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投資情報メールマガジン 2004/01/20号
イ意 の 近 道
−プロが導く「億」資産への近道− 週4回発行
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【ご挨拶】
将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。火曜日版は証券・金融業界に身を置い
ている人間に加え、個人投資家も執筆に加わっています。各種分析や銘柄を参
考にして、「億」の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!
★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★
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−本日の目次−(本日の担当:IF山本&石川凛&彼岸先生&村田雅志)
◆コラム「CES ラスベガスより」:IF山本
◆コラム「新連載:個人投資家の不動産投資」:石川 凛
◆コラム「新連載:技術を評価できる個人投資家の養成講座」:彼岸先生
◆コラム「景気の転換点と株価の転換点」:村田雅志
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◆コラム「CES ラスベガスより(家電ショー)」
2004年1月8・9日と野村證券さんのお誘いがあり、ラスベガスのCE
Sという家電の展示会に参加しました。2000社を超える展示があり、盛況
でした。わたしは、野村證券主催のツアーに参加しました。ご関係者の方々、
その節は、大変お世話になりました。あらためて、御礼申し上げます。
ショーでは、たくさんのフラットパネルが展示されていました。
PDP、LCD、プロジェクションTVなどが競い合っていました。
■大きな市場が創出されつつある■
フラットパネル市場は、大きな市場になるでしょう。
各企業のプレゼンテーションを聞くと、去年の2倍とか3倍の数量を期待して
いるところが多く、非常に明るいムードに包まれていました。
数量が年で2倍3倍になり、数年先には5倍とか10倍という市場が現れると
いう期待が高まっています。テレビのメーカーだけではなく、PCメーカーも
同様に恩恵を受けるということを前号では書きました。
■画質の向上、画面の大型化、スペースの節約■
CRT(ブラウン管)にないフラットパネルならではの特徴があります。
消費者にとっては、フラットTVは、高い画質やおおきな画面だけではなく、
省スペースをも実現するからです。それが消費者を刺激している面があるかも
しれません。特に、省スペースは、東京やNYでは大きな要素になります。
たとえば、NYでは、20平米程度のアパートが3000万円程度することも
あります。そのため、部屋に大型のCRTを置くことは、スペースの関係上も
無理がありました。その上、大きなCRTを至近距離で見るのは目が疲れます。
ところが、フラットパネルの場合、数十センチほど、余分に距離がとれるこ
とで、大きな画面を見れるようになります。20平米のうち、1平米のスペー
スが節約できれば、それだけで数十万円のコストカットになります。
同じ事が80平米程度のマンションにもいえます。
20平米のリビングルームで壁掛け大型TVを見ることは、多分、22平米の
リビングでCRTを見ることと同じ感覚かもしれません。部屋が広く、画面が
大きくなることは、コストに直せば30万円程度の意味は十分あるといえるで
しょう。
フラットTVの本源的な価値には、CRTを置き換えることによる土地の値
段も含めると、ユーザーのニーズは極めて強いといわざるをいません。
高画質は、デジタル放送が始まり、米国でも多数を占めるケーブル放送がデ
ジタル対応が始まりつつあるので、消費者は高画質を楽しむ素地が出来つつあ
ります。
CRT(ブラウン管)では、37インチ以上の画面は難しいといわれている
ようですが、展示会では、80インチのプラズマや57インチの液晶がありま
した。
CRTでは実現できない大きさが可能になったのです。
これは、材料メーカーにもよいことで、たとえば、半導体などは、年々、同
じ機能であればチップサイズが小さくなるので、材料メーカーは苦労します。
しかし、フラットパネルの場合は、年々、サイズが大きくなるので、より多く
の材料を使うことになります。メーカーにとって、材料費は大きな問題になる
でしょう。
■パネルの供給(サプライ)のボトルネック −液晶TVの場合■
液晶の場合、シャープの第6世代のガラスサイズは32インチのパネルが8
枚とれるということですが、通常の第4世代の場合、1枚のガラスから取れる
枚数はぐっと少なくて2枚程度と聞いています。これが15インチのPCモニ
ターであれば、やはり8枚程度は取れるわけですから、大きなサイズに移行す
れば、必然とパネルの生産能力が落ちてしまいます。そこで、パネルメーカー
は大きな工場を建てて、どんどん大きな基盤で生産しなければ需要を満たせな
いと考えています。その全部の計画をまじめに供給の要素にするとかなりのサ
プライになります。一部の方は、それを見て、価格の急激な低下が与える悪影
響を今から心配しています。ただ、大きな工場は、動き出したばかりですから、
わたしは、心配をするのは、まだ先ではないかと思っています。先ほど述べた
ように潜在的な需要も強いということもありますが。
一枚のガラスから少ない枚数のパネルしか出来ないことは、歩留まりにも悪
影響を及ぼします。たとえば、ガラスのある一部だけが欠陥がある場合、8枚
取りならば、1枚がだめになるだけですが、2枚取りならば、貴重な2枚のう
ちの1枚が駄目になってしまい、歩留まりは急低下します。下記の式からは、
パネルメーカーは、ガラス基板を大きくすることで、取れ数と歩留まりの両者
を一度に高める戦略をとるのは当然のことであることがわかります。
パネルの供給数 = 1)パネルのガラス1枚からの取れ数×2)歩留まり
1)は基盤の大きさ÷パネルの大きさという割り算
2)は欠陥の数と重度と分散の状況によります。
ただ、パネルの取れ数を多くすることで、致命的欠陥による歩留まりの低下を
避けることができるはずです。
ただし、2)は、それぞれのパネルメーカーの腕の違い、プロセス技術の違い
によって差が出てくるものです。
液晶TVの供給数量は1)と2)の掛け算ですから、取れ数が半分になり、歩
留まりが半分になると、供給数量はわずか25%になります。そこで、できる
だけ多くの取れ数がとれる超大型ガラスを導入して、歩留まりの低下を防ごう
という戦略をパネルメーカーはとることになりました。ところが、大きなガラ
スを扱うこと事体が起こす固有の問題が新たに生じてしまいました。それで、
大きなガラスサイズを使っても、なかなか歩留まりが上がらないという問題に
パネルメーカーは直面しています。
■フラッシュメモリーカードとHDDカード■
松下によるSDカードの宣伝は面白いものがありました。
MPEG4カムコーダー。名刺のようなサイズで、動画が録画ができる。テー
プやDVDで録画するのではないため、小型化ができ、デザインがよく、軽量
化と低消費電力を実現していました。SDのスロットをPDPやLCDテレビ
に搭載して、カードを通して、動画を面倒な接続なしに、TVから再生できる
もので、面白いと感じました。
松下では、現在、1GBのフラッシュメモリーカード(SDカード)を実現。
来年2005年には4GBのSDカードを市場投入
2006年ごろ、32GBを投入意向。
フラッシュメモリーの問題はコストのみです。
究極的には、HDDがないノートPCも可能です。2006年ごろには、フ
ラッシュメモリーでHDDの機能を代替した製品が投入されるかもしれません。
HDDがなければ、バッテリーが今よりは1時間は長持ちするのではないでし
ょうか。現状で3時間のものが、HDDを省くことで、4時間になります。さ
らに、すべてをネットワークで処理するようになれば、DVDやCDさえも不
要になります。そうなれば、さらに1時間はバッテリーが長持ちするようにな
ります。電池の容量やPCチップセットの低消費電力化が進めば、20時間、
30時間のバッテリーが現状の電池でも可能になるのかもしれません。持ち運
びも楽になります。そして、落とすと壊れてしまうHDDと比べると耐久性も
上です。
ところが、HDD陣営も、1インチという超小型HDDで4〜5GBクラス
を投入しています。これが米国で大ヒットしました。アップルの製品(iPo
d)ですが、たくさんの楽曲をHDDにダウンロードして、MDのように聞く
わけです。HDDカードも今、急激に拡大している市場です。
DVDやMDも負けていません。DVDレコーダーはもっとも話題性の高い
製品のひとつです。MDでは30時間録音できるものなどが発表されています。
長い目で見れば、フラッシュメモリーの優位性は動きませんが、HDDも据
え置きのセットではしぶとく生き残るでしょう。
そして、友人へのプレゼントや自分のライブラリーとしては、DVDやMDは
しぶとく生き残るかもしれません。
1)据え置き型の製品→HDD
2)ポータブルな製品→フラッシュ
3)他人へのプレゼントや配布や自己ライブラリー向け→DVD、MD
という感じですみわけが進むのではないでしょうか。
アイデア1)
「フラッシュメモリーの普及。多くのカムコーダー、ノートPCでモーター機
能が省かれる。録画などをチップで行う。」
候補
SDカードの松下など、カードメーカー
フラッシュメモリーの半導体メーカー
NANDフラッシュ; 東芝、三星
ANDフラッシュ ; ルネサス
取材
投資家の質問 ;SDカードは儲かるのか?
松下の回答 ;儲かる。企画を提唱している。ライセンス・ロイヤリティが入
る。不正コピーなどの防止などの対策がしっかりしているため、特別なフォー
マットが使われている。ドライバーからの書き込み方などに工夫があるため、
トレードシークレット+IP(知的財産)で差別化ができる。
示唆
★ 半導体の微細化による低コストが進む→製造装置
★ 設備増強 →半導体の製造装置
さらに、フラッシュは、DRAMに代わって、テクノロジーを引っ張ってい
くドライバーになっています。なぜならば、セルというメモリーの最小単位の
構成がより単純だからです。DRAMにはキャパシターという電荷保存のため
の容量が必要になり、容量は面積と絶縁膜厚に比例するので、微細化に限界が
あるのではないでしょうか。
キャパシターを使わないフラッシュメモリーでは、そのようなキャパシター面
積の制約を受けません。しかし、フラッシュは、その内部で、書き込み電圧が
比較的高いために、DRAMに比べると圧倒的にトランジスタの種類が多くな
ってしまいます。電荷を閉じ込めたり、高い電圧に破壊されないために、膜は
ある程度の厚さを保たなければなりません。そこで、デザイン上の制約は、膜
と比較的高い電圧を扱う(大きな)トランジスターということになります。微
細化とは、低電圧を扱うことですから、微細をしながら、大電圧をこなすとい
う難しさが出てくるのです。
DRAMの場合は、キャパシタに電荷のあるなしで、0と1のデジタルを達
成します。ところが、キャパシタの大きさが電荷をとどまる時間を制約してい
ます。キャパシタを小さくすると、電荷はより短い時間しかキャパシタ内に留
まれないため、リフレッシュの電圧をかけ続けています。いわば、電荷の状態
としては、安定的でないわけです。
しかし、フラッシュの場合は、膜の内部に電荷を流し込み、閉じ込めるだけ
ですから、キャパシタほどの面積を食いません。また、流し込む電荷の量を制
御することで0か1かだけではなくて、8つや16個の段階に細かくコントロ
ールすることで、多値メモリーという荒業ができるかもしれません。この多値
が達成できると、容量は飛躍的に増えるはずです。実用化はまだされいません。
フラッシュの拡大で恩恵を受けるのは、多数ありますが、アドバンなどのテ
スターが面白いのではないかなとふと思いました。なぜなら、DRAMと違い、
フラッシュは、一時的な格納庫ではなくて、消えてはならないものを扱う場合
もあるからです。
そうなると、テストを入念にしなければならないのではないでしょうか。た
だでさえそうなのに、多値になれば、テストの負担は圧倒的に増加するのでは
ないでしょうか。
⇒ところが、株価は、すでに高い!!!
アイデア2)
メモリーカードとしてのHDDのさらなる拡大
HOYAなどのガラス基板、日本電産などのモーター、TDKなどの磁気ヘッ
ド、NOKなどのフレク基盤など、HDD関連銘柄への影響の試算
アイデア3)
モーターが不要になってくると、ダメージを受ける会社もある。
ローム(ドライバーIC)、マブチ、日本電産、ホール素子関連など。
モーターは一方で自動車などを中心に搭載個数が増えている分やもあります。
総合的に考えて結論を出す必要があります。
自分のアイデアは、無知による一方的な思い込みの部分があるものです。
わたしのアイデアも取材を重ねなければ、このままではピント外れのはずです。
そして、取材をして、さらに分析を深めていくという手順をとるわけです。
■アイデアの増幅とアイデアの進化の過程■
1)アイデア→2)取材→3)取材からさらに新しいアイデアやより洗練さ
れたアイデアが生まれる→4)取材→ 〜中略〜→ 結論
このように、取材から、さらに新しいアイデアが生まれることも多く、取材
は株式投資にとって欠かせない手順のひとつになっています。
なぜなれば、取材によって、誰から基幹部品を買っているか、誰が競合相手
なのかを知ることができ、新しい名前の数だけ、アイデアが増えてしまうから
です。
取材→アイデア 。アイデア→取材。このように、アイデアは、形を変えて進
化して、最終的に、株式投資の結論を導くことになるのです。
アイデアは、取材という触媒を通して、増幅され、取材というフィルターを
通して、さらに洗練され、進化していきます。たくさんのアイデアが生まれ、
死んでいきます。生き残ったアイデアから、さらにたくさんのアイデアが生ま
れ、そして、多くは死んでいくのです。生き残るアイデアの数は、あなたの資
金力や運用方針によります。1銘柄しか投資できないのであれば、100の最
終的な結論や投資判断が出来ても、99の結論は無駄になります。ですから、
資金量が多くなれば多くなるほど、アイデアの数が重要になります。そういう
理由で、機関投資家といわれる大きな投資家は、何人ものアナリストを雇って、
調査チームを設置して、取材を毎日のように行っているのです。
前回は、アイデアは、知識量に比例するといいました。
そして、今回は、アイデアは、取材量に比例すると書きました。
アイデアの数は、単純な知識量×取材時間に比例します。そして、アイデア
の質は、理解力と関連する専門知識によるのです。
アイデアの創出は、知識と取材(=フットワーク)によるということです。
また、取材を通して、知識が習得できるという関係にも成り立ちます。
取材を通して、理解を深める。それがまた、アイデアの源泉になる。そうい
う増殖過程を繰り返して、アナリスト経験という経済価値が高まっていくので
す。
(つづく)
山本 潤
スロー・インベストメント2004
〜ゆっくり考え ゆったり投資〜
このコンテンツは、特定の銘柄を推奨するものではありません。アイデアとい
うものは、単なる思い付きの部分も多く、投資判断を導くには未成熟・不十分
・不正確なものです。ここで紹介しているようなレベルのアイデアでは、投資
の役には立ちません。内容についても、関係者との立ち話が中心なので、わた
しの取り間違いや聞き違いも含まれているかもしれません。内容の正確さを保
証するものではありません。
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◆コラム「新連載:個人投資家の不動産投資」
【編集人より】
前回まで「運が実力のすべて」を好評連載していた石川 凛さんですが、
今週から自身の体験を踏まえた不動産投資について書いて頂くことになりま
した。以前もご紹介した通り、石川さんは一般の個人投資家です。掲示板で
も「リスクテイカー」という名前で精力的に書き込みもされていますので、
そちらも併せてご覧いただければと思います。(ぢ)
−−−−−−−−−−−−−−−−−
石川凛です。「ツキについての連載」が終了しましたが、お願いして不動産投
資についての考え方をご紹介させていただくことにしました。
億の近道のオン・ザ・ウェブの掲示板では、いろいろ発表させていただいて
いますが、やはり順序だって説明した方が理解していただきやすいので、メル
マガで連載させてたただくことにしました。
私のやっている不動産投資はワンルームマンション投資です。昭和62年に
最初に買ったワンルームマンションは新築でした。そして立て続けに3室新築
ワンルームマンションを購入しました。
もちろん若かったので現金で買う資金は持ち合わせておらず借金を利用しま
した。投資にレバレッジを効かせたわけです。その当時もワンルームマンショ
ン投資はかなりリスクの高い投資と考えられていましたが、私は株式投資もは
じめていてビギナーズラックでかなり稼げていたので、リスクの高いといわれ
ていたワンルームマンションに投資することができました。そしてその3室目
を買ったあとから東京の不動産バブルが名古屋や福岡に波及してきて一年ちょ
っとで、ワンルームマンションの価格が暴騰し含み益が4000万円近くに膨
れ上がりました。(笑い)
多くの投資家が味を占めて借金で不動産を買いすすめて、バブル崩壊後破綻
していきました。しかし私は邱永漢さんの教えに従って、収入で借金の金利を
返せないような投資はしないという鉄則を守ったので生き延びることができま
した。
いま私は「株で儲けて現金で不動産を買おう。中古ワンルームマンションを
買おう」というスローガンを掲げています。経済的独立をするためと、株で安
定的な利益を得るためには中古ワンルームマンション投資が一番手ごろだと考
えているからです。けして不動産でキャピタルゲインをねらっているわけでは
有りません。自分の自由な時間を確保するために、そして株で儲けるための精
神的な安定を得るために中古ワンルームマンション投資が一番いいと考えてい
るからです。
それでは不動産投資に対する私の考え方をご紹介します。
●安定的にキャッシュが流入するシステムを作り上げる
いま1億円を定期預金で運用した場合、5年定期で運用しても年間の利息は
税引前で15万円程度、税金を引かれたら12万円ほどにしかなりません。つ
まり定期預金の運用ではとても生活していくことはできないということは前の
章でもお話ししました。
目標はあくまで年収3000万円です。しかし3000万円稼いでも300
0万円使ってしまったら何時までたってもお金は貯まりません。世の中に1億
円程度の資産を持っている人はごろごろいます。しかしほとんどの人々の生活
は本当に質素です。派手なところは有りません。そのような質素な生活態度だ
からお金が貯まったともいえるのです。
私も年間収入の目標は高く置いています。しかし実際に使う生活費はそのう
ちのほんの一部です。つまり年間360万円あれば夫婦二人で生活することは
可能だと思い実行しています。子供さんのいる方はこの金額を基礎として、家
族が一人増えるごとに60万円上乗せすればいいのではないでしょうか。その
前提で不動産収入を得ていくのがいいのかを具体例をあげて検討していきたい
と思っています。
安心して暮らしていくためには、毎月きちんと安定的な収入が入ってくるの
が理想的です。私たちサラリーマン家庭は給料という安定収入で生活するクセ
がついているので、毎月の収入に変動がある自由業の方の収入パターンにはな
れていません。
家庭生活ばかりでなく、会社を設立し事業を開始する場合も、安定的なキャ
ッシュ・インのフローを作り上げることができるかどうかが、企業を存続させ
る決め手となります。「安定的な収入」というのがキーポイントとなるのです。
資産運用の手段というと、いろいろ有るように思うかもしれませんが、素人
が安心して投資できるものというと預貯金、債券、株とその応用商品、金、不
動産くらいのものではないでしょうか。そのなかで最も安定的で高利回りの資
産運用手段は何かというと、中古ワンルームマンションに投資して賃貸収入を
得るのが一番いい投資手段だと、私は考えています。そして実際に投資を行な
っています。資産形成で積極的に財産を増やす方法は株式投資です。
しかし株式投資では収益を安定的にあげることは難しいのです。ある月に3
00万円儲けた。次の月は200万円損をした。しかし翌月は100万円儲け
たということがざらにあります。どんなに努力しても株式投資の収益を完全に
コントロールすることは不可能です。だからまず株式投資で資金を稼ぎ、その
一部を不動産投資に投資してコントロールされた安定的な賃貸収入を得ていく
ことは長期的な資産形成には不可欠な方法だと考えています。
日本の不動産投資は非常に難しい状態になっており、投資できる不動産や投
資できる地区は限られてきています。しかし経済的独立を果たし自分の時間を
自分が自由に使えるようにするためには不動産投資、特に中古ワンルームマン
ション投資が一番確実で簡単な方法です。
いま本屋さんに行くと、多くのサラリーマン仲間の方がアパートに投資して
資産を築く手法を紹介されています。私もこれらの本は一通り読ませていただ
いています。しかしリスクテイカーを自分のハンドルネームにしてりスクを果
敢に取ることにしている私でも地方のアパートには怖すぎて投資する気になれ
ませんでした。
なぜ地方のアパートに私が不安を抱いたかというと、まず投資額が大きくな
り借金を利用しないと投資できないことが一番大きな理由です。そしてその大
きな金額を投資したアパートが、自分の思惑に反して、テナントを集めること
ができないようになると、借金を負っているだけに破綻への近道となってしま
うからです。
自分の住んでいない地方の賃貸情況に精通できるわけが有りません。そんな
上手い話があれば、地元の不動産業者や投資家がまず投資しているでしょう。
表面的には問題なく見えても、また投資したときにはまったく問題がなくて
も、地方には土地が余っていますから地主が地代ゼロの土地にアパートを建て
て競合者になることが良くあります。コストが低い競争相手ですから、土地ま
で買っているサラリーマン投資家には太刀打ちできません。金利がなければ対
抗できますが金利があるとどうしようも有りません。自分のための投資が金融
機関への金利支払のための投資に代わってしまう可能性も高いのです。そして
1室、2室と空室ができたらもう首が回らなくなる可能性すら出てきます。
私たち経済的独立を目指す投資家が行なうべき不動産投資は借金をしないこ
とが大切なのです。借金は当たり前ですが人のお金で返さなければならないの
です。借金がなければ投資額がゼロになってもやり直すことができます。しか
し借金を負って失敗したらマイナスからの出発になります。自分の自由になる
時間を取り返すための投資が、更なる時間の奴隷化へのステップとなっては救
われません。だからまず借金を利用しなくてもいい不動産投資を考えて実行し
ていく必要があるのです。
(石川 凛)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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◆コラム「新連載:技術を評価できる個人投資家の養成講座」
【編集人より】
さて、新連載第2弾です。執筆者の彼岸先生は、億近ゼミの1期生で本職
は現役のエンジニア、一般の個人投資家です。これから1年間、技術を軸に
わかりやすく執筆して頂きます。ホンモノのエンジニアが語る技術は、きっ
と読者の方々の投資に役立つものと期待しております。それでは連載開始で
す!(ぢ)
−−−−−−−−−−−−−−−−−
●はじめに
−−− 身近な携帯電話機を取り上げて −−−
携帯電話機の普及率と定着の良さは、かつての電卓、ウォークマン、ラジカ
セを凌駕していると思います。感覚的にも、数値的にも。
さて、『技術を評価できる個人投資家の養成講座』と銘打って始まります本
講座は、どんな方法が一番とっつき易いか、感覚的に捉えるにはどういう風に
すると良いか、いろいろ考えました処、携帯電話機が、もっとも身近でとっつ
き易く、感覚的に捉え易いのではとの考えにいたりました。
仕事に、遊びに、電車の中でも、ファーストフードでも、友達と話している
時でさえ、携帯電話機は常に、傍らにいます。見た目は、色々違いますが、基
本的な中身は同じで、これをなんとかわかり易い様に説明できれば、皆様の技
術の理解への手掛かり、足掛かりになるのではと考えた訳です。
そこで、携帯電話機を理解してみましょう。というのがこの講座の具体的な
内容です。この養成講座を終えたころ携帯電話機のアウトラインがつかめ、部
品構成がわかり、その部品の形、作り方、更には、似たようなものを類推でき
るところまで行きたいと思っています。
携帯電話機をまず理解して、その知識に肉付けしていくイメージで考えてい
ます。一本の幹をしっかりとつくり、その幹に、枝を一本一本はやしていく。
どんどんはやしていって、最後に葉っぱが生えていくイメージです。更には、
どんどん根っこも生えていき、となりにもう一本木が生える様になったりすれ
ば、技術の知識はかなりしっかりしたものになるでしょう。しっかりした一本
の携帯電話機の幹のとなりに、別の技術分野の木が生えている。そしてどんど
んそんな木を育てていく。そんなイメージです。
その幹を一緒につくりましょう!わたくしも、勉強がたりません。判ってい
るつもりとか全然わからないこともたくさん出てくるでしょう。そして自分だ
けが判っているだけではいけません。みなさんにわかり易く説明出来なくては
意味がありません。
皆さんにわかってもらってナンボだと肝に銘じて本講座を進めて行きたいと
思います。
少しでも疑問があれば、メールにて質問をして下さい。学校の授業や講義の
様に、講義が終わって、勇気を振り絞って先生の処へ、質問しにいくわずらわ
しさは一切ありません。名前も匿名で構いませんし、質問する時の一種の気後
れ、恥ずかしさは、メールですので、随分薄れると思います。質問は、公開し
ない方向ですが、講義を進めていく上で良い刺激になったり、建設的であれば、
その都度、公開するかどうかは、考えて行きたいと思います。どうしても公開
してほしくない方は、その旨をご記入ください。
(注:質問・要望メールは chikamichi_oku@hotmail.com まで)
又、その道の専門家も沢山いらっしゃると思います。そこで、お願いしたい
のは、大変勝手なお願いで申し訳ありませんが、ここは違うんじゃないか、こ
こは、こういう説明の方がわかり易いのではないか等の意見を伺いたいのです。
双方向のやり取りで、お互いの理解も深まり、どんどん本講座も内容の濃いも
のになっていくと信じているからです。
今回は、部品を中心にお話をしていきたいと思います。その製造業(メーカ)
がどのような部品をどうやって作って、メーカは何をしているのか、新製品は
どうしてよいのか、メーカは何を努力しているのか、などメーカ全体を掴むこ
とは、投資判断の有力な武器になるのです。投資判断をする際のツールにはP
ER、PBR、BPSやその他の指標、ファンダメンタル、テクニカル、会計、
マクロなどなど色々ありますが、これらのツールのひとつに、『技術の評価』
を加えるということ。それをお手伝いできればいいなと考えています。
わたくしは、わからないということはリスクだと思います。わからないこと
をなくすことによってリスクが減ると考えています。
最後に、構想段階ではありますが、本講義が終わってからは、興味ある又は
市場を賑わしている製品、部品の工程(部品をつくる過程)の想像し、何が問
題で、人が何人必要で、どれぐらいのコストがかかるか、単価をいくらに設定
し、利益がいくら、まで予想出来る様になるための講座ができないかと考えて
います。
最後になりましたが、この一年間のスケジュールを億近掲示板のライブラリ
の方へ貼り付けておきますのでご参照下さい。
http://club.www.infoseek.co.jp/club.asp?cid=l0600001
これから一年間どうぞよろしくお願い致します。
(彼岸)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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◆コラム「景気の転換点と株価の転換点」
皆様こんにちは。村田です。株価は今日も好調を維持しました。日銀が(予想
外に)当座預金目標を30〜35兆円に引き上げるなど、政府・当局の姿勢は、
今後も景気や株式相場に配慮した運営となりそうです。
日本景気については、相変わらず外需依存体質から抜けられない状況が続いて
おりますが、日本が依存している米国・中国景気は堅調さを維持しています。
米国景気の先行きについては、相変わらず悲観論が伝えられますが、どう考え
ても実質GDP成長率が4%を下回ることはなく、(油断大敵とはいえ)ここ
半年くらいの日本景気は、外需に寄りかかりながらも成長を続けると見込んで
います。
では株式市場のほうはどうでしょうか?株価は先行期間が6〜9ヶ月くらいの
景気の先行指標ですので、仮に株価の先行期間を9ヶ月とし、景気が1年後く
らいに失速するとすれば、株価は夏前には調整局面に突入することになります。
だけど、もし株価の景気に対する先行期間が6ヶ月だったらどうなるでしょ
う?景気失速のタイミングが同じ1年後としても、株価はあと半年くらい好調
を続けることになります。
じゃあどっちなの?だからトップダウンはあてにならないんだよね、等々の声
が聞こえてきそうですが、そうでもないのです。今述べたことは、景気と株価
の関係を「ざっくり」とみた場合であって、もう少し精緻に分析すると、それ
なりに有益なヒントを得ることができるのです。
例えば、景気の転換点と株価の転換点の関係をきちんと数値解析すると、株価
(ここでは先週も紹介したTOPIX)の転換点も計算することができます。
ボトム ピーク 期間
年 月 TOPIX 年 月 TOPIX 拡張 後退 全期間
1970 12 148.24 1973 01 410.93 25 21 46
1974 10 264.46 1981 08 596.74 82 12 94
1982 08 523.53 1989 12 2859.57 88 32 120
1992 08 1207.73 1994 06 1684.01 22 12 34
1995 06 1223.73 1996 06 1690.59 12 28 40
1998 10 1023.68 2000 02 1711.97 16 38 54
2003 04 791.55
ご覧のとおり、1974年10月〜1981年8月と1982年8月〜198
9年12月の2期間を除くと、TOPIXのボトムからピークまでの平均期間は、
おおむね19ヶ月となります。よって、今回のボトムである2003年4月に、
平均拡張期間である19ヶ月を機械的に当てはめると、2004年11月が
TOPIXの次のピークとなる、と見込みがたてられます。
もちろん、これはあくまで「機械的な」試算ですし、実際にはTOPIXではな
くセクター平均株価や個別銘柄で同様の方法を適用し、複合的に考える必要が
あるのですが、これだけでも、参考情報としては、それなりに使えるのではな
いかと思っております。
先週の本欄で、「うわ〜テストだ大変だぁ」と書いたところ、多くの方から励
まし(もしくは心配)の声を頂きました。ありがとうございます。テストので
きは(当たり前ですが)あまり良いものではありませんが、きっと単位はくれ
ることでしょう。
これまでは、本業や大学院などで皆様にあまり有益な情報をお伝えできない状
況が続いておりましたが、22日の最後テストを乗り切れば、セクターに関す
る分析作業にもう少し時間を費やすことができると思います。これからは、私
の得意分野である「景気とセクターの関係」に留まらず、セクターを(ボトム
アップにしろトップダウンにしろ)分析する際に必要となる知識やポイントも
整理しながら、皆様にお伝えしていきたいと考えております。今後ともお付き
合いのほどお願いいたします。
村田雅志(むらた・まさし)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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