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伝説の投資家シリーズ1 −Warren Buffett

 前回まで、「ドバイはやばくない」を執筆していましたS&S investmentsの岡村聡です。本日からは、隔週で「伝説の投資家シリーズ」と題して、毎回一人、伝説的な投資家を取り上げ、その投資スタイル/ノウハウを解説したいと
思います。どんな物事であっても、その道の大家から学ぶことが、スキル上達への最短の道です。皆さんも、偉大な投資家から、ご自身の運用の参考となるポイントを、学んで頂ければと思います。

 記念すべき第1回は、Warren Buffett(ウォーレン・バフェット)です。彼は、50年間という長期に渡る運用で、資産を5万倍にするという偉業を成し遂げました。この倍率は、投資で増やした金額としては、人類史上最高の成績です。しかし、バフェットが人類史上最高の投資家として讃えられるのは、この投資成績だけによるものではありません。彼の謙虚な態度、自己資産のほとんどを寄付し自身は質素な生活を送るという姿勢、幾多のバブルに酔うことなく投資スタイルを堅持する胆力、世の中の先を見通す洞察など、全ての面が評価されて、彼は現代アメリカ、そしてグローバル社会のロールモデルとなっています。

 バフェットは、割安株に投資をして長期間保有するという「バリュー投資」の手法を開拓したBenjamin Graham(ベンジャミン・グレアム)から、コロンビア大学のビジネススクールで、投資ノウハウを学びました。幼少期から、優秀な思考力を示し、類いまれなビジネスセンスも持ち合わせていたバフェットは、グレアムから投資を学んだことで、投資家として生きていくことを決意します。

 1956年、バフェットが26歳のときに、グレアムが引退したため、自分でパートナーシップを作ります。上記の、純資産を50年で5万倍にしたというのは、このパートナーシップを作った1957年から2007年に掛けて達成された数字です。彼の実績は恐るべきもので、50年間で2001年の僅か一度しかマイナスリターンを記録していません。

 バフェットの投資スタイルは、師であるグレアムから受け継いだバリュー投資に、成長株投資の要素も付け加え、コカ・コーラやアメリカン・エクスプレス、P&Gといった超優良企業に対して、割安タイミングで投資をし、長期に渡り保有し続けているというスタイルで巨額のリターンを得ます。バフェットは自身の投資スタイルを、バリュー投資/成長株投資、それぞれの開祖の名前を用いて、「私は85%グレアムで、15%フィッシャーだ」と話しています。

 バフェットは、バリュー投資のスタイルを普段の生活にでも適用しています。バフェットは故郷のオマハに50年以上前に、わずか31,500ドル(約250万円)で購入した家に今でも住み続けていますし、5歳児が好むようなシンプルな食事を愛している事でも有名です。見栄や虚飾という、本来の価値と関係のないものには一切お金を払おうとしません。

 こうしたバフェットの姿勢により、彼は常にバブルを見抜き、決してバブルに踊ることなく、バブル後の割安局面で投資をすることで、大きなリターンを上げてきました。1990年のジャンクボンドバブルの際には、当時の世界最強投資銀行ソロモン・スミスバーニーに、自ら会長として乗り込むことで立て直し、2000年のITバブルでは、「自分が理解できないものには一切投資をしない」と早々と表明し、ハイテク業界への投資を行わず、2001−02年の割安局面で果敢に株式投資を行い、大成功を収めます。

 記憶も新しいサブプライム金融危機においても、2005年頃から、「CDSは金融界の大量破壊兵器」であると、当時、持て囃されていた複雑なデリバティブ商品を批判していました。そして、08年9月のリーマンショックによる大混乱が起きた時には、企業の本質的な価値から見て非常に良い投資タイミングが来たとして、ゴールドマン・サックスとGEに合計1兆円近くの投資を行い、世界中の投資家達を安心させるきっかけも作りました。この投資からも、09/10年の株式市場の回復により、莫大なリターンをあげています。

 このようにバフェットはただの偉大な投資家ではなく、「短期で、複雑な商品を売買し、価格変動を大きくする」というグローバル金融市場のネガティブな側面と、全く正反対のスタイルで、人類全体が恩恵を受けられる理想的な金融のあり方を体現している存在です。

 彼の生い立ちや思想については、公認伝記「スノー・ボール」が詳しいので、関心のある人は是非読むことをおすすめします。

S&S investments
岡村 聡

【プロフィール】
東京大学工学部卒、東京大学大学院学際情報学府卒。
卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、
バイアウトファンドのアドバンテッジパートナーズに勤務。
2010年6月より、投資アドバイス会社S&S investments起業。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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