金融機関のゆっくりとした変化




 先週土曜日にJPBV(価値を大切にする金融実践者の会)主催のイベントに参加してきました。

https://jpbv.jp/

 価値を大切にする金融とはValue Based Bankingと英語では表現し、

1.トリプルボトムラインアプローチ
 社会、環境、持続可能性のアプローチ

2.実体経済
 地域密着、ニーズに合わせる

3.顧客中心
 顧客との長期的な関係性

4.長期的な安定性
 長期的な自立力と回復力

5.透明性

6.カルチャー
 これらの原則を金融機関の文化に織り込む

という6つの原則を行動指針としているとのことです。


 今回のイベントは出版イベントでして、その本の題名も

「頭がいいだけの銀行員はもういらない」
 Amazonリンク ⇒ https://amzn.to/42UxWDg

というキャッチ―なタイトルの書籍でした。

 集まっている方々も、現在金融機関に勤務している方が多く、それぞれが現在勤務している金融機関に問題意識を持っていて、それを先程の6つの原則を持てるように改革していきたいという志を持ったメンバーが多く見られました。

 書籍の内容も面白く、金融機関の内部で改革を起こしていくためには、自分自身個人に焦点を当てて、その個人の垂直的成長を目指すようなプログラム内容になっていました。

 私自身も、様々なところで人材開発について学んでいますが、最近の傾向はこうした個人の垂直的成長の議論が銀行でもなされるようになってきたのかと感動しました。


 今は、まだ金融機関の中でも志のある方々が自主的に学んでいる域を出ないかもしれませんが、そのような人材が自発的に組織に関わって組織の行動原理自体に良い影響を与えて、先程の価値を大切にする金融機関が増えていく事を切に願っています。


株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一


【独立FPラジオ】
https://voicy.jp/channel/4262

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https://mlplanning.co.jp/diagnosis/


■小屋洋一の資産運用メール講座■
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 これまで300人以上にアドバイスしてきた資産運用のプロ、小屋洋一が、
 資産運用で成功する人と失敗する人の違いをお教えします。

詳しくは http://mlplanning.co.jp/mail/


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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アドバイザーの資質について

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 現在弊社(株式会社マネーライフプランニング)でアドバイザーを1名募集しています。(2024年2月14日現在)

 仕事の内容はこちら
 https://shigoto100.com/2024/01/mlplanning.html

 色々応募をいただいていたりするのですが、小屋なりにアドバイザーに必要な資質を考えてみました。


1.貢献に対する意識


 弊社のアドバイザーは、顧客と一緒に並走しながら数年〜数十年と時間をかけて関わり、顧客の人生をよりよくしていくためのアドバイスをしていく仕事です。
 その中で、「貢献」に対する意識を大切にしています。
 顧客のために活動、行動を求められるのは、どんな仕事でも基本だと思いますが、その活動、行動を続けられるモチベーションの源泉は、他人に対して「貢献」することが自分自身の喜びや幸せにつながっていることが重要だと考
えています。

 要するに「仕事」だと割り切って顧客に「貢献」するレベルでは、なかなか難しいのではないかと思っています。


2.学び続けることに対する姿勢


 基本的にアドバイザーは、顧客に知識を提供することで「貢献」していく仕事です。
 そうである以上、顧客に「貢献」するためには、顧客に対して必要なこと、知識経験を積んでいくことが求められます。

 その学ぶ内容は、顧客の人生をよりよくする目的に必要なものになりますので、非常に広範な内容になります。
 そうした知識経験を身に着ける勉強を、生涯にわたって続けられるかという事もアドバイザーとしてとても重要な資質です。


 こうした1.2.の資質を持ち合わせて、弊社の仕事内容にも興味があるという方がいらっしゃったらどうぞ弊社の採用情報からお問い合わせください。
 https://mlplanning.co.jp/company/recruit/


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お金を受け取ることの難しさ




 最近、創業して間もない女性経営者のお話を聞く機会が増えています。


 その中で結構あるのが

「お客様から多くのお金をいただくことができない」

という相談です。


 話を聞くと、本人としては価値のある商品やサービスを提供している(僕が聞いても良いサービスのように聞こえる)のだが、実際の価格は本人の思うサービスの価値よりもずいぶん低い金額で値付けをしています。

 結果的にビジネス自体やお金のことでとても苦労されている状況に陥ったりしています。

 話を聞くと、多くの人はお金を受け取ることについて大きな抵抗感があり、その抵抗感からか自分の商品やサービスに高い値段を付けられないようです。


 お金は私の理解では外部化された信用だと理解しています。
 そして、お金は価値と交換するか信用と交換することによって得られるものです。

 お金を得るのは、信用や価値を提供している証なので、本来は何も抵抗を感じる話でもないはずです。


 また、本日はラジオ番組に出演させていただいたのですが、パーソナリティのお二人も資産運用については触れたこともないし若干否定的な感覚があるようでした。

 前回書いた今後展開されるという日本の金融教育でも、ぜひ「お金」の成り立ちや意義、株式投資の意義などについてしっかりと教えてもらい、将来はこのようにビジネスで大変な思いをする人が減るといいですね。


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金融経済教育推進機構の全容

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 昨年の11月に金融商品取引法の一部が改正され、2024年から金融経済教育推進機構という組織が発足することになりました。

 今までは、国会で説明される程度の概要に関する資料が公表はされていましたが、昨年12月に金融庁より金融経済教育推進機構の全容という解説が公開されました。

https://www.fsa.go.jp/frtc/kikou/2023/20231205.pdf


 そこでは、機構の組織自体は9割以上が民間の金融機関(主に銀行、証券会社)から拠出され、官民一体となって運営されることが示されています。

 理事長は内閣総理大臣の任命、理事や委員は理事長が内閣総理大臣の認可を受けて任命するそうです。


 事業内容は、

1.学校、企業などへの講師派遣、教育
2.個人からの個別相談
3.教材・コンテンツの作成
4.調査研究
5.顧客の立場に立ったアドバイザーの育成

などが挙げられています。


 私が注目しているのはもちろん5.の顧客の立場に立ったアドバイザーの育成です。

 15年間そのようなアドバイザーを仕事としてきて、現在の日本にこのような顧客の立場に立ったアドバイザーがまだまだ量・質ともに大幅に不足していることを痛感しているから、このような国家を上げての取り組み自体には非常に期待しています。

 一方で懸念もあり、最初に説明したように、今回の機構の設立に伴って、資本も人員も銀行業界や証券業界が協力する取り組みを前提としています。

 その中で、いかにガバナンスを国が握るといえども、銀行・証券業界の影響を排除することはできそうにもなく、影響がある場合には、この顧客の立場に立ったアドバイザー(金融商品を販売しない)という構想自体が骨抜きにされてしまうことを危惧しています。

 実際に、日本弁護士連合会が2023年12月15日に金融経済教育の理念に沿った金融経済教育推進機構の組織及び運営体制の構築を求める意見書
https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2023/231215.html
を公表しています。

 ここには、上記のような金融機関主導の運営になっていった場合には、国民経済にむしろ悪影響を与えてしまう事も懸念した意見書になっており、その意味では、私の懸念している点と同様の指摘をしています。


 実際には、4月からの機構開設の為に、関係各位が必死に作業を進めていると思うので、その推移を慎重に見守るしかない状況ですが、私や弁護士会が懸念している点が杞憂に終わり、良い金融経済教育が進んでいくことを期待しています。


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2023年を振り返って

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 今年も残りわずかです。
 メルマガも一年間読んでいただきましてありがとうございました。

 今年一年の運用について簡単に振り返っておきたいと思います。

 年初の株価や為替について振り返ってみましょう。


 年初の時点では

 TOPIX 1879(1月4日)
 日経平均 25,834円(1月3日)
 NYダウ平均 33,149(1月3日)
 ドル円 131円(1月2日)

だったようです。

執筆現在(12月27日)では

 TOPIX 2,362
 日経平均 33,704円
 NYダウ平均 37,545
 ドル円 142円

なので、それぞれ

 TOPIX 25.7%
 日経平均 30.4%増
 NYダウ平均 13.2%増
 ドル円 142円 8.4%円安

という結果に終わっています。


 今年に関して言えば、日本株をHOLDしていた人が素直に一番良い結果を得られ、米国株HOLD組がそれに次ぐ成績を収めたのではないかと思います。

 逆に言えば、これだけ良かった今年しっかりと株式にポジションを置いていなかった人は、中長期的にもしっかりとしたリターンを取れないことにもなります。

 アドバイスをしている側からすると、粘り強く市場に居続ける事の大切さを痛感しますし、それをお客様に理解してもらえるようにお伝えすることの大切さを感じた1年でした。


 来年も皆様の運用成績が良くなることを期待して、今年最後のメルマガ執筆にさせていただきます。


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新NISAの利用方法




 年末も近くなり、来年から始まる新NISAへの関心が高まっているようです。

 私の周囲でも、にわかに新NISAの利用方法について、意見が欲しいという声が高まっています。


 弊社でも、年明けからお客様には新NISAの利用方法について、個別に連絡しながらお教えしていく予定なのですが、基本的な考え方についてこちらのメルマガでも解説していきます。


1.今後年間で360万円以上の投資余力がある場合

 この場合には、特に問題なく、毎年360万円ずつを5年間かけてNISAの非課税枠を埋めていけば良いと思います


2.これまで運用してきた資産がある場合

 この場合には、現在の特定口座から新しいNISAに売却をしてでも移行していく方がお得になります。
 年間360万円分を売却しながら移行していく事になります。

【計算式】

特定口座で含み益rがある場合

元本A
これまでの運用リターンr
これからの運用リターンR

特定口座で運用を続けて、最終的に売却した場合には
税引き後の資金B=(A(1+r)(1+R)−A)×0.8−A

特定口座から売却して、一度税金を払い、新NISAで買い直して、最終的に売却した場合には

税引き後の資金C=A(1+0.8r)(1+R)

となります。

C−B=0.2×A×R

となりますので、元本Aとこれからの運用リターンRがプラスであれば、NISAに乗り換えた方が良いという計算になります。


 知人のFP横田さんが動画で解説しているものが分かりやすいと思います。
 https://youtu.be/SoS4g9BpSKc?si=xhJFrBNoHDIt9H8g


 ということで、年明けからは、お客様に特定口座で売却とNISAで購入の両方の作業を進めていく事になります。


 みなさまも、ぜひ新NISAを有効に活用ください。



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代表取締役 小屋 洋一


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【対談】寺澤さんご夫妻に聞いた、FIRE達成までの裏話。お金の貯め方、働き方について 後編




 今回は、2人のお子さんを育てながら資産1億円超えを達成した寺澤夫妻をゲストに迎えました。

 夫の寺澤伸洋さんは国内メーカー勤務から40歳で外資系企業の事業部長に転職。在職中にビジネス書作家としてデビュー、FIREを達成し、現在すでに22冊の書籍を出版。
 「FIREの ”RE” をリタイアではなくリスタートの ”RE” ととらえ、会社のために生きる人生から抜け出し、新しい人生をスタートする」という独自のFIRE観を発信しています。

 妻の寺澤真奈美さんは生命保険会社の営業部門、テレマーケティング会社のコールセンター部門、損害保険会社の情報システム部、会計・経理部門を経て、2017年にファイナンシャルプランナーとして独立。
 「お金の面だけでなく、人生を豊かにするお手伝いをしたい」と米国ギャラップ社のストレングスコーチRとしても活躍されています。

 この秋から小屋とともに「独立FPラジオ」と題したVoicyチャンネルを配信予定です。

 会社員としてコツコツお金を貯めるフェーズからスタートし、40代で資産1億円を達成。
 現在は共にフリーランスとして活躍するお二人に、資産形成のこと、金銭的な自由と安心を手にしたことで変化した仕事観などについて聞きました。

 前編はこちら ⇒ http://okuchika.net/?eid=11419

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寺澤伸洋(てらさわ・のぶひろ)
 ビジネス書作家・講演家
 灘高校、東京大学経済学部卒業後、日系企業、外資系企業勤務を経て2021年に作家として独立。
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』
 https://amzn.to/40IxN4Y

『自分の強みを引き出す4分割ノート術』https://amzn.to/47AQLN6
『子どもを2人育てながら1億円貯めた夫婦の40代FIREまでの道のり』
 https://amzn.to/3G7SkGh

など著書多数。

オフィシャルサイト> https://cheersmywife.com/
SNS X: @ohtsuma

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寺澤真奈美(てらさわ・まなみ)
 ファイナンシャルプランナー・通信費見直しアドバイザー・Gallup認定ストレングスコーチ
 生命保険会社の営業、テレマーケティング会社にて新規コールセンターの立ち上げ後、損害保険会社の情報システム部や会計経理部門を経て、2017年保険や金融商品を取り扱わない独立系ファイナンシャルプランナーとなる。
 「お金の面だけでなく、その人の人生を心の面からも豊かにするお手伝いをしたい」と感じ、コーチングを学ぶ。2020年米国ギャラップ社ストレングスコーチRを取得。

オフィシャルサイト https://manami-terasawa.com/
SNS X: @manami_terasawa

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●わたし、もう会社員じゃなくてもいいんじゃない?


小屋「前編では伸洋さんの転職後の4年間で資産が1億円を超え、FIREへ……という流れをうかがってきたわけですが、真奈美さんは一足先にファイナンシャルプランナーとして独立していますよね。その経緯も教えてくれますか?」

寺澤真奈美さん(以下、真奈美)「2016年に、格安SIMと通信費の見直しに詳しいファイナンシャルプランナーとして独立しました。最初の就職は保険会社の営業職、結婚前から第一子の出産直後までがコールセンターのスーパーバイザー。その仕事を先ほど話した理由で退職し、その後は子ども中心、夫中心という感じで。パートや派遣社員、損保会社の正社員、とその時々にできる形で働いていました。それがファイナンシャルプランナーとして独立しようという決断に向かったのは、夫の転勤に合わせて大阪に行ったのがきっかけです。環境がガラッと変わって、知り合いもいない。仕事は続けているけれど、わたしはいつも子どもや夫に軸を合わせている気がするな……と考え始めたところに、ストレングスファインダー(※)について書いている人のブログに出会って、読み始めたら、なにこれおもしろそう!と。

※ストレングスファインダー
 米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツール。
 真奈美さんはファイナンシャルプランナーとしてだけでなく、ストレングスファインダーの認定コーチとして、クライアントの強みを活かしていくためのコーチングも行っている。

寺澤伸洋さん(以下、伸洋)「即行動で、勉強会に申し込んでいたよね?」

真奈美「わたしは公的な資格取得につながらない、単なる勉強会に足を運んだことがそれまで一度もなかったんですね。行ったらバッチを得られるわけでもない場所にお金を払ったのは初めてでした。でも、そのストレングスファインダーで自分の強みとして出てきた項目を見たとき、『わたし、もう会社員じゃなくてもいいんじゃない?』と思っちゃったんですよね。」

伸洋「ストレングスファインダーの勉強会で知り合った人たちといっしょに勝間和代さんの勝間塾にも入って、一気に独立に向かっていった感じだよね。」

真奈美「大阪生活の最後の1年間が本当に楽しいものになっていって。彼にも会社以外の人とのつながりを経験してもらいたいと思って、だいぶ誘ったんですよ。でも、怪しがってなかなか(笑)。」

伸洋「僕の30代は、本当に会社と家の往復だけの生活だったんです。働いていた記憶しかない。だから、妻が楽しそうにしているのは喜びつつも、気が向かなかったんですね。でも、転職するかも……となったとき、勝間塾のゲーム大会に連れて行ってもらって、人狼ゲームやボードゲームをしながらいろんな働き方をしている人たちに会って、めちゃめちゃ刺激を受けたんです。」

真奈美「この年になっても新しく友だちってできるんだ!って言っていた気がします。」

小屋「それが39歳とか、40歳。」

伸洋「そうですね。しかも、勝間塾で会う人は基本、自分で稼げるようになろうぜって考えの人たち。ところが30代の僕はもう根っからの会社員で。朝、職場に行って席に座り17時半には家に帰る。それで1年に何百万かの給料がもらえるならいいじゃないか、そこで60歳まで勤め上げて退職金をもらって……そういうマインドが社外の人と知り合ううちに徐々に変わっていって、転職して数年で一気に加速した感じです。会社を辞めていいんだ、定年前にFIREしてもいいんだ、本を書いてもいいんだ、もっと上を目指してもいいんだ、今いる場所で満足しなくてもいいんだ、って。」


●お金をどう使っていくかは、これからの2人の課題かもしれません


小屋「FIRE後の仕事観、お金観は変わりましたか?」

伸洋「僕は40歳過ぎでFIREを知って、そのコンセプトに惹かれていったんですけど、『主に資産運用から得られる運用益をもとに、生活支出を最小にして生きていく』という手法には魅力を感じませんでした。実際、退職を決める前に妻と試算したところ、1億円の資産があっても夫婦ともに収入がなければ、どう節制しても60代前半ですべて食い潰してしまうことがわかりました。いくら質素に生活しても破綻するなら、そんなFIREは本末転倒です。僕が思い描いているFIREの「RE」はアーリーリタイヤではなく、リスタートもしくはリボーンの「RE」。人生を再スタートさせよう、という意味合いで捉えています。自分の好きなこと、強みのあることで仕事は続けていくイメージですね。だから、僕が個人事業主になったときの屋号は『チェンジマインド』と付けました。僕自身のマインドブロックがなくなったように、僕の本を読んだ人のマインドが変わってくれたらこんなにうれしいことはないなと思って。」

小屋「前半に詳しく聞きましたけど、寺澤夫妻は一般家庭に比べると圧倒的に節約がうまい家計を維持してきたと思います。会社を辞めて独立してから、お金の使い方は変わりました?うちのクライアントさんで言うと、60代、70代になって十分な資産を持っているけど、人生を前向きに楽しむためのお金がうまく使えていないという課題があります。お二人はまだその年代ではないですけど、将来に向けてはどう考えていますか?」

伸洋『お金の使い方にはリハビリがいると思います。正直に言うと、僕は今も特に贅沢したいと思わないですし、食べ物にも旅行にもあんまり興味がないんですよね。ずっと家にいてもいいタイプ。1つこだわりがあるのは、人と会うこと。ただその場所はオンラインでも、カフェでコーヒー飲みながらでもいい。お金が貯まったからホテルのラウンジや料亭で……という感覚にはいまだにならないです。安いからといって若者が騒いでいるようなにぎやかすぎるお店に入るのはやめようかな、と考えるくらいで価値観は変わっていないんですよね。」

真奈美「わたしは上の子が大学入ったのがすごく大きなきっかけで、子育てが一段落した感覚があります。資産を増やすために節制するフェーズから、仕事もしながら運用もしながら、マイナス家計にならない範囲で使っていくフェーズに入ったと思っています。元々欲しいものがたくさんあるタイプなので、家も欲しいし、クルマも欲しいし。2人でよく相談して使っていきたいですね。」

伸洋「結局、お金をどう使うかは、自分が何を好きかにつながっていると思うんです。自分の興味関心や、何に幸せを感じるかを自分自身がちゃんと知るべきで、そのステップを踏まないで使ってしまうのは違うと思うんですよね。
僕は朝起きて、本を書いて、人と会うという1日にすごく充実感を感じています。書くことに仕事感はなくて、楽しいんですよ。たまたまこの生活には、カフェ代や居酒屋代くらいしかお金がかからないけど、それで十分幸せなんですよね。」

真奈美「あまりにも夫がお金を使わないので、この間『DIE WITH ZERO』(ダイヤモンド社)という本を夫婦で読んで『お金をずっと持ち続ける必要はあるの?』という感じの話をしたよね。」

伸洋「たしかに1億円抱いていても、お墓には持っていけないですからね。使い方はこれから2人で考えていく課題かもしれないですね。」


●ファイナンシャルプランナー向けのVoicy「独立FPラジオ」始まります!


小屋「最後にお知らせを。今度、僕は真奈美さんといっしょにVoicyで『独立FPラジオ』というチャンネルを配信する予定です。こんな内容を話そうというイメージはありますか?」

真奈美「ファイナンシャルプランナーと、ファイナンシャルプランナーを目指す人向けということで、実践的な内容にしたいですね。数多くいるファイナンシャルプランナーの中で独立系でやっていくには、自分が何に強いFPかをしっかり押し出す必要があると思うので。」

小屋「そうですね。FPとしてアドバイスしてお客さんにどんな付加価値を生み出しているのか。そこを明確に言える人は少ないと思います。」

真奈美『コーチングとも少し被る部分があるんですけど、クライアントさんに寄り添いながら徐々に効果が出てくる面と、すぐに効果が出る速効性のあるアドバイスを求められる面の両立が必要ですよね。」

小屋「そのあたりを僕らがなるべく言語化して、分かりやすく伝えられるといいですよね。」

真奈美「ですね。」


(了)


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【対談】寺澤さんご夫妻に聞いた、FIRE達成までの裏話。お金の貯め方、働き方について 前編




 今回は、2人のお子さんを育てながら資産1億円超えを達成した寺澤夫妻をゲストに迎えました。

 夫の寺澤伸洋さんは国内メーカー勤務から40歳で外資系企業の事業部長に転職。在職中にビジネス書作家としてデビュー、FIREを達成し、現在すでに22冊の書籍を出版。
 「FIREの ”RE” をリタイアではなくリスタートの ”RE” ととらえ、会社のために生きる人生から抜け出し、新しい人生をスタートする」という独自のFIRE観を発信しています。

 妻の寺澤真奈美さんは生命保険会社の営業部門、テレマーケティング会社のコールセンター部門、損害保険会社の情報システム部、会計・経理部門を経て、2017年にファイナンシャルプランナーとして独立。
 「お金の面だけでなく、人生を豊かにするお手伝いをしたい」と米国ギャラップ社のストレングスコーチRとしても活躍されています。

 この秋から小屋とともに「独立FPラジオ」と題したVoicyチャンネルを配信予定です。

 会社員としてコツコツお金を貯めるフェーズからスタートし、40代で資産1億円を達成。
 現在は共にフリーランスとして活躍するお二人に、資産形成のこと、金銭的な自由と安心を手にしたことで変化した仕事観などについて聞きました。

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寺澤伸洋(てらさわ・のぶひろ)
 ビジネス書作家・講演家
 灘高校、東京大学経済学部卒業後、日系企業、外資系企業勤務を経て2021年に作家として独立。
『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』 https://amzn.to/40IxN4Y
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など著書多数。

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寺澤真奈美(てらさわ・まなみ)
 ファイナンシャルプランナー・通信費見直しアドバイザー・Gallup認定ストレングスコーチ
 生命保険会社の営業、テレマーケティング会社にて新規コールセンターの立ち上げ後、損害保険会社の情報システム部や会計経理部門を経て、2017年保険や金融商品を取り扱わない独立系ファイナンシャルプランナーとなる。
 「お金の面だけでなく、その人の人生を心の面からも豊かにするお手伝いをしたい」と感じ、コーチングを学ぶ。2020年米国ギャラップ社ストレングスコーチRを取得。

オフィシャルサイト https://manami-terasawa.com/
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●手取り25万円から1億円の資産を築いた寺澤夫妻の方法とは?


小屋「寺澤さんの『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』を読む限り、20代、30代と寺澤さんご夫婦は高収入だったというわけではないんですよね?」

寺澤伸洋さん(以下、伸洋)「そうですね。小屋さんが読んでくださったその本には“40歳まで役職なし・手取り25万円だった”という帯文をつけたんですが、実際、17年間、日本のメーカーに勤めていた僕の収入は手取り25万円+ボーナスのままでした。」

寺澤真奈美さん(以下、真奈美)「わたしたちは2002年に結婚したんですが、貯金は夫婦合わせて200万円ほど。すぐに第一子が生まれ、わたしは正社員として勤めていた会社を辞めざるをえませんでした。子どもの1歳の誕生日の前日までしか育休が取れなくて、復帰日に保育先が無かったんですよ。今は国が『育児休業期間は、原則として子が1歳に達するまで、保育所に入れない等の場合に、例外的に子が1歳6か月に達するまで延長できる』としていますよね。当時この制度があったらよかったのにな、と思います。」

小屋「なるほど。保育先の空白期間ができてしまったんですね。」

真奈美「1歳の誕生日には復帰しなくちゃいけないけど、保育園は4月1日からで、最初の数週間は慣らし保育です。そもそも土日勤務がある仕事だったし、これはどうしようもないかもな……と思っていたところに、人事から『寺澤さんは総合職採用ですから、沖縄や九州、北海道の拠点への転勤もあります』と。実際、妊娠の報告が無ければ、ほぼ地方への異動が決まっていたのだと当時の上司から後になって聞きました。それを見合わせた事情もあるので、復帰後の転勤は確実です。『あなたはお子さんを連れて旦那さんと別居して、1人で子育てできますか?』みたいなことを言われて、もう心が折れてしまったんです
よね。

伸洋「今なら確実にハラスメントになる発言ですよね。」

真奈美「その後保育園も決まったのですが、小さな子供を育てながら働くことにも不安がありました。でも、夫の収入だけだと教育費も含めて将来的に不安だし、母に相談したら『保育園せっかく決まったんだから、働きなさい』と言われて、パート社員として働き始めました。」

小屋「そこから本格的にご夫婦でお金を貯めていったわけですか?」

真奈美「基本的には夫の手取りで生活して、ボーナスとわたしの収入は貯金して。よくファイナンシャルプランナーが勧める『先取り貯金』を誰にアドバイスされたわけでもなく、始めていました。」

伸洋「2003年と2011年に子どもが生まれているんですが、この頃から僕が転職する2017年までが、言わば節約・節制フェーズ。夫婦で相談しながら節約生活を続けていったという流れです。」

真奈美「当時の目標は『子どもたちの学費を準備すること』で、子どもが大学卒業するまでにかかると言われている2000万円を貯金することを目指していましたね。」


●家計簿が1円合わない!? 忘れられない、そのときの夫の反応


小屋「具体的にはどんな節約策を実践したんですか?」

真奈美「まずは夫婦共働きで収入を確保すること。その上で、家賃が安い物件に引っ越しをしたり、通信費を見直したり、固定費を下げることから始めて…。」

伸洋「きちんと家計簿をつけて、細かい支出をできるだけ削減することも意識しました。たとえば、僕は仕事中に毎日のように飲んでいたペットボトル飲料や缶コーヒーをやめました。それまでは忙しくなってくると、朝、昼、夕方と買ってはデスクに空き缶を何本も並べていたんですね。それがもったいないなと思えてきて。毎朝会社に行ったら大きいボトルに麦茶のパックを1個入れて、それを飲むようになりました。昼ごはんは当時のオフィスが日本橋にあったので、ランチに出ると1回1000円は出ていくんですが、結婚後は妻がお弁当を用意してくれるようになって、コストもだいぶ下げられました。」

小屋「家計簿はどのくらい細かく?」

真奈美「彼は独身時代からエクセルを使って家計簿をつけている人で、わたしのほうは欲しいものは欲しい、と使う人だったんですね。家計簿もつけたほうがいいと頭ではわかっていてもなかなかできず……。でも、一緒に暮らすようになってからは強制力が働いてがんばるようになりました。結婚当初、同じエクセルのファイルで家計簿をつけ始めたとき、合計額が1円ズレたことがあったんですよ。そしたら、彼が隣に座って、1時間以上、入力ミスがないかダブルチェックしたんです。もう銀行状態。あれは忘れられません。」

伸洋「僕も今となっては、『家計簿をつけるにあたって1円単位みたいな完璧主義になるのはやめしょう』と本に書いているんですけど、当時は1円のズレが気持ち悪かったんです。でも、ふたりで一緒に家計簿をつけているうち、数千円の差は気にならなくなりました。」

小屋「僕自身は、家計簿はつけてなくてマネーフォワードで支出の確認をするくらいです。改めて家計簿をつけるメリットってどんなところにあると思いますか?」

真奈美「支出を把握できていれば、基本的にはOKだと思います。わたしが家計簿をつけていて感じるメリットは、自分のコンディションが見えてくることですね。たとえば、スーパーのレシートが1日に2枚あって、しかもお惣菜をいくつも買っているとなると、忙しくて計画的に買い物ができていないんだな、とか。そういう気づきがあります。」

伸洋「僕はさっきの缶コーヒーやペットボトルもそうですし、コンビニのちょっとした買い物など、レシートを家計簿に転記しながら反省できるところがいいなと思っています。この出費はしなくてもよかったな、と。」

小屋「お二人とも独身時代に比べるとなかなかの節約生活だと思うんですが、ストレスにはなりませんでしたか?」

真奈美「『子どもたちの学費を準備する』という目標設定が明確にあったので意外と苦になりませんでしたね。」

伸洋「夫婦共働きで家計簿をつけ、毎月ふたりで見直し、細かい支出を削減し、固定費を定期的にチェックしていくと、手取り25万円でも着実にお金が貯まっていきます。その『貯まっていく』という事実がモチベーションになりました。」


●節約フェーズから一気にフェーズが変わった。転職と執筆の成功


小屋「寺澤夫妻の節約フェーズは、どの家庭でも再現性が高い手法ですね。その後、伸洋さんが転職する時点でどのくらいの資産になっていたんですか?」

伸洋「結婚当初は夫婦合わせて200万円だった資産が、15年後の2017年の転職時には4800万円になっていました。」

真奈美「その間、彼がイギリスに単身で語学研修に行ったり、その後の本社勤務で大阪に引っ越したり、環境の変化はありましたけど、基本は彼の手取りで生活し、ボーナスとわたしの収入は貯蓄に回すスタイルでした。」

伸洋「1つ助かったなと思うのは、日本の古き良きメーカーのいいところで、家賃補助を含め、福利厚生が充実していたことですね。」

小屋「そこから40歳で日本的な安定した会社員の立場から離れるという転職は大きな決断だったと思うんですが、どういうきっかけで?」

伸洋「イギリスから帰ってきて大阪の本社に転勤になり、4年間働きました。そのとき仲良くなった同僚が外資系企業に転職し、入社直後に『社員紹介制度でうちに面接を受けに来ない?』と誘ってくれたのがきっかけです。はじめは自分が外資系なんておそれ多いとビビっていたんですが、妻に相談すると背中を押してくれて、僕もこれは自分にとってのチャレンジだと信じて挑んだ結果、面接を通過。ここから資産形成のフェーズも大きく変わりました。」

小屋「というと?」

伸洋「1年目に年収が2倍になり、気持ちに余裕が出たことで株式投資を再開。合わせて転職先では給与体系の一部として、RSU制度(*)が導入されていたんですね。2017年に800万円で付与された株が4年後3200万円に。これが資産1億円突破に大きく役立ってくれました。」
*株式報酬の一つで、一定期間の継続勤務などを条件とし、その条件を達成した後に株式を受け取る権利を付与される制度。寺澤さんの場合、入社時に自社株を4年間にわたってもらえる権利が付与される代わり、勤続4年に満たないうちは売却できない仕組みだった。しかし、その4年間に株価が4倍以上になった。

真奈美「もう1つ、コロナ禍のリモートワークも大きかったよね?」

伸洋「20年3月から完全オンラインで仕事をするようになりました。それまで毎日かかっていた往復の通勤時間3時間がぽっかりあいたんです。そこで、AmazonのKindleのサービスを使って本を出してみようと思い立って書いた『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』がヒットして、カドカワさんとダイヤモンドさんと世界文化社さんから商業出版のオファーが舞い込んだんです。」

小屋「夢のある話ですね。」

伸洋「結局、働きながら3冊書いた、その印税が副収入として加わり、転職して4年で資産が1億1000万円になりました。17年で4800万円貯めて、次の4年間で6000万円以上増えたわけです。」

小屋「そこから外資系企業を退職、FIREという決断に向かっていくわけですね。」


(後編に続く)


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【対談】タレント・杉原杏璃さんに聞く。株式投資歴18年で得た経験とこれからの夢−後編




 前回の杉原さんへのインタビューの後編です。
 前編はこちら ⇒ http://www.okuchika.net/?eid=11376


 華やかなゲストが来てくれました。
 10代の頃からタレント、グラビアアイドルとして活動する一方、個人投資家でもある杉原杏璃さんです。
 23歳のとき、30万円ほどの貯金を元手に株式投資を始め、5年後には運用資産1000万円を達成し、投資歴17年で“億り人”に。

 現在は『株は夢をかなえる道具』(祥伝社)『マンガでよくわかる株1年生』(かんき出版)などの著書を出版、初心者にもわかりやすく投資術を伝えています。

 また、2014年にはグラビアでの経験を活かしたソフト補正下着のブランドを立ち上げ、大手通販専門チャンネルで9年にわたりヒットするロングセラー商品に育てるなど、実業家としても活躍しています。

 今回はそんな杉原さんに、前編で個人投資家としてのキャリアについて、後編では40代になった今感じている仕事と資産への考え方を、深掘りしてお話をうかがいました。



●30歳、株で得た利益を投じて夢だった補正下着のビジネスを立ち上げる


小屋「杉原さんが立ち上げられた補正下着のビジネスについてもお聞きしたいです。始めたのはいつ頃ですか?」

杉原杏璃さん(以下、杉原)「2014年で、30歳のときです。株を始めて9年目でした。」

小屋「どういうきっかけだったんですか?株式投資とも関係していますか?」

杉原「株式投資は深く関係しています。というのも、補正下着をつくるのは20代の頃の夢の1つだったんです。でも、メインのお仕事で得たお金は日々の生活に使っていたので、夢は夢だなと思っていました。それから株で収入が得られるようになって、補正下着のビジネスの資金を準備することができたんです。」

小屋「補正下着はグラビアのお仕事と縁深いものなんですか?」

杉原「グラビアアイドルはみんな、常にダイエットをしていますし、撮影に向けてメリハリができるボディに仕上げなきゃいけないと日々考えています。
ボディラインを維持していくなかで、ガードルを履いたり、コルセットを着けたり。補正下着は身近な存在なんですね。私も20代後半に向かう頃、グラビアの撮影でポーズを取りながらウエスト部分のラインが気になるようになりました。食事や運動の努力には限界があって、補正下着で整えられないかな?と初めて試してみました。そうしたら、腰回りのお肉が程良く生地の圧で抑えられて、ラインを自然に整えてくれる効果を感じたんです。」

小屋「そうなんですね。」

杉原「補正下着は着用すると体のラインをきれいに見せてくれるものですけど、ボーン(金属やシリコン製の芯)やワイヤーなどを使ってガチガチに固める補正下着は、窮屈で着るのも脱ぐのも大変。長時間は身に着けていられませんし、締め付けすぎると、かえってボディラインが崩れるように感じました。そこで、私が使っていたのはノンゴム、ノンワイヤー、ノンボーンのソフトな補正下着。程良く圧をかけて垂れやゆるみなどを防いでくれて、1日中つけていても苦しくない。でも、細かなところに『もっとこうならいいのに』という部分はいくつもあって、自分が一番気に入るものを自分で作れたら最高だな、と思うようになっていったんです。」

小屋「夢を形にするためにご自分で事業にしようと踏み出せたのが、すごいですよね。」

杉原「できたらいいな……から踏み出せたのは、株で少しずつ資金が貯まっていったからです。これを全部ビジネスに投下すればまた次の夢が広がるな、これも投資だなと。ちょうど30歳という節目で、女性にとって結婚だったり子供だったりを悩む年齢でもあり、私の場合はそこで1つ揺るがないビジネスを持ちたかったんです。」

小屋「株の利益を投じての立ち上げだったんですね。」

杉原「そうですね。水着を着て人前に出るグラビアのお仕事は50歳、60歳になってもできるようなジャンルではありませんから。いつかはやめなければいけない、賞味期限のあるものです。その先を見据えたとき、きれいに体のライン、女性らしいラインを見せる商品をつくることと、グラビアでの経験をつなげていけるとも思いました。10年近くボディラインを美しく見せるために試行錯誤してきたノウハウは自分にとっての財産です。そのノウハウを多くの女性にお伝えすることで、いつまでも美しく、自信を持って暮らしていただきたい。そんな想いもあっての補正下着の事業の立ち上げでした。」


●知らないからこそ、わからないことは全力で「教えてください」と言える


小屋「そこから実際に10年ビジネスを続けてこられて、どのように感じていますか。事業は株式投資や不動産投資と似ている部分もあれば、違うところもあります。」

杉原「株もそうでしたけど、マメに学ぶこと。失敗を検証すること。そうやってしっかり勉強すればするほど、少しずつうまくいくんだなということを感じています。特にビジネスは苦しい局面があっても、それを乗り越えたときの達成感が大きいですね。」

小屋「世の中、10年続くビジネスは少ないですから、すごいと思います。」

杉原「株は1人で黙々と売買するだけですけど、ビジネスは本当に多くの人が協力してくださっています。補正下着のパターンを引いてくださるデザイナーの方、営業に行ってくださる方、製造工程に携わっている方、いろんな方々に支えられていて、私はより良い商品の開発と商品を世の中に広めるという部分に力を注いでいます。多くの人とチームを組めるという意味で、株より楽しめているかもしれません。株は全部が自己責任ですけど、ビジネスは困ったことがあってもその道のプロの方々が知恵を出し、手を動かしてくれますから。」

小屋「人と作り上げていく楽しみもある一方で、1人でやっていたらこんなことないのに……とモヤモヤを感じることはありませんか?」

杉原「もし私が飲食の仕事で経験を積んでからレストランを開いたとしたら、そういったモヤモヤを感じる場面もあったかもしれないですね。でも株を始めたときと同じで、グラビアアイドルからビジネスのことは何も知らない立場で入っているので、わからないところについては全力で教えてください、お願いします、と言えるんです。」

小屋「その素直さが順調な成長の秘訣かもしれませんね。」

杉原「少しずつ規模が拡大して、毎年プレッシャーの負荷がちょっとずつ増えています。でも、基本的に楽しめていますね。」

小屋「補正下着をつくるという夢が実現して、今はまた次の夢ができていますか?」

杉原「大苦戦中ですけど、アジアに進出したいと思っています。アジアの女性は体型も似ているので、きっと着心地がよくボディラインを整えられる補正下着がお役に立てるはずなんですね。中国、台湾、香港。チャレンジしているんですが、なかなか実を結ばないところです。でも、数年以内に実現するといいなと思っています。」


●将来的には個人投資家が運用について語り合えるシェアハウスを作りたい


小屋「僕たちは個人のお客さんの資産運用についてアドバイスをしています。杉原さんはすでにご自身でできているので必要ないとは思うのですが、アドバイザーの存在についてはどう見ていますか?」

杉原「投資をしていく上で何が一番大変だったかと言えば、やっぱり信頼して話し合える人がなかなかいないことです。特に20代の頃は、投資についてコミュニケーションが取れる仲間がまったくいませんでした。すごく寂しかったし、不安でしたね。そこに経験のあるアドバイザーがいてくれたら、その分ノウハウを身につける時間が短く済んだかもしれません。もし可能なら、23歳に戻ってアドバイザーや投資について話せる仲間と一緒にやりたいなっていう気持ちがありますね。今はSNSもあるし、私の周りの個人投資家の方々もグループLINEを作って「おはよう」の挨拶から、銘柄に迷ったときに相談したり、どのくらいの株価から入っていくかを話したり、ひんぱんにやりとりしているみたいです。私はそういう経験がほとんどないので、メンタル的に心強いだろうなとも思うし、少しうらやましいです。」

小屋「投資家や経営者グループへの誘いはないんですか?」

杉原「私はお仕事のとき以外、すごく人見知りなんです。しかも、出不精で年々お尻が重たくなってきていて……会食に誘われてもほぼ断ってしまっているんですね。プライベートはお家とご近所で完結しちゃう。でも、もう40代になりましたし、もうちょっと人間力を養って、コミュニケーション能力を高めていきたいと思っています。」

小屋「先ほど、ビジネスの次の展望をお聞きしましたが、資産運用についてはどうですか?」

杉原「今は投資スタイルも変わってきて新興銘柄中心ではなく、高配当株や優待株も持って、複利で回すような銘柄も増えました。資産額はあまり気にしないようしているんですが、それでも株価は毎日見るので精神的な負荷はかかりますね。デイトレで売買しているわけでもないのに、日経平均が下がって保有銘柄に影響が出ると気持ちが重たいし、何年やっていてもメンタルコントロールは難しいですよね。ただ、昔から私は『100万円貯まったらバーキンを買おう!』みたいな物欲が一切ないので、今もお金を使いたい目標はなくて…。」

小屋「物欲がなくて、でも運用はうまくいっていると資産は増えていきますよね。これから先の使い方についてはどうでしょう?これはうちのお客さんたちの悩みでもあって、50代、60代と資産運用がうまくいった後、そのお金をどう使うと幸せを感じられますか?という問いなんですが。杉原さんは40歳になったばかりですから、まだ具体的に60代以降のイメージは描かれていないとは思うのですが、プライベートでの夢はありますか?」

杉原「プライベートで自分のものとして、これを買いたい!というものは思い浮かばないんですが、1つ夢はあります。投資のシェアハウスを作りたいんです。」

小屋「投資のシェアハウス?」

杉原「1週間単位、1ヶ月単位の入居でもいいんですが、投資という趣味を持っている人たちが集まるシェアハウスです。その建物がRCになるのか、木造になるのか、どんな場所になるのかは、これからの私の資産運用にかかっているんですけど、投資が好きな人が集まる場所を作りたいんです。」

小屋「それは楽しそうですね。僕も同じようなイメージを持っているので、驚きました。会社の事務所の半分ぐらいをオープンスペースにして、いろんな投資家さんや新規でビジネスを立ち上げたい人が集まるサロンにしたいんですよね。気軽に、でも真剣にビジネスや運用の話ができるような空間があったらいいなと。」

杉原「いいですよね。私も投資というジャンルが好きな人たちが入居して、大きなダイニングの共有スペースで株や不動産など、運用のいろんな話ができる場所にしたいです。週末にセミナーに行くのもいいですけど、仕事が終わって、家に帰ったら気の合う仲間がいてコミュニケーションが取れるってすごくいいじゃないですか?老後はそのシェアハウスの大家さんになって、お茶をすすりながらみんなの会話を聞いていたい。自分からコミュニケーションを取るのは苦手なので、みんながわいわいしているのを眺めていたいんですよね。それだけで心が潤いそうだし、人間関係のコンプレックスも解消されて、人生の満足度が上がると思うんです。」


(了)


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【対談】タレント・杉原杏璃さんに聞く。株式投資歴18年で得た経験とこれからの夢−前編




 華やかなゲストが来てくれました。
 10代の頃からタレント、グラビアアイドルとして活動する一方、個人投資家でもある杉原杏璃さんです。
 23歳のとき、30万円ほどの貯金を元手に株式投資を始め、5年後には運用資産1000万円を達成し、投資歴17年で“億り人”に。

 現在は『株は夢をかなえる道具』(祥伝社)『マンガでよくわかる株1年生』(かんき出版)などの著書を出版、初心者にもわかりやすく投資術を伝えています。

 また、2014年にはグラビアでの経験を活かしたソフト補正下着のブランドを立ち上げ、大手通販専門チャンネルで9年にわたりヒットするロングセラー商品に育てるなど、実業家としても活躍しています。

 今回はそんな杉原さんに、前編で個人投資家としてのキャリアについて、後編では40代になった今感じている仕事と資産への考え方を、深掘りしてお話をうかがいました。


●切実に、収入を増やすために始めた株式投資


小屋「23歳、グラビアアイドルとして活躍の場を広げていった時期に株式投資を始めたきっかけはどういったものだったんですか?」

杉原杏璃さん(以下、杉原)「芸能活動をしていると一般の20代前半の方に比べて、企業の社長さん、役員さんといった方々とお食事をする機会も多くあるんですね。そういう場でご飯を食べながら皆さんのお話を聞いていると、必ず株式投資の話題が出ていました。私は、広島から上京してきたばかりで経済のことは何もわからないから、”素直に東京で成功している方々は皆、投資というものをやっているんだ””やらないとお金持ちにはなれないんだ”と思ったんですね。
それと同時に悔しい気持ちもありました。会話の端々に経済や政治の話が出ると、私はわからないなりに相づちを打っていたわけです。社長さんはこちらにも話題を振ってくださるんですが、そのとき必ず”わからないよね、ごめんね”って枕詞が付きました。前提として、”このニュース、知らないよね”と見られているんだって。たしかに知らないんですけど、やっぱり悔しいな……と思ったんですね。じゃあ、ちょっとでも彼らに近づくために、自分も株式投資を始めてみたらいいのかもしれない。そう考えたのがきっかけの1つです。」

小屋「企業の社長さんや役員さんに勧められたわけではなく、自主的に?」

杉原「そうですね。それともうひとつ大きな理由があって。単純に収入が安定していなかったんです。詳しくは本(『株は夢をかなえる道具』)にも書きましたが、写真集を出させていただいたり、雑誌のグラビアに登場させていただいたりしても、東京で一人暮らしをしていると、毎月のお給料は家賃や生活費で消えてしまいます。
広島時代から貯めていたお金はあったけれど、オーディションなどのスケジュールを優先しているとアルバイトもできません。だんだん貯金を切り崩す月が増えてきて、これは田舎に帰らなくちゃいけないかもしれない、という金銭的な危機感もあって。切実に、収入を増やすためのもう1つの柱を作らなくちゃいけない。それも家にいながらにしてできることで……。」

小屋「ちょうどネット証券が流行し始めたくらいですか?」

杉原「そうですね。2005年なので、ネット証券に口座を開けばいつでも株式投資ができるし、若かったから本当に単純で、やれば増えると思って始めたんです。100万円くらいあった貯金の中から30万円を証券口座に入れて、何を買えばいいのかよくわからなかったので大好きな野球に関連する銘柄を選びました。当時は上場していた東京ドームの株を買い、1カ月後に株価を見て、1万円くらい上がっていると利益確定して、また新しい株を買って。最初の年の利益は年間で十数万円くらいだったと思います。」


●投資を始めて3年目にリーマン・ショックに遭遇

小屋「杉原さんが株を始めた2005年からしばらくは株価が好調な時期でしたね。」

杉原「最初に上がる経験ができたのはラッキーでした。」

小屋「その頃はどれくらいの資産になったらいいなと思っていましたか?」

杉原「始めた当初は生活費が賄えたらうれしいから、月に20万円利益が出たら最高だなと思っていました。それだけあれば家賃も払えるし、生活もできるし、不安じゃない。本当に目先のお金だけを考えていたんですよね。それが変わってきたのは、リーマン・ショックがあけて5年くらいたってから。もっと長期的に見て投資をしていく野心みたいなものが芽生えてきました。」

小屋「リーマン・ショックの影響はどうでしたか?」

杉原「独学で株を始めて3年でリーマン・ショックだったので、何もするすべを持たず、でした。持っていたのは日本株ばかりでしたけど。半分近くは下がった記憶があります。」

小屋「海外株よりは下がらなかったですけど、日本株も全体的に30〜40%の下落でした。」

杉原「今もそうですが、現物取引しかしていなかったこと、始めたばかりで投資額が大金ではなかったのが救いだったかなと思います。でも何か対策ができたわけではなく、ただただ、塩漬けにして2、3年待ちました。というか、すべがなかったので、待つというより放置という言い方が正しいですね。」

小屋「メンタル的にめげませんでしたか?僕もアドバイスする側として、個人で株式投資をしている方には”パニックになって売っちゃうのはダメですよ”と話しますが、初心者の方の多くは怖くなって売ってしまい、損が出て、”もう株はやらない”という結論になることも少なくありません。

杉原「逆に投資歴が18年になった今のほうが、リーマン級のことが起きたとき、狼狽売りをしてしまうかもしれないですね(笑)。投資の怖さも見聞きして知ってしまっていますから。でも当時は前向きというか、楽観的というか、”アメリカで起こっていることの影響でしょう””だったら放っておけば戻るんじゃないかな”って。物を知らない20代の最強さ。それがいい方に出たのか、下がったものは塩漬けにしながら、新しく別の銘柄に投資していました。

小屋「新たに買っていったのは、どんな銘柄だったんですか?」

杉原「私はゲームが好きなので、それに関連する銘柄でした。当時はケータイゲームが一気に広まり始めた時期で、その後にアベノミクスも始まり、国内株が全般的に好調で。特に私が触っていた(取引対象にしていた)セクターは成長中だったので、大きく資産額も膨らんでいきました。」

小屋「ケータイゲームと言うと、グリーとかミクシィ?」

杉原「そうですね。あと、ガンホーとコロプラ、DeNA。あの辺は全部触ってきましたし、株価が上昇していく波にうまく乗ることができました。」

小屋「それは自分が好きで、関心のあるジャンルだったからですね。」

杉原「自分と同じ世代、ちょっと下の世代の子たちがちょうどケータイゲームにハマっていて、テレビゲームはお金がかかるけど、ケータイだと無料で遊べる。楽しく暇つぶしができる。その感覚はゲーム好きとして共感できましたし、確実にこれまでゲームをやらなかった層にも広がっていくインパクトのある出来事だと思えたんですね。」


●自分の失敗から得られる教訓こそ、最大の学び

小屋「新興銘柄はボラティリティ(株価の変動)も大きく、ダメなるときは急激にダメになってしまう銘柄もあります。その辺の見極めはどのようにしてきたんですか?」

杉原「ゲーム関連銘柄に関しては、アプリストアのランキングをよく見ていました。例えば、あるゲームがリリースされて、ダウンロード数が増え、ランキング入りし始めたら、買い。そして、ランキングの首位を取り始めたら、そろそろ引きどき。盛り上がっていく時期が株価も盛り上がっていく時期で、1位を取ったらそこからの上げはないなと判断していました。」

小屋「現実に起きている現象をベースにしていたんですね。」

杉原「そうです。どこどことコラボする、といったニュースも大事ですね。あとは他の銘柄にも共通してですが、私はファンダメンタルズを重視しています。企業の売上高や利益といった業績、資産、負債などの財務状況はある程度チェックしてから取引するようにしてきました。」

小屋「決算資料は読み込んでいるんですか?」

杉原「そこまではできないんですが、決算短信、IR情報、関連銘柄の動き、同業他社の業績との比較くらいはします。私は経済アナリストでもないし、専門家でもないので、本(『株は夢をかなえる道具』)にはあえてそこまで詳しく書きませんでした。お金持ちじゃなくても、私みたいな田舎から出てきた若い子でも株式投資はできるよ、杏璃ちゃんでもできるなら私も……という入口の存在でいたいんです。ただ、長く株式投資を続けていくにはやっぱり自分なりの勉強をして、やり方を作っていく必要があるとも思っています。」

小屋「投資の楽しさを伝えて、初心者向けに間口を広げる役割を担いつつも、そこは葛藤するところですよね。安直に始めて失敗してしまうと、株そのものが”怖い”となってしまうこともありますし。」

杉原「そうですね。難しいところです。実際、私も何度も数百万円単位で痛い目にあっていますし、株って取引を続けていれば絶対に失敗はするものだと思っています。だけど、自分の失敗から得られる教訓こそ、最大の学びだとも思う。だから、まずはやってみて失敗も経験してほしい。そのとき、”なんで失敗したんだろう?”と追求してほしいですね。自分が好きでもない、興味もない業界の株なのに”儲かりそう”と聞いて買ってしまったからかな、決算書をあまり読まなかったからかな、誰かがいいと言っていたのを聞いてよく調べずに買ってしまったからかな、ストップ高、三連騰といったキーワードに惹かれてしまったのかな……と。」
株式投資は長期の人も短期の人もいて、買い方もバラバラで、何が正解という答えはないと思います。でも、どこで自分がつまずいて失敗したのかを知ると、必ず次に活かせます。それは初心者でも、ベテランの人でも変わらないですよね?

小屋「失敗したら振り返って、ちょっとずつ改善していこうということですよね。たしかに、その修正能力が高い人のほうがうまくいきますね。」

杉原「性格も売買方法もそれぞれですから、1人ひとりがマイ・ルールを作っていくこと。そう考えると、じつは普段の本業のお仕事と変わらないですよね。私の場合、株式投資の経験で決断力はついたと思います。どうしようかな、誰かに相談したいな、と思うことは今もありますけど、最終的に自分で決められる。株式の売買では1分1秒でも値段が変わっていくので、今、決断を下さなくちゃ!という場面がたびたびあります。仕事でメンタル的にショックなことがあっても、”いや、あの時の何百万円か損した取引に比べたら別に大丈夫”と切り替えられる。だから、投資を通じて自分がちょっと強くなれた実感があって。それはいいことだなと思っています。」


(後編へつづく)


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