業システム  14年〜17年累計
売上高         9,377,242
営業費用        9,161,391
営業損益          215,851
減価償却費         315,488
資本的支出         374,260

●デジタルメディア・民生機器 14年〜17年累計
売上高         4,883,552
営業費用        4,876,378
営業利益          7,174
減価償却費         169,814
資本的支出         157,284

●高機能材料      14年〜17年累計
売上高         5,300,195
営業費用        5,169,637
営業利益          130,558
減価償却費         298,637
資本的支出         296,585


日立の主要な3つのセグメントを並べてみました。
資本的支出の項目を見て、まず、目に付くのがメリハリのなさです。
ほとんど毎年、国家予算のように変動がありません。
信越化学のように、年によっては倍の投資をするセグメントはありません。

電力・産業システムの4年間の累計の営業利益は2158億円です。
しかし、投資額はそれを大きく上回る3740億円です。

セグメントのフリーキャッシュフロー
 =税引き後の営業利益{2158億円×(1−税率0.4)
 =1295億円}+減価償却累計3155億円−投資3743億円
 =707億円の黒字です。

4年間で3743億円をこのセグメントに投資をして、どれだけ売上が増加し
たかをチェックします。
17年3月期の売上(2,515,366)から14年3月期の売上(2,2
66,895)を引きます。266億円しか増えていません。
売上増加分266億円に対して、投資は3743億円。
装置産業といわれる信越化学が1.1倍以上だったことを考えると、この数値
では投資家は満足できません。
266億円の売上の増加のために、3000億円以上をつぎ込んでいるからで
す。

*A)4年累計売上9兆3772億円/4年間累計の投資額3743億円
 =25倍
*B)営業利益率=2158億円/9兆3772億円
 =2.3%
*C)投資効率=A)×B)=57%

このセグメントの問題点は、明らかに営業利益率にあります。
営業利益率を高める努力をすれば、投資効率は100%を超えることができる
でしょう。

日立は、グループ会社の連合体であり、各事業部門がそれぞれ独立性があるよ
うです。そのため、メリハリのある戦略的な投資が難しい面があるのではない
かと推定できます。
しかし、結果としては、選択と集中という経営手腕のかけらも見られないのは
残念なことです。強い事業を創出しようという気概がないため、毎年、同じよ
うな予算を消化している印象を与えてしまっています。

フリーキャッシュフローは、主要3事業とも、水準は低いものの、プラスです。
日立は、フリーキャッシュフローを意識していることがわかります。
健全な経営といえるでしょう。


(山本潤)

(この連載は2005年12月時点で執筆されたものです。情報提供を目的に
 しており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任
 と判断で願います。)

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◆コラム「連載:株式投資で人生を変える(24)」

 どうやって生きていくのが幸せかを、いろいろ考えることが多くなりました。
相変わらず株価の変動に一喜一憂する毎日が続いています。しかし年金をもら
える歳になるまでは投資収益に生活費を依存しているので、これが現在の本業
になります。先週書いたジェイコブ長者さんみたいに資産をたくさん持ってい
ればいいですが、私の資産規模では豊かに遊んで暮らすわけにはいきません。
これも自分で選んだ道ですから、きちんと全うしていきたいと思っています。

 サラリーマンを辞めると肩書きがなくて寂しいく空しいという人が多いよう
です。私も奥さんから、いろいろな申込書などを書くときに、『夫の職業欄を
どう書いたらいいかわからないので困る』と苦情を言われたことがあります。
無職と書くのもなんか嫌だし、投資家と書くのも、何かやだ。そうだ、これも
おこがましいけれど『著述業』としようということにしました^^;。または
『不動産賃貸業』。

 知人の会社に電話をするときも、公的な機関に電話する時は、『石川ですが、
○○さんをお願いします』で通じることが多いのですが、民間の企業の場合は
『どちらの石川さまですか』と所属を尋ねられることが多いのが、ちょっと面
倒で、嫌ですね。でもサラリーマン時代、たいした肩書きを持っていなかった
ので、肩書きがないから寂しいとか、困ったということはありません。いまは
資本金1円で会社を作り、誰でも社長になれる時代です。勝手に会を作って会
長に収まってしまうことも出来ます。私も『現代の錬金術師協会』というのを
作って会長に就任しています^^;。これならお金はかかりません。でもいく
ら図太い私でも、さすがに『現代の錬金術師協会』の石川ですというのは、と
っても恥ずかしいです。だからもっと穏やかな会を作って会長になってしまう
のもいいかもしれませんね。

 それ以外に肩書きがなくなって、嫌だとか、寂しいとか感じたことはないの
で、皆さんもサラリーマンを卒業したら、直ぐになれると思います。

 ちょっと余談が長くなりすぎました。最近はどう生きることが自分にとって
幸せかを考えることが多くなるというお話をしようと思っていたのでした^^;

 そのために、いろいろな本を読んでいるので、たくさんの学びを得ているの
ですが、そんな本ばかり読んでいると流石に疲れるので、ときどき大好きなマ
ンガも読んでいます。50歳をすぎてもマンガから卒業できないのは、子供の
ころ両親からマンガを読むことを禁じられていて、思う存分読めなかったから
のような気がします。でもマンガも侮れません。子供向けのマンガでもビジネ
ス書以上に学べることが多いのです。

 特にスタジオジブリの宮崎駿氏の作品には学ぶことが多いです。そして生き
る上でのヒントをたくさんもらえます。みなさんは『千と千尋の神隠し』をご
覧になりましたでしょうか。見ていないならぜひご覧になることをお薦めした
いと思います。

 この作品の中に双子の『湯婆婆(ユバーバ)』と『銭婆(ゼニーバ)』とい
う魔女が出てきます。最初に見た時は湯婆婆のほうがお金にセコくて高級な絨
毯がしかれ、金銀財宝や調度品に囲まれたバロック風の装飾過剰な『油屋』の
豪華な部屋に住んでいます。それに反し双子の姉の銭婆の家のほうが板の間で、
なんの装飾もない質素な、しかし温かそうな家でした。

 後で、銭湯である湯婆婆が経営する風呂屋の『油屋』が舞台になるので、そ
の銭湯の経営者なので湯婆婆(ユバーバ)と呼んでいるのだと分かりました。
その双子の姉なので銭婆。つまり銭湯から2人の名前をつけたのでお姉さんが
銭婆になったと納得。しかし銭婆というもののお金に執着はありません。この
2人はものを持つことに執着する人と、ものを持つことに執着しない人の生き
方を、それぞれ象徴しているように感じます。

 そして銭婆が主人公の千(=千尋)とのお別れにさいして「魔法で作ったん
じゃ何にもならないからね」といって千とともにたずねてきた坊ネズミ、カオ
ナシ、ハエドリとともに糸をつむいで作った小さな髪どめの輪を「お守り」と
してくれます。

 世の中にはモノを溢れるほど持っていながら、お金を溢れるほど、使い切れ
ないほど持っていても、もっともっと欲しいと欲をかきまくる人もいます。い
つもか儲かる株を探せる魔法の手法を探す旅を続けている人も多いように感じ
ます。そんな人に銭婆の「魔法で作ったんじゃ何にもならないからね」という
言葉を贈りたいと思います。

 来週はカオナシから学んだことをお話しようと思います。

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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◆コラム「連載:技術を評価できる個人投資家の養成講座season3(31)」

(31)ちょっと一休み(ソフトバンクの現状)

 今回は、ちょっと一休みということで、ナンバーポータビリティ(携帯番号
持ち運び制度)導入前後のソフトバンクの動きを簡単にまとめて見たいと思い
ます。

 ドコモ、au、ソフトバンクのどのキャリアを選んでも、自分の携帯電話番
号は変えなくてもよいサービス、いわゆるナンバーポータビリティ(携帯電話
番号持ち運び制度)が導入される直前に、ソフトバンクは、自社同志の通話、
メールを定額制にするサービスを発表しました。

 一部の時間帯に制限がありますが、一定料金を払えば、通話、メールの使い
放題というサービスであるため、サービス切り替えのユーザーが殺到し、切り
替え業務がパンクするという事態が発生したと報道されています。

ソフトバンクは、似たような戦略をとっていたのではないでしょうか。
ソフトバンクというよりは、孫社長と言い換えた方が良いかもしれません。

まずは、ヤフーBBのことを思い出してください。インターネットへの接続会
社であるヤフーBBは、当時、インターネット接続用のターミナルアダプタを
無料配布しシェアを拡大しました。

これは、シェア拡大し、ターミナルアダプタ等の初期投資はシェア拡大後にユ
ーザーから回収するという考え方です。今回は、携帯電話の端末を無料配布ま
では行っていませんが、利息なしの分割払いとしてユーザーの負担を軽くして
います。

基本的には、シェア拡大後の資金回収の考え方はかわっていないと言ってよい
でしょう。

もう少し、広い視点で考えてみましょう。

インターネット事業、情報起業の世界では、ホームページへのアクセス数の増
加が売上の増加となります。パソコンでアクセスするユーザーは、色々な選択
が出来ますので、いかに自分のホームページにアクセスさせるかが、インター
ネット事業成功のカギとなります。

ヤフーJapanは、インターネットの世界では、怪物ともいえるホームペー
ジであらゆるマーケット手法を駆使しています。逆を言えば、これ以上ユーザ
ーアクセスが難しいということにもなります。

では、どうすればよいでしょうか?

パソコンからのアクセスでは、これ以上急激なアクセス数が望めないとしたら?

携帯電話経由のアクセスはどうでしょうか。

携帯電話経由でのホームページへのアクセスを獲得することによって、パソコ
ンをもっていないマーケット、また、パソコンをもっていても、携帯電話しか
使えない時間帯のマーケットが手に入るのです。

このように、ヤフーJapanのホームページを運営しているインターネット
事業、情報企業という視点で、ソフトバンクモバイルの動きを考えると、次の
一手が見えるかもしれません。

彼岸
技術のわかる個人投資家への道
Road to Investor with Technology Sense

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)

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■「山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD」
 発売!!■

「NPOイノベーターズ・フォーラム 公認日本株アナリスト 認定講座」
共催:エンジュク 協力:ダイヤモンド経営分析チーム

 2005年4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタ
ルズ分析に必要な内容を新たに撮り下ろした映像を全て収録した4枚組DVD
です。

◆ファンダメンタルズ分析の決定版。
 いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
います。受講出来なかった方や反復学習したい方には最適な内容です。

◆充実したボリューム
 価格は48,000円とやや高額ですが、4月のセミナー(受講料38,0
00円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約450分の
充実した内容となっています。

詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm

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石川臨太郎
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パンローリング ISBN4-7759-9011 2800円+税 288ページ
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▼景気予測から始める株式投資入門▼
パンローリング ISBN4-7759-9007 3300円+税 231ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070

山本 潤
▲投資家から「自立する」投資家へ▲
パンローリング ISBN4-7759-9008 4800円+税 426ページ
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編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
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投資の王道(その42)

■アジア株ファンド・32.44%■

 昨年9月1日にスタートしたアジア株ファンドですが、おかげさまで、1年目の運用利回りは、30%を越える32.44%となりました。
 まず、ポートフォリオの過半数を占める中国株においては、エネルギー関連のペトロ・チャイナと中国海洋石油に銘柄を絞り込んだことが見事に成功し、(当初予想した原油高が現実のものとなったことから)、期待通りの価格上昇となりました。
 韓国株においては、当初太平洋化粧品(パシフィック)とノンシム(農心)を購入しました。太平洋化粧品は、本年6月末に、事実上の会社分割(パシフィックコープとアモーレパシフィック)をおこないましたが、その成長には陰りが無く、つい最近日本の有名百貨店の1階化粧品売り場にも直営店を構えました。また円安・ウォン高も運用にプラスに作用しています。
 もうひとつの韓国銘柄であるノンシムに関しては、予想に反し、10ヶ月を経過しても株価が低迷していたことから、購入価格とほぼ同水準で手仕舞い、ファンド全体の20%の範囲内で日本株を購入することにしました。2006年6月中旬〜7月中旬の日本株の水準は、優良・成長銘柄においては絶好の買い水準であったとの判断からです。
 購入銘柄は、CHINTAI、明光ネットワークス、ナカニシですが、特にナカニシは2ヶ月足らずの間に約50%価格が上昇し、全体の利回りアップにも貢献しました。
 2年目も運用基本的方針には、変わりがありませんが、米国景気の減速や中国の金融引き締めなどの波乱要因には充分注意していきます。しかしながら、2007年においては、米国景気減速によって、かえって金利が低めに推移する可能性があることなどから、小康状態が続く可能性が充分あります。
 むしろ、波乱はこのファンドの3年間のクローズ期限であり、かつ北京オリンピックの年である、2008年に起こるのではないかと思います。特に、固定資産投資の過熱と、金融機関の不良債権問題の解決の糸口の見えない、北京オリンピック後の中国経済が要注意です。

★なお、本アジア株ファンドの募集は、現在おこなっておりませんし、今後も行う予定はありませんので、ご容赦ください。


■気になる会社 その3−1■

 私の投資手法は、

1、会社四季報掲載の約4000社を自分自身で分析し、経営基盤が安定しこれからの成長が見込まれる400社から500社程度に絞り込む。
2、さらに、その中から、割安圏にある会社を100社程度に絞込む。
3、最終的100社程度の中から投資を行うのは、ベストタイミングで購入するチャンスのあった10社から20社程度である。

というものです。
 今回も、前述の400〜500社の中から100社を中心とした興味深い企業について解説していきます。

●<2814>佐藤食品工業(JASDAQ)
 1954年、(有)佐藤食品工業を設立し、白しょうゆを製造販売したのが同社の始まり。その後、天延風味の抽出・濃縮・粉末化において技術を磨き、天然調味料、茶エキス、及び粉末酒 の製造・販売を行う。1966年に世界で初めてアルコールの粉末化に成功し、1986年には茶エキスの本格的製造販売を開始。
 粉末化に独自技術を保有しているので、今後も利益率の高いビジネスを着実に継続できるものと思われる。愛知県小牧市に本社を置く。新潟県新潟市に本社を置き東証2部上場の、餅や米飯を製造する佐藤食品工業(上場名はサトウ食品工業)とはまったく別会社。

●<2815>アリアケジャパン
 1966年に、有明特殊水産販売株式会社として創立。一般に小売をしていないので、知名度は今ひとつだが、チキン・ポーク・ビーフを原料とする天然調味料のメーカーであり、畜産系天然調味料市場のシェア53.8%(2003年)を占めるトップ企業。同社売上高の99%は日本国内向けで、販売先を大きく分類すると、即席麺メーカー(21%)、食品加工業(40%)、外食産業(38%)となり、すべて業務用。国内の即席麺メーカーにはほとんど納入実績があり、同社の調味料がスープのベースとして使用されている。また、外食産業でも良く使用されており、有名ラーメン店などでも、自分の店のオリジナルスープに混ぜる形で同社や他社の天然調味料が使われるケースが極めて多い。
 同社独自の生産システムは、機密を守るために特許等による公開をしておらず、他社の追随は困難と考えられる。
 他の天然調味料事業を行っている企業は、抽出・配合・加工等の工程を個別に事業化しているが、同社は、その各工程を一貫生産体制にすることにより、工程の無駄を省き、確実な品質コントロールを行い、歩留まり向上によるコストダウンを実現。同社の九州工場は世界一の大型設備である。また、製品のバリエーションの豊富さとともに顧客ニーズに原料段階からの対応を可能にしている。

(OH)

(以下、次週に続く)

*ブログを始めました。「大原浩の金融・経済地動説」です。
宜しければ一度ご覧になって頂ければ幸いです。
http://www.actiblog.com/ohara/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

投資価値が高まる時

あきらめた時に好材料は発表される・・・

 本日は円高となって輸出関連銘柄中心に売られる展開で日経平均は久々に大幅調整の動き。こうした局面で皆様の投資成果はどう変化したでしょうか?

 私はいまさら主力銘柄には戻れない・・・。新興市場や中小型材料銘柄でいくよ・・・。そうした方々が多いのかどうかは知りませんが、主力銘柄が値を下げても余り心配せずに自らが投資されている銘柄に関心を示されているに違いありません。中間決算発表のシーズンを迎えこれまでと同様に新興市場の株価低迷が継続する中、むしろ投資価値は高まっていると考える方々が増加しているのは日本の証券市場の層が厚くなってきた証拠ではないだろうか。

 目先の株価下落にいらついてばかりでは、なんら成果は上がらない。

 本日私が有志を募って開催しました会合では本メルマガでも最近取り上げておきましたある上場企業の社長にお越し頂き事業の現状と将来について短い時間ながら熱く語って頂き、集まって頂いた投資家の方もそれを十分に理解されて買い増ししたいとのご意見を述べておられました。その会社もJASDAQ上場で株価は上場後の高値から大きく下落しており、これからの成長を勘案すれば投資価値があると判断されたものと推察できます。
 その会社は現状の株価水準が明らかに安いと思って上限1億円の自社株買いを実行されているところだが、まさにこの水準ではじっくり投資ができるのだから、しっかり投資価値を吟味して頂きながら成長を見守って頂きたいと思います。

 株価の位置が低い場合に好材料が飛び出すとインパクトが大きい。高い位置でいくら好材料が出てもインパクトは小さい。
 ですから、これからの新興市場銘柄は株価の位置が低いのですから多くの銘柄にチャンスが訪れると考えて頂きたいと思います。

 投資価値は株価の下落で配当が一定なら配当利回りがアップしていることになるし、業績が上方修正となるとPERも低下する。かつてあったPER10倍割れ銘柄もこれからの市場では起きてくるから割安銘柄に出会う機会も多くなってくる筈。このように前向きに考えて取り組むことが肝要です。
 市場にはびこる悪材料は、投資家にとっては値下がりすること自体なので、もはや値下がりする余地がなくなってくれば、それほど心配する必要はなくなります。

 残念賞とも言うべき株主優待制度の活用や低いとは言え多少の配当も個人株主にとっては魅力のあるところ。投資家は長らくの投資に見合ったリターンを得ようと頑張っているのだから、この際、多少の株価の上下に惑わされず高いリターンを上げて頂きたい。

 それには長期的な成長の見極めが必要となってきます。

 本日ミーティングさせて頂きました会社だけではなく新興市場には多くの熱意ある成長志向の企業が数多くあります。まだまだ規模が小さく流動性もないという欠点はありますが、個人が手塩にかけて育成するだけの価値はあるでしょう。

 ヘラクレス市場の三光ソフラン(1729・時価290円)や夢真ホールディングス(2362・時価256円)、メディカルシステムネットワーク(4350・時価13.2万円)などこれまで私が報告してきました企業にもようやく多少の明るい兆しが見えつつあります。株価が低迷しているからと言ってそれぞれの企業の経営者が手をこまねいて見ているということはありません。成長志向の企業が堅実に未来に向かって種を蒔いているなら株価もおのずとついてくると見て差し支えありません。株価自体の低迷にがっかりすることなく、好材料はあきらめた頃にやってくると信じてしっかりその企業を研究なさってみて下さい。成長の姿を感じていれば結果はリターンになってつながるということを結果的におわかりになれば、貴方は本当の意味で投資家となったと言えるのです。

 本日の会合に出席された投資家の皆さんが、社会的意義のある成長企業としての可能性を見出されて、結果としてリターンが上がることを祈っております。ご出席有難うございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

*炎のファンドマネジャーでは皆さんからのご要望を元に、これからも上場企業の経営者の方々をお招きして、私の有料メルマガの読者向けに会費制でセミナーを開催しようと考えております。メンバーは10名以下に限定しようと思いますがご要望等をお寄せください。mag@irisjapan.co.jp
(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

億の近道2006/10/30


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投資情報メールマガジン                   2006/10/30
             イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
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【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

   ★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★

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             −本日の目次−
   (本日の担当:炎のファンドマネージャー&投資野・オーちゃん)

    ◆コラム「投資価値が高まる時」:炎
    ◆コラム「投資の王道(その42)」:投資野・オーちゃん

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◆コラム「投資価値が高まる時」

あきらめた時に好材料は発表される・・・

 本日は円高となって輸出関連銘柄中心に売られる展開で日経平均は久々に大
幅調整の動き。こうした局面で皆様の投資成果はどう変化したでしょうか?

 私はいまさら主力銘柄には戻れない・・・。新興市場や中小型材料銘柄でい
くよ・・・。そうした方々が多いのかどうかは知りませんが、主力銘柄が値を
下げても余り心配せずに自らが投資されている銘柄に関心を示されているに違
いありません。中間決算発表のシーズンを迎えこれまでと同様に新興市場の株
価低迷が継続する中、むしろ投資価値は高まっていると考える方々が増加して
いるのは日本の証券市場の層が厚くなってきた証拠ではないだろうか。

 目先の株価下落にいらついてばかりでは、なんら成果は上がらない。

 本日私が有志を募って開催しました会合では本メルマガでも最近取り上げて
おきましたある上場企業の社長にお越し頂き事業の現状と将来について短い時
間ながら熱く語って頂き、集まって頂いた投資家の方もそれを十分に理解され
て買い増ししたいとのご意見を述べておられました。その会社もJASDAQ
上場で株価は上場後の高値から大きく下落しており、これからの成長を勘案す
れば投資価値があると判断されたものと推察できます。
 その会社は現状の株価水準が明らかに安いと思って上限1億円の自社株買い
を実行されているところだが、まさにこの水準ではじっくり投資ができるのだ
から、しっかり投資価値を吟味して頂きながら成長を見守って頂きたいと思い
ます。

 株価の位置が低い場合に好材料が飛び出すとインパクトが大きい。高い位置
でいくら好材料が出てもインパクトは小さい。
 ですから、これからの新興市場銘柄は株価の位置が低いのですから多くの銘
柄にチャンスが訪れると考えて頂きたいと思います。

 投資価値は株価の下落で配当が一定なら配当利回りがアップしていることに
なるし、業績が上方修正となるとPERも低下する。かつてあったPER10
倍割れ銘柄もこれからの市場では起きてくるから割安銘柄に出会う機会も多く
なってくる筈。このように前向きに考えて取り組むことが肝要です。
 市場にはびこる悪材料は、投資家にとっては値下がりすること自体なので、
もはや値下がりする余地がなくなってくれば、それほど心配する必要はなくな
ります。

 残念賞とも言うべき株主優待制度の活用や低いとは言え多少の配当も個人株
主にとっては魅力のあるところ。投資家は長らくの投資に見合ったリターンを
得ようと頑張っているのだから、この際、多少の株価の上下に惑わされず高い
リターンを上げて頂きたい。

 それには長期的な成長の見極めが必要となってきます。

 本日ミーティングさせて頂きました会社だけではなく新興市場には多くの熱
意ある成長志向の企業が数多くあります。まだまだ規模が小さく流動性もない
という欠点はありますが、個人が手塩にかけて育成するだけの価値はあるでし
ょう。

 ヘラクレス市場の三光ソフラン(1729・時価290円)や夢真ホールデ
ィングス(2362・時価256円)、メディカルシステムネットワーク(4
350・時価13.2万円)などこれまで私が報告してきました企業にもよう
やく多少の明るい兆しが見えつつあります。株価が低迷しているからと言って
それぞれの企業の経営者が手をこまねいて見ているということはありません。
成長志向の企業が堅実に未来に向かって種を蒔いているなら株価もおのずとつ
いてくると見て差し支えありません。株価自体の低迷にがっかりすることなく、
好材料はあきらめた頃にやってくると信じてしっかりその企業を研究なさって
みて下さい。成長の姿を感じていれば結果はリターンになってつながるという
ことを結果的におわかりになれば、貴方は本当の意味で投資家となったと言え
るのです。

 本日の会合に出席された投資家の皆さんが、社会的意義のある成長企業とし
ての可能性を見出されて、結果としてリターンが上がることを祈っております。
ご出席有難うございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

*炎のファンドマネジャーでは皆さんからのご要望を元に、これからも上場企
 業の経営者の方々をお招きして、私の有料メルマガの読者向けに会費制でセ
 ミナーを開催しようと考えております。メンバーは10名以下に限定しよう
 と思いますがご要望等をお寄せください。mag@irisjapan.co.jp
(炎)

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◆コラム「投資の王道(その42)」

■アジア株ファンド・32.44%■

 昨年9月1日にスタートしたアジア株ファンドですが、おかげさまで、1年
目の運用利回りは、30%を越える32.44%となりました。
 まず、ポートフォリオの過半数を占める中国株においては、エネルギー関連
のペトロ・チャイナと中国海洋石油に銘柄を絞り込んだことが見事に成功し、
(当初予想した原油高が現実のものとなったことから)、期待通りの価格上昇
となりました。
 韓国株においては、当初太平洋化粧品(パシフィック)とノンシム(農心)
を購入しました。太平洋化粧品は、本年6月末に、事実上の会社分割(パシフ
ィックコープとアモーレパシフィック)をおこないましたが、その成長には陰
りが無く、つい最近日本の有名百貨店の1階化粧品売り場にも直営店を構えま
した。また円安・ウォン高も運用にプラスに作用しています。
 もうひとつの韓国銘柄であるノンシムに関しては、予想に反し、10ヶ月を
経過しても株価が低迷していたことから、購入価格とほぼ同水準で手仕舞い、
ファンド全体の20%の範囲内で日本株を購入することにしました。2006
年6月中旬〜7月中旬の日本株の水準は、優良・成長銘柄においては絶好の買
い水準であったとの判断からです。
 購入銘柄は、CHINTAI、明光ネットワークス、ナカニシですが、特に
ナカニシは2ヶ月足らずの間に約50%価格が上昇し、全体の利回りアップに
も貢献しました。
 2年目も運用基本的方針には、変わりがありませんが、米国景気の減速や中
国の金融引き締めなどの波乱要因には充分注意していきます。しかしながら、
2007年においては、米国景気減速によって、かえって金利が低めに推移す
る可能性があることなどから、小康状態が続く可能性が充分あります。
 むしろ、波乱はこのファンドの3年間のクローズ期限であり、かつ北京オリ
ンピックの年である、2008年に起こるのではないかと思います。特に、固
定資産投資の過熱と、金融機関の不良債権問題の解決の糸口の見えない、北京
オリンピック後の中国経済が要注意です。

★なお、本アジア株ファンドの募集は、現在おこなっておりませんし、今後も
行う予定はありませんので、ご容赦ください。


■気になる会社 その3−1■

 私の投資手法は、

1、会社四季報掲載の約4000社を自分自身で分析し、経営基盤が安定しこ
 れからの成長が見込まれる400社から500社程度に絞り込む。
2、さらに、その中から、割安圏にある会社を100社程度に絞込む。
3、最終的100社程度の中から投資を行うのは、ベストタイミングで購入す
 るチャンスのあった10社から20社程度である。

というものです。
 今回も、前述の400〜500社の中から100社を中心とした興味深い企
業について解説していきます。

●<2814>佐藤食品工業(JASDAQ)
 1954年、(有)佐藤食品工業を設立し、白しょうゆを製造販売したのが同
社の始まり。その後、天延風味の抽出・濃縮・粉末化において技術を磨き、天
然調味料、茶エキス、及び粉末酒 の製造・販売を行う。1966年に世界で
初めてアルコールの粉末化に成功し、1986年には茶エキスの本格的製造販
売を開始。
 粉末化に独自技術を保有しているので、今後も利益率の高いビジネスを着実
に継続できるものと思われる。愛知県小牧市に本社を置く。新潟県新潟市に本
社を置き東証2部上場の、餅や米飯を製造する佐藤食品工業(上場名はサトウ
食品工業)とはまったく別会社。

●<2815>アリアケジャパン
 1966年に、有明特殊水産販売株式会社として創立。一般に小売をしてい
ないので、知名度は今ひとつだが、チキン・ポーク・ビーフを原料とする天然
調味料のメーカーであり、畜産系天然調味料市場のシェア53.8%(200
3年)を占めるトップ企業。同社売上高の99%は日本国内向けで、販売先を
大きく分類すると、即席麺メーカー(21%)、食品加工業(40%)、外食
産業(38%)となり、すべて業務用。国内の即席麺メーカーにはほとんど納
入実績があり、同社の調味料がスープのベースとして使用されている。また、
外食産業でも良く使用されており、有名ラーメン店などでも、自分の店のオリ
ジナルスープに混ぜる形で同社や他社の天然調味料が使われるケースが極めて
多い。
 同社独自の生産システムは、機密を守るために特許等による公開をしておら
ず、他社の追随は困難と考えられる。
 他の天然調味料事業を行っている企業は、抽出・配合・加工等の工程を個別
に事業化しているが、同社は、その各工程を一貫生産体制にすることにより、
工程の無駄を省き、確実な品質コントロールを行い、歩留まり向上によるコス
トダウンを実現。同社の九州工場は世界一の大型設備である。また、製品のバ
リエーションの豊富さとともに顧客ニーズに原料段階からの対応を可能にして
いる。

(OH)

(以下、次週に続く)

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様にとって有意義な生の情報を提供することが私の使命です。アナリスト経験
とファンドマネジャー経験を積んできた私のコンテンツで夢の「億の近道」を
実現してください。
 2006年の暑い夏も過ぎ、天高く株肥ゆるの秋、季節も良くなってきまし
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(炎)

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■「山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD」
 発売!!■

「NPOイノベーターズ・フォーラム 公認日本株アナリスト 認定講座」
共催:エンジュク 協力:ダイヤモンド経営分析チーム

 2005年4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタ
ルズ分析に必要な内容を新たに撮り下ろした映像を全て収録した4枚組DVD
です。

◆ファンダメンタルズ分析の決定版。
 いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
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◆充実したボリューム
 価格は48,000円とやや高額ですが、4月のセミナー(受講料38,0
00円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約450分の
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詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm

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 2003年11月に行われた村田雅志氏の景気観養成セミナーを全て収録し
た2枚組DVDです。

◆受講したいけど行けなかった…という方には最適
 当日行われたセミナーの全てを漏らさず収録。もちろん、セミナー当日配布
された資料も収録しております。これで開催地に縛られることなく、自分のペ
ースで学習することが可能です。

◆マスターへの早道は反復
 頭で理解しているつもりでも、いざ実践してみると様々な疑問点が新たに湧
いてくるもの。DVDで何度も復習することにより、マスターへの早道となり
ます。今回のセミナーをより自分のものにするためのツールとしてお役立て下
さい。

詳細はイノベーターズ・フォーラムのホームページまで。
http://www.iforum.jp/dvd.htm

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村田 雅志
▼景気予測から始める株式投資入門▼
パンローリング ISBN4-7759-9007 3300円+税 231ページ
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山本 潤
▲投資家から「自立する」投資家へ▲
パンローリング ISBN4-7759-9008 4800円+税 426ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990087

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した。既に旧掲示板は利用できなくなっておりますので、以下の新掲示板をご
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編集者:億の近道発行プロジェクト
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
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グローバル投資のポイント(24)

■野放図な増資を許す仕組み■

 10月26日付の日本経済新聞は、証券会社の引き受け審査を厳しくするよう、日本証券業協会が基準を新設することを報じています。具体的には、日本証券業協会が、調達資金の使途などに関する審査の厳格化を引受証券会社に義務づけ、公募増資など株式発行で企業が資金を調達する「エクイティ・ファイナンス」を野放図に拡大するのを防ぐようにします。

 日本証券業協会が証券会社の引き受け審査を厳しくするよう求める背景には、エクイティ・ファイナンスで企業が安易に資金調達する例が目立ち始めたことにあります。たとえば、日本航空は、株式総会のわずか2日後に、発行済み株式の35%もの新株を発行することを決め、約1,500億円を調達しています。日本航空は、資金調達の目的として新型航空機の取得と説明していますが、2007年3月に償還期限を迎える社債のために1,000億円程度の資金が必要だったこともあり、日本航空は資金繰りのために大型増資を実行したと批判されています。

 銀行が企業に融資をする場合には、企業の財務状況だけでなく、融資で得た資金の使い道(使途)も精査します。融資資金が、社長の遊興費や不採算投資など企業の収益拡大に結びつかない目的に使われてしまうと、融資資金が返済されない可能性が高まるからです。

 公募増資などのエクイティ・ファイナンスで得た資金も銀行融資と同じく、企業収益の拡大に使われるはずです。また、銀行融資でもエクイティ・ファイナンスでも、企業に一度は資金を渡すものの、企業は資金の出し手に利子や配当を支払い、必要があれば資金の元本を返すことが期待されている点も同じです。このため、本来であれば、エクイティ・ファイナンスであっても銀行融資と同じように調達資金の使途については精査し、資金使途が不明確な場合はエクイティ・ファイナンスの実施は困難になるはずです。

 ただ、銀行融資では資金の出し手が銀行であるのに対し、エクイティ・ファイナンスでは、資金の出し手が投資家である点に違いがあります。

 銀行融資の場合、融資資金の源泉は銀行預金となります。銀行は預金の全額保護を義務付けられているため、銀行は融資を実施する際にも、融資の貸し倒れによって預金の保護が難しくならないように十分配慮します。

 一方、エクイティ・ファイナンスの場合、資金の源泉は投資家の資金です。証券会社はエクイティ・ファイナンスの段取りを整えますが、投資家の資金を保護する義務は(法的には)ありません。「株式投資は自己責任で」という言葉があるように、投資資金の行方については投資家自身が責任を持つのが基本です。言い換えれば、エクイティ・ファイナンスが無事終了し、所定の手数料を受け取ることができれば、証券会社は投資家の資金を保護する動機(インセンティブ)が銀行に比べて少ないといえます。むしろ証券会社の立場から考えれば、資金使途を詳しく調べることで、企業のエクイティ・ファイナンス意欲
が低下するよりも、企業が気軽にエクイティ・ファイナンスできるように仕向けるほうが得策といえます。

 こうした話を耳にすると、「証券会社は銀行に比べて怪しからん!!」と感じる方もいるかもしれません。しかし個人的には、そうした考え方はやや勘違いのように思えます。銀行も証券会社も一営利企業であるのは同じで、どちらも行政などが決めた法律や規制のもと、企業収益を確保するために合理的な行動をしているだけかもしれません。おそらく「怪しからん!!」のは、証券会社ではなく、規制等を通じて証券会社の行動を投資家保護の方向にこれまで導こうとしなかった行政や業界団体のように思えます。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

現在、コンテンツ事業の立ち上げに奮闘中。
GCIグループ初の投資情報サイト【Klugクルーク】にて、投資に関する
コラムを執筆中。

<主な著書>
景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

億の近道2006/10/27


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投資情報メールマガジン                   2006/10/27
              イ意 の 近 道

         −プロが導く「億」資産への近道−   週4回発行
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【ご挨拶】
 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!

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             −本日の目次−
          (本日の担当:村田雅志)

    ◆コラム「グローバル投資のポイント(24)」:村田 雅志

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◆コラム「グローバル投資のポイント(24)」

■野放図な増資を許す仕組み■

 10月26日付の日本経済新聞は、証券会社の引き受け審査を厳しくするよ
う、日本証券業協会が基準を新設することを報じています。具体的には、日本
証券業協会が、調達資金の使途などに関する審査の厳格化を引受証券会社に義
務づけ、公募増資など株式発行で企業が資金を調達する「エクイティ・ファイ
ナンス」を野放図に拡大するのを防ぐようにします。

 日本証券業協会が証券会社の引き受け審査を厳しくするよう求める背景には、
エクイティ・ファイナンスで企業が安易に資金調達する例が目立ち始めたこと
にあります。たとえば、日本航空は、株式総会のわずか2日後に、発行済み株
式の35%もの新株を発行することを決め、約1,500億円を調達していま
す。日本航空は、資金調達の目的として新型航空機の取得と説明していますが、
2007年3月に償還期限を迎える社債のために1,000億円程度の資金が
必要だったこともあり、日本航空は資金繰りのために大型増資を実行したと批
判されています。

 銀行が企業に融資をする場合には、企業の財務状況だけでなく、融資で得た
資金の使い道(使途)も精査します。融資資金が、社長の遊興費や不採算投資
など企業の収益拡大に結びつかない目的に使われてしまうと、融資資金が返済
されない可能性が高まるからです。

 公募増資などのエクイティ・ファイナンスで得た資金も銀行融資と同じく、
企業収益の拡大に使われるはずです。また、銀行融資でもエクイティ・ファイ
ナンスでも、企業に一度は資金を渡すものの、企業は資金の出し手に利子や配
当を支払い、必要があれば資金の元本を返すことが期待されている点も同じで
す。このため、本来であれば、エクイティ・ファイナンスであっても銀行融資
と同じように調達資金の使途については精査し、資金使途が不明確な場合はエ
クイティ・ファイナンスの実施は困難になるはずです。

 ただ、銀行融資では資金の出し手が銀行であるのに対し、エクイティ・ファ
イナンスでは、資金の出し手が投資家である点に違いがあります。

 銀行融資の場合、融資資金の源泉は銀行預金となります。銀行は預金の全額
保護を義務付けられているため、銀行は融資を実施する際にも、融資の貸し倒
れによって預金の保護が難しくならないように十分配慮します。

 一方、エクイティ・ファイナンスの場合、資金の源泉は投資家の資金です。
証券会社はエクイティ・ファイナンスの段取りを整えますが、投資家の資金を
保護する義務は(法的には)ありません。「株式投資は自己責任で」という言
葉があるように、投資資金の行方については投資家自身が責任を持つのが基本
です。言い換えれば、エクイティ・ファイナンスが無事終了し、所定の手数料
を受け取ることができれば、証券会社は投資家の資金を保護する動機(インセ
ンティブ)が銀行に比べて少ないといえます。むしろ証券会社の立場から考え
れば、資金使途を詳しく調べることで、企業のエクイティ・ファイナンス意欲
が低下するよりも、企業が気軽にエクイティ・ファイナンスできるように仕向
けるほうが得策といえます。

 こうした話を耳にすると、「証券会社は銀行に比べて怪しからん!!」と感
じる方もいるかもしれません。しかし個人的には、そうした考え方はやや勘違
いのように思えます。銀行も証券会社も一営利企業であるのは同じで、どちら
も行政などが決めた法律や規制のもと、企業収益を確保するために合理的な行
動をしているだけかもしれません。おそらく「怪しからん!!」のは、証券会
社ではなく、規制等を通じて証券会社の行動を投資家保護の方向にこれまで導
こうとしなかった行政や業界団体のように思えます。

村田雅志(むらた・まさし)
(GCIキャピタル・チーフエコノミスト)

<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。

現在、コンテンツ事業の立ち上げに奮闘中。
GCIグループ初の投資情報サイト【Klugクルーク】にて、投資に関する
コラムを執筆中。http://www.gci-klug.jp/klugview/

<主な著書>
「景気予測から始める株式投資入門」(パンローリング)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070
「絶対リターンを目指すオルタナティブ投資」(すばる舎)
 http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784883994298

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
 ては御自身の責任と判断で願います。)

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■「個人投資家のための景気観養成セミナーDVD」発売中!■
 2003年11月に行われた村田雅志氏の景気観養成セミナーを全て収録し
た2枚組DVDです。

◆受講したいけど行けなかった…という方には最適
 当日行われたセミナーの全てを漏らさず収録。もちろん、セミナー当日配布
された資料も収録しております。これで開催地に縛られることなく、自分のペ
ースで学習することが可能です。

◆マスターへの早道は反復
 頭で理解しているつもりでも、いざ実践してみると様々な疑問点が新たに湧
いてくるもの。DVDで何度も復習することにより、マスターへの早道となり
ます。今回のセミナーをより自分のものにするためのツールとしてお役立て下
さい。

詳細はイノベーターズ・フォーラムのホームページまで。
http://www.iforum.jp/dvd.htm

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■「山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD」
 発売!!■

「NPOイノベーターズ・フォーラム 公認日本株アナリスト 認定講座」
共催:エンジュク 協力:ダイヤモンド経営分析チーム

 2005年4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタ
ルズ分析に必要な内容を新たに撮り下ろした映像を全て収録した4枚組DVD
です。

◆ファンダメンタルズ分析の決定版。
 いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
います。受講出来なかった方や反復学習したい方には最適な内容です。

◆充実したボリューム
 価格は48,000円とやや高額ですが、4月のセミナー(受講料38,0
00円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約450分の
充実した内容となっています。

詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm

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■億近執筆陣の本 好評発売中!■

石川臨太郎
新!!▲あなたにピッタリの投資手法がきっと見つかる投資実践ノート▲
パンローリング 1680円(税込)
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村田 雅志
▼景気予測から始める株式投資入門▼
パンローリング ISBN4-7759-9007 3300円+税 231ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990070

山本 潤
▲投資家から「自立する」投資家へ▲
パンローリング ISBN4-7759-9008 4800円+税 426ページ
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=2596&c=9784775990087

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家電量販店について2

 一週あいてしまいましたが、家電量販店ビジネスの気になる点について続きを。

前回はポイントカードについて触れました。
一応、復習しておきましょう。

1.P/L上の扱いは2通り
 ・”売上値引き”として売上高から控除する方法
 ・販促費として販売費および一般管理費に計上する方法

2.変更の際に注意が必要
 扱いがどちらかが問題ではない。
 変更によって決算書上の数字が変わってくる。
 *ソフマップの例で説明しました。

3.消費者にとってポイントは資産である
 利子がつかない資産であり、ポイントを貯めて現金を使うということのないようにポイントから使う!

4.将来的な懸念材料
 ポイント引当金の算出に当たっては過去の利用率を参考にしている。
 利用率が上がったときに次期の引当金計上額が大きくなる。
 消費者が3つめのポイントについて意識し始めるきっかけがあれば変化があっても不思議ではない。

ということでした。

今回は別の側面から考えてみましょう。
ポイントも含め、値下げの原資はなんでしょうか?
一番大きいのは
家電メーカーからのリベート
でしょうか。

<リベートに依存するビジネスをどう考えるか>

”安値世界一に挑戦”が売りのコジマ。
四季報で確認できる限りで過去ずっと営業赤字。
損益計算書を見ると、前期、前々期と100億以上の販促協賛金を営業外収益に計上し黒字化。

リベートに依存している状態・・・
これが正常な状態なのか・・・。

デジタル家電を含め、高機能な家電製品もネットでの売り上げも伸びている。
先日、新聞の記事に比較サイトやネットショップごとに販売価格を変えているという記述がありました。
その広告コストごとに販売価格を変えるという動き。

家電量販店の役目も変化してくるのではないか。

特に家電量販店はショールームとしての役割が大きくなる。
今でもその要素があると考えるが、今後はその傾向が強まるだろう。
メーカー側も家電量販店の販売額ごとにリベート額に差をつけやすくなる。

”ショールーム”ということであれば集客力が命となる。
各社とも安売りで集客。

他社以上に値下げするためにはリベート以外に原資が必要。


<もうひとつの原資は人件費の安さ>

”人的コストを最小限に抑えて・・・”
表現としては真っ当なことですが、実際のところは
”年齢を低く抑える”
ことで人件費を抑えているという側面が見られる。

各社を簡単に比較して見ましょう。
企業名コード従業員数平均年齢年収
ヤマダ98316447人29.8才391万円
エディオン27308413人42才668万円
コジマ75134694人30.8才423万円


差の大きいエディオンとヤマダ電機を比較
年収  :エディオン>ヤマダ電機
年齢  :エディオン>ヤマダ電機

コスト競争力で太刀打ちができないのは一目瞭然ですね。
メーカーからのリベートが同じ場合、ほかに原資がないのでコスト面では競争にならない。

*しかし、今比較的平均年齢も若く、平均年収も低く抑えることができているとしても年々上がるでしょうから、その後はコスト増に悩まされることが予想される。

<じゃ、どうしよう・・・>

メーカーがショールームと考えようが、各社は自分の店舗で買ってもらえるように様々な努力をするしかない。

リベートに頼ることなく、
”圧倒的な知識”
”圧倒的なサービス”
を追求すれば
安さは
”圧倒的”
でなくても消費者から選択されることになるでしょう。

以前に”コンシェルジェ”が受けて電気店でもパパママストアの売り上げが伸びているという話を書いたことがあった。

企業はパパママストアでの販売にも一定の成果を確認した。
安売りをしなくても売れるルートとして。

家電量販店が意識すべきは同業他社ではなく、各地のパパママストアかもしれません。

一定以上の安さを求めつつ、パパママストアが実現している”コンシェルジェ”の役目も果たす。

家電量販店はさらに厳しい時代に突入しそうですね。

知の利

<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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