マイクロソフトのAzure(クラウドサービス)



 マイクロソフトのクラウドサービスはすでに売上の4割程度になっている。
 クラウドサービスではグローバル市場においてアマゾンとマイクロソフトの2強時代に突入している。


 クラウドは消費者にとっては、安価なバックアップメモリー的役割を果たしている。

 法人にとっては、最新のサービスをアセットから外し費用化できる。
 初期投資がなく、すぐにサービスが始められる。
 サービスの種類も多く、大手のAzureの場合はすでに数百を超えるサービスを提供している。またグローバルで利用できる。

 ただ、従量課金制であり、導入コストは安いが、工夫しなければコストアップになる場合もある。

 最小構成なら安いが、専用サーバーとクラウドで同等のサーバーを構築するとAzureやAWSの方が高い。しかしながら、いま売上が加速している背景には生成AIの普及がある。

 Azureについては、もともとユーザーインターフェースとしてのMSオフィスとの親和性がアピールポイントであった。


 キャッシュフローが数兆円規模に上るアマゾンやMSがデータセンターを拡充して、よりよいサービスへ進化させていくことで、サービスの質量とセキュリティの堅牢さが利点だ。
 Azureの顧客は主にグローバル企業であり、たとえば日本企業ではNTTもそのひとつ。最大顧客はすでに年間100億円を超える使用料を払っている。
 収益性は非常に高い。
 個人的にはRD控除後の売上高純利益率で4割を超えると推定している。


 クラウドサービスが近年加速しているのは、オープンAI(生成AIの代表的な陣営)関連のサービスの普及が見込まれるからだ。


 実際、マイクロソフトのクラウドシェアは2017年の10%台から見れば上がっている。報道等によればおよそ25%程度のシェアとされる。

 https://bit.ly/40Rgfn4


 クラウド市場全体も伸びていくのではないか。

 将来は、通信環境が5Gミリ波や6Gへの移行が見込まれること、よりIoTからのデータ奪取による自動運転の普及期に入ること、そうなればエッジコンピューティングが盛り上がり、さらにクラウドサービスへのデータ集中が想定される。


 Azureは13年目に入っているが、すでに第5世代である。
 急激な変化を遂げている。

 Azureの第一世代は2010年にスタートした。APIとSQLがメインのサービスであった。
 第二世代ではオープンソースソフトウエアが登場。仮想マシンにより低稼働のマシンに作業を移管することができるようになった。リナックスベースもライブラリが充実しつつあった。
 第三世代ではIoTサービスが登場。ブラウザーベースで統計ソフトRなどが「自由に」使えるようになった。IoT導入によるビックデータ時代の到来である。
 第四世代には、生成AIが登場した。これにより、コールセンターや自動翻訳や資料作成が自動化されつつある。
 23年現在、Azure関連のサービスの数は600を超えている。

 その中で注目すべきはAzure Arcシリーズである。
 差別化戦略サービスとなっている。
 Arcにより、旧システム、複数のレガシーシステムを繋げて管理することができる。
 企業はなるべく多くのデータを保有し活用したいが、データだけをやみくもに集めているが使い方がわからなくなっている企業もあるだろう。機械学習や生成AIの力を借りれば、目的(教師付き)に応じたデータ解析が可能になるとの触れ込みなのかもしれない。

 どこにデータがあっても、クラウドの外であっても(通信さえ制御できれば)仮想サーバー上で管理できる。

 それぞれのデータをアークで結びつけるという意味で、Azure Arc enable〇〇などというサービス名になっている。


 Arcシリーズには以下がHP上公開されている。

Azure Arc-enabled servers.
Azure Arc-enabled Kubernetes.
Azure Arc-enabled data services.
Azure Arc-enabled SQL Server.
Azure Arc-enabled VMware vSphere and Azure Arc-enabled Azure Stack HCI.
Azure Arc-enabled System Center Virtual Machine Manager.


 サービスが多様化し管理が難しくなっているため、クラウド間をまとめる連携ソフトが登場した。
 マルチクラウドで分散したサーバー環境を一元管理できるのがAzure Arcだ。

 最近はML(マシンラーニング)及びAI関連のサービスが多い。
 ユーザーが個人でも気軽に登録できるARUZEのフリーサービスだけで87もの商品がマイクロソフトのHP上で提供されている。
(23年10月現在)


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)


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山本流 社員育成法と子育て法(その3)

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 社員を生き生きと働かせるためには、まずは、ひとりひとりの価値観を知る必要があります。

 価値観がわからないのに雇用をしてしまえばミスマッチから採用は失敗してしまうのです。

 この人の価値観はこうだからこの仕事にとても向いているという形で仕事をその人に作ってもらうのが一番、パフォーマンスが上がります。各自に得意なことをできるだけさせればよいのです。


 これは家庭においても同じでしょう。
 親が仕事や趣味で生き生きとしている。
 たとえば親がダイニングテーブルで教科書を楽しく学んでいる。
 子は親の姿をみて、勉強というものは社会人が楽しくやるものだと思うようになる。
 勉強というものは継続すれば好きになってしまう麻薬のようなものです。
 たとえば英語を毎日勉強していれば自然と好きになってしまうものです。

 毎日、英語を楽しく勉強している人に、どのような仕事を任せようか、その人はどのような仕事を提案してくるのだろうか。
 社会のためになり、顧客のためになる仕事を自ら提案するときに、自分の武器を使わない手はありません。
 この人はこういう武器を持っているのでこういう提案をしてきたのだなとわかる。各自に合った仕事というのは各自で提案してもらえるはずです。
 運用の仕事であれば、自分が調べたいと思える企業を自分で選んでもらう。
 自分が調べたいと思ったのだから誰よりも調べるだろうと仕事を任せる。


 本来、人は努力して上達することが大得意なのです。
 親として上司として楽しく過ごす姿が重要です。
 気になったら、人に頼まず、自分がやればよい。
 人に頼みにくいような作業は、人に命令してやってもらうのではなく、自分がやればよい。それが生成AIの時代の働き方です。
 生産性を上げようと思えばやり方次第では生産性が3倍ぐらいにはできるのが現代という時代です。
 組織を動かそうとするのではなく、自分ですべてをやる気概で働けばよい。
 それをみれば自ずと子供たちや部下(いるとすれば)に気概やスピリットは伝わるでしょう。


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


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山本流 社員育成法と子育て法(その2)

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 社員教育も子育ても特別扱いが大事ですが、特別扱いしても、工夫さえすれば金銭的な負担は大きくありません。工夫すれば教育に限らずお金はあまりかからないはずです。
 工夫により「投資効率」は必然的に上がります。


 人に接するときは自分を捨ててその人そのものを見るようにします。
 他者はコントロールできませんし、するべきではありません。
 わたしは子育てでは、親からの要望や夢というものはすべて捨てるように腹をくくりました。英才教育や習い事は親が子に勧めるものではないという考えです。
 どうしてもやりたいと子が本気で願えばそのときに時間をかけて考慮するという受け身の姿勢を貫きました。


 子育てに限らず、人生の目標や仕事への取り組みについても、長期の目標があるのが好ましく、わたしは仲間や同僚や妻や子供たちや友人たちと、長期の計画や人生設計に取り組んできました。
 キーワードは「長期デザイン」です。


 部員がいるとどうしても前のめりで仕事を指示しがちですが、肝心なのは、規律や指示を押し付けないこと。規則を絶対視しないこと。無理強いは禁物。できるだけ権限を与えチャレンジさせ、小さな失敗なら多数させること。権限を与えたのだから失敗したら上司が責任をとればよい。成功すれば部下の手柄にしてあげる。自分は叱られることはない、注意されることもない、自分に権限がある、そう思わせて失敗するという「権利」を与える。
 これが社員にとって安全な環境なのです。


 子供や部下には心理的安全性が不可欠です。
 この空間では自分は自由に振る舞って大丈夫だと「錯覚」させ、実は大きなデザインのなかでしっかりと彼らを守るということを親や上司が担当する。
 当人たちには完全に伸び伸びとさせる。
 これにより自由闊達な状態が実現できます。
 幸せを感じてもらい、意気に感じてもらい、そのよい状況を継続し、自らの成長を毎日実感させること。
 「自分は恵まれている」と日々毎時間のように実感させること。
 安いものです。


 子育てと部下の育成はほとんど同じです。
 指導しないこと。注意はしないこと。
 特にPDCAは組織的にやると人材は育ちません。CHECKは特に個を潰すのでやってはいけません。PDCAは「自分事」の中で自己完結するならばよいものですが、近年は、スピードが勝負の世界で、PDCAサイクル(plan do check action)は流行りません。
 DをしながらPを修正していく自力の力が本物の力です。
 Dを長期のデザインのものでやればよいのがわたしの組織の在り方です。


 社員への注意は全く必要がありません。
 子育てを見れば明らかです。
 動物でさえ、注意をすれば芸をまったく覚えなくなります。
 あれはだめ、これはだめと親(上司)が口うるさいと子供(部下)には逆効果しかないのです。
 わたしは4人の子供たちに怒ったことは30年の累計でも片手で足ります。
 アドバイスを求められたらそのときにアドバイスはしますが。


 最悪な行為は、「勉強しなさい」「宿題やったか」「ちゃんと起きろ」。
 これを言われて嬉しい子供や部下は世界中にひとりもいません。
 「間違えないで」「努力しよう」というのも注意に入り、最悪のアドバイスのひとつです。
 特に他人の批評は最悪な行為のひとつです。

 他人の仕事をあえて管理したり、他人の仕事のミスをあえて発見しようとしたり、他者の仕事を頼まれもしないのにチェックするというものは原則、禁止にすべきことです。
 個人が自分の中で成長していく過程があり、大きなミスをしても、それを活かすことで、よりとてつもなく大きな仕事をやり遂げることができるからです。 会社が考えることは、社員が大きなミスをしたときに、ほめてあげることです。ミスをしてくれて、ありがとう。
 大きなミスがあれば、それが課題を解決するための大きなチャンスになっているからです。


 北大の実質的な創始者であるクラーク博士は、寮の規則が多すぎると感じ、「Be gentlemen」という一行だけを北大の規則にしました。
 ひとりひとりが主人公で特別なのですから、それぞれの個人が最高を求めればよいのです。


 多くの組織ではなぜあえてミスを未然に防ごうとするのか。

 人が成長するのは腹立たしいのだろうか。
 社員の成長することがどうしても許せないのだろうか。
 人の邪魔をどうしてもしたいのだろうか。
 そうではないのです。ミスがいけないという間違った考えに染まっているからです。
 そして、ミスの連鎖が仕事であり、ミスを積み上げて仕事は集大成することを知らないからです。
 長期的なデザインの中にはミスは必要なパーツなのです。
 ミスを単発でみればミスはミスに過ぎないが、大きな成長の過程、つまり、動物が芸を覚えるためのプロセス、イルカが輪っかを通ってジャンプしたり、後ろ向きに立って移動したりするときに、何度も何度も失敗をしながら覚えるのと同じで、芸を覚えるときにミスなしで覚えることができないように、ミスがあることが悪いという決めつけが社会をダメにしているのです。


 注意や指摘をして、人をあえて不愉快にさせる必要はありません。
 注意は全部やめる。ありがとうと感謝の言葉を大量にかけることです。
 ありがとうとよくやっている。
 この2つだけでわたしの組織は回ります。


 他人が何をやっているのかをチェックする必要も申告させる必要もありません。ダメな組織ほど、会議を行う習慣があり、会議をすれば、人間というものは、互いを褒め価値観を確認し合うどころか、些細な事務上の話に終始し、あれは大丈夫か、これは大丈夫かと細かく指摘し合うようになります。
 そうなれば、楽しい仕事が義務になり、クリエイティブなプロセスは繰り返し行うべき事務に成り下がります。
 体裁を整えるのが仕事になり、魂がない器が出来上がります。

 わたしが勤めたこともある企業では、驚くべきことに、規則Aと規則Bと規則Cが乱立するカオス状態になってしまいました。事業を社員の義務の集積だと思うとても野蛮で野暮な人々が事業そのものの持つ自然な魂や命の重みを棄損してしまうのです。
 あえて人の気分を害して、会社全体のパフォーマンスとスピードを同時に壊滅的な低位水準にまで落としてしまうのです。経済的な大損失を毎日意図的に作り上げている。そうなると規則を新たにつくるのが仕事になり、AとかBとかCとか、規則を議論するのが目的になってしまうのです。
 そうなれば、これはもう形式的には正しいが社会に対する影響力のない組織に落ちぶれてしまうのです。

 まじめだが社会性がなく頭が悪い人々の集まりでは会社は社会的課題を解決できません。
 不真面目でも頭がよく、ミスを含む行動を長期的な展望のもとでDOだけをし続けなければ人の成長は期待できません。

 会社をパフォーマンス発揮の場とするならば、そもそも遊び場とするのがもっとも効果的です。毎日が遊びだとしてあげることでパフォーマンスは上がるはずです。
 どのような単純作業も遊びに容易に変換できます。


 私がヘッジファンドで独立をしたとき、会社の社是は、「毎日が遊びだ」でした。それでもみな、必死の努力を重ねてくれました。
 負けたくないという価値観の人を集めたからです。


 事実として、今日は何して遊ぼうかなという具合がよいでしょう。
 グーグルやアップルの社員はクリエイティブな仕事をそのように行っているし、現に、好きなことをすることが仕事となり実力となっていくのです。
 やりたいこと、自分の価値観に突き動かされること、それを原動力にするから人は成長する。
 仕事が遊びだなんて、会社がつぶれちゃうよと心配する人は、事業の本質がわかっていない人です。人をよく育てることができない人です。
 これは遊びだ、遊ぼうよ、という人がいて、社員は、「自分はここまでやっても許されるのか、ありがたいなあ。みなに許してもらったから、たまには頑張らなくちゃ」という心持になる。
 少数精鋭の企業が勝つのは、社員のやる気レベルが遊びという「お得感」や「楽しさ」によって支えられているからです。


 わたしは長年、社員ひとりひとりをひとりひとりの価値観を観察し価値観に沿った仕事を共にクリエイトし、事業に活かしてきました。
 ひとりひとりを特別扱いするが、工夫の解決をしてお金の解決はしないようにしました。
 社員はひとりひとりのテーラーメイドの工夫によって感激してくれて組織に尽くしてくれました。


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)


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山本流 社員育成法と子育て法(その1)

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 投資と同じで、子育てには「こうしたら上手くいく」というノウハウはおそらくないのでしょう。子育てはどの家庭も試行錯誤しながら自らの価値観にしながら編み出してくものでしょう。

 社員の育成にも「会社の方針」というものなどはありません。
 人は人との関りの中で熟成していくものです。人の価値観は千差万別であり、幸せの定義も個人差があります。
 肝心なことは、ひとりひとりの価値観に寄り添い、その個性を活かすこと。
 「言うは易く行うは難し」といいますが、一人一人を特別扱いしなければ人は育ちません。特別扱いするからといって、予算がかかるわけではありません。それぞれの社員が互いの価値観を認めること。ひとりひとりの社員を互いにとても大切している会社なのだと社員が組織のよさを心から実感できる環境を整備することです。


 わたしの務めた和光証券国際本部やクレイフィンレイ(米国年金運用機関)はまさにそのような組織でした。

 夜間大学に通っていたら、上司が、勝手に学費を会社持ちにしてくれました。
 わたしは会社に何も頼んでいません。
 あるいは海外出張のときには、コーポレートカードを勝手に作ってくださり、カードの請求書そのものが経費精算になりました。経費精算という面倒もありません。NYに出張するときには、「家族全員で来なさい」。「できれば1か月ぐらい滞在して本社のあるNYという街をあなたの家族全員に好きになってほしい」といわれました。
 このような企業で働けたことで、頑張る気持ちは倍増しました。

 和光証券では商品開発に携わりましたが、当初は確率統計の本を読まなければ仕事にならないというので、上司は「この本を読み終わったらまた次の本に」と言ってくださいました。日に10時間本を読み勉強するというのは普通に事務をするよりもかなりつらいものなのです。しかし、仕事は確率論を理解することだ、といってくれたのは、会社がそれを押し付けたのではなく、わたしが電車の中で毎日読んでいたのが確率の本であることを上司が知っていて、わたしの趣味や価値観を仕事にしてくれたのです。金融業界で将来に役立つだろうという意味で、わたしの価値観に沿って「仕事」を与えてくれたのです。

 そのような恵まれた環境に遭遇したのは珍しいことだったのかもしれません。
 わたしも同僚がいろいろな本を読んでいるのを観察して大事にして、価値観を知ろうと努力するようにしました。本を読まない人では困りますが。


 今どきの組織はそれぞれの社員のひとりひとりの価値観を知ろうともしないところが多いのではないかと思います。それどころか個人情報の扱いが慎重になり過ぎて互いに社員の誕生日も家族構成も趣味も知らないことの方が多いのではないでしょうか。
 身内の不幸も親友の苦境も他人事。かつては部員総出で葬式や結婚式を手伝った世代としては隔世の感です。


 むろん、会社には職責があり職責を担えばよいわけで、そのためのスリムな組織論がいまの主流でしょう。
 ただ、わたしは派遣社員の制度そのものに反対で、いくら便利でも制度を利用すべきではないと思っています。不要な階層をつくり、区別をつくってしまう。非正規と正規の社員の区別があるような企業では人の成長スピードは違うのではないでしょうか。


 子育ても同じです。
 ひとりひとりの価値観は持って生まれたものがあります。兄弟姉妹といっても、ひとりひとりまったく違う固体で、これは本当に全く違うものです。
 似ていないところの方が圧倒的に多い。


 ですから、子育てと部下の育成には共通点があるのも事実です。
 人としてのあるべき姿や目指すべき理想像があるという意味においてですが。


 動物に芸を覚えさせる際には、餌をやりながら褒めて「仕事」を覚えさせるはずです。動物は褒められ、餌を貰いたい。
 人間も生き物です。褒められたいし、報酬がほしい。褒めて報酬を上げて、芸が身についていく。
 動物を叱ったり罰を与えたりすれば、動物は飼い主になつきません。芸も覚えません。同じことが社員教育にも子育てにも当てはまるのではないでしょうか。
 わたしは我が子や部下に注意をしたことがありません。注意をしないからこそ、安心して生きていけるのではないでしょうか。つまらない仕事は人の時間を奪うだけです。得意なことだけをやるようにしていただきたい。自分がもっとも得意なことに集中して仕事をしてもらいたい。
 わたしはたまたま社会人ながらに大学に行き、工学や理学の勉強をするのが好きだったから、それを仕事にしてきました。経済やMBAを軽視したわけではなく、それらは仕事でよく使うので身についていると思ったので他者がやらないことを好きになるようにしたのです。


 社員育成も子育てで、お金をかける必要はなく、周りをみて、課題があれば、それを利用することでお金をかけずに教育ができます。
 たとえば、社会や会社の個々の課題や問題点を利用する。それらの課題に取り組むとき、その課題解決を目指す他者や企業集団が必ず存在しています。
 それらの存在を知り、活動内容を知り、参画したいと思えるような素晴らしい外部世界を知るというのが成長のきっかけになるかもしれません。


 もうひとつ大事なことは、子育ても社員教育も親や上司の了解を不要として、当事者に権限を持たせることです。
 ひとりの社員に権限を100%与える。やらせて失敗し学ばせる。その繰り返し。それをサポートするのが親や上司の仕事です。社員が再挑戦し成功するまでの長期のデザインを組む。
 わたしはミスを敢えてさせるように仕向けることが多いのです。ミスをわざとさせて本人を悔しがらせて、そこからのリベンジを本人が自らの意思で挑むように仕向けています。
 短期的には損失の方が多いですが、長期では圧倒的に社会のメリットになるはずです。


 長期のデザインは大事なのです。
 今日、思い切りサボっている人をみて、上司はけしからんと思ってしまうかもしれません。ところがその前の一週間、異常な集中力で仕事をやり遂げた後で、当人はもぬけの殻のようになっている場合もある。無理して頑張った後に、休息をとるのが長期でパフォーマンスを保つ術です。
 長期で物事をデザインして、権限を持たせることで、大きく人は成長できるのですが、周りは、失敗を褒めることが肝心です。トライしない人は失敗さえできません。失敗させできない人が多数なのですから、失敗するということはよいことなのです。
 失敗して嫌な思いをしているのは当人なのだから、他者が傷口に塩を塗り込む必要もないでしょう。


 自立した個を目指すこと。
 自己の考えをしっかり持ち、目標に向かって反省しながら努力できる人になっていただくこと。
 当事者意識の高い人へと育てること。
 他者を愛し、リスペクトできる人間になっていただくこと。
 バランスのある、極端な原理主義には走らない人になってもらうこと。
 家族やチームを大事にしながら高い志を持ってステップアップしていくこと。
 理想と現実を両方、尊重する人物になってもらうこと。


 子育と人材育成は共通項が多いのですが、社員の育成にはない難しさが子育てにはあります。子育て特有の難しさは時間軸の圧倒的な長さです。
 社内の人材育成は5年程度のデザインで専門家を育てる自信はわたしにはあります。ただ、子供に自我や社会性が生まれるのは思春期からです。それまでに10年の年月が経過しています。子育ての方が社員育成よりも数倍の長さのデザインが求められます。
 わたしは生まれてから中学卒業までの15年の単位で子育てを考えています。
 何事も長期でデザインする方が場当たり的な対応よりは優れた結果が得られると信じているからです。15年の単位のうち、最初の12年はしつけがメインになり、最後の3年は実践がメインになります。


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


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米国株NVIDIAは盤石か




1)過去5年間の増収率が過去10年間よりも高い。成長が加速している。
 売上と費用との関係が良化し基本的に利益率は長期的みれば改善傾向だ。

2)ただし2022年は鬼門だった。コロナ特需の終焉と半導体不況により利益率が大きく悪化。

 1996年から2022年までのNVIDIAの売上と費用の変化率のそれぞれの平均は過去26年では増収率平均34%で費用の増加率の平均は31%と年率で3%もの利益率改善傾向がみられる。しかし近年10年では増収率平均は18%となり費用の増加率の平均は17%であり、年率の利益率改善効果は1%となっている。
 さらに直近5年でみれば費用の増加率が勝るようになり、利益率が悪化傾向にある。


 10年平均よりも5年平均の方が増加率において高いというところに関しては、同社の成長性は引き続き高いということが推察される。22年の費用の大幅増加は経営判断の結果であり、先行投資や既存事業の拡大のための費用増加と推察される。引き合いの強さから増強を急いだが、業界同様、ダブル発注の影響が実はあり、在庫調整の局面になっているのではないか。


 いずれにしても、今後10年を見るにあたり、15%程度の売上成長性が確保できて、先行投資をすでにしている状況から費用の増加率は増収率を下回ることが想定できる。費用の増加率を13%から12%と推察してみると、2033年の同社の純益は7.7倍になる計算となる。それは売上の15%連続複利成長の10年は4.4倍であり、純利率が40%まで改善することで利益率が1.7倍になるためである。


 同社の実績PERは23年10月17日現在、116倍であり極めて高位だ。だが、10年後のEPSでは予想PERは15倍程度に下がる。これを安いと思えるか。10年の間にテクノロジーが変化するかもしれないと考える人もいるだろう。30倍でも高すぎると感じる人も多いであろう(今期の想定PERは30倍まで下がる)。

 あるいは歴史的見れば安いと感じる人もいるであろう。


 スケールメリットというものは、シェアが高い企業には有利に働くはずであり、先行投資によるキャパシティをしっかり把握すれば、もう少し精緻な費用の想定ができるはずである。わたしは売上増加率から2.5%を引いたものを費用増加率に採用したが、もう少しよくなるかもしれない(悪くはならないだろう)。


 今期想定は売上倍増。生成AI向けのグラフィック演算チップが成長を牽引する。データセンターへの投資は高水準が続く。

 株価を見ていると、過去は1年先予想PER50倍が定位置であった同社の直近の想定PERはおよそ30倍となっている。


 短期では地政学リスクが高まっている。

 米国政府が中国向けの同社のチップの出荷を制限するというアナウンスが昨夜出ていた。株価はこのニュースを受けて水曜日は5%近く下落した。

四半期業績はモメンタムが回復。

 8末に出たQ2は売上が前期比倍増。特にデータセンター向けは売上の過半を占めるが2.7倍近くに。ゲーム向けは2割増。ガイダンスが強く、Q3はQQ(前四半期比較)で2割増。YY(前年四半期比較)では2.7倍に急伸する見通し。データセンター(売上の56%)。ゲーム(売上の33%)。
 この2分野で売上の9割を占める。残りはVR関連や車載。


 プレゼンテーションは展望明るく、GH200 Grace Hopper Super ChipがGPUとアームArmベースのCPUと一体化したもので、パフォーマンスに優れ、巨大AI産業(主にGAFA等)に受け入れられるとの想定。


 ソフトバンクと同社は5−6GのAIプラットフォームとコラボレーションをすると発表されている。車載関連ではMediaTekとのプラットフォームが面白そうだ。スマホも5Gがあまりミリ波の方に進んでいないのでパッとしないがきたるべき6Gの時代には誰でもスパコンが使えるような世界観であろう。


 同社への需要を喚起するフィールドがQ2プレゼンスライド37ページにある。

 非常に興味深くみた。一日に5億コールがあるというコールセンターのチャットGPT適用。
 1日に30億分の分量に達するミーティングの議事録化のニーズ。
 10億台に達するスマートシティの監視カメラ。
 クレカの詐欺対策、世の中の在庫処分の無駄、医療分野、製造分野における画像応用、自動運転、などなど。


 需要面を支える重要なスライドが35ページ。
 従来のコンピューティングは高電力消費であった。これがカーボンゼロを目指す時代とマッチングしない。ハードの上にソフトを置く従来のやり方は柔軟性に乏しい。ソフトをベースにしてハードを最適化することで低消費電力となる。アーキテクチャーの変換にあり、インテル型のマルチコア戦略の市場を同社が奪っていると見なすことができるだろう(インテルは5年前よりも売上を減らしている。利益は数分に1になってしまった)。


 NVIDIAの直近Q2のプレゼン資料で30ページは非常に面白い。

 演算の加速によりどれほどのパフォーマンスの改善が見込まれるのかを解説している。

 演算子の数ではなく(チップ面積)、演算子のつなぎ方(アルゴリズム)がパフォーマンスなのだという。

https://s201.q4cdn.com/141608511/files/doc_financials/2024/q2/nvda-f2q24-investor-presentation-final-1.pdf

 この意味は重い。
 なぜならば、マルチコア(演算子の数)戦略ではパフォーマンスを上げることはできないという首切り宣言を受けたようなものだ。並列処理においてもアルゴリズムの最適化が求められる新たな時代に突入したという感じを受ける。


 同社はフォーカスがベクトル演算に定め、リアルタイム処理がお金になる分野(自動運転や細胞観察)においてトップランナーとなっている。その手法は、アプリケーションをまずは分解して、演算子の合計数をどこまで減らせるのかを検討する。つまり、アルゴリズムを最適化する。特に直列数は計算時間に直結するので直列演算の数を減らすことに注力する。
 工夫は、それをAIでやってしまえる点にある。だから莫大なRDがかかり、その莫大なRDとスピードが参入障壁の正体になっている。顧客のやりたいことを知ることから始まる。


 だからバイオ研究者も社員として必要になる。
 顧客にAIを提供するために、自社はもっと進んだAIを作り出し、アプリケーションをしらみつぶしにライブラリー化している。最終的には量子コンの世界に突入していくが、量子コンの世界も最後は資金力の勝負になるだろう。


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)


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政治への失望の時代に思う




 政治家の役割は国家予算の再配分にある。
 企業経営者であれば優先すべき成長事業へ重点的に資源を配分することができる。それがどれだけ幸せなことか。

 国家レベルとなればそういかない。
 社会保障費や国債費用など、硬直性的でまずは動かせない。
 つまり、現代国家の際立った特徴とは何かと問えば、国家予算の硬直性そのものが国家的性格になってしまっているのであろう。

 一方で、個人は個人がゆえに裁量があるはずだったが、現実はどうか。
 多くの個人はカツカツのギリギリだ。
 わずかな収入の2割は社会保障費や税金となり、3割が家賃。食費は2割で、消費に1割の税金。光熱水道雑費で1割。医療費負担に子供への負担があれば赤字。

 カツカツでギリギリの個人像が浮かび上がる。

 つまり、国家も個人もカツカツでギリギリの生活を送っている。
 だから、どうにか政治家にいってもカツカツでギリギリの状態が改善されるわけはない。


 国家として、抜本的な改革としては、果たして、どういうものが思いつくだろうか。

 豊かな生活という意味ではわたしの個人的な見解としては、日本人は食費のウエイト(エンゲル係数)が少なすぎる。自然な農作物や自然な調味料に拘れば、食費は3倍にはなるはずだ。だが、そうはなっていない。
 食べる量を3分の2に落とせば実質的な負担は2倍で済むのだから健康を意識すればそうすべきであろう。
 逆に、国民全体が健康な食事、適度な量に食事を収めれば、将来の社会保障は半分には抑えられるのではないか。
 医者にかからなくてもよい理想的な生活が実現できるだろう。


 個人的な見解に過ぎないが、わが国は建築や不動産に関わる費用が大きすぎる。収入の3割が家賃の相場というのは高すぎる。
 食費は3倍に。家賃は3分の1に。そうすることで、社会保障費は激減できるだろう。
 毎日、口にいれるものが、粗悪すぎるのが国民の病気の元になっているのではないか。日本は欧州と比べると食品への規制が甘いので、欧州人なら絶対に食べないものも食べているのではないか。
 日本は大いなる人体への化学実験大国といってもよいかもしれない。
 少しずつではあるが、食品メーカーもましになりつつあるのが救いだ。


 医療も同様で、日本はカルテや手術のデータが世界でもっとも充実している国で、それは「大きすぎる社会保障費や医療費」が支えている。逆説的だが、それがAIや病理判断や手術ロボットなどに転用できれば、こうした医療データをグローバル展開の創薬などにも活かせる。


 ベーシックインカムが成功したという実例はない。だが、住居費だけでも、企業が面倒を見る、あるいは、地方自治体が住民の住居費だけは面倒を見るという差別化戦略を取ることは不可能ではないように思える。
 こうした特別な企業や特別な自治体に優秀な人々が集えば、何かが起こるかもしれない。


 概ね、全体の1%の人々の意識が変われば、残り99%の社会に影響を与えることは可能ではないか。

 土建屋国家から健康屋国家への国民の資質改善が政治家の新しい役割になるのではないか、などと思ったりしている。


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)


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長期投資入門 その1 〜スケールメリットとトヨタの30年〜

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 30年前といえば1990年代の前半。
 バブルが崩壊した時代にトヨタの売上高純益率は一桁前半であった。
 2%程度の年が多かった。
 純益は1000億円台。
 売上も10兆円に満たなかった。
 バブル景気がはじけてはいたが、金利も高く、財務内容がよい企業は経常利益の方が圧倒的に営業利益よりも高い時代であった。
 財務が投資を担当している財テク時代でもあった。
 時価総額はいまの10分の1。


 その後、円高にも苦しむが、総じて、業績は右肩上がりであった

 近年、トヨタの純益率は大幅に改善し、10%には満たないが一桁後半になっている。


 売上が数倍になり、利益率が数倍になったので株価は10倍以上になったわけだが、これがグローバル企業の典型的なパターンのひとつであることはあまり議論されない。

 規模の経済が働き、固定費の効率化がなされる。

 固定費とはたとえば人件費だが、要するに人は頭が良いので生産性が高まる。
 R&Dなども売上には比例しない。人の数も売上には比例しない。


 こうした長期の業績にどの企業でも現れる際立った特徴は、じわじわとしたトレンドなので、短期の投資家には見えない。
 30年で利益率が9%改善したとしても、年率に直せば微々たるものだ。
 しかしながら、塵も積もれば山となる。
 複利の効果も相まって株価がいつのまにか10倍になってしまう。


 デフレの失われた30年で企業業績はどうなったのか。
 一般の景気や経済と企業業績は大きく乖離しているのはなぜか。

 そうした長期の趨勢を丁寧に見ていくと投資はまた面白いものになる。


 実は、長期投資の理論なるものを少し動画で取り始めた。
 自分自身の投資理論を整理するためだ。

https://www.youtube.com/playlist?list=PLCZWAYI-4677KcUd0m_T_6OLAAs17Fi9y


 長期投資では、業績を主に論じていく。株価は二の次なのだ。

 業績がどうなるかを論じることで企業価値がどうなるのかを推定していく作業である。

 最後に時価総額を見て、投資判断をする。


 トヨタの場合、PERは低い方であり、将来の期待は入っていないので、慎重に将来の可能性を論じる必要はあるが、時価総額を活かせば、なんとかなるというのが大方の見方であり、それは正しいだろう。


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)


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あえて不登校




 わたしの大学の先輩でもあり、友人でもある鍋田大蔵先生が小田原進学ホームスクールを開設されました。そしてnoteを始めました。

 学校は、時代に合った価値観を提供できず、理不尽な校則を単に規則だからという理由で押し付ける。

 親は子の進路を過度に干渉してしまう。

 結果として不登校児童や生徒の数は過去最高をぐんぐん記録している。
 不登校はもはや「普通のこと」になりつつあります。

 あえて不登校を選択するという生き方も十分に魅力的な選択肢のひとつになってきました。

 学校にはいかず、得意な一芸を極限まで伸ばす方が、尖った人材として評価される時代です。
 大学の入学についても不登校であっても無関係に合格できる自己推薦型の入試も年々広がっています。大学が求める人材は、一芸分野に秀でた尖った人です。今後、大学は博士課程を充実させ、社会人の枠も大きく広がっていくでしょう。
 企業の人事も博士課程人材を戦略的に獲得する動きがあります。


 その中で、鍋田さんのnoteは一読に値します。

https://note.com/gifted_laelia263


 不登校を大きなチャンスを捉えてみてはどうでしょうか。
 以下、鍋田さんの本日のnoteです(noteはこれまで毎日更新されています)。


鍋田さんのnoteより〜

 今回はいわゆる(引きこもり)についてです。
 本人編と保護者編に分けました。今回は[本人編]です。

 その始まりはイジメ、友人関係、恋愛関係、暴力や脅迫、体調不良、親子関係、LGBTQなどなど、様々な直接要因、遠因があると思います。

 学校という場所は一般的には君達にとって大切、便利、安価、有利な機関です。しかし、一時的に無くても全く問題にはなりません。

 そしてその間、自分で自分を育てれば良いのです(コレがかなり難しいでしょうが、、、)。このポイントで対処法が見つけられず、ほとんどの場合、引きこもりに、そしてうつ状態に移行してしまうのが大問題です。

 このままではヤバイ。どうしよう、自分とは何?、から始まって、この絶望的未来を変えたい、自分の将来、幸福、職業は何だろう。頭はフル回転ですが、行動する身体はついて来ません。

 要は現実的、適切な行動がわからず、無理矢理目、耳を閉じたくなるのです。

 同級生たちが昼間、学校に行っていること、親とのコミュニケーションも全て、非難されたり、答えがすぐには出ない質問をされてるように(いじめられてるように)感じるのも、昼夜逆転して生きたいと思う起因です。

 それらのプレッシャーから逃れるように夜型人間になるにもうなずけます。

 更に言うなら、経験の少ない成人前の君たちがすぐに悩みから自分らしい解決策を見つけ、対処出来るとは考え難いので、その場合、悩みが悩みを生み、やがて八方塞がりになりがちです。

 基本的に学校、心療内科、不登校親の会、フリースクールの方々も、元気がなく、消耗し、意気消沈している君に、ユックリ休養したり、好きな事を存分にさせれば良い、元気が出るまで待とう、などと言ってくれます。

 その通りなのですが、ここでとても大切な誰でも出来て、キープすべきポイントが有ります。


 君の生活自体はどんな時でも、(学校に制約されてないからこそ)正確に、当たり前に、起床、(出来れば散歩、ランニングをしましょう)(NHKラジオ基礎英語聴いたら最高です)、顔や歯も普段より丁寧に磨き、ゆったり朝食をとって、一日を始めましょう。ということです。
 本当に大切です。

 ここからは自由時間です。何でも良いのです。
 しかし、時間潰し的浪費は避けて、とにかく真剣に何でもやりましょう。
 映画、読書、博物館や美術館巡り、御両親が忙しそうなら家事、料理も良いですね。

 真剣に調べて、学びながら、挑戦すればどんな事も将来、必ず役に立ちます。


 余談ですが、大学に行くためにそれ以外の全てを、(掃除、洗濯、食事に送り迎え、など)親にやってもらって、勉強一筋、大学に入った途端、一人で生活できず、引きこもり、うつ症状になってしまった人もかなりいます


 大学は、他の干渉や制限も少なく、将来の社会人の基盤となる楽しい、有意義な場所、期間です。

 どんな時でも、この生活を維持していれば、悩みが悩みを呼ぶ負のスパイラルに陥ったり、膨大な大切なあなたの青春時代をゲームや漫画、うつで失うことは有りません。

 それどころか、その中でこれは良い!!と思うものが必ず、複数、見つかります。


 是非、それらを胸に秘め、大学ヘ行き、学んだり、思いっ切り探求して下さい。将来のかけがえのない趣味やそれを通じた友人達、又、一生の職業になる場合も意外と多いものです。


 現在、あなたがどんな状況にあるかは関係なく、個人的に相談してみたいなら、是非、小田原進学ホームスクールのホームページの相談欄からどうぞ。
 私が直接、対応致します。

 https://www.odaeara-shingaku.com


★億の近道もこの活動を応援しています!


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)



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東大生と京大生への講演 その7




「アナリストよ、
歴史家のように記述し、
科学者のように分析し、
芸術家のように共感し、
哲学者のように思考せよ。」


 2015年に東大生と京大生を相手にアナリスト業務について講演したことがありました。その講演内容をメモってくれた東大生のA君がいました。
 8年前のものですが、懐かしく想い紹介します。


■18■21世紀と20世紀との違いについて。多くの制約。持続可能性について。


 21世紀とはどういう時代になるのだろうか。
 日本の上場企業の経営者は悩んでいるはずだ。
 60年代の高度成長期であれば、企業は環境意識を持たずとも、大量生産により業績の拡大を目指ぜばよかった。ところが、21世紀は、企業は、地球環境や人権意識など、広範な社会的な責任を果たしつつ、収益を確保しなければならない。収益の最大化だけを目指せばよい時代は終わった。
 目先の収益の確保に走れば、従業員の大部分は派遣社員に置き換わり、社会の批判の矛先は企業経営者や投資家に向かう。
 さらに、労賃の安い新興国において重労働を課すことは許されない。品質がよく、安いものであっても、それらを作るだけでは不十分となった。
 企業は、地球環境保全に配慮し、人権を守ることが求められる。
 自動車関連の企業であれば、「将来、きっと排ガスを出すような自動車は全面的に禁止になる。私たちの会社はそのとき、社会にとって不要となる」といった深刻な悩みと経営者は対峙し、苦しんでいる。

 「会社は21世紀中、持続可能なのか」という問いは、経営者にとっても、投資家にとっても、重要な問いかけだ。
 製品の出来や製品に対する需要で事業の持続性を測るだけでは不十分だ。
 追加的な諸条件、つまり、地球環境の保全や人権の遵守といった企業の存続条件を含めて、企業業績の持続性を熟考しなければならない。

 DDMモデルは、事業の持続可能性を時間軸として設定できるため、「持続可能性」をキーワードにした21世紀の株式の評価に適するバリエーションだ。膨大な利益が上がる短期の事業よりも、わずかな利益しか上がらない永遠の事業の方が、DDMによる評価は高くなる。
 前者は、有限の値に収束するが、後者の値は無限になる。※
 (※要求利回りrと配当成長率gがほぼ同じのとき)。

 人間には寿命がある。
 多くの人々は、自らが生きていない遠い将来のことは考えなくてもよい、と思っている。それは20世紀の大部分の投資家のあり方だった。短命なビジネスも永遠のビジネスも、PERによって同列に評価していた。
 これでは、もはや、21世紀には合わない。
 近い将来だけではなく、子孫のために、孫やひ孫の代まで含めた遠い将来のことも考えて運用する姿勢がDDMをベースにした運用だ。

 北京の大気汚染を解消するために絶対に必要なものはなんだろうか。
 それらは金銭的な価値に変えられない。だから、重要なものだ。
 大気汚染が完全に解消するまでの期間、大きな需要が見込まれるものだ。

 いつになれば、東京湾に多様な生物が豊かに共存できるようになるだろうか。
 いつになれば天の川が日本のどこでも見られるようになるだろうか。

 多くの志を持つ個人が、上場企業の器を借りて、お金では到底買えない崇高な価値を創造している。そこで働く多くの仲間たちがいる。
 さあ、そんな個人を固有名詞で特定しよう。
 その仲間たち、つまり、歴史に名を残す組織を特定しよう。
 それは現代版「幸せの青い鳥」である。
 永続する組織はどこにあるだろうか。案外、身近にあるかもしれない。
 身近にあって、見ようとしなければ見えないものかもしれない。
 見えないならば、世の中の人々に十分に認識されていないかもしれない。
 商品開発の現場で輝く地上の星を見つけよう。
 その青い鳥を見出し、未来の子どもたちに伝えよう。
 身近に輝く星を後世に伝える。
 それが投資というものであってほしい。
 その意味で、投資とは科学技術ではなく、願いであり、祈りに近いものだ。


■19■寡占化、富の集中、格差


 その時代の風に乗れば、企業の配当期間も利益も同時に高めることができる。
 そのようにして、環境対応に成功した例として、トヨタがある。
 数十年で1万倍という利益成長をした。つまり、トヨタという会社に富の局所的な大規模集中が起こったのである。
 たとえば、1950年代から2010年代までに、トヨタの売上は数千倍となった。1950年代に一株トヨタ株をもっていれば、現在は株式分割などで数百株程度になっている。そして、株価は数百倍になっている。
 100社以上日本にあった自動車製造会社は大規模な8社に集約された。
 業界は寡占状態となった。巨大なグローバル企業TOYOTAが誕生したのだ。
 ほとんどの投資家が信奉している業界内でのROEの「平均への回帰」は起こらなかった。
 なぜならば、
 株価が数万倍になった原動力は、企業規模の増大であり、それに伴う利益の増大である。ただし、限界利益率の高い企業であれば、再投資がキャッシュフローの一部で賄える。それにより、継続的で増加を伴う配当と多数回の無償の株式分割が長期間にわたり実行されることが効いてくる。
 トヨタの場合は、株式分割によって1株が数百株になった。一方で、株価は数十倍になった。数百倍と数十倍の「積」の力で株価は数万倍になったというわけだ。


■20■結び 若手アナリストに期待すること


 自分の時間軸ではなく、社会の時間軸で企業調査を行ってほしい。
 自らが引退するときに、一生をかけた「作品」(=レポート)は倫理観に支えられたものであってほしい。
 その高い職業意識から、日々の業務といえども、それらをつなげたときに、その様子が自然なものであり、それらが時代を超えた大作になるような態度で仕事をしてほしい。
 日々を単なるルーティンワークに終わらせないでほしい。
 日々の仕事をつなげていけば、自然に繋がって、光輝くロング・チェイン(長鎖)となる。そんな毎日を過ごしてほしい。
 君たちが働き始めて引退するまでのその長い月日。その月日に重ねた努力は報われるだろう。しかし、君たちのアナリストとしての目標は、自身のビジネス上の成功という単なる手段のみではない。それは、あくまで、君たちがそれぞれに生きる意味を深く知り、人類と地球環境とが調和の中に永続的に共生できるように、この21世紀に自ら働きかけ、前に進めるという壮大な目的の中にあるのだ。


アナリストよ、
歴史家のように記述し、
科学者のように分析し、
芸術家のように共感し、
哲学者のように思考せよ。


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)


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東大生と京大生への講演 その6




「アナリストよ、
歴史家のように記述し、
科学者のように分析し、
芸術家のように共感し、
哲学者のように思考せよ。」


 2015年に東大生と京大生を相手にアナリスト業務について講演したことがありました。その講演内容をメモってくれた東大生のA君がいました。
 8年前のものですが、懐かしく想い紹介します。


■14■DDMの2つの基底は互いに独立ではない


 バリエーションの理解の上で重要なことは、DDMの2つの基底(r−g)とNは、独立ではないことだ。つまり、一方、たとえば、(r−g)が株価を高めるように動くときに、もう一方、配当継続期間Nは短期化する場合と長期化する場合とに分かれる。この2つの基底はお互いに影響を与えている。
 正に相関する場合と負に相関する場合とがある。


■15■基底同士が負の相関 理論株価には「差」しかない


 財務操作全般は、これら2つがトレードオフの関係になる。
 つまり、負の相関となる。配当成長率を高めれば、配当原資は減少し、配当存続期間は短期化する。配当を長期化しようとすれば成長率が犠牲になる。
 いかなる財務操作も2つの基底(r−gとN)は負の相関となるため、自社株買いやROE財務戦略、増配要求など、スチュワードシップでの投資家と会社の対話、アクティビストのやっているほとんどの増配や自社株買いといった要求は株価理論的にはあまり意味をなさない。
 違いは、配当を投資家サイドで運用した方がよいか企業が内部留保を事業に用いた方がよいかの「差」に過ぎない。
 違いを比べるとき、比べるもの同士の間で「差」をとるが、そもそも「差」とは取るにたらないものであり、差の議論は大して重大なものではない。本質的ではない。


■16■基底同士が正の相関 理論株価は指数関数的に動く


 より本質的なものは何か。
 経営や投資家が重視するのは、負の相関に終わる財務戦略ではなく、2つの基底を正の相関に導く魅力ある商品である。企業にそういう商品があるかないかの有無である。
 社会の潜在的な需要に企業は向き合い、新商品が開発される。その商品が圧倒的な支持を持って世の中に受け入れられるとき、DDMの二つの基底は正の相関として動く。商品が売れる。利益となり配当原資が増える。すなわち、配当成長率が高まる。
 同時に、時代の風を受けて売上が伸び、企業は飛躍する。利益の積み上げにより、財務内容が堅牢になり、企業の存続年数は長期化する。

 言葉を換えれば、社会の切実なニーズ、その価値がお金に変えられないものを社会に提供するならば、その期間、企業は継続する。社会の切実なニーズを満たす商品はそのニーズを満たす間は売れる。これら2つの基底が株価を同時に高める方向に同時に動くとき、株価は指数関数的に増大する。
 それは、財務操作が「差」の議論に過ぎず本質的ではないことと比べるなら、こちらは「積」の議論であり、「積」の力とは複利の力であり、100倍の100倍が1万倍になる例のごとく、圧倒的に本質的である。
 社会の要請に完璧な回答が用意できた企業は、それまでとは全く違った株価水準のステージに切り上がる。
 アナリストの仕事は社会の切実なニーズを解決するための商品を評価し、その商品を有する企業を選ぶことである。それがアクティブに企業を選ぶ(アクティブ運用)ということだ。


■17■事業の基盤である組織をどう評価するか。よい製品をつくる主体を見極める


 注意を一点。
 よい商品をつくるのは経営者ではない。
 一般には、個人、特に正社員(たち)が商品をつくるのである。
 時代の風を掴むには、社員間の自由な精神と社員間の強い団結力が必要だ。
 求心力のある経営者、そして、やる気に満ちた社員たち。よい商品を世に出すためには、社員間の英知を結集する必要がある。その意味では、世の中の見ることの中には、商品をつくる土壌分析として、社員の在り方や組織運営の在り方をよく見なければならない。
 企業組織をよく見ること。アナリストがよい目でその組織を見つめることが肝心だ。社員たちが生き生きと楽しそうにしているか。それぞれの能力を遺憾なく発揮しているかどうか。
 昨今、話題になる「ブラック企業」群はアナリストにとって「買い」にならないはずだ。


(つづく)


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


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