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有料メルマガライブラリから(39)現代の錬金術である株式投資を使って、老後の生活を少しでも豊かにしようとするための心得

 有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を再編集して毎週掲載いたします。自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。

 今回から4回にわたり、特別に直近のコラムを掲載いたします。現状の市場の状況と読み合わせながら、投資戦略&戦術の参考にどうぞ!

==「現代の錬金術である株式投資を使って、老後の生活を少しでも豊かにしようとするための心得」==
  (有料メルマガ第200回・2012/10/30配信号)


 先週は、10月25日(木曜日)までは日経の株式市場は堅調でした。少し投資家マインドに変化が出たのかもしれないと期待しています。

 私は9月の配当を増やす為に、高配当利回りの大型株、たとえば大日本印刷、アズビル、アマダなどの日本を代表する高技術製造業に、数単位ずつ短期投資を実行しました。業績が上がらない非優待銘柄の自動車部品メーカーの株を損切り撤退して作った資金を投入しました。

 そのうちのアマダの売買について、少し書くことで、私が短期売買をするときの利喰いのルールにしていることと、日本株投資家の投資マインドが変化したのではないかと感じた理由などを書いてみたいと思います。

 日本を代表する機械メーカー(日本の機械メーカーの中ではNO2の企業です)であるアマダの株に、3000株ほど投資を実行しました。
 9月の配当8円欲しさに、377円、371円、367円とアマダの株を買い下がりました。
 アマダの株価が上向いてきていたことと、アマダの資産背景や事業内容を調べた上で、配当取りのための短期投資をしても、それほど酷いことにならないだろうと判断した結果の短期投資でした。配当権利落ち後に、予想をはるかに超える厳しいアマダ株の下落に遭遇しました。

 配当権利落ち後にアマダの株価が大きく下がり、331円まで急落していきました。

アマダのチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=6113&ba=1&type=3month

 アマダの企業力を理解していたので、損切りなどしないで我慢してグリップを続けていました。そのうちにアマダの株価は反発し始めました。
 たった24000円の配当欲しさに、10万円近くの含み損を抱えたわけなので、欲張らないで買い値よりプラスになったところから、利喰い売りをスタートしました。

 私は、短期投資で複数単位に投資したときは、高く買ってしまった分の株を先に手放すというルール、考え方で利喰いの売りを行なうことにしています。売却をスタートしてから株価が下がってきた場合に、安く買ったものから利喰いしたと考えていると、残りの株を売りにくくなるという自分の性格に基づいて作ったルールです。

 377円で買った1000株を380円で売りました。配当8000円プラス3000円のキャピタル利益です。

 次に371円で買った1000株を401円で売りました。配当8000円プラス20000円のキャピタル利益です。

 最後に、367円で買った1000株を411円で売りました。配当8000円プラス44000円のキャピタル利益です。

 利喰いを完了した日のアマダの終値は416円でした。一時的に10万円近くまで含み損が膨らんだのに、91000円の利益は充分な利益だと、先週のコラムで書いたように、自分の欲を制御することが出来ました。

 利喰いを完了したのは10月18日で、先々週の金曜日です。アマダの減益修正と減配のIRは、普通とは違って土曜日にでました。このようなことはあまり経験したことがありません。

アマダの10月19日のIRです。
http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr1/tdnetg3/20121020/7q63hc/140120121016017696.pdf

 これは10月21日の寄付からアマダの株価は大きく下がる。利喰いを完了しておいて良かった。このように感じました。しかし10月21日からのアマダの株価は踏ん張って、400円を下回ることはほとんどありませんでした。

 アマダの株価ばかりではなく、日本を代表するような大型株は、かなり頑強に下げ渋っているように感じられました。

 この原稿を書いている10月26日は、4月末および10月末決算銘柄の配当や優待の権利最終日でもありました。10月25日までの日本株の強さが見られず、26日の日本株は下げるものが多かったように思えます。週末特有のリスク回避の動きかもしれません。

 10月26日の世界市場の株価の動き、特に米国市場の株価の動きの影響を、10月29日からの日本の株式市場も受けるとは思いますが、もし10月25日までのように日本を代表する大型株の株価が強さを維持することができるなら、年末に向けての日本株は堅調な動きを続けてくれるのではないかと期待しながら、ウォッチしようと考えているところです。

 あと、決算短信を発表する企業が多いので、どのような銘柄の企業に投資すべきかを、この週末に真剣に検討しようと考えています。

 私は、通常はキャッシュ・ポジションをあまり持たないでフルインベスト状態でいることが多いのです。しかし、投資したいと考えていた日本の大型株の動きが10月25日までは強すぎたため、アマダの株やその他の9月配当取りの為の短期投資大型株を利喰いした資金を、かなり現金のまま残してしまいました。

 アマダ以外の9月配当取り目的の大型株の株価も、自分が当初設定していた株価に届いた銘柄も多く、まだ決算発表がすんでいないものは、『欲を制御』するという考えに基づいて、目標額に到達した分は、10月25日までの値上がりで、利喰いを実行しました。

 過去のコラムに書いてきたように、今年の配当が来年の私の生活費になります。従って、今年の9月までは自分の株式投資では、配当にかなり執着した投資銘柄を選んでいました。しかし再来年に私は60歳を迎えて、準備していた私設年金の支払いが一部始まります。

 60歳時点の生活費は来年の配当に依存しますが、60歳からは年金が一部ですが貰えるようになるので、今年までとは少し違って、配当に対する依存度が減ります。つまり私の経済的は制約が、少し変化をすることになります。

 いままではキャピタル・ゲインがどれほど出ても、それを生活費に反映させることは厳禁事項としてきました。キャピタル・ゲインはあてにならないので、それを生活費としてカウントすると、生活パターンが崩れます。投資判断にも悪影響を与えます。

 この考え方は、まだサラリーマンなどの安定収入のある生活を維持している投資家の皆さんが、定年後の『60歳から65歳までの安定収入減少期』の株式投資をするときの参考になるのではないかと考えて、ご紹介させていただきました。

 私は51歳のときサラリーマンを卒業して、52歳から58歳までの6年間、安定した労働収入を期待できない生活を維持してきました。その間にリーマン・ショックも東日本大震災も経験し、日本の株式市場も大きく下落して、私の株のポートフォリオも痛撃をうけ、リーマン・ショック時には投資元本の40%を失うような目あったことは、このメルマガのコラムのほうで何度か書いてきたことです。しかし、『欲を制御』して優待銘柄に過大なほど分散投資を行なったことによって、この6年間を通算で見ると、投資元本を減らすことなく、維持することが出来ました。

 配当は生活費に使っているので、残念ながら投資元本を大きく増やすことは出来ませんでしたが、『安定収入減少期』の株式投資としては、充分に投資目的を果たしてきたと自己分析しています。

 今年の11月以降の配当は、60歳以降の私の生活費になりますが、配当依存度が低下するので、少しキャピタル・ゲイン狙いで日本を代表する大型株にも投資を増やしてみたいと考えているところです。

 自分がいままで少しずつ打診買いをした銘柄は、H社、S社、F社などのような外需銘柄です。ただ事業領域が広すぎて、なかなか研究銘柄として取り上げることが難しい銘柄群です。

 これからも研究銘柄としては、『安定収入減少期』の投資対象として相応しく、しかも高配当利回り、または高配当優待利回り銘柄でキャピタル・ゲインも期待できるような銘柄を、主体に取り上げていきたいと考えています。


 フジミインコーポレーテッドが業績上方修正で株価が大きく上げたことは、研究レポートの中で取り上げました。そのフジミインコーポレーテッドの有価証券報告書に出ている、主要仕入先の2011年3月期末と2012年3月期末の明細を見ると投資のヒントが得られます。

 フジミインコーポレーテッドの2011年3月期末の買掛金の内訳(単位百万円)
1位 扶桑化学工業 845
2位 双日     150
3位 大平洋ランダム108
4位 屋久島電工   82
5位 大豊化学    72
6位 その他    792
合計       2052

フジミインコーポレーテッドの2012年3月期の買掛金の内訳
1位 扶桑化学工業 715
2位 ラサ商事   415
3位 大豊化学    88
4位 住友商事ケミカル64
5位 日本軽金属   55
6位 その他    626
合計       1965

 ラサ商事については、10/9号で研究銘柄として取り上げました。業績好調のフジミインコーポレーテッドの第2位主要仕入先として、新たに浮上してきたので、ますますラサ商事の業績に期待できると考えています。

 また扶桑化学工業は、低PERかつ低PBRのままで放置されている、3月に魅力的な優待がある企業です。2013年3月期の第2四半期決算短信の発表は11月1日の予定で、この決算短信発表の内容次第ではありますが、扶桑化学工業を研究銘柄の候補先の第1候補として考えているところです。

 扶桑化学工業の2013年3月期第1四半期の決算短信です。
http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr1/tdnetg3/20120802/7lkdw2/140120120730086290.pdf

経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎

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