タイガーの子供たち

 バークレイズが行った調査によると、「ヘッジファンドへの運用を2012年に増やす」と半数以上の機関投資家が回答したようです。今年はヘッジファンド業界に、リーマンショック以前のような大規模な資金流入が期待されます。

 先週は、桁外れの大型案件、SNS世界最大手のフェイスブックがついにIPOを申請しました。時価総額は1,000億ドル(約8兆円)と言われており、アクセル・パートナーズなど初期の段階からフェイスブックに投資をしていたベンチャーキャピタルやヘッジファンドは莫大な収入を得そうです。

 フェイスブック株に投資していたファンドマネージャーの1人が、ブルームバーグが発表する2011年のヘッジファンドリターンランキングで第1位を獲得した、タイガー・グローバルを創業した36歳のチェース・コールマンです。運用資産は60億ドル(約4,620億円)で、昨年3割上昇したアップル株を持っていたことが勝因で、多くのファンドが苦戦した2011年において年率45%のリターンを叩き出しました。今年も、フェイスブックへの投資などから高いリターンが期待できそうです。

 このチェース・コールマンは、1990年代の後半に世界最大級のヘッジファンドであったタイガー・マネジメントで、創業者のジュリアン・ロバートソンのもとで働いていたタイガーの子供たちと呼ばれるファンドマネージャーの1人です。

 ジュリアン・ロバートソンは、1980年に48歳で自己資金800万ドル(約7.2億円)で自らのファンドを立ち上げ、ファンドを解散する2000年までの20年間で、平均リターン約32%と驚異的な実績を残しました。最盛期には、約300億ドル(約2.4兆円)を運用していたヘッジファンド草創期の巨人です。

 ロバートソンは、企業のファンダメンタルズから割安株をロングし割高株をショートする手法によって大きな利益を上げました。また、その類まれなる投資の才能だけではなく、タイガー・マネジメントのもとで働き、その投資スタイルを引き継いだファンドマネージャーたち、つまり先ほど紹介したタイガーの子供たちの多くが優れた実績を残していることからも、ファンド業界で尊敬を集めています。

 タイガーの子供たちの1人、フォックス・ポイント・キャピタルの創始者、チャールズ・アンダーソンも昨年に30%のリターンをあげました。欧州の金融機関やアジアのテクノロジー株のショート(空売り)を行うことで2011年に大きなリターンを得たようです。

 他にも、ジョナサン・アウアーバッハが運営しているハウンド・キャピタルも年率19%のリターンと優秀な成績でした。太陽光発電会社を中心としたショート戦略が成功したようです。

 このように、ジュリアン・ロバートソンの元でその投資哲学を学んだタイガーの子供たちは、ロバートソンが得意とした株式ロング・ショート戦略により、多くのヘッジファンドが苦戦した2011年においても優秀な成績を残しています。

 ヘッジファンドは個々のファンドマネージャーの才能に依存していることが多く、世代交代に苦労しているファームが多いようですが、ロバートソンは後継を育てることに成功した稀有な例と言えるでしょう。

 ブルームバーグのランキングで第2位を獲得した、年率リターン33%のルネッサンス・テクノロジーズも、2010年の創業者ジェームズ・シモンズの引退後にリターンが低下するのではと心配されましたが、昨年のリターンは絶好調で、5年ぶりに新しいヘッジファンドも立ち上げました。

 ランキングで第3位を獲得した世界最大のファンド、ブリッジ・ウォーターを運用するレイモンド・ダリオは現在60歳を超えておりますが、未だ現役です。きちんと文章化された彼の教えは、徹底して社員にたたきこまれており、引退後も安定した運用が期待できます。

 昨年は、ヘッジファンドの巨匠たちが成績の上位を占めた年でしたが、昨年の厳しい相場で生き残った腕の良い新星ヘッジファンドマネージャーたちが、引き続き高いリターンを上げることができるのかが今後の注目です。

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岡村 さとみ

■プロフィール
 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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最新グローバル投資 2012年のヘッジファンド業界の予想

 2012年のヘッジファンド業界は、どのような年になるのでしょうか?
 2011年のような奮わない年になるのでしょうか?
 それとも、2009年や20010年のような輝かしいパフォーマンスの年になるのでしょうか?

 昨年は、超高速取引のルネッサンステクノロジーがプラスのリターンを叩き出す一方、サブプライム危機で巨額のリターンをあげたジョン・ポールソンのファンドが苦戦するなど、敏腕ヘッジファンドマネージャーの中で明暗が分かれました。海外の色々なメディアやレポートで今年の市場予想が配信されておりますが、その中で、モルガン・スタンレーが発表した2012年のヘッジファンド業界を考える5つのキーワードについてご紹介します。

1.グローバルマクロ戦略は引き続き好調か
2.不動産債権戦略は強気
3.銀行の自己売買の停止と規制はヘッジファンドには追い風
4.好調なヘッジファンドにより資金が集まる
5.ファンドマネージャー選びの大切さ

 1つ目は、マクロ戦略に良い投資機会がありそうです。先進国と新興国の中央銀行の政策の違いによる金利差や為替取引に投資妙味があるでしょう。

 2つ目は、ヘッジファンドは過去2年、不動産債権戦略に投資資金を振り向けていましたが、今年も引き続き好調の見通しのようです。安全資産として米国債に資金が集まる中、高利回りを得ることができる高い不動産債権証券は投資妙味があるでしょう。

 3つ目は、銀行はバランスシートの改善のために不要資産の売却を進めていますが、ヘッジファンドにとっては、魅力的な価格で購入することができる良い投資機会につながるでしょう。自己勘定取引を規制するボルカールールによって、銀行が昔ながらの取引機会を奪われることも、ヘッジファンドの競合が減ることにつながり、追い風となるでしょう。

 4つ目は、昨年は沢山のヘッジファンドが閉鎖された一方で、成功したヘッジファンドは、より多くの資産を集めました。ヘッジファンドの数が減ったことで、投資家にとっては、新たな資本をヘッジファンドに投資をするのが難しくなりました。このように、ヘッジファンドが淘汰され、受け皿が少なくなることは、思い切ったことをするヘッジファンドにとっては良い環境になるでしょう。

 5つ目は、変動が激しいマーケットでリターンを得るためには、何に投資するか考えるのと同じくらい、誰に投資するかが重要になってくるでしょう。アセットクラスごとの相関がピーク時から落ち着いてきて、ヘッジファンドマネージャーのパフォーマンスにばらつきが見られ始めています。同じような戦略でも、ファンドマネージャーの腕によってかなり差がでてきており、2012年は、腕の良いマネージャーを選ぶことは、どのような戦略に投資をするかと同じくらい重要になってくるでしょう。

 以上は米国のヘッジファンドに関するキーワードでしたが、アジアのヘッジファンドに目を向けると昨年は非常に厳しい年でした。シンガポールに拠点を置く調査会社のユーリカヘッジによると、11年に閉鎖されたアジアのヘッジファンドの閉鎖数は、2008年に迫る勢いということです。アジアのヘッジファンドの平均利回りは、8.7%の下落(MSCIアジア太平洋指数17%)を記録するなど不振で、昨年にシンガポール最大のヘッジファンドだったアートラディア・ファンド・マネジメントも閉鎖に追い込まれました。

 アジアに集中的に投資をしないこと、グローバルマクロ戦略や不動産債権戦略を取り入れること、腕の良いヘッジファンドマネージャーを見極めることが、2012年のヘッジファンド投資を考える上で重要なキーワードになりそうです。

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岡村 さとみ

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 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。

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最新グローバル投資 なぜ今年、ヘッジファンドは不調なのか?

 本日は、リーマンショックで儲けたヘッジファンドがなぜ今年は不調なのか?今年のヘッジファンド動向について解説いたします。

 2011年の上半期は、米国経済が上向く明るい見通しをもつファンドが多く、8月5日の米国格下げを発端とした、8月〜9月の市場の下落とボラティリティに対応できなかったこと、さらには、株式市場の下落によりリスク回避で現金化を行った後、10月にS&P500が10%反発し、それに乗り切れなかったことが、今年リターンが不調な要因としてあげられます。

 銀行が欧州債務危機に関連した損失を被る懸念が強まる中、特に、7月〜9月に年初来から半値に下落した、バンク・オブ・アメリカやシティ・グループなどの金融株で損失を出したファンドが多くありました。シティ株でやられたヘッジファンドの全損失額は約40億ドル(約3,100億円)とも言われ、サブプライム危機で大儲けをしたジョン・ポールソンやデービッド・テッパーなどスターファンドマネージャーもシティ株により大きな損失を出したようです。

 特に絶不調として騒がれているのは、2010年にヘッジファンドマネージャーランキングで1位を獲得し、約49億ドル(約4,200億円)の報酬を得たジョン・ポールソンです。今年のリターンは、期間ファンドがマイナス40%以上と大きく負けています。彼は、08年のサブプライム危機を予測しての住宅ローン関連商品や金融株への空売り、09年の銀行への投資、10年の金への投資と、ここ3年の市場の動きを完全に予測していましたが、今年の彼の戦略は外れることも多かったようです。

 彼の大きなミスは、シティ株の上昇にかけたポジションと、中国の木材事業会社シノフォレスト株の不正会計を見抜けなかったことです。シノフォレスト株で5億〜7億ドルの損失を出したと報じられています。
 一方で、金投資は大成功におわり、2年以上に渡って保有していた、金のポジションを7月〜9月に売り始めました。11月半ばには、デルファイ・オートモーティブのIPOで取得額の30倍以上で値がつき340億円のリターンをだしました。心配された解約率も8%以下にとどまったようです。

 今年の不調が伝えられるもう一人は、09年の報酬ランキングのトップ、昨年も4位だったデービッド・テッパーです。「落ちているお金を拾うのが最良の取引」という超逆張りのスタイルで、09〜10年のサブプライム危機の直後に、株価が暴落していたシティー株やバンク・オブ・アメリカ株など金融機関への投資で、大きなリターンをあげました。今年は裏目にでて、これらの銀行株でやられているようです。

 一方で、大物のファンドマネージャーで、大きく勝っているファンドは聞かないものの、ジョージ・ソロスが率いるクオンタムファンドは、今年の上半期で6%のマイナスになったことから、「現在の状況は金融危機のさなかよりもはるかに不可解で予測しにくい」と、7月までにほとんどの資金を現金化し、資金の償還に備えていたので、8月、9月の市場急落を免れました。

 また、ヘッジファンドランキングで昨年2位のレイモンド・ダリオが運営しているブリッジウォーター・アソシエイツ、ケン・グリフィンが率いるシタデル・インベストメント、ダニエル・オクテが率いるオク・ジフ・キャピタルマネジメンなどの大手ヘッジファンドは今年のリターンがプラスに浮上しており、様々な運用手法を用いたマルチストラテジーのファンドの成績が良いようです。

 バンク・オブ・アメリカに50億ドルを出資したウォーレン・バフェットは、株価が大きく下落した8月に、今年最大の資金を投じました。さらに11月には、IBMに約8,300億円と大型投資をしたことを発表しました。バフェットが購入してからバンク・オブ・アメリカ株は反発の兆しが見えてきており、IBMは直近い史上最高値を更新するなど、割安なタイミングで投資をして長期で持ち続けるという、彼のスタイルはまたしても巨額のリターンを生みそうです。

 米国のカルパースや欧州などの先進国の年金基金は、低金利や景気減速下でも、計画された給付義務を果たすように圧力をかけられており、ヘッジファンド投資を加速しています。ヘッジファンドの約2兆ドル運用残高の半分は、年金などの機関投資家からの資金です。ヘッジファンドへの新しい金融規制が進む中で、どのように戦略を拡大していくか目が離せません。

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岡村 さとみ

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 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
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個人投資家がコンピューターに勝つには

 このコラムでは、グローバル投資に関する最新情報を伝えています。本日は第11回目で、個人投資家がコンピューターに勝つにはどうしたら良いのか解説したいと思います。

 現在、NY証券取引所の約7割がコンピューターを介した取引と言われております。コンピューターがマーケットに及ぼす影響を脅威と感じた最近の事件は、ニューヨーク証券取引所で起きた2010年5月6日のフラッシュ・クラッシュでしょう。同じようなアルゴリズムを持つコンピューター取引が大量に発注され、5分間でダウインデックスが500ドル以上急落し、その後1分半で戻すという乱高下が起こりました。個別銘柄でも40ドルだった株価が数分で1セントまで暴落するというケースもありました。異常な動きを示した約定については、取り消すことになりましたが、この時の取引株数が、ブラックマンデーの30倍にも達し、人が止めることができなかったコンピューターの暴走を起こしました。

 取引市場の電子化を超高速にまで追求した結果、短時間で市場が正常化するものの影響が瞬時に広がります。SEC委員長のメアリー・シャピロはフラッシュ・クラッシュの発生を受けて、「人間が機械から主導権を取り戻す必要がある」と警告しました。

 機関投資家やヘッジファンドの運用者らは、世界最高レベルの数学や科学の優秀な人材を雇い入れ、コンピューターサイエンスや高度な数学の知識をトレーディングの世界へと持ち込みました。例えば、人工知能をトレーディング分野に持ち込み、コンピューターに過去の株の値動きから将来の動きを予想させることに成功しました。コンピューターサイエンス分野からは、ハイフリークエンシートレーディング(HFT)という超高速頻度で売買を行うトレーディングの手法を生み出し、市場のありとあらゆるサヤを瞬時に見つけることができるようになりました。

 東証の売買代金の3分の1は、このようHFTが占めていると言われ、個人が個別株で勝つことは難しくなってきたと思われます。個別株のトレンドをよんでトレーディングを行うテクニカル手法は、コンピューターが過去のデータの中からトレンドを見つけ、人間より早く売買を行ってしまえば、取れる利益は少なくなってしまうかもしれません。板読みトレードと言われる手法も、人間が板情報を把握するよりもっと早いスピードで、コンピューターが板から投資家の思惑を判断し、注文を出すことも可能になります。

 このような状況の中、個人投資家が個別株で市場平均を上回ることができる手法はどのようなものがあるか考えてみました。短期的なトレーディングは、スピード重要になり、最先端のシステムを持つ機関投資家がより優位であるので、中長期的なトレーディング戦略が有効だと思われます。

・プロの投資家が機械的に売買している大型株を避け、時価総額が小規模な株式にしぼって投資を行う(市場の関心が高まっている市場は避け、自分が他の人よりも知識を持っていると思われる分野に賭ける)。

・ファンダメンタル指標が割安なだけでは機械的に選別できるので、その中でも株価が成長する可能性のある企業を、独自のリサーチで選別する。

・日経平均入れ替え、自社株買い、IPO、増資など、パッシブ運用の資金流入タイミングをうまく捉えるか、コーポレートアクションと呼ばれる株の需要を見つける。

 すでに米国では、コンピューターが読むことができる形式でのニュース配信が行われており、次に流行るテーマに沿った銘柄を、コンピューターが判別できるようになる日も近いでしょう。トレーディングは人と同じことをしていても儲かりませんので、自分の敵の動向をきちんと把握して、違う動きをすることが良いと思います。
 個人投資家の方は、個人投資家の方でも勝てる方法で株式投資をすることが必要だと思いますし、それが難しいと判断した場合は、10年〜30年の長期的な海外分散投資に目を向けることも大切だと思います。

(岡村さとみ)

■プロフィール
 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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コモディティの価格トレンドの変化

 このコラムでは、最新グローバル投資ということで、グローバル投資に関する最新情報をお伝えしています。本日は10回目で、コモディティへの投資について解説したいと思います。これまでも、このコラムで何度か、コモディティについては解説してきました。コモディティの価格上昇は一時的なものではなく、世界人口の増大と新興国経済の発展による、長期的なものだという点を指摘してきましたが、それを裏付ける、詳細なデータを入手しましたので、本日はそちらを紹介したいと思います。

 GMOという調査会社が、11年4月のクォータリー・レポートで、このコモディティの価格トレンドの変化について指摘をしています。このレポートが秀逸であるのは、非常に超長期のトレンドについて、豊富なデータを元に解説している事です。インフレの効果を除いたうえで、1900年当時と比較して、世界のGDPは2010年までに約20倍になりました。この間に、16−7億人から、70億人にまで約4倍に増えているので、1人あたりのGDPはこの100年間で、グローバルで平均約5倍になったということです。

 この5倍に、1人あたりのGDPが伸びた最大の原動力は化石燃料を始めとした、エネルギー・鉱物資源の効率的な利用です。1900年から2000年までの、20世紀の100年間で、こうしたコモディティの価格は約70%下落しました。これはGMOの調査による数値で、原油・天然ガス・石炭などの化石燃料、金・銀・銅・鉄鉱石などの鉱物資源、トウモロコシ・小麦・大豆などの食糧資源等、33の代表的なコモディティの価格を加重平均した指数による算出されています。

 インフレを控除した後に、100年間で70%価格が下落したということは、平均で年率1.2%のペースでコモディティ価格は下落してきたことになります。豊富な資源を、安く確保できたことが、20世紀の経済発展の原動力であったことは、疑う余地はありません。そして、この傾向にここ10年、劇的な変化が見られます。

 それは、1900−2000年に掛けての100年間の下落分を、2000−10年までの僅か10年の上昇で、完全に埋めてしまったという恐るべきものです。つまり、1900−2000年まで、コモディティの価格は100→30に下落したのに対して、2000−2010年の10年間で30→100と3倍以上に上昇したということです。消費者が目にする価格上昇には、この実質価格の上昇にインフレが加わってくるため、さらに価格上昇のインパクトは大きいでしょう。

 この価格上昇の原動力は中国を中心とした新興国経済の急成長です。20世紀後半の経済成長は、日本・米国・欧州諸国を中心とした、せいぜい人口5億人によるものでした。それが、21世紀に入ってからの新興国経済の成長は、中国・インドなど約40億人による巨大な規模です。

 当然、必要とされる需要量の増加ペースも過去、例をみない早さです。さらに、原油などエネルギー資源を中心とした供給量の頭打ちになってきたことで、コモディティの価格上昇は上記のように急速になってきています。

 東日本大震災は、日本にエネルギー問題を再考させるきっかけになりましたが、このような世界の状況を考えると、安易に原発を効率の良い天然ガスや火力に切り替えればよいといった問題ではないと感じます。日本の経済成長の前提であった、安価な資源と原材料を輸入して、それを加工して付加価値をつけて輸出するというモデルが、完全に崩壊しつつあるということです。日本は、その技術力を活かして、人類が経験したことのない、このコモディティ価格上昇の解決策となる、省エネ・高効率産業へのシフトを実現していかなければなりません。

(岡村さとみ)

■プロフィール
 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。

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フロンティア諸国への投資

 このコラムでは、最新グローバル投資ということで、グローバル投資に関する最新情報をお伝えしています。本日は9回目で、フロンティア諸国への投資について解説したいと思います。

 皆さんはフロンティア諸国という言葉を聞いたことがあるでしょうか。このコラムの第4回目でも触れましたが、最近では、新興国を表わすエマージングという言葉は日本にも根付いてきました。が、フロンティアはエマージングよりも更に、市場規模が小さく、未成熟な国を指します。

 グローバルで最も良く使われる株式指標であるMSCI(Morgan Stanley Capital International)の定義によると、全世界の国々は下記の3つに分かれています。

■先進国(ディベロップド):
 アメリカ、日本、英国、香港、フランス、カナダ、ドイツ、スペイン、
 オーストラリア、スイス、オランダ、スウェーデン、イタリア、
 シンガポール、ベルギー、ノルウェー、デンマーク、イスラエル、
 ポルトガル、フィンランド、ニュージーランド、ギリシャ、オーストリア、
 アイルランド

■新興国(エマージング):
 中国、インド、ブラジル、ロシア、韓国、南アフリカ、台湾、メキシコ、
 マレーシア、トルコ、チリ、インドネシア、タイ、ポーランド、コロンビア、
 エジプト、フィリピン、ペルー、モロッコ、チェコ、ハンガリー

■フロンティア:
 UAE、クウェート、カタール、カザフスタン、アルゼンチン、
 ナイジェリア、パキスタン、ヨルダン、ルーマニア、クロアチア、ベトナム、
 オマーン、バーレーン、ウクライナ、レバノン、スロベニア、セルビア、
 トリニダート・トバコ、ケニア、チュニジア、スリランカ、ブルガリア、
 バングラディッシュ、モーリシャス、リトアニア、エストニア

 各カテゴリの順番は、昨年末時点での市場全体の時価総額の順位で並べています。フロンティア諸国に分類されている国の中で、最も時価総額が大きいUAEでも、市場全体の時価総額が10兆円で、グローバル企業の1社にも満
たない水準です。

 市場規模が小さい分、必然的に市場の変動も激しいので、フロンティア諸国への投資は、資産の10%以下など限定的に行うことがオススメです。私達は、フロンティア諸国の中でベトナムに投資をしています。
 Market Vectors Vietnamという、NY市場に上場しているETFによる投資を行っています。このETFは市場全体の約7割をカバーする指数に連動したETFですが、日々、平均して2−3%価格が変動しています。市場での値動きが激しい時には、1日で5−10%も価格が変動することもかなりの頻度であります。

 先進国やBRICsなど時価総額の大きい国の代表的な指数に連動したETFに投資した場合、値動きは大体5分の1程度です。MSCI Worldや、MSCI Emergingといった、上記にある先進国や新興国全体をカバーした指数に連動したETFであれば、更に値動きは安定しています。

 一時、日本でもドバイ(UAE)やベトナムといったフロンティア諸国の、個別株への投資が話題になりましたが、当然、こうした個別株は上記のようなETFよりも更に値動きが激しいので、個人投資家の方にはオススメできません。確かに、フロンティア諸国には大化けする可能性のある国もあるでしょうが、値動きの激しさというリスクも十分に認識した上で、投資戦略を考えて下さい。

(岡村さとみ)

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 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
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コモディティへの投資で気をつけるべきこと

 このコラムでは、最新グローバル投資ということで、グローバル投資に関する最新情報をお伝えしています。本日は8回目で、最近のコモディティ相場の動きについて解説したいと思います。

 銀価格は、30年ぶりに1トロイオンス50ドルという高値をつけたあと、わずか1週間で30%近く急落するなど、歴史的に見ても最悪レベルの下落率を記録しました。また、銀ほどではないですが、原油も1週間で約15%、金も約5%下落しました。このようにコモディティ市場が激しく値動きする理由として、取引量の少なさがあげられます。

 米国債の1日に取引高は約40兆円で、米国株式は約10兆円であるのに対して、WTI原油で約4−5兆円、NY金先物で約1−2兆円と1桁小さいです。銀は、金と比較しても更に小さい取引量しかありません。

 金が史上最高値を更新していますが、銀は実は更に高い価格まで上昇した事があります。それは、約30年前に、石油で財をなしたハント兄弟が世界中で銀を買い占め、短期間で約10倍まで値段が上昇した時に記録したものです。この時の買占めは、価格上昇を見た個人が、家庭にある銀食器など銀製品を大量に市場に持ち込んだため、すぐに暴落に転じ、ハント兄弟も訴追されるという結果に終わりました。

 その後、バフェットも買い占めを行うなど、10年−20年に1度、投機的な動きをする銀相場ですが、その理由としては、取引量が少ないことに加え、市場全体の流通量が少ないこともあげられます。2010年、原油は約270兆円、天然ガスが約40兆円、金が約10兆円生産されていたのに対して、銀は約3兆円の生産高しかありません。

 最近は、銀価格に連動したETFなども出てきていますが、ただでさえ取引量が少なく値動きが激しいコモディティ市場においても、さらに規模が小さい銀については、投資するとしても資産のごく一部にとどめておいた方が賢明でしょう。

 今週に入ってから、先週の急落の反動もあり、再び上昇しているコモディティ相場ですが、史上最高値圏にある金価格については、見方が分かれてきています。「イングランド銀行を破産させた男」として知られている、ヘッジファンド黎明期からの大立者ジョージ・ソロス(12/14配信号参照)は、貴金属市場の上昇相場は終わったとして、金・銀のほとんどのポジションを売却したようです。

 対して、サブプライム危機を予測し、2008年に約2兆円のリターンをファンドにもたらし、2010年にも年収約4,200億円を得た、現在、世界で最も脂がのっている投資家とされる、ジョン・ポールソン(2/1配信号参照)は、3−5年以内に1トロイオンス4,000ドルの、今の倍以上の価格まで金価格は上昇するとしています。先進国を中心とした金融緩和路線が続いており、インフレリスクが大きいというのがその根拠です。

 この新旧の怪物ヘッジファンドマネージャーが、全く正反対の意見を持っている事は、世界中で話題となっており、どちらの見立てが正しいか、皆、固唾を飲んで見守っています。ただ、個人投資家のスタンスとしては、どちらかの見立てに肩入れするのではなく、このように凄腕投資家ですら、見立てがばらばらの時の相場は、値動きが激しくなりがちなので、十分に慎重なスタンスを忘れない事が大切かと思います。

(岡村さとみ)

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ヘッジファンドマネージャーの報酬ランキング

 このコラムでは、最新グローバル投資ということで、グローバル投資に関する最新情報をお伝えしています。本日は7回目で、ヘッジファンドマネージャーの報酬ランキングについて書かせて頂きます。

 ヘッジファンドマネージャーの報酬ランキングは、毎年、業界誌であるAbsolute Returnが集計をしていて、ウォール街では非常に注目されています。

 この企画は2001年から始められ、今回で10年目ですが、今年1位であったジョン・ポールソンの年収約50億ドル(約4,200億円)は史上最高額です。4,200億円というと天文学的な金額すぎて、良く想像できませんが、メジャーリーグのイチロー選手の300倍の年俸と言えば少しはイメージできるでしょうか。難しいですね(笑)。

1.ジョン・ポールソン(ポールソン&カンパニー):4,200億円
2.レイモンド・ダリオ(ブリッジウォーター・アソシエイツ):2,700億円
3.ジェームズ・シモンズ(ルネサンス・テクノロジー):2,200億円
4.デービッド・テッパー(アパルーサ・マネジメント):1,900億円
5.スティーブ・コーエン(SACキャピタル・アドバイザーズ):1,200億円

 ポールソン&カンパニーは、約3兆円の運用資産を預かる世界屈指のヘッジファンドです。しかし、約15年前にファンドを始めた時は、投資家から全く資金を集めることができず、自己資産の200万ドル(約1.7億円)で運用を始め、半年後にやっと約50万ドル(約4,200万円)投資をしてもらったのが初めての顧客であったという逸話が残っています。08年のサブプライム危機を予測しての住宅ローン関連商品への空売り、09年の銀行への投資、10年の金への投資と、ここ3年の市場の動きを完全に予測し、毎年、ランキング上位に顔を出しています。

 2位のレイモンド・ダリオが運営している、ブリッジウォーター・アソシエイツは、1975年に設立され、従業員を1,200人以上で、資産が約5兆円と言う世界で一番大きなヘッジファンドです。年金基金など機関投資家を主要顧客としており、昨年は基幹ファンドが約45%のリターンをあげるなど絶好調でした。

 3位のジェームズ・シモンズが創始者である、ルネサンス・テクノロジーは1989年に本格的に運用を開始し、20年で年率平均リターン約35%という、史上最高の運用成績を上げています。運用資産の2%の管理手数料と、達成したリターンの20%の成功報酬が平均的な手数料体系ですが、管理手数料5%、成功報酬36%と非常に高い手数料を設定しています。シモンズは40歳まで世界的な数学者でしたが、突如金融の世界に転身し、金融業界の経験が一切ない科学の世界の人材しか雇わない事で知られています。

 デービッド・テッパーは、09年の報酬ランキングのトップでした。テッパーは、ゴールドマン・サックスでジャンク債のトレーダーでしたが、自らのヘッジファンド、アパルーサ・マネジメントを立ち上げます。「落ちているお金を拾うのが最良の取引」という超逆張りのスタイルで、09年のサブプライム危機の直後に、株価が暴落していたシティーグループやバンクオブアメリカなど金融機関への投資で、大きなリターンをあげました。10年も、引き続き金融業界への投資で成功したようです。

 1992年に、スティーブ・コーエンにより設立されたSACキャピタル・アドバイザーズは、800人の従業員が居り、香港やロンドンにもオフィスがあります。また、管理手数料3%、成功報酬50%と業界最高の料金体系でも知られています。

 このように、上位にくるヘッジファンドマネージャーは、過去の成功により高いコストを正当化しており、それでも投資家が殺到することで運用額が増えるという良循環に入っています。また、ファンドマネージャー達は自己資産の多くを自分のファンドに投資し、ファンドがリターンを上げることで、報酬が増えるだけでなく、資産も大きく増やしています。もちろん、収入源も資産もファンドの運用成績次第ですので、とんでもなくハイリスク・ハイリターンではありますが。

 金融危機の反省により、投資銀行のトレーディングビジネスが厳しく規制されてきており、有名トレーダー達は続々と独立し、自分のファンドを設立しています。金融の世界で一番元気であるヘッジファンド業界から今後も目が離せません。

(岡村さとみ)

■プロフィール
 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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震災後の世界のマーケット状況

 このコラムでは、最新グローバル投資ということで、グローバル投資の最前線についてのシリーズです。本日は6回目で、震災後の世界のマーケット状況について書かせていただきます。

 震災後の月曜日は日経平均が約6.2%下落しました。次の日は投機筋により大幅な円高傾向になったこともあり、パニック的に約10.6%も下落しました。その後、G7の緊急会合により協調介入も発表され、円高に歯止めがかかりました。一時は日経平均が、8,230円と震災前から20%以上の下げを記録しておりましたが、震災前から9%ほどの下げまで回復しました。

 現在、NYのダウインデックスは、震災が起きる前の水準に戻り、原油は2年ぶりの高値をつけ、金は史上最高値を更新しました。バロンズによると、世界の上位15の経済大国のうち13カ国で、日本の震災前の水準に株式市場は回復しました。今回の震災で、日本経済が世界に与える影響は軽微であり、投資家のリスク志向も回復をしたとマーケットが判断したと思われます。

 戦後の史上最高値を更新した円高は、日本にとってマイナス影響の多いと思われますが、アジア諸国にとっては、震災の復興需要と合わせて、日本への輸出が増える要因となり、アジアの特にインフラ関係の株式は堅調に推移してきています。

 私たちは、国内株式は割安であると考えており、投資のチャンスがあると思いますが、円高局面では海外投資にも多くのチャンスがあるのも間違いありません。私たちが投資を多く行っている中東市場も、3月に入ってからサウジを始め治安が安定している事から、値を戻し、年初来高値に近付く所まで回復しております。リビアやバーレーンの情勢が思わぬ形で飛び火しない限りは新興国株式も堅調に推移していくと考えております。

 もう一点気がついたことは、震災後の月曜日、日経平均が1万円を割った日の東証一部の出来高は過去最高になりました。日本に不安を持ち、早く株を売り現金化したいニーズと、割安で買い増したというニーズが、どちらも激増した結果だと思います。 

 これは、震災後のマーケットは、確かにパニックになり投げ売りをした投資家も多かったかもしれませんが、同時に、安値で株式を購入するチャンスと、リスクを取る投資家も一定量は存在したということだと思います。

 阪神大震災では、1995年1月17日に震災が発生してから、震災前の価格まで日経平均が回復するのは、11か月弱経てからでした。911テロ後のダウは、2ヶ月でテロ前の水準まで回復しました。パニックが落ち着くと共に、緩やかであっても、日本の株価が回復していくことを期待したいと思います。また、一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。

(岡村さとみ)

■プロフィール
 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
外資系証券会社の自己勘定部門&ヘッジファンドにおいて、5年半日本株の運用に携わる。計量的分析を用いて、マーケットに左右されない絶対的リターンを追求したトレードを行う。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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最新グローバル投資 ETNってどういう投資商品なの?

 このコラムでは、最新グローバル投資ということで、グローバル投資の最前線についてのシリーズです。本日は5回目で、個人投資家が海外投資をする際におすすめの投資商品、ETNについて書かせていただきます。

 前回のコラムで、個人投資家の方が海外投資をする際には、ETFなど、手数料が安く幅広い市場をカバーできる商品を使って投資をすることがお勧めといいました。ETFは、「Exchange Traded Fund、上場している投資信託」の略になり、日本には120本弱のETFが上場しています。ETFは最近、新聞や雑誌にも取り上げられているので、だいぶ皆さんの間に浸透してきたと感じます。

 さて、ETNという投資商品はご存じでしょうか?
 ETNは、「Exchange Traded Note、上場している債券」の略になり、2006年以降とETFより少し遅れて米国で取引が急拡大した商品です。今年の5月に、国内第一号が東証に上場することが予定されています。

 非常に似ているETFとETNなのですが、大きな違いは、実際に資産の裏付けがあるかどうかです。ETFを発行している証券会社は、実際にETFに含まれている各銘柄を購入しております。一方ETNは、指数とETNの価格が連動するように証券会社が保証をしているだけで、対象資産を購入する必要はありません。

 そのため、海外の投資家に自由に売買が認められていない国の株やコモディティなど、ETFを組成することができなかった指数でも、ETNとして商品化することができるというメリットがあります。また、ETFでは実際の商品開発に半年かかることもありますが、ETNの場合は一か月もかかりません。その上、ETFより安いコストで提供ができるので、非常に注目されています。

 しかし、注意しなければいけない点もあります。例えば、一番有名なETNは、英バークレーズ証券が出しているiPathシリーズです。
(http://www.ipathetn.com/action/home?investorType=pro)
 このETNを保証しているのは、英バークレーズ証券です。バークレーズ証券が経営に行き詰まった場合には、投資家からの償還に応じることが出来なくなることもあります。英バークレーズ証券がつぶれることは今のところないでしょうが、ETNが沢山発行をされて、その後金融不安が起きた場合、ETNが保証されるとは限りません。裏づけの資産もないので、証券会社がつぶれた場合は、価値がなくなります。ETNを発行している証券会社の信用リスクには十分気をつけてください。

 また、SPDRゴールドシェアのETFは、実際に現物の金に投資をしていますが、大証に上場している金価格連動上場投資信託(1328)は、金価格に連動するリンク債に投資しているので、いわゆるETNの一種になります。ETFとETNの違いを知らずに購入している方もいらっしゃるかもしれませんが、ETNを購入する際には、どこの証券会社が発行しているのか必ず確認するようにしてください。

(岡村さとみ)

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 早稲田大学理工学部卒、早稲田大学大学院理工学部経営システム工学科卒。
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