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投資情報メールマガジン 2003/05/06号
イ意 の 近 道
−プロが導く「億」資産への近道− 週4回発行
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【ご挨拶】
将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
したい。また同時に、当メルマガを通じてより多くの方に自立した投資家を目
指していただきたいと考えております。執筆陣は証券・金融業界に身を置いて
いる人間ばかりです。プロの目から見た各種分析や銘柄を参考にして、「億」
の資産を目指し、自立した投資家への道を歩みましょう!
★当メルマガは等長フォントでの閲覧を前提にしております★
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−本日の目次−(本日の担当:大原部長&IF山本)
◆コラム「大原 ついに引退!」
◆コラム「FCFE 松下電産(6752)の事例」
◆コラム「連載 トークにつかえるウォール・ストリート・ジャーナル」
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◆コラム「大原 ついに引退!」
みなさま、長い間、本当にありがとうございました。
このたび、諸般の事情より、大原は火曜日のレギュラーから外れ、億の近道か
ら引退することになりました。
「億の近道」の黎明期に執筆を始める幸運に恵まれ、3年と1ヶ月が経過し
ました。
わたしの最初の原稿は2000年3月29日でした。
さあ、2000年3月といえば、ITバブルのピーク。日経平均は2万円で
した。
2000年は、いけいけどんどんのテクノロジーの話で通しました。
2001年は、億の近道のゼミ生を募集。ゼミで投資教育を始めて行いました。
2002年は、よい経営とは何かにフォーカスしました。日本企業の特別損失
を検証。
2003年は、会計の勉強をしよう。そう決めていた矢先のことです。
後任は、「億の近道」の発行母体であるNPOイノベーターズ・フォーラム
の理事、山本 潤氏にお願いすることにしました。
今週から、さっそく、山本氏にバトンをタッチしたいと思います。
みなさま、3年間、お世話になりました。今後とも後任の山本さんをよろし
くお願いいたします。
(大原)
◆読者のみなさまへ NPOイノベーターズ・フォーラム(略してIF)理事
山本 潤より◆
大原部長、ご苦労さまでした。
さて、大原部長の後任となります、IFの山本 潤です。よろしくお願いしま
す。
大原さんと同じく、米系投資顧問で株式の運用を仕事としております。
大原さんと同じく、イノベーターズ・フォーラムで理事を務めております。
生年月日も同じで、血液型も同じで、両親も同じです。学歴も職歴も同じです。
大原さんとは39年来の旧知の仲で、彼のすべてを知っているわたしが後を
任されることになりました。
大原さんのモットーである、「清く正しく美しく」の精神を受け継ぎ、証券
業界の未来のために、努力をしていきたいと考えております。
今回は、大原さんがケチョンケチョンにけなしつづけた松下電産を例にとり、
フリーキャッシュフローというものをご紹介したいと思います。
◆マーケット FCFEの説明 MEI 6752
フリーキャッシュフロー(FCF)とは、会計的な恣意的操作を排除した、
本当の資金の実入り分を評価するものです。
会計処理の違う企業をなんとか並列で評価が可能ということもあり、標準的
なバリエーションのツールです。
(IF理事 山本)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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◆コラム「FCFE 松下電産の事例(6752)」
松下電産(MEI)の場合を例でFEFCを説明したいと思います。
まず、MEI(松下)のキャッシュフロー計算書を見てみましょう。大きく
改善しています。
営業CFが2002/3の1129億円から2003/3は6983億円と
飛躍。ざっくりいって、7000億円です。
これで有形固定資産の取得分が2500億円程度ですから、フリーキャッシュ
フローが4500億円程度になったことになる。
これは高い水準です。株式を通したJVなどへの投資分800億円を考慮して
も、3700億円のFCFです。高水準ですね。
MEIの場合、03/3でも2年続いて純損失を計上していますね。
会計的にはみっともない決算でした。なのに、CFだけなぜよいのか?
どうして営業キャッシュフロー(OFC)のレベル(絶対水準)がこれほど
高いのか、その原因は主に2つあります。
まず、減価償却費年数が絶対的に短いこと。(約3000億円)
そして、営業に必要な運転資金が相対的に大きく減少したこと。(約1600
億円)
〜減価償却〜
傾向としては長期化していて不安な面もあります。
(単体はなぜか償却年数が2年近く長くなっていて不安)
しかし、償却年数は絶対水準で見ると短い方です。
本田技研など、自動車会社は6年程度の償却年数です。
松下は償却対象資産が約1兆円強で3000億円の償却費ですから、3.4年、
しかも定率法ですね。
これを自動車並みの6年にすると、年間1600億円の償却費(定額の場合)
となり、1400億円の営業利益改善要因になります。
松下の営業利益はたったの1200億円台でしたね。償却年数を定額にして
6年程度にすれば利益は倍以上になる。
償却年数をアジア企業や他の産業やライバルにあわせる。
すると、利益はどうなるのかなあ。そういう視点で企業を見ると面白いですよ♪
〜運転資金の改善〜
資産側。
2003/3の決算の特徴は、
売掛金と売上の伸びを比較。
売掛金は伸びゼロ。売上は4%伸び。4000億円の効果です。⇒異常なし!
たな卸しと原価の伸びを比較。
たな卸しが13%減って、原価は横ばい。1200億円の効果です。⇒改善大!
負債側。
買掛金が大幅に増加。支払を延ばしています。
半導体の装置メーカの方が嘆いていました。松下は前はカネ払いがよかったの
に、最近、悪くなったと。
悪くなったといっても、松下以上にカネ払いの悪いメーカは沢山ありますから、
普通になったという感じですね。
⇒松下は、意識的に買掛金を増やしている。
なるほど、こういうことで、ネットでは赤字でも、減価償却費や運転資金の減
少があり、FCFは大きく改善したのです!
一般的に、FCFで株主にとって重要なのは、単なるFCFではなく、
a純利益+b減価償却−c設備投資−d運転資金の増加分±eネットデットの
増加分を見る。
これをFCFE(株主へのフリーキャッシュフロー、Free Cash Flow to
Equity)といい、一般的なFCF(a純利益+b減価償却−c設備投資−d運
転資金の増加分)と区別しています。
株主にとっては、借金も適正な範囲であれば、キャッシュフローの源だから
です。
わたしはこの意見に同意しています。それは運転資金の増加分程度のネット
デットの増加分であれば、問題ないと考えるからです(適正なレバレッジ比率
があり、それを維持している状態であれば、問題がないのではないか)。とく
に収益性が改善しているうちは、適正なデットの増加はそれほどは気にならな
い。
松下の場合、運転資金が減少しているために、いまのところdとeの要素を
将来的に考えても、同等以上、継続的に改善すると見ることが可能です。
経営を見ると、不採算事業からの撤退基準を始めて4月より導入、EVAも
4月に導入したところです。
難しく言いましたが、このFCFEの水準が、松下の場合、数年後の平均的
なイメージは2500〜3000億円程度です。
(純利益1000億円+α+減価償却費2900億円−設備投資2200億円
+運転資金改善400億円+α+ネットデット増加500億円+α)
一般的に、FCFは経営による会計的操作が困難であること、赤字企業にも
使用できることから、広く株価評価のツールとして用いられているのです!
(執筆 2003/5/2 IF 理事 山本 潤)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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◆コラム「新連載 トークにつかえるウォール・ストリート・ジャーナル」
◆As Buffett Bets on PetroChina, Some See Reasons for Caution
◆TSMC`s Net Profit Drops 34%
◆Starbucks Adds Musical Bump To Usual Grind
◆SamsungSDI`s Net Falls 12% as Demand For Screens Softens
◆Indian Software Makers Suffer Lower Margins, Investors` Fury
◆Macronix Internationl Co
みなさまの中にもファンが多いと思います。Buffetさんが最近中国株
を買って話題になっています。
真似をするならバフェットさんの真似を=バフェットが買っている株を買う。
どうせなら、世界一の投資家の買っている株を持とう?
◆As Buffett Bets on PetroChina, Some See Reasons for Caution
あれあれ、ディスクローズの悪い中国株なんて買って、バフェットさん、ど
うしちゃったの?? そういう声も上がる中、バフェットさんの動向が気にな
る方も多いはず。
ペトロチャイナ(香港上場)は、確かに、安い!
PER8倍。配当利回り6%。バフェットさんは4月になって10億株も買っ
ちゃった。SARSでこの会社の5月の売上計画は25%も切り下がるなど、
短期的なタイミングはちょっとどうかな?という声も。
もっとも、SARSでは、当局の対処の方法、つまり、隠し通すという態度
が外人投資家の嫌気を誘ったばかり。すばらしい経営に投資するはずのバフェ
ットさんが、どうして、よりによって、うさんくさい中国へ投資しなきゃいか
んの?という指摘もあるようです。
ところが、このペトロチャイナ、日本の生半可な企業よりもリストラがすご
い。リストラ案に、労働者は抗議デモ。リストラの修正を迫られた経緯も載っ
ています。
仕手系銘柄を探すよりは、バフェットのまねをしたほうがいい?
「オレはバフェットが買った値段よりも安く、ペトロチャイナを買ったんだ
ぜ」と自慢する方がかっこいい? バフェットの買いコストは1.65ドル程
度でしょう。
1.6ドル程度で買いを待つという手もありますよ。
投資は自己責任。このコラムでも、他人の動向に振り回されずに、自分の意
見で株を買いましょうね、みたいなことを言っております。バフェットさんも、
この投資がどうなるのか、本当は自信がないのかもしれませんね。
○Will Warren Buffett, America`s premier capitalist, be burned by China`s
complicated relationship with market economics?
Will Buffett be burned? バフェットは黒こげにされるのか?
まあ、うまく訳せませんね。
「アメリカの第一級の資本主義者が、中国のややこしい市場経済のあり方の犠
牲者になってしまうのか?」
うー。上手く訳せませんね。
4/30/2003号より
◆TSMC`s Net Profit Drops 34%
TSMC said it expects wafer shipments will increase 20% during the second
quater from the first quatoer as average selling prices will rise and
strong demand will ensure that of the company`s production lines will
be utilized.
○average selling prices − 平均価格 ASPとよくいいます。
ASPが上昇するのは基本的にいいことですね。
今回の1−3月の決算は、台湾企業でも厳しい決算が沢山でてきましたが、
さすがというか大手ファンドリー二社は楽観的な4−6の見通しを発表してい
ます。多くはお客さん側での在庫積み増しによるものですが、7−9に向けて
期待を抱くこともできる内容でした。
◆Starbucks Adds Musical Bump To Usual Grind
米国では、スターバックスのCDレーベルが流行っていました。ノラ・ジョ
ーンズなどはグラミー賞も取っちゃって。すでにスタバでは23枚もCDを発
売しています。
スターバックスに行くような人たちは、基本的に、音楽が好きなんだそうで
す。日本のスターバックスはどうするのか? ちょっとCDは無理でしょうね
え。米国のスターバックスのお話でした。
◆SamsungSDI`s Net Falls 12% as Demand For Screens Softens
いまや、ブラウン管、液晶、PDPと何でもこいのサムスン。1Q決算が出
ました。基本的に、韓国では携帯が駄目になってきて、携帯電話ビジネスのマ
ージンが急低下。そのあおりを受けて、液晶も小型が駄目になった。とくにS
TNはよくないねえ、あと、CRTブラウン管も冴えない。そういう記事が載
っている。一方、PDPは堅調とのこと。
○Demand Softens ⇒ 需要が「緩む」。覚えたい表現ですね。
5/1/2003より
◆Indian Software Makers Suffer Lower Margins, Investors` Fury
あれあれ。どこの国でも同じ悲劇が。時代の寵児だったインドのソフトウェ
ア大手のInfosysやWiproが急落。1Qの粗利が急低下した。30%台の粗利が
25%程度になっただけで、株価は40%も調整。
○Fury - 憤慨、激怒、そりゃ、40%も株価が下がれば「発狂」しますね。
それにしても、利益率が悪化しただけで、PEが半分。PEの切り下げがす
ごかった。利益が落ちて、PEの倍率が落ちる。最悪の事態です。PEが高い
銘柄は注意が必要ですね。
ソニーショックと同様、ネガティブサプライズ! 寝耳に水だったとか。
◆Macronix Internationl Co
its first-quater net loss widened to NT3.2 billion (US$91.8 million),
or 88 New Taiwan cents a share, from NT$2.72 billion, or 74 New Taiwan
cents a share, a year earlier.
○Loss Widened 赤字が拡大した
あれあれ。任天堂やメガチップスのチップを作っているマクロニクス。また
また大赤字。どんどん状況がひどくなっています。ゲームはさっぱり売れない。
いやいや。任天堂やメガチップスにも悪材料ですね。
(執筆 2003/5/2 IF 理事 山本 潤)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)
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【編集後記】
■GWはいかがでしたか?仕事で頑張っていた方には申し訳ないですが、ま
たまたGWの話題などを。前半の渋滞ドライブに懲りたので、都内で何か楽
しめる事はないかと思案した結果、寄席に出掛ける事にしました。浅草は演
芸ホールまでちょいと出掛けてめぇりやした。予想に反して、立ち見が出る
ほどの大盛況。年寄りばかりかと思いきや、20代の若人も結構見かけて、
近頃の若ぇモンも捨てたモンじゃねぇやなと感心しきり。こぶ平は生で見ら
れたし(落語というよりゃトークみたいだったが)、トリの木久蔵もこれま
たイイ芸人で、TVのバラエティで右往左往してるお笑いとは一線を画して
いるなぁと感じました。「芸」てのはあぁいうことを言うんでさぁね。おっ
と、つい江戸町人コトバになっちまいやした。(ぢ)
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編集者:億の近道発行プロジェクト
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