長期スタンスの株式投資家と上場企業の関係は運命共同体。企業は業績を向上させることで企業価値を高めることができ、このことで投資家にリターンを提供することになりますが、すべての上場企業と関係投資家(株主)にこの好循環がもたらされるとは限りません。
業績は市場環境やマクロ経済の影響を受け変動しがちで、株価もそれによって変動を見せることになります。
投資家にとって業績変動や株価変動の激しい企業の株は持つと嫌な思いをすることになり、そうならないために短期投資に走りがちとなります。短期投資家(極端にはデイトレ)と中長期投資家の色分けはできず、市場参加者はこの2つのスタンスの投資家が混在していることになります。
基本的にはデイトレーダーは流動性の高い銘柄で短期売買に努めているかと思いますが、時には直近IPO銘柄など新興市場銘柄でリスクテイクしている投資家もお見えかと思います。
その銘柄選定は自由ですが、かつてはIPO銘柄で2倍、3倍と大きく株価が上昇し大きな資産を形成された投資家もお見えかとは思います。
今は需給悪でそうしたかつてのような時代とは異なっていて評価損の処理に追われる日々なのかも知れません。
企業経営者の立場で言うとこうした様々な種類の投資家に対して低迷しがちな自社の株価をフェアバリューに高める努力は日々行う必要があるかと思われます。いわゆるIR活動ですが、そうした活動以前にまずは業績向上の姿を示す必要があります。
業績向上があってこそ株価は多くの投資家の評価を高めることになり、自然体で株価の上昇トレンドを構築することになります。
こうした業績向上の道筋を多くの投資家に伝える作業がIR活動だと言えます。短期投資家にとっては投資しようと考える企業の株価を押し上げる材料として市場で評価を高めそうな点(材料)を眺めてこれはと言う銘柄に乗るスタンスだろうと思います。
中長期投資家の視点では四半期業績の推移、決算見通し、中期計画、配当金、M&A、自己株買い、事業提携、資本提携、新製品開発、新事業進出など短期投資家にも重なる材料も含めて幅広く吟味されているものと思われます。
企業は利益を投資家に還元する方法としては配当金の増加が最もポピュラーですが、最近は自己株買いが盛んです。自己株買いを行ってからその買い取った自己株の消却を行うことも投資家にとっては一株当たりの価値向上になりますので評価を高めることになります。
また、個人株主には株主優待制度が重視されてきましたが、最近では高配当利回り銘柄が運用成果を高めるポイントになっています。
それよりも企業にとっては株価の上昇が株主への最大の利益還元とも言えます。過去1年の株価が上昇基調となるようにIR活動も含め株価を意識した経営を心掛けることが長期の企業成長を目指す企業経営にとってはとても重要な視点かと思われます。
(炎)
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