金銭教育をするための教科書



 先週、某東証一部企業の社長と、1対1でお食事をさせていただく機会がありました。

 その会話の中で出た話として

「企業内で社員に対して、金銭教育を与える機会を設けたい」

という話がありました。


 どうも、その社長自身が強く「金銭教育が必要だ」と認識しており、それを社員にしっかりと教育していくことが、社員の方々の生活の安定につながるであろうということをお話されてました。


 ところで、メルマガ読者の皆さんは過去にしっかりとした金銭教育を受けたことがあるでしょうか?


 学校教育や社会人教育の中では、金銭教育は含まれませんので、ご自身が意欲的に金銭教育を学んでいなければ、自然と機会を与えられることもなかったはずです。


 もし、私が、メルマガ読者の方に「金銭教育」の本をお勧めするのであれば、


【初心者向け】

 新・メシの食える経済学〜お金に恵まれる人生への手引き〜
 (光文社知恵の森文庫)
 著者:邱 永漢
 http://amzn.to/2vhORm3

 幸せな小金持ちになる方法が、具体的に書かれています。
 お金は所有するよりも利用できることが大事など、お金の本質にかかわることがしっかりと解説されています。
 そのうえ、初心者の人にも難しい言葉を使うことなく書かれています。

 テクニカルな事よりも、心構え、マインドセットに向いている1冊。



【中級者向け】

 投資戦略の発想法〈2010〉
 著者:木村 剛
 http://amzn.to/2f7SiFj

 著者は、色々事件とかありましたが、書籍に関しては全く問題なし。
 主にサラリーマン(勤め人)が、どのように行動するのが、投資の世界において重要であるのかきちんと解説されています。

 多くの人は、資産運用を頑張るよりも、自分のキャリアアップや、節約を頑張った方がよほど経済合理性が高いという、普通の運用本では中々触れられていない事柄もしっかりカバーされています。

 厚い書籍自体に抵抗感が無ければ、オススメです。



 もしも、私が他社の社員さんに「金銭教育」を行うのであれば、間違いなく上記2冊のエッセンスをわかりやすく解説していくということになると思います。


 逆に言えば、この2冊に書かれている内容をしっかりと理解して、実践していくことができれば、10年〜20年で生活に困らないレベルの、お金持ちになることは十分可能であると言えると思います。


 ぜひ、夏休みのお供にしてもらえれば幸いです。


株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一


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「手段」が「目的」化すること

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 先日、久しぶりにセミナーの機会をいただきまして、大家さん向けに、中長期的な視野での資産形成や次世代への資産承継について話をさせていただきました。


 その中で、セミナー受講者からの感想や懇親会での意見として

「久しぶりに大局的な話を聞いた」

「テクニカルな話になるセミナーが多い中で、根本的な話が聞けて良かった」

というような感想を多くいただきました。


 懇親会でお酒を飲みながら率直な感想を聞いてみると、
ともすれば、大家さんの勉強会でも

・借り入れを沢山行い、いっぱい物件を所有している方が成功だと勘違いしてしまう

・物件を沢山買い入れるうちに、本来はのんびりとした生活を送ることが目標であったのに物件の管理業務で、息を付けないほど忙しくなってしまっている

ということがあるそうです。


 これは、会社でも陥りがちな話ですが

「そもそも何の為(目的で)、投資をしているのか?」
「そもそも何の為(目的で)、事業を行っているのか?」

という足元をしっかりと見つめて運用を行っていかないと

「資産運用が上手く行くこと」
「資産が増えれば増えるだけ良い」

という、本来は目的を達成するための「手段」であったはずの運用が、「目的」にすり替わってしまい、結果として幸せな人生にはつながっていかない。

という人も数多く見かけます。


 メルマガの読者の皆様も、資産運用が上手く行くように努力するのは当たり前の話として、そもそも資産運用によって、

「自分が将来どのような人生を歩みたいのか?」

「資産運用が自分の人生にどのように寄与する手段であるのか?」

ということを折を見て考えていただきたいなと思います。


 特に、資産家の方は自分1代の話だけではなく、子供たち孫たちの2〜3代にわたるストーリーやシナリオを描いていただきたいところです。


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「骨太方針」2017を読んで

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 先月6月9日に閣議決定されて発表された

「骨太方針」の2017年版
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2017/decision0609.html

ですが、昔に比べ、あまりニュースでもwebの世界でも話題になっている感じがしません。

 でも、一応私の方では過去に何度か記事にもしているので、今回も読んでみました。

昨年の話
http://okuchika.net/?eid=6340

一昨年の話
http://okuchika.net/?eid=5770


 読んだ感想としては、昨年の感想と全く変化がありません。

 つまり、総花的で、政策の実行度合いもほとんどわからない方針説明になってしまっています。


 また、毎年毎年、目先のテーマを変え

今年は

「働き方改革」

というテーマを前面に打ち出して、新規性を出しています。


 ただ、よく考えても見てほしいのですが、政府の出す根本的な対応策が毎年毎年テーマを変える必要があるのでしょうか?

 本気で、日本経済を再生させたいと思うのであればそのボトルネックを実直に毎年コツコツと改善していく必要があるのではないでしょうか?


 これでは、単にテレビやマスコミ受けを狙って、あえて新規のテーマを出している(今年は電通の過労死自殺事件がありました)ようにしか思えません。


 一応、昨年よりも良くなった点は、一応アベノミクスの成果という資料を今年の1月にまとめて発表しています。

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0125/sankou_02.pdf


 これによって、政府の考えている政策と、実際の効果が検討できるようになってはきました。

 しかし、アベノミクスの成果だと謳われている内容が、私の目から見れば

そのほとんどは

「高齢化で生産年齢人口の低下に伴う、労働需給のひっ迫」
「米国を中心とする世界経済の安定的な成長」

に起因する材料が多く、

「アベノミクス」

の成果として、この変化が起きているのかどうかは正直、良く分かりません。
(その意味では安倍首相は運が良いのだと思います)

 唯一、成長戦略の効果として評価がしやすいのが

「観光」(インバウンド)の成長だと思います。

 この面では、政府の取った政策(主にビザの緩和)などが素直に数字に反映されているように読み取ることができます。

 しかし、例えば冒頭に出てくるGDPの数字も、算出方法が変化した
(研究開発費を組み入れるようになった)
影響があるということなどは、もちろん全く触れられていません。


 このように、統計資料というのは、いくらでも提出側の都合の良いように(結論ありきで)作成して見せることができますので、読み取る方は注意が必要です。

 毎年、この資料を見ていて思いますが、なかなか「社会保障」「地方行政」などの本質的な改革に踏み込まないと、政府主導での変化は難しいだろうと思います。

 こちらは、毎年の方針で触れられてはいますが、ずっと未解決のままです。


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生き残るには「変化」が必要



 こんにちは、小屋です。


 進化論で有名なダーウィンは


「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」


というセリフを残しています
(実際にはダーウィンよりも後の人が、ダーウィンの話として創作したという話です)


 生物の世界では、環境の変化に対して「たまたま」対応できた種だけが生き残ってきているという当たり前の話でもあります。

 恐竜が地球上から絶滅してしまったのも、地球の環境変化に対応できなかったということなんだと思います。


 前置きはここまでにして、先週私は、某大手証券会社系列のアセットマネジメント会社主催の勉強会に招待していただいて参加してきました

 そこでは、私が普段から主張しているような

・米国型の「フィー」による資産管理型の金融サービスの展開
・米国での資産アドバイスのありかた
・実際に日本でも「フィー」ビジネスモデルで展開している企業の具体的な取り組みの紹介

など、日本においても、これから資産運用業界では「顧客」ときちんと向き合って

販売手数料などの「コミッション」収入から、

顧客と利益相反が起こりにくい「フィー」

にビジネスモデルが変化していくであろうという話が展開されました。


 このこと自体は、私も当然だと考えていますし、実際私のビジネス自体もそのような前提でここまで成長してきているので違和感も何もありませんでした。


 話として面白かったのは、周囲の反応です。

 この勉強会を企画した、某大手証券会社の内部では、役員を含む上層部にこのような話をしても

・「フィー」で稼ぐことが「コミッション」よりも優位だというのか?(「コミッション」で稼ぐことが悪いとでも言うのか?)

・「コミッション」ビジネスモデルを否定することは、これまで自分たちが一生懸命やってきたことを否定するつもりか?

という議論が展開されてしまい、理性的な議論の展開には結びつかないという話でした。


 また、参加をしていた中小の証券ビジネスにかかわる会社でも

・「フィー」ビジネスが今後必要なことは理解できるが、今取り組まなければいけない話なのか?

・「コミッション」ビジネスモデルを変化させてまでも、やらなければいけない話なのか?

という反応が主なところでした


 冒頭の恐竜の話ではありませんが、私が顧客に接している限りにおいては、すでに顧客側で

「コミッション」ビジネスモデルには辟易していて
「フィー」ビジネスモデルを展開する事業者に興味関心がある

という変化が起きつつあります。


 しかし、サービス提供事業者側では、この変化に対応する気がほとんどない(そして中長期的には絶滅してしまうかもしれない)というのが、上記の勉強会でも実感できました。

 これは、弊社のビジネスからするとライバルがいないので、有難い限りの話ですが、日本の資産運用業界に関わる一人の人間としては、寂しい限りの現状だとも言えます。


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中小型株の分析には決算説明会に参加しよう



 こんにちは、小屋です。

 先日は、関西の某投資助言業者の方に日本株の勉強会を開催してもらいました。


 内容としては、小型株で有望と思われる銘柄の紹介とその発掘方法に関する内容です。

 その助言業者の銘柄選定は独特の手法で、

1.新聞やニュースなどで気になった記事を中心に銘柄に着目する
2.気になった企業の証券アナリスト協会主催の決算説明会に出席して社長に質問をする
3.その後に有価証券報告書などを良く読んで財務分析を行う

という手順で企業を選択するそうです。


 特に決算説明会では、

 中小型株では、大手証券会社のアナリストはあまり来ていないか新人のケースが多く、新人アナリストの質問の内容はというと決算数字にまつわる話がほとんどで、

社長の目指しているビジネスの方向性
会社の取っている戦略

など説明会でなければ直接社長に聞けないような定性的な情報を質問するのはこの助言業者ぐらいしか見当たらないのが決算説明会の実情だという話でした。


 実際にこのような手法で選択した30銘柄程度で構成されるポートフォリオは結果も優秀で、TOPIXは当たり前ですが、東証中小型株指数なども上回るパフォーマンスだとのことでした。

 私も個別銘柄を分析するのは趣味ですが、あくまでも紙上の情報に留まっており決算説明会に参加するほど分析はしていません(それが本業ではありませんので)。


 最近では、ファンドのアクティブとインデックスの論争が激しいですが、個人投資家はこのような熱心な個別株分析をされた情報を利用するというのも戦略の一つだとは思います。


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先立つものは・・・「お金」なのか?

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 慣用句で「先立つものは金」という言葉があります。

 これは、何かをしようと思った時に、まずはお金が必要だという意味合いです。

 しかし、本当にそうなのでしょうか?


 私の実感とは異なります。

 実際には、先立つものは・・・

「信用」

なのではないかと思っています。


 つい先日も、

「○○したいとは思いますが、先立つものが無いので・・・」

という話をされる方がいらっしゃいました。


 しかし、私からすると

「本当にやりたいことであれば、他の人からお金を借りてくるなり、出資してもらうなりしてやればいいだけの話」

に聞こえました。


 当人には申し訳ないのですが、周囲の人が協力して、応援してくれるほど自身がそのことに対して「本気」だとは思えないのです。


 「本気」であれば、周囲の人にお金を借りるか、出資し(出し)てもらうかをしてまずは取り組むことからスタートするでしょう。


 その結果として、上手くいけば、お金に関しては返済したり、リターンで返せば良いだけの話です。


 孫さん(ソフトバンク)なんかいくら借りてると思いますか?

20兆円ですよ!

借り入れが。

 これは孫さんであれば、20兆円も返してもらえるはずだと思われているからだと思いますし、20兆円あれば、スプリントの買収も含めて大抵のことは実現可能な金額です。


 もしも、あなたが最初のお金も借りたり、出資し(出し)てもらえないのであれば、それはあなたの「信用」が足りないのです。


 つまり、あなたにお金を貸したり出資したりしても、戻ってくると思われていないのです。


 私の大好きな邱永漢も、

お金の「所有権」にはこだわるな、利用できる立場で一生お金に困らなければ良い

と言っていましたが、これも同じ話だと思います。


 何か事を起こそうという方は、普段からしっかりと周囲の人の「信用」を勝ち取り、いざという時にその「信用」を取り崩して「お金」に変える

という意識で普段から「信用」を積む、活動をされることをお勧めします。


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詳しくは http://mlplanning.co.jp/mail/

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ロボアドバイザーの資産運用方法とは? その2



 私が昨年から関わっている仕事の一つに、ロボアドバイザーサービスのサポートがあります。


 引き続き、ウェルスナビ社のホワイトペーパーを解説していきます。
https://www.wealthnavi.com/image/WealthNavi_WhitePaper.pdf


 前回は、ブラックリッターマンモデルで、各資産のリスク・リターン・相関係数を推計しているところまで解説しました。


 再度確認しておくと、

リスク(米ドルベース)が

 米国株   12.4%
 日欧株   14.8%
 新興国株  18.4%
 米国債券   2.8%
 物価連動債  4.8%
 金     17.9%
 不動産   14.9%

リターン(米ドルベース)が

 米国株   6.5%
 日欧株   7.5%
 新興国株  8.5%
 米国債券  1.9%
 物価連動債 2.3%
 金     3.9%
 不動産   5.8%

と推計しています(2016年10月時点)。


 今度は、これらを組み合わせて、ポートフォリオを構築し、リスク量に応じて、リターンが最大になるような構成を計算します。

 例えば保守的でリスクの低いポートフォリオでは、

 米国株   14.7%
 日欧株    5.0%
 新興国株   5.0%
 米国債   35.0%
 物価連動債 30.3%
 金      5.0%
 不動産    5.0%


積極的なリスクの高いポートフォリオでは、

 米国株   35.0%
 日欧株   31.8%
 新興国株  13.2%
 米国債    5.0%
 金     10.0%
 不動産    5.0%

などとなります。


 そして、次に投資する商品(ETF)を選んでいきます。

 ETFを選ぶ基準は、

 1)パッシブファンド
 2)純資産総額が一定以上
 3)流動性が十分である
 4)外国投資信託の届け出がある
 5)低コスト

という順番でスクリーニングをして選んでいきます。


 ここでは、NY上場の

 米国株   VTI(Vanguard)
 日欧株   VEA(Vanguard)
 新興国株  VWO(Vanguard)
 米国債券  AGG(iShares)
 物価連動債 TIP(iShares)
 金     GLD(SPDR)
 不動産   IYR(iShares)

が選ばれています。

 やはりETF大手のVanguard社とiSharesのシリーズが選ばれているのも納得です。


 その後は、定期的にリバランスをしていくことになります。

 ここでのリバランスのルールは

・6ヶ月リバランスが行われていない
・最適化のされたポートフォリオから5%以上乖離した資産クラスがある場合

といったルールになっています。

 また、上記で説明した最適ポートフォリオも、時間とともに変化していきますので、3か月ごとに、最適ポートフォリオも計算し直すことになっています。



 ここまで2回にわたって、WealthNavi社の運用アルゴリズム(ホワイトペーパー)について解説してきましたが、結論としては、

・ホワイトペーパーを読めば、個人投資家でも同じような事は可能である

とも言えると思います。

 もしも、自分でローコストに組み立てようと思うのであれば、このホワイトペーパーを見ながら自分でNYでETFを購入すれば同じことができます。

 それが面倒だ、とても継続できそうにないという人は、ロボアドを使ってみれば良いのではないでしょうか。


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ロボアドバイザーの資産運用方法とは?



 私が昨年から関わっている仕事の一つに、ロボアドバイザーサービスのサポートがあります。


ウェルスナビ社(https://www.wealthnavi.com/aboutus/member.html)の柴山社長が中学校からの同級生であり、そのつながりでアドバイザリーをさせてもらってます。


 今回ご紹介しようと思ったのは、ロボアドバイザーの資産運用方法について。


 ウェルスナビ社では、資産運用方法のやり方(アルゴリズム)について、ホワイトペーパーとしてweb上に公開しています。
https://www.wealthnavi.com/image/WealthNavi_WhitePaper.pdf


 個人投資家でも参考になる点をご紹介していきましょう。

まず運用のプロセスですが

1)資産配分(アセット・アロケーション)の選定

2)各資産クラスに対する対象銘柄の選定

3)ポートフォリオのモニタリングとリバランス

という手順で行われます。


 これは、前回の記事でも述べた通り、極めて基本的な手順で、資産運用を検討する方は1)〜3)の手順で考えているのでなければ、それは資産運用業界では、かなりマイナーで我流なやり方だと思った方が良いです。


 次に資産配分の具体的なやり方です。

 ウェルスナビ社では資産クラスを

・米国株
・日欧株
・新興国株
・米国債券
・物価連動債
・金
・不動産

に分類しています。

 特徴としては、すべてを米ドルベースで考えているところです。

 これは、このサービスが主にNY取引所のETFを利用していることと、世界の資産運用業界の標準が米ドルベースになっていることが主な理由です。

 全ての運用を、米ドルベースで考える考え方は、日本の個人投資家にはなじみが薄いとも思います。


 そして、リスクとリターンの推計。

 リスク(標準偏差)と各資産ごとの相関係数の推定は、過去のデータを基に割り出しています。
 ただし、直近のデータを重視するために、過去のデータのウェイトは落としているようです。

 例えば、ここではリスク(米ドルベース)が

米国株   12.4%
日欧株   14.8%
新興国株  18.4%
米国債券   2.8%
物価連動債  4.8%
金     17.9%
不動産   14.9%

などと計算されています。

 そして、リターンの推計。

 リターンに関しては、単純に過去の数字を利用するということではなく、ブラック・リッターマンモデルを利用して推計しています。

ブラックリッターマンモデルの解説
http://www.nli-research.co.jp/files/topics/37745_ext_18_0.pdf

 簡単に説明すると、現在の市場の時価総額に応じて、その比率がポートフォリオ上で最適化されているという前提を置いてリターンを推計するモデルです。

 この結果米ドルベースで

米国株   6.5%
日欧株   7.5%
新興国株  8.5%
米国債券  1.9%
物価連動債 2.3%
金     3.9%
不動産   5.8%

と推計しています(2016年10月時点)。


 これで、ようやく

リスク(標準偏差)
期待リターン(推計)
相関係数

が出そろいましたので、最適化の計算ができ、個々人のリスク許容度に従って最も効率的な運用が行われるというプロセスになります。


 冒頭にもお話したように、この手法は特別でも何でもなく、むしろ年金を中心とした機関投資家では極めてオーソドックスな手法です。


 もし、ご自身の運用がこの手法から外れているのであれば、(それは決して悪いという事ではありません)一度こうしたオーソドックスな資産運用手法についても検討されてみると良いと思います。


 ちょっと長くなりましたので、続きはまた次回お伝えします。


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みんなが思っている金融リテール業界の課題

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 ここ数か月で、外資系の運用会社の方々や、流行りのフィンテック業界の方々と意見交換をする機会が多くありました。

 意見交換をする中で、必ず日本の課題として出てくるのが

「金融リテールの中での良質なアドバイザーの不在」

についてです。


 弊社が行っているような

・顧客の要望、ライフプランをヒアリングして
・適切なポートフォリオを構築して
・ポートフォリオの維持管理を行う

というのが、資産運用の王道でもあり、常識なのですが、日本でその常識を顧客に伝えるべきアドバイザーがいない

 というのが、長い間日本で個人の資産運用が行われない主たる理由の一つになります。

 従って、外資系運用会社の商品やフィンテックで提供される商品が、いかに素晴らしくても、個人の投資家まで適切にその情報を届けてくれるアドバイザーがいないので、結果として個人投資家の資産運用が上手くいかないという構図になっています。


 今週も、私の知り合いの方から

「88歳と高齢の女性にお会いしたら、いつの間にか金融資産を全て証券会社のラップファンド(手数料が非常に高い)に預けられていて困った」

という話を聞きました。


 88歳の女性が、高い手数料まで払って積極的に資産運用を行う必然性が乏しいにもかかわらず、実際の現場ではこのような状況です。


 米国でも1980年代から、顧客の方向を向いた適切なアドバイザーが出てきて、30年かけて広がっていったと聞いていますから、日本でもこの10年程度で業界が大きく変化して私たちのようなアドバイザーが支持されていくのではないかと、期待をもって今後も活動していきます。


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日本の現状を直視して改めて資産運用を考える

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 先日、web上で経済産業省の資料として

「暮らし」分野での新たな飛躍に向けて

という資料を見かけました。
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/012_s01_00.pdf

 資料の作成者は、ヤフーの安宅和人さんという役員で、チーフ・ストラテジー・オフィサー(CSO)だそうです。

 この資料の冒頭では、日本の経済状況の現状についてしっかりと認識するスライド構成になっています。


1ページ目
日本の一人当たりGDPは世界26位で、1960年と同じ水準

2ページ目
GDP全体は、米国、中国に続く3番目だが、5年後にはドイツに抜かれそう

3ページ目
名目GDPは、米国はこの14年で69%成長、日本は−4%成長

4ページ目
中間層の所得も米国は14年で28%増加、日本は15%減少

5ページ目
日本は、特に最近5年間での一人当たりGDPの低下が激しい

6ページ目
一人当たりGDP上位30か国の中で見ると2000年以降は一人負けに等しい状態

であると、これでもかってぐらい、近年の日本における厳しい経済成長の様子を確認しています。


「アベノミクスで景気は良くなった!」

と国民が本気で思っているかどうかはわかりませんが、海外から見ると大幅な円安の影響もあり、日本の経済の地盤沈下はとどまるところを知らないように見受けられます。

 こうした、現状をきちんと把握することは、何においても重要なことです。


 資産運用に置き換えると、この30年(1987年2月〜2017年2月)のパフォーマンスはトータルで、

日本債券 177.5%
日本株式  23.7%
外国債券 360.6%
外国株式 873.0%

という結果になっています。


 資産運用では、過去のパフォーマンスは、未来のパフォーマンスとは関係ないと言われていますが、今後も名目GDPが増加しない日本国内での資産運用は、なかなか難しいと思われます。

 もちろん、私としては、これからの運用においては、外国株式や外国債券にも分散して投資することをお勧めします。


 何よりも、現実を直視して今後の対応策を考えるというのは、何においても大切だと、安宅さんの資料をみて思った次第です。

 経済産業省の人たちも、もちろんわかってはいるんだと思いますが。


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