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億の近道2010/11/10


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投資情報メールマガジン                  2010/11/10号
              イ意 の 近 道

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             −本日の目次−
          (本日の担当:式町みどり)

◆コラム「為替市場動向〜ドル安の流れに変化? 米債券市場と欧州債務問題」
    :式町みどり

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◆コラム「為替市場動向〜ドル安の流れに変化? 米債券市場と欧州債務問題」

 11月の声と共に先週は多くの材料が目白押しだった週でした。欧州中央銀
行ECB、英国中銀BOE、豪州中銀RBAの政策決定会合。そして、とりわ
け金融市場でもっとも関心を持たれていた注目材料、米国の「FOMC」(連
邦公開市場委員会)と中間選挙という2大イベントの結果が出たことでした。
 それぞれの結果の注目点は、FOMCの決定が予想よりも国債購入額が多か
った点、中間選挙結果は共和党の獲得した議席数が事前予想よりも多かったも
のの両方とも予想と大きく離れることなく市場にサプライズを与えるほどでは
ありませんでした。量的緩和第2弾(QE2)を材料に為替市場ではドル安、
株式市場上昇、一方で米債市場では長期セクターが売られ、特に超長期の30
年物の利回りの大きな上昇が注目されます。リフレ政策による将来のインフレ
懸念への反応、或いはもう一つの材料である中間選挙で敗北したオバマ政権に
よる今後の財政政策のよる景気浮揚策を懸念した反応と見る向きもあります。

 二つの材料の詳細を少し見ていきましょう。まず、FOMCによる量的緩和
第2弾QE2。このところ米経済指標も一部好転を示すものも出ていますが、
そんな中でFRBによる6,000億ドル(8カ月間)の国債購入計画は、昨
年のQE1プログラムの2倍の規模。当日発表された声明文中で注目されたの
は「デフレ」懸念です。このプログラムを導入するのは特に最近のインフレ率
の低下傾向を水準調整するためというニュアンスが見られるので、今後デフレ
傾向が強まる場合にはQE3、QE4の可能性もあると見るか、今後発表され
る議事録が待たれるところです。QEはお金ばらまき→ミニバブル形成→イン
フレ率上昇操作の政策でしょうか。投資家として気をつけておきたいところで
はないかと思います。

 次に米中間選挙の結果です。議席をのばした共和党と現民主党政権間の議論
からどのような政策展開になるのか注目されます。共和党の影響度が強くなる
ことで金融規制等の可能性が低下して金融市場には良い影響があるかもしれま
せんし、税制や財政の問題の改善がみられるのかなど来年1月に召集される議
会での展開が注目されます。

 さて、為替市場の動向です。
 通貨安戦争への批判的な態度を示していた米国を含めた各国ですが、米国の
量的緩和による米ドル安の流れにのみ込まれた格好で、米ドルは対円で11月
1日に80円22銭、ユーロ対米ドルは11月4日に1.4282高値のドル
安ユーロ高、11月2日にサプライズの6カ月ぶり利上げを発表した豪ドルは
等価1.00越えで11月4日に1.0177高値までの米ドル安・豪ドル高
をつけました。

 一方で、10月後半から顕著になってきた欧州諸国、特にアイルランド、ギ
リシャ、ポルトガル等債務問題が懸念される国々の国債への保証料を取引する
CDS市場では保証料の値段が上昇し続けていました。また信用力あるドイツ
国債との格差がより拡大。アイルランド、ポルトガルの各国債とドイツ国債へ
の上乗せ利回りは過去最大をつけています。個人的には先週の米ドル安ユーロ
高の動きに違和感があったのでユーロ買いに乗りきれませんでした。そしてこ
こへ来て、米金利上昇もあって欧州の債務問題がユーロ売りの言い訳となりま
した。1.43目前まで対米ドルで上昇したユーロは11月9日に1.37台
まで反落しています。この欧州の債務問題がクローズアップされるきっかけの
一つになったのはドイツからのソブリン債の債券保有者への負担を迫る2段階
のメカニズムの提案との見方もあります。高債務国の国債にはダメージになり
ます。アイルランドの5年物CDSは10月20日に400BPだったものが
11月8日には597BPの高値までつけています。ただ、CDS市場はかな
り投機的な面もありますので変更には要注意です。

 次に金利動向です。米債券市場では30年物の金利が上昇。10年物と30
年物の金利差が更に拡大。10月末に1.39%差であったものが直近11月
10日までに最大1.59%まで広がっています。将来のインフレ懸念を示し
たものとも理解できますし、今後の米財政への不安を示したものと理解するこ
とも出来ます。長期金利の上昇が現在はドル安の是正に動いていると言えます。

 このような状況で、主要通貨の今後の動きについて考えてみましょう。
 ドル・円は80円割れを目前に一旦折り返し81円台後半まで戻しています。
日米金利差(2年物国債)をチェックすると先週18BP差をつけていました
が、直近では29BPまで開き、米金利高も影響していることが分かります。
年末要因によるドル金利高もありますのでしばらくは一方的なドル安から修正
の動きになると考えています。

 ユーロ・米ドルは欧州債務問題によるユーロ安要因と金融政策が向かう方向
性によるユーロ高要因が混在しているように思います。出口戦略を模索するE
CBと量的緩和策を推進するFRB。短期金利差(3カ月物)は9月に50B
Pだったものがじりじり上昇して直近では70BPに拡大。ユーロ高の背景の
一つにもなっていると思います。修正を経ながらユーロ高・ドル安の可能性が
やや大きいと考えます。

 豪ドルはこのところ日本の投資家に最も人気のある通貨と囃されています。
外債も豪ドル建てが多く販売されています。対米ドルでは等価以上になったの
で対円では米ドルよりも高くなりました。金利面、流動性の面でも最も分があ
る豪ドルですが、気をつけたい点は株式や商品市場との相関性が高いので株高
時は高いのですが半面、崩れた時にはかなり大きな変動があることは2年前の
危機の時に経験済ですね。海外からの資金流入が大きいことからのインフレ懸
念もあり金利を上げていますが、大きな図式が崩れるリスクにも注意して資産
や通貨配分には気を配りたいものです。
 同じオセアニアであるニュージーランドも資源国通貨として人気ですが、こ
ちらも株価や商品価格との相関が高く、このところ過熱感も出ていますので、
リスク選好から回避に動いたときには大きな下落の可能性があることは豪ドル
と同様です。

 年末決算が近くなり、ポジション調整も入り易くなります。
 個人投資家も年末に向けて、資産の棚卸しと今後へ向けての見直し、また税
金についても考える時期です。
 立冬を過ぎて、寒さも本格的になります。
 資産管理以上に体調管理に気をつけられ、良い月をお過ごしください!

 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!!

(式町 みどり)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。)

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