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投資情報メールマガジン 2005/02/23号
イ意 の 近 道
−プロが導く「億」資産への近道− 週4回発行
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【ご挨拶】
将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。執筆陣は証券・金融業界に身を置いて
いる人間ばかりです。プロの目から見た各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!
水曜版は、学習を重ねた一般の個人投資家も執筆に加わっています。いつも
の億近同様、応援をよろしくお願い致します。
★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★
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−本日の目次−(本日の担当:億近産業調査部)
◆コラム「情報システム業界の判断について」:億近産業調査部 Kiwi
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◆コラム「情報システム業界の判断について」
「災いは最小限にくいとめられるなら、幸運とみなすべきだ。」
─マキャベリ
こんな言葉で表現するにふさわしい業界があります。
情報システム業界です。
NTTデータを筆頭に中堅どころや弱小ソフトハウス、独立して一人でやって
いるプログラマもいる。
これらの企業(人間)がいないともう既にやっていけないのが現代日本ですが、
企業を評価するのにこれほど難しい業界はないかも知れません。
なぜなら、やっている事が表に表れることが少ないからでしょう。
■日立ソフトウェア(9694)のサプライズ
先日、日立ソフトウェアエンジニアリングの3Q決算発表がありましたが、想
像を絶するサプライズでした。
<3Q決算発表前通期連結予想>
売上高 204,000
経常利益 8,560
当期純利益 3,640
<3Q決算発表後通期修正連結予想>
売上高 181,000 ▲23,000百万の修正
経常利益 ▲4,200 ▲12,760百万の修正
当期純利益 ▲7,300 ▲10,940百万の修正
中間決算までは会社計画線上にあり、通期についても若干下ブレあるものの、
ほぼ問題なしとして、サプライズを予期したものほぼ皆無でした。
何故、このようなことが起こったのでしょう?
理由はこの業界の特性にあるといっても過言ではありません。
■ソフトウェア業界の色分けとは
ソフトウェア業界で上場している企業はおおよそ次の3つの区分で分けること
ができると言って過言ではないでしょう。
1)ゼネコン的システム構築企業
2)パッケージソフト主導のシステム構築企業
3)機器販売と保守メインの企業
いったいそれぞれどんなものなのか?
■業界の特性を区別すると
上記の3つを具体的にあらわすと以下の通りになります。
1)は名の通り、人(プログラマ)を集めて、現場監督(プロジェクトマネジ
ャー)が設計(コンサル)に基づいた工事(システム構築)を行うという形態
の企業です。
該当する企業で代表的なのはNTTデータ(9613)、野村総合研究所(4
307)、富士ソフトABC(9794)などです。これら以外に大手電機メ
ーカー(富士通、NEC)もこの形態の企業にあたります。
特徴は名の通り、ゼネコン的で設計+現場監督はシステム開発契約を結んだ会
社の人間が行い、実際の建設(システム構築)は現場監督の指揮のもと、@×
月数換算で子会社・孫会社が雇った単価の安い労働力を用いて作成するという
労働集約的な業態です。
2)は既にパッケージ化されている自社のソフトウェアを用いて、顧客のシス
テムを構築するというスタイルの企業です。
日本オラクル(4716)、オービック(4681)、サイボウズ(4776)
、ワークスAP(4329)等が該当します。
特徴は企業内の業務で提携化しやすい業務(財務・人事・購買等々)をシステ
ムで処理できるように自社で開発されたソフトをパッケージ商品として提供し、
範囲を絞って業務の解決を図る利益率の高い商売を主に行っているところでし
ょう。
3)は機器の販売とそれに伴う、構築作業が主体でまずモノありきの企業です。
伊藤忠テクノサイエンス(4739)等が該当します。
特徴はハードに関わる物理的な問題解決、言い換えるとサーバーの容量不足や、
データが色々な所に散らばっているのをひとつのところにまとめる等のハード
主体の商売です。ハード単価がどんどん下がっており、保守で利益を出してい
るというのが実態です。またこれらの事業にはストレージ貸しのようなビジネ
スも含まれます。
上記3つに区分したものの、これらの境界線は明確に区分されているわけでは
ありません。通常はこれら3つのうちのいずれかのミックスで企業体が出来上
がっていることが多いのです。
■業態リスクとは
また上記の3つの業態にはそれぞれ事業としてリスクを含んでいます。
1)の場合は、契約時点で予定していた開発範囲を超えて投入人数が膨れ上が
り、外注費コスト(自社SEコスト)をオーバーしてしまう、見積の甘さとシ
ステム開発の要件定義があいまいな場合に起こるリスクが高くなります。工数
増リスクと名づけることにします。
2)の場合はパッケージ開発に巨額の金額と人材を投入したものの、マーケッ
トニーズを読み誤り、販売がイマイチ伸び悩む場合、結果ソフトを損失処理し
なくてはいけなくなるリスクです。ニーズ読み違いリスクと名づけることにし
ます。
3)の場合は、技術の陳腐化が早く、競合相手が多数存在し、価格勝負でしか
競争力を保てないマーケットになるリスクです。価格競争リスクと名づけるこ
とにします。
これらのリスクは通常の企業でも見られるますが、情報システム産業ではこれ
らの要因が複雑に絡みあうため、一目ではわかりにくくなっているのが実情で
しょう。
リスクの巨大な順に並べれは、1)>3)>2)という感じでしょうか?
■事業ポートフォリオと業態リスク
経営者自身もこれらを統合して把握することができていないことがしばしば散
見されます。
ゆえに蓋を開けると下方修正が発生してしまうということになりがちです。
このような企業の投資価値判断するためには、
1)分析の対象となっている企業の事業ポートフォリオ
2)事業ポートフォリオに含まれるそれぞれの業態に付帯するリスク発生の度
合い
を知ることが危機回避への第一歩として必要でないでしょうか。
先にあげた日立ソフトの場合は
1)事業ポートフォリオの中でゼネコン的システム構築の部分の質が変化して
きていたつまり、親会社である日立向けの占める割合が低下していた。
→本来、メーカー系のシステム子会社は親会社からの安定受注があることをい
いことに収益拡大を掛け声に外部顧客を拡大するのに必死だった。
→しかし、内実は親会社向けのコスト管理ロジックでは通用しない厳しい環境
で拡大路線がふたを開けると目も当てられない惨状になってしまった。
2)今まで安定的な収益を確保してきていた機器の価格が低下した
→プリクラの機械やバイオ関連機器などの比較的値下げに抵抗力のある機器分
野が急速に価格競争力を失った。
もしかすると業界の特性を知っていれば避けることができたかもしれないので
す。
このような状況を事前に察知するには機関投資家でも難しい部分はあるものの、
どういうリスクが潜んでいそうかを個人投資家が想像することは難しくありま
せん。
リスクに対して事前に一体どういう対処が取れるかを考えることが投資家に求
められている必要な資質であると痛切に感じています。
どうでしょうか?持ち株がそれぞれどういうリスクを内包している株なのか、
一度総点検されてはいかがでしょうか?
それが無用な嘆きを避ける手立てだと思います。
(Kiwi)
<スローガン>
仲間と共に理想社会への投資をはじめよう!
−投資活動によって理想社会を実現する−
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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