億の近道増刊みんなの運用会議 2018/01/18

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 投資情報メールマガジン億の近道増刊 ☆ 第10回 〜みんなの運用会議〜

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[要旨]


 − 4368 扶桑化学 by 山本
 − 6924 オカダアイヨン by 小野


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=== 4368 扶桑化学 by 山本

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完全版はこちら
https://double-growth.com/4368/

4368 扶桑化学 高純度コロイダルシリカの躍進 by yamamoto


〜扶桑化学の設立の経緯とそのDNA〜

帝國製薬という会社がある。香川県三本松に本社がある。
消炎鎮痛パップ剤の生産量世界一の会社に育った。
ペリー提督が黒船に乗って日本にやってくる6年前、1848年に創業した。
赤澤庄蔵が起こした会社である。
さて、戦後の復興期のこと。創業家赤澤の家に生まれた赤澤庄三は帝國製薬の
後を継ぐかどうかを迷っていた。
オーナーの子孫として、家業をただ継ぐのはつまらない、そう考えてのことで
あった。

大きな出会いがあった。
日本の実業家、研究者である八谷泰造(やたがいたいぞう)は日本触媒2代目
社長に就任したものの、1949年、研究室ほかの増設による投資で資金繰り
が厳しくなり万策尽きてしまう。かつて八谷の会社に勤め、八谷家に居候した
升田幸三に知恵を付けられ、同郷の永野重雄に出資の依頼を決意。
当時、永野は広畑製鐵所を獲得し中央財界に確固たる地位を築きつつあった富
士製鐵(現・新日本製鐵)の社長だった。
逃げられない汽車の中で永野に直談判するのが一番いいと1950年11月、
永野が広畑製鐵所に視察に行くため山陽本線下り夜行急行「筑紫」に乗るとの
情報を得て汽車に乗り込み、一介の町工場経営者が一度も面識のない財界の巨
頭・永野に直談判を図り「重化学工業の発展こそが日本経済復興の推進力にな
る」と自論を展開し1000万円の出資を承諾させた。その後、エリート中の
エリートというべき、旧南満州鉄道の技術者を強引に入社させるなどで技術・
研究部門は著しく向上。
無水マレイン酸、アンスラキノン、ポリエステル樹脂などの製造プロセスを次々
に開発し急成長を遂げた。(wikipeidaより)

日本触媒の八谷泰造(やたがい たいぞう)が財閥には負けたくないという気
概で日本触媒を急成長させたころ、無水マレイン酸を原料にした製品が開発で
きないかという話に乗ったのが赤澤庄三であった。帝國製薬の大阪工場を間借
りして、製品開発に取り組み、ついに、リンゴ酸の開発に成功する。
リンゴ酸開発製造メーカとして扶桑化学は1957年に誕生した。
社員6名。庄三29歳であった。

扶桑とは太陽の出るところという意味がある。
扶桑の創立は60年あまりであるが、帝國製薬とのつながりはあり、わたした
ちが取材に訪れた2018年1月9日現在、扶桑の東京支社のある日本橋小倉
ビルには帝國製薬も入居している。
株主構成をみてもオーナー資産管理会社が筆頭株主。
帝國製薬、そしてオーナー赤澤庄三が大株主として続く。
扶桑化学のオーナー赤澤庄三は実家、帝國製薬がリーマンショック後に業績が
低迷したときに、80代の高齢を圧して帝國製薬の社長に就任。業績の立て直
しを行う。
家業を継ぐことを拒み、扶桑を立ち上げてから半世紀が経っていた。
その赤澤庄三に請われ、帝國製薬の社長を引き継いだのが実娘、藤岡美紗子氏
であり、現在も帝國製薬の社長を務める。
現在、扶桑化学の会長を務めるのは藤岡である。
帝國製薬、扶桑化学ともに共通する経営哲学がある。
これは赤澤家に根付くものであろう。

帝國製薬のHPには、彼らは「無冠のナンバーワン」。
An essensial provider and quiet Innovatorとある。
狭い分野であってもナンバーワンを目指す。

一方、扶桑化学は決算説明会資料に、こう書いてある。

「企業規模を競うのではなく、製品として市場No.1、金メダル製品を目指
す」
「ニッチな市場で他に真似のできない技術力で成長市場で事業拡大をはかる」

藤岡会長はあるインタビュー記事で10年を短期とする考えを披露している。
160年なんて、ひよこと同然、薬屋には300年を超える老舗がいくつもあ
ると。

現社長の赤澤良太氏は、HPでこう訴えている。

「お客様の期待を裏切ったり、先人たちの積み上げてきた「信頼」を失うよう
な事があってはならない、
決して落とせない、また、必ず次代へ渡さなければならない、
「責任」というバトンリレーを続けるランナーの心境です。
FUSOは企業規模を競うのではなく、製品として市場No.1、市場におけ
る「金メダル製品」を目指しています。
やみくもに「質」を追求した結果「価格」が高くなってしまう、
納期が遅くなる…そんな商品が「金メダル」を獲得することは決してありませ
ん。
「金メダル製品」を目指すにはスピード、コスト、クオリティのバランスが高
次元で調和している製品を目指さなければならない…容易なことではありませ
ん。
しかし、新たな「金メダル製品」が生まれた時、それはさらに大きな信頼と非
常に有益な情報を我々にもたらし、次の「金メダル」獲得の大きな力となりま
す。
それはまさに先人たちが担ってきたFUSOの姿であり、また、我々が引き続
き守っていかなければならないFUSOの存在意義と言えます。」

企業のDNA、業績推移など完全版はこちら
https://double-growth.com/4368/


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=== 6924 オカダアイヨン by 小野 

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完全版はこちら
https://double-growth.com/6294okada_aiyon/

”アイヨン木っと・カット”
”アイヨン与作”

同社の製品名である。

製品名に愛を感じる企業。
6294 オカダアイヨン

〇社名の由来
1938年に創業。今年2018年は創業80年の年だ。
1961年に発売した油圧ショベル取り付け式の大型エアーブレーカ
IPH400(アイピーエイチヨンヒャク)
が大ヒット商品となり、成長のきっかけとなった。

また工事現場でもこの略称であるI4(アイヨン)がブレーカの代名詞として
使われるようになった。
そしてコーポレットアイデンティティーという言葉が出始めた頃、
当時の岡田眞一郎社長が社名を変更した。

〇国内シェア

2016年度(2017年3月期) → 2018年3月期第2四半期
クラッシャー 大型の大割機42% 小型の小割機39% → 大割機45%
 小割機41%
カッター 40% → 47%
油圧ブレーカー 13% → 14%
それぞれシェアを拡大している。
特に開発が活発な首都圏では
クラッシャー 大割機50% 小割機49%
カッター 50%
とほぼ半分を同社の製品で占めている。
*自社WEBサイトでは動画により製品が確認できる。
 ブレーカーは”たたいて壊す”仕組み
 動画で静音性などの特徴を謳うがで差別化しにくい製品。
 http://www.aiyon.co.jp/product/download/movie

〇強み

上記のようなシェアを拡大できた強み

・丈夫さと形状の自由度の高さ
 40年以上の実績。特殊鋼を使った鋳鋼品で非常に丈夫である。
また、型に流し込んで作るため、形は自由。
鉄板を溶接、圧着するなどによって製造する他社製品と比べて丈夫さ、
形の自由度で優れている。

・アフターサポート
 固い建造物を破壊するため、使用を続けるうえで部品の摩耗や故障は常態化
している。
自社でメンテナンス部門を持つのは同社のみであり、クラッシャーの爪の部分
の摩耗や部品の故障、破損などへの迅速な対応が可能となっている。
同社が適切な顧客サポートを行っていることが顧客満足度を高めている。
同社の補材・修理の売り上げは国内売り上げに対して20%弱となっており、
ストックビジネスとなっている。

・営業・開発が一体となった商品開発力

全ての油圧ショベルメーカーに納入している。
6割をショベルメーカーの販売代理店経由、2割を直販で販売。
全国にサービス拠点を持ち、顧客サービス充実に注力している。

 販売代理店だけでなくエンドユーザーへの直接販売も行い、
ユーザーニーズを得ている。迅速なアフターサポートにつながるだけでなく、
現場のニーズをとらえ、商品開発に生かしている。

〇歴史から強みの源泉を知る
同社はWEBサイトに
”半世紀の歴史”
を掲載している。
http://www.aiyon.co.jp/company/halfcentury
に現在の同社の強みの源泉がつづられている。
創業から変わらず続けてきたからこそ失われない強固な信頼につながっている
のだろう。

一部抜粋
昭和中期
日本の高度成長にとって象徴的な出来事といえば、昭和45年の万国博覧会で
す。
オカダのアイヨンは、この万博でも千里丘陵の会場跡地の破砕に数多く使用さ
れました。
また、わが社が油圧ブレーカを日本で初めて輸入したのもこの頃のことです。
当時、私どもが後年、このアメリカの機械を販売するとは想像もつきませんで
した。
まして、将来、私どもが油圧ブレーカを米国をはじめ世界の各国に、大量に輸
出することになろうとは・・・。

昭和後期
景気後退という中で、私どもが一貫して守ってきたことは、従来の機械に徹底
したサービスをお付けして販売するということでした。
加えて、より使い易く、高性能で低コスト、さらに公害が少ないことをモット
ーに、機械の改良、開発に努めてきたことです。
また、この間、長い取引先である多くの会社のご協力を得まして、業界の新し
いニーズにお応えする製品を次々と世に送り出しました。

業績推移から今後のシナリオについては
https://double-growth.com/6294okada_aiyon/


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び
調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。
万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発
行者は一切の責任を負いません。)


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 プロフィール 山本 潤

NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事。
メルマガ「億の近道」執筆17年間継続。
株式投資で勝率8割の外資系投資顧問の元日本株式ファンドマネジャー。

1997−2003年年金運用の時代は1000億円の運用でフランク・ラッ
セル社調べ上位1%の成績を達成しました。
その後、2004年から2017年5月までの14年間、日本株ロング・ショ
ート戦略ファンドマネジャー。
1997年−2017年ライフタイムの日本株投資成績はロングのフル投資換
算でTOPIXを400%を大きく上回る成績を残しました。

コロンビア大学大学院修了。
法哲学・電気工学・数学の3つの修士号を持っています。


 プロフィール 矢野 光(やの ひかる)

企業年金基金を預かる英系、仏系の投資顧問でアナリストとして経験を10数
年積んできた。
小売サービス、食品トイレタリー、ネット、不動産、金融と内需系企業の分析
を得意とし、銘柄選択でパフォーマンスを支えてきた。

格差社会が広がる昨今、機関投資家として莫大な資産の運用でさらなる格差を
広げるよりも、経験を生かして、ダイレクトに資産形成が必要な個人投資家に
向き合い、役に立ちたいと思うに至る。


 プロフィール 小野 和彦(おの かずひこ)

証券界でシステムエンジニア→アナリスト→トレーダーとウン十年生きてきた。
運用の世界で金融による社会貢献の可能性を模索してきたが、どうもこの世界
には存在しないらしいと気づく。
”個人が理想の社会を目指して投資することが理想社会を実現する”という
基本理念に立ち返り、新たなスタートを切ることに。
「みんなの運用会議」(https://double-growth.com)ウエブサイトはオープン
ソースのフリーツールを使って構築してみた。
ウエブサイト構築を通して、改めてオープンでフェアな環境の強さと可能性を
感じた。まだまだ改善途上。
ウエブサイト構築、デザインのプロの方、ぜひアドバイスお待ちしております!


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みんなの運用会議は第一木曜日と第三木曜日に億の近道の増刊号として発行
されています。


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編集者:億の近道発行プロジェクト
    株式会社リンクスリサーチ
発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
 email:okuchika.mail@gmail.com
 http://okuchika.net/
このメールマガジンの無断転載・引用を禁じます。


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