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投資情報メールマガジン 2005/10/25号
イ意 の 近 道
−プロが導く「億」資産への近道− 週4回発行
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【ご挨拶】
将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。火曜日版は証券・金融業界に身を置い
ている人間に加え、個人投資家も執筆に加わっています。各種分析や銘柄を参
考にして、「億」の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!
★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★
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−本日の目次−
(本日の担当:山本潤&深田萌絵&石川臨太郎&彼岸先生)
◆コラム「連載 ファンダメンタルズ分析入門(9)」:山本潤
◆コラム「連載 夢見るチカラ、未来を変える(62)」:石川 臨太郎
◆コラム「連載 萌絵のクォンツ★レポート(6)」:深田萌絵
◆コラム「連載 技術のわかる個人投資家(38)」:彼岸
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◆コラム「連載 ファンダメンタルズ分析入門(9)」
★下方修正 − 企業がうそをつく?
業績下方修正とは、企業が当初、決算発表のときに、投資家に提示した今期
の予想利益を達成できないことが判明し、その予想利益を引き下げることです。
業績予想を作成するのが、3月企業であれば、2−3月のことです。業績発表
は4−5月です。そのとき、すでに1−2ヶ月の時間差があります。その1−
2ヶ月の間に事業環境がおかしくなることもあります。そして、第一四半期が
発表されます。少し厳しい決算が出たとしても、企業はまだ下方修正はしない
ケースが圧倒的です。
下方修正するには早すぎると思っているからです。なぜならば、まだ9ヶ月間
も残っているし、その間に業績がまた回復するかもしれないという期待を持っ
ているからです。
下方修正の定義は、公表された予定利益に20%以上届かないと判明した時点
で、もっともありえそうな利益額を再度提示することなのです。つまり、下方
修正とは、予定利益が少なくとも20%以上減ってしまうことです(正確には
売上の10%、利益の20%という乖離基準がある)。
投資家にとって下方修正は悪夢のような出来事なのです。プロのアナリストに
とって、保有銘柄のケアは、新しい銘柄の発掘よりも重要だといわれています。
なぜならば、保有銘柄で下方修正が起これば、少なくとも、株価は急落してし
まいます。それは、すなわち、運用成績の悪化になり、運用機関としての評判
も落としてしまいます。運用機関としての評価が下がれば、お金を預けてくれ
ているお客さんが不安になり、運用商品からお金を引き上げてしまします。運
用残高が減ると運用会社は利益が出せなくなり、倒産してしまいます。
ですから、アナリストの仕事の半分以上は、いま保有している企業の業績のチ
ェックが主になるのです。下方修正の可能性が出てきた時点で、売ることを考
えなければならないからです。
ところが、運悪く下方修正が起こってしまったとき、その結果、株が極端に下
がれば、今度は、新たな投資対象としてその企業を調べようとするアナリスト
が現れてきます。機関投資家は、自分の担当保有銘柄は下方修正がないように
努力しますが、他人の保有銘柄は下方修正になって、株が下がれば安く買って
やろうと都合のよいことを考えているのです。
わたしも若いときは、自己責任という言葉の意味が本当に理解できていません
でした。下方修正に見舞われると「自分はついていない」と思ったものです。
そして、若いときは会社の経営者やIRの方に八つ当たりをしたものです。
それだけではなく、運用会社の中で同僚に、「IRにだまされた」「あの会社
はうそつきだ」と言い訳とも文句ともつかぬ愚痴をいったものです。他人に責
任を転嫁するのはよくありません。でも、責任転嫁はよくよく人間の性のよう
です。
下方修正によって、投資家から責任を転嫁されるのは会社です。下方修正によ
って、会社をうそつき呼ばわりした投資家は、おいそれと再びその企業を買う
ことができなくなります。IRの責任にして、自己責任を放棄する投資家は、
せっかくの安値を見逃すことになります。
投資における「自己責任」とは、「失敗したら自分の責任である」という単純
な意味ではないのです。「他人に責任を押し付ける投資家は儲からない」とい
う意味だと考えてください。
自らの選別眼を養うことなく、責任転嫁する人間には、進歩がないのは明らか
です。責任転嫁とは、みすみすみずからの投資力を制限してしまう自殺行為な
のです。
下方修正後の投資家と企業経営者の心理面を対比させたのが以下の表です。
株主 経営者
怒っている 反省している
不信感を持つ⇒不人気銘柄となる 認識を改める。⇒対策を考え始める
⇒ 意外と投資のチャンスといえる。
株価は十分に下落したものも多く、「きっかけ待ち」といえるのです。
(山本潤)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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◆コラム「連載:夢見るチカラ、未来を変える(62)」
=割安株の伝道師 石川臨太郎とバリューな仲間たち(その22)=
第23話 企業の儲けの源泉はバランス・シートには出ていない
株式投資をするとき、その企業の儲けの源泉を見極めることは、本当に大切
なことです。その仕組みを見抜くためにマーケティングを学ぶことも非常に役
に立ちます。
そこで私はずうずうしくも1時間100万円の指導料をとるトップ・コンサ
ルタントに弟子入りすることにしました。押しかけ弟子です。なにしろ私はタ
ダでものを教えてもらうのが大好きなので、決めたら最後くらいつきます。
私の師匠は企業ばかりではなく松下政経塾のコンセプト作りも行い、JR東
京駅がどんどん便利になったのも師匠が「今までは駅の前が一等地、これから
は駅の中が一等地」というコンセプトで指導をしたのが始まりです。金融機関
の総合研究所にいたときはM&Aをやりまくりました。
マーケティングもすごく役に立ちましたが、師匠から私が学んで一番株式投
資に役に立ったことは、企業のバランス・シートには企業の儲けの源泉は示さ
れてはいないということです。第22話に書いたように、企業の儲けの本当の
源泉は社長など経営陣の能力、社員の能力、製造ノウハウ、特許、営業力、マ
ーケティング力、販売チャネルなど資産としてバランス・シートに表示できな
いものの中にあるのです。バランス・シートの勘定科目の立て方ひとつで企業
の姿が変わってしまうことを教えてもらったときはショックでした。
ですから、いくらバランス・シートを眺めても、企業の儲けの源泉を分析す
ることはできません。ただし、その目に見えない力を使って稼いだ結果が資産
としてバランス・シートには蓄積されていくということも学びました。
そこで私は考えました。バランス・シートで信じられるのは、すぐお金に変
えられる現・預金、上場されていてすぐ売ることが出来る有価証券。そして好
立地で売ろうと思えばすぐ買い手のつく不動産だけではなかろうかと。これが
私のバリュー投資への目覚めの第一歩でした。
私のマーケティングの師匠は、主にオーナー企業をクライアントにしていま
す。この師匠は、もと日経連の副会長をされた有力者に気に入られ、松下幸之
助さんにも評価されて経営コンサルの世界に入ったすごい人です。今から20
年位前に30台半ばの若さで日本の経営コンサルティング会社の草分けの日本
能率協会の顧問をやった、マーケティングを「儲け続ける仕組みを作ること」
と定義したマーケティングの第一人者です。銀行の総合研究所にいたときは3
0億円(いまから20年前の話です)の大口の融資案件をかかえた支店長が本
部にこの融資話を申請したところ、師匠のOKがでたら許可するといわれて日
参してきたりしていました^^;。
なにしろ何百億円のプロジェクトを実践で指導してきて鍛えてきた人ですか
ら、成功もしていますが、失敗もたっぷりして、よい経験にしています。教科
書的な勉強しかしておらず、あまり成功体験のない外資系のコンサルタントさ
んでは太刀打ちできません^^;。あるトップ企業のコンサルタント募集競争
では並み居る外資のコンサル会社の何十センチもある企画書を、たった4枚程
度のレポート用紙で蹴散らして勝ってしまい伝説になっています^^;。
私がブログを始めたときも、「成功も失敗もできるだけリアルに、そこまで
書くの、というくらい書いていきなさい。そうすれば本当に実力のある人が集
まってきてくれる。石川君が出来ないことは、その優秀な人たちと協力し合っ
てはじめればいい。きっと今の自分では想像もできないことが出来るようにな
るから」といわれました。ブログをはじめて3年が経ちましたが、山本さんと
出会い、メルマガにコラムを担当させていただけるようになりました。そして
本も3冊出版でき、もうじき4冊目の本が出来上がります。夕刊フジにもコラ
ムが持てるようになりました。ブログを始める前の私には想像もできなかった
ことが実際に起こりました。やはり学ぶなら本当に実力をもった実践家の優秀
な師匠を見つけることが必要ですね。
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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◆コラム「連載 萌絵のクォンツ★レポート(5)」
皆さんこんにちは☆萌絵です。
先週、渡辺幹夫さんのセミナーに参加してまいりました!非常に分かりやすい
セミナーで、感銘を受けました。
先日、私はアノマリー投資という書籍を書きましたが、信用リスクについては
私の切り口は大雑把過ぎて、やはり元ファンドマネージャーである渡辺さんの
アイディアは素晴らしいと思いました。信用リスクは株主資本比率が20%以
上で防いだほうが確かなので、私のアイディアは却下して渡辺さんの意見を取
り入れることにさせて頂きました。
日々勉強☆
アイディアはより良いものを取り入れて、柔軟に生きていきたいですね☆
渡辺幹夫さんの3ヶ月リターンリバーサルが効いているというお話を伺って、
私もさっそく3ヶ月リターンリバーサルを調べてみました。ただ、渡辺さんの
ように東証一部全銘柄というわけにはいきませんでしたので、日経平均採用銘
柄で調べてみました。
説明変数を3ヶ月間のリターン、目的変数を説明変数の三ヵ月後のリターン
期間は95年の4月から、2005年の7月までで、1995年の相関係数を
0として累積してみました。この場合、逆相関であればリターンリバーサルは
効いているといえます。
図を入れることができないので、必要な方はmoe-fukada@do.chu.jpにタイトル
を「3ヶ月RRファイル求ム」でメールをください。ファイルをお送りします。
そうすると、95年から99年の信用不安の期間にはリターンリバーサル効果
は殆ど効いていないことが分かります。その後、2003年から2005年の
2月ころまでは、3ヶ月リターンリバーサル効果が出ていることが分かります。
しかし、今年3月ころから直近まではこのリターンリバーサル効果よりも、モ
メンタムが強く出ているようです。
リターンリバーサル効果が効いている銘柄上位5位はヤフー、T&DHD、新
日鉱HD、双日、コムシスHDの順で、リターンリバーサル効果があまり見ら
れない銘柄は上位5銘柄はファーストリテイリング、富士通、いすゞ、日立造、
ソフトバンクです。
次回は、もう少し視野を広げて東証一部全銘柄を調べたいと思います。
ところで、セミナーで知り合った方に「東欧ファンドを買おうかと思っている
んですが、東欧旅行はいかがでしたか?」という話になりました。元東欧、現
在の中欧の国チェコとハンガリーの景気は良かったです。東欧とは、冷戦時の
区切りで、アルバニア、チェコスロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ポーラ
ンド、ユーゴスラビア、ルーマニア、東ドイツを指します。
現在の東ヨーロッパはウクライナ、ベラルーシ、モルドバ、ロシアで、国の自
由度を計るフリーダムハウスによるとこれらの国は自由な国とは言えないよう
です。
現在、広義で東欧と認識されている国はブルガリア、ルーマニア、セルビア・
モンテネグロ、マケドニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルバ
ニアです。この中で「自由」と分類されている国は、クロアチアとルーマニア
です。
しかし、東欧ファンドも売っているなんて、面白そうですね!
チェコとハンガリーは、私はとっても気に入ったので、東欧ファンドに興味が
湧きました(^^)
ちなみに、日本の自由度はチェコ、ポーランド、ハンガリーに負けています。
次世代の私たちが良き日本作りを考えないといけない番なんでしょうか?
(深田萌絵)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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◆コラム「連載:技術を評価できる個人投資家の養成講座(38)」
(38)デジタルASIC(2)
今回は、携帯電話とパソコンをデジタルASICという切り口からお話してみ
ようと思います。
パソコンの心臓部であるCPUは、インテル社のものがほとんどといってよい
でしょう。
一方、携帯電話はどのようになっているでしょうか。3Gと呼ばれる第3世代
の携帯電話は、今後発展が期待されています。日本では、これらの心臓部は、
米クワルコム社が大半を占めていますが、その他のメーカも存在していて、パ
ソコンの様に心臓部が決まっているわけではないのです。
また、パソコンのOSは、ウィンドウズが主流となっています。それに比べ、
携帯電話のOSにあたるプラットフォームとよばれるソフトも、「JAVA」
や「BREW」という複数のソフトが存在しています。
これは、企業の生き残りという目でみると、携帯電話の世界で、パソコンの心
臓部のほとんどを提供するインテル社の様になりたい企業や、ほとんどの携帯
電話に搭載される様な、パソコンでいうところの、マイクロソフト社になりた
い企業がいるということです。
また、携帯電話のメーカという立場から見てみると、一つしかないデジタルA
SICに一つしかないプラットフォームを載せることで、開発を効率化できま
す。現在は、どこのデジタルASICをつかって、どのプラットフォームを載
せるかという選択から始めなくてはならないため、メーカによって、ソフト、
ハードを含め、まるでちがう構造となります。
その構造が効率的でなければ、ハードの開発はもちろん、ソフトの開発に膨大
な時間とお金を投資しなければなりません。これは、体力があるうちはメーカ
も耐えられるでしょうが、体力がないところは、どんどん撤退していくでしょ
う。
では、携帯電話メーカが、デジタルASICとプラットフォームのデファクト
スタンダードを提供できればどうなるでしょうか。
自社の開発はもちろん有利に進められますが、それよりも、他社に、デジタル
ASICとプラットフォームを提供するビジネスができます。そうなると、自
社で携帯電話を開発するより、儲かることになるでしょう。これは、携帯電話
のハードとソフトを含めた構造の簡略化が出来たメーカが生き残るメーカであ
り、その構造を携帯電話の世界のデファクトスタンダードにしたメーカが、安
定したメーカになるということになるでしょう。
彼岸
技術のわかる個人投資家への道
Road to Investor with Technology Sense
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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■「山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD」
発売!!■
「NPOイノベーターズ・フォーラム 公認日本株アナリスト 認定講座」
共催:エンジュク 協力:ダイヤモンド経営分析チーム
4月に行われた山本潤氏のセミナー映像に加え、ファンダメンタルズ分析に
必要な内容を新たに撮り下ろした映像を全て収録した4枚組DVDです。
◆ファンダメンタルズ分析の決定版。
いままで体系的に語られることの少なかった実践的なファンダメンタルズ
分析を網羅。最終的には個別株のレポートが作成出来るレベルを目的として
います。受講出来なかった方や反復学習したい方には最適な内容です。
◆日本株アナリスト認定
このDVDには課題があります。来年4月までに課題提出された方はNPO
法人イノベーターズ・フォーラムがその内容をチェックし、水準以上であれば
日本株アナリストの認定を致します。
◆充実したボリューム
価格は48,000円とやや高額ですが、4月のセミナー(受講料38,0
00円)で使用した資料添付はもとより、全部でDVD4枚組、約450分の
充実した内容となっています。
詳細はエンジュクのホームページまで。
http://www.enjyuku.com/v_kabu_10.htm
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編集者:億の近道発行プロジェクト
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