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夏の後半戦




 先月の中旬頃は「中々梅雨が明けない。暑くならない」とぼやいていましたが、梅雨が明けたら、あっという間に残暑の季節になりました。長い梅雨でした。

 先月末のFRBによる利下げも0.25%と言う妥当な水準で収まり、金融市場から見るには中途半端だったためか?景気動向への不安があるためか?・・・株式市場も債券市場も依然として不透明な動きが続いています。

 明確なのはトランプ大統領から発信される断定的で扇動的なツイッターのみ。その内容には深みも良心も全く感じられません(苦笑)。白人有権者からの有効投票を得て支持議員の過半数さえ押さえれば良いという冷徹な選挙対策しか彼の頭には無いようです。求めるものは世界の平和より自己顕示欲なのでしょう。
 良き米国時代の平等・自由思想を分断し、やはり本音は白人至上主義なんだと言う事実を感じさせる、嫌〜な気分にさせてくれます。仮に来年の大統領選で落選するにしても、こんな輩に最低でもあと1年は付き合わねばいけないのかと・・・憂鬱になります。


 さて、7月中旬に日本証券業協会から「個人株主の動向について」という集計データが発出されました。

 これによるとNISA効果によると思われる個人株主数の増加が見て取れますが、全体の保有金額は2017年度で約114兆円、18年度で約108兆円となっており、12年度(アベノミクス前)の80兆円弱と比較しても、株式市場の値上がりの割に増加していない事が分かります。
 東証1部の時価総額は2012年末の約296兆円から先月末の595兆円まで約2倍になっているのですが、個人投資家の保有は減っています。
 実態として、この上昇相場の中で、恐らく2017年までの上昇時に個人の株式売却が続いていた故と考えられます。

 個人株主数でみると、2014年度までは4,500万人強程度で推移していたものが2015年から増え始め、2018年度は5,473万人へと約19%増えています。特に17年〜18年の増加が顕著ですので、この時期にNISAなどを利用して株式投資を始めた方が多かったのではないでしょうか。
 同時期に個人株主数(名寄せ後)が18年度で1,985万人と増えており、株主一人当たり平均保有額が2014年度以降は500万円台でほぼ横ばいであることからも、小口化傾向にあることが分かります。

 保有比率の推移でみると、ザックリですが、1970年代前半には35%ほどあった個人の保有比率が、1985年23%、2000年19%、2010年20%、2018年17.2%と、約45年間で半減しています。

 主体別では、個人投資家や事業法人、及び銀行の持ち株比率が減少する一方で、信託銀行(主に投資ファンドや日銀保有分など)や生損保など、加えて投資信託が2000年代から徐々に上昇し、特に1990年代からの外国法人等の比率が上昇している訳です。
 外国法人等保有比率は1990年度(約5%)から2018年度(約30%)まで増加傾向が見られます


 纏めると、1990年からのバブル崩壊により日本株のバリュエーションや市場環境が適正化していく中で、国内投資家の持ち分が減少する一方で外人が買い始めたと考えられます。つまり1989年までは外人投資家にとって「とてもじゃないが割高だし、市場も未整備で、沢山買えない」と言う時代だったのでしょう。

 1990年代末のITバブルや2000年代のサブプライム・バブルなどを経た後に、日銀の異次元緩和がスタートしたことで株価上昇に繋がった訳ですが、それでも日本の経済成長率が低かったことや市場整備の遅れなどにより、2017年になって時価総額は漸く1989年末を越えた・・・と言うのが今の株式市場の姿です。


 成長を期待できない日本市場は、この先どのような推移を見せるのか?
 終盤に入り市場が成長する為のKEYは、企業業績も大事なものの「投資家の為の市場になれるのか否か?」。つまり財界や運営者の為に都合の良い市場に留まるのか?真の投資市場になるのか?・・・ではないかと考えています。

 参院選も盛り上がりに欠けましたし、これからは消費税対策に向けた(軽減税率などの)姑息なバラマキ策のニュースが増えそうです。

 政治には期待できませんし、小手先の投資支援策(使い勝手の悪いNISA)や爪楊枝ほどの第三の矢では市場は変わらないのでしょう。まだ暫くは慎重な投資を心がけたいところです。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)


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