為替市場動向〜パウエル証言待ち〜

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 先週、米中協議再開を好感して動いた市場も、今週に入ってからは、様子見気分が支配する展開。先週発表された米雇用統計の数字が予想以上だったための利下げ期待の後退もあり、ここは10日と11日のパウエルFRB議長の現在の金融政策に関する議会証言を待ちたいところでしょう。


 これまでの米国の株式市場を支えてきた要因の一つでもある利下げ期待が少し変化しました。

 6月末には7月開催されるFOMCで、0.25%利下げが76%、0.5%利下げ予想も24%もあったのですが、直近の予想では0.5%利下げがなくなり、0.25%の利下げが98.5%、利下げなしの予想も1.5%に。エコノミストの心変わりが示されました。

 昨日は、フィラデルフィア連銀総裁から「金利を変更する必要はない」とのコメントも聞かれ、債券利回りが上昇。一時は2%割れまで低下した10年米国債は2.07%まで戻り、今後の利下げ期待を反映するされる2年債も一時1.7%程度までありましたが、1.9%台に戻りました。


 そんな中で、パウエルFRB議長が何を話すのかには注目が集まります。

 米国景気が10年以上拡大し続け、金利の正常化を果たした後にも決定的な景気悪化の裏付けはないとされます。その間、米国株式市場は記録的な上昇をしてきており、今後の利下げには限界もあると考えることもできます。
 新たな投資行動をとるまえに、現在の状態で、金融政策をどう決定するかの根拠についてFRB議長の説明を聞いておきたいところです。

 そのパウエルFRB議長に関しては、現トランプ政権から「解任」される可能性も囁かれてきましたが、昨日、米NEC(米国家経済会議)議長から、パウエル氏の議長職は安泰との言明がありました。中央銀行の独立性を考えれば、任期まで安泰は当然だと思いますが、現政権は何でもあり。保証されるという感じではなさそう。そんな中で、トランプ大統領推薦の2名が理事候補になりました。2名ともハト派とされています。


 人事がらみでは、既に、報道されているようにECB(欧州中銀)総裁に現IMF専務理事のラガルド氏(フランス)が決定。事前予想リストにはなく意外感がありました。タカ派としてしられるドイツのバルト万氏が候補にも挙げられていたので、現ドラギ総裁の後もハト派が続き、利下げの可能性が広がったと見た市場はユーロ売りで反応しました。ドル金利の反発という要因も加わり、ユーロ・ドルは、1.13台から1.12を挟む水準まで下がっています。


 米国では、幅や時期は別として、基本的に利下げの可能性が高く、欧州も人事面からも利下げが視野に入り、また英国でも英中銀のカーニー総裁からも昨今ハト派的な発言があり、先進国は超金融緩和10年目にして未だ緩和状態が暫く続くことになりそうです。
 一方の日銀は、何かあれば更なる緩和をするとは言っているものの、10月の消費税増税が控え、また、更なる利下げは銀行界への悪影響も考慮すると、動けないのではないかと推察します。


 7月に入ってからの主要通貨の対米ドルのパフォーマンスは、ほぼ全ての通貨が米ドルに対して下げました。大方の通貨が6月のドル安からの戻しでした。

 最も売られたのは、韓国ウオンの2.24%安。
 日本円は、107円台から直近の108円後半水準ですので、1%近い円安です。先週の雇用統計発表後に、米国の利下げへの見方が変わったことから108円半ばまでドル円が買われた一方で、日本株は利下げ期待が萎んで売られた米国株の動きに反応して下げる展開に。株と為替の相関が今のところ見られません。

 ドル円相場は、今年に入って、正月の104円ワンタッチを覗くと、107円半ば〜112円半ばでのレンジ内の動き。
 2017年から約3年近く、105円〜115円のレンジの中で動いていて、今年もその域から外れる兆候はまだ見られないように思います。

 また、偶然なのか、2017年の年初に発足したトランプ政権と重なるのが興味深いところです。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※7月10日東京時間午後2時執筆
 本号の情報は7月10日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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為替市場動向〜G20待ち?動きづらい〜

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 週末、月末、四半期末、海外ベースでは半期末が重なり、節目ならではの取引も多かったと見られます。さらには、今週末のG20開催、特に米中首脳の会談の行方が注目されるところから、今週は動きづらい感があります。


 先週注目を集めた米国の金融政策決定のための6月FOMC。

 すでに市場では、年内の利下げ確率100%。2度の利下げを織り込む中で行われる中、当局の利下げへの決意を確認した結果となりました。直近の金利予想は、7月に0.25%下げる見方が約8割、0.5%下げの見方をするエコノミストが約2割、9月には現在よりも0.50%は利下げされ政策金利であるFF金利が1.75%−2%になるだろうとみるエコノミストは7割となっています。

 米国の利下げが期待から現実的になってきたことを株式市場は好感はしてきたものの、昨日、パウエルFRB議長が外交委員会で行った講演中に触れた”経済の下振れリスクが強まった”とするコメント、また、7月の0.5%利
下げ期待は行き過ぎとしたセントルイス連銀総裁の発言に、昨日のニューヨーク市場はネガテイブに反応しました。
 米国国債10年物利回りは、6月のFOMC後、一時2%を割る場面もあり、2%を挟んだ動きが続いています。
 米中貿易協議の行方、米対イラン対立による中東緊張。G20開催の今週末をはさみ、様々な駆け引きが報じられるものと思います。都度、市場が一喜一憂で反応すると予想されます。


 利下げ期待は欧州にも?

 先週、欧州中銀ECBのドラギ総裁は、ポルトガルのシントラで、追加緩和の可能性が直近の理事会で示したよりも高いことを示唆しました。今回のシントラ(ドラギ総裁とは縁が深い)での発言は、直後でこそユーロ安に反応しましたが、ドル安の流れと半期末要因もあってか、ユーロは対米ドルで週明けに1.14台をつける場面がありました。10月に任期を迎えるドラギ総裁。発言への影響力の低下もあるかもしれません。

 昨日は、ドイツ国債10年物金利は、マイナス0.333という史上最低金利に低下したこともあり、ユーロは1.13台半ばまで低下しました。
 ドラギ総裁の後任候補としては、ドイツ、フランス、フィンランド等の中銀総裁が挙げられています。もし、タカ派と言われるドイツのバイトマン氏が就任した場合には、ユーロは大きく反転する可能性もありそうです。
 今後、欧州中銀の人事にも注目していく必要があります。


 米国の利下げ、中東情勢の緊迫もありリスクオフ状態の中、ドル円相場は、5カ月ぶりの安値圏に。昨日は、106円70銭台をつけました。今日は、期末要因によるドル需要と見られる買いも出ているものの、市場がリスクオフへと更に傾けば、円高方向への警戒は強まるものと思います。今年年初に瞬間つけたとされる104円70銭が意識されてきます。

 先週行われた日銀の政策決定会合では、現状維持の決定のみでした。大方の予想通りとはいえ、追加緩和の政策カードのなさを改めて見たように思います。


 6月に入って、対米ドルでは、ほぼ全ての主な通貨が上昇。ドル安となりました。一方で値上がりが目立ったのは、金価格とビットコイン。


 全般的なドル安基調の中で、最も上げ幅が少なかったのが豪ドルでした。先週には、対円では73円90銭台をつけ、直近でも74円80銭台です。
 中国とも米国とも貿易関係の比率が大きいオーストラリアは、米中貿易摩擦の影響をもろに受け、自国でも利下げもしたことが為替相場を下落させました。
 かつては、好金利として日本の投資家の間では人気があり、豪ドル建て保険を保有する方も多いので心配ではあります。
 金利面でも、米ドル10年物国債で2%に対して、豪ドルは1.28%(直近)と見劣りがあり、直ぐの利下げは当局から否定されるも、先週の理事会では追加利下げの可能性は話し合われた模様。今後の豪ドルの反発を後押しする要素が今見る限り乏しいとも思えます。

 ここ5年間、10年間の豪ドル対円の平均は85円水準。今年年初に瞬間の安値70円台をつける場面もありました。現在の水準は、安値圏にあるとも言え、反発の潜在性を秘めているとも考えられます。どちらにしても、米中貿易摩擦の行方がかかっていると言えます。

 今週のG20での米中首脳会議が、ここでも注目されます。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※6月26日東京時間午後0時半執筆
 本号の情報は6月26日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜関税と利下げ〜

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 米国発の市場ニュースのキーワードTariff(関税)に並ぶのはRate Cut(利下げ)。
 米金融当局FRBは、トランプ大統領からのプレッシャーを受け、市場からの利下げ期待に取り囲まれている印象です。


 米国債利回りは、中期ゾーンも利下げを織り込む形で下げ、年初は2.4%水準だった2年物利回りは直近1.9%水準に低下。今年中の利下げ確率予想は97%。12月の政策金利のフォーワードレートは1.77%(現在の政策金利は2.25〜2.5%)まで低下しています。
 今後開催のFOMC(連邦公開市場委員会)での3回の利下げを織り込むという、ややフライング気味の印象を受けます。

 6月のFOMCは、来週18日〜19日に開催されます。今月の利下げ確率は、さすがに21%程度。現在、インフレ率は低く、関税問題による将来の景気下振れリスクがあるとはいえ、すぐに利下げを正当化するほどの経済指標も見当たらないことから、6月の利下げはないだろうとは思います。
 パウエルFRB議長は、6月4日の講演会で景気に対して「適切な行動」をとるとしました。マーケットは、その発言から利下げを連想し、リスクオン方向に反応しました。ただ、パウエル氏の「適切な行動」が利下げなのかどうかは不明です。議長の意図を読むためにも、来週のFOMC後の会見が注目されます。


 利下げに関連して、レバレッジドローン市場に関する記事を今朝見かけましたので、参考情報として、以下に簡単に記します。

 レバレッジドローン残高は、超低金利政策が浸透し始めた2012年以来現在では約2倍の日本円で約141兆円規模になり、欧米の金融当局は、そのリスクに警戒感を持ち、こうした高リスク貸出を助長しかねない利下げは、米金融当局の懸念の一つではないか、と記事は指摘しています。
 かつての住宅ローン債券と比べれば規模は大きくないものの、買い手の特定が難しいことや損失吸収の可能性について不明点が多く、金融当局ではコントロールが難しいことも懸念になっているとありました。
 CLO(ローン担保証券)、高リスクローン、レバレッジ融資などのキーワードでネット検索すると色々と情報を見つかります。日本の金融機関の保有も増加しており、そのリスクを指摘する声もあり、昨今、農林中金さんが保有残高を発表されておられました。


 さて、利下げが期待されたのは、欧州中央銀ECBも同じでした。先週行われたECB理事会では、現状の政策を2020年前半までは維持するとのこと。理事会での議論では、利下げ提案も出たとのこと。利下げまではいかないにしても、超低金利の長期化は避けられない様相です。

 ユーロ金利は、ドイツ国債で10年物がマイナス利回り幅を広げ、マイナス0.23%まで低下。日本10年国債利回りがマイナス0.11%。日本同様、超低金利政策の長期化が予想されます。ECBに関しては、近く任期を迎えるドラギ総裁の後の人事も今後の注目でしょう。


 外国為替市場では、米中貿易問題により生じたリスク・オフ・マーケットから円高・ドル高の傾向がありましたが、ここへ来て、ユーロの反騰で、ドルの相対的価値であるドル指数が低下、現在、200日移動平均ギリギリでサポートされています。ドル安方向への転換でした。

 一方、そのユーロ・ドル相場も重要な上値抵抗線である1.1350寸前まで上昇し、ドル安ユーロ高に。この水準から大きく上にブレイクしていくと、中長期のトレンドも転換になる可能性があります。


 ドル円相場は、株式市場リスクが高まった際には、円高方向に動き107円80銭台まで下がる場面もありましたが、109円の上値の重さを感じるものの、108円台半ばでの円安への動きとなっています。
 上記の米FRBの利下げが相当に織り込まれる中、107円後半でのサポートは強かった印象です。ただ、109円に近づいた時の上値の重さもかなりのものではあります。


 その他の通貨の中で、人民元とメキシコペソ相場を見ておきたいと思います。

 人民元については、前回も取り上げましたが、米中貿易問題が発生してから続く人民元安に対して当局のけん制もあり、節目である1米ドル=7.00元のタフ・サポートは保たれるとの見方が主流になってきました。
 4月月初、6.71水準、5月月初、6.73水準で、5月中旬あたりから6.90台になり、一時、当局からのけん制発言もありました。

 ところで、一昨日、中国中央銀行総裁の「どの水準が具体的に重要ということはない」発言が伝わり、オフショア人民元は一時6.95台をつけました。今後の動向は、米中交渉次第ということになると思いますが、中国当局の通貨政策が注目されます。


 メキシコペソに関しては、5月中、軟調ながらレンジ内での動きでしたが、5月31日のトランプ大統領の関税発言により、急落を余儀なくされました。5カ月ぶりのペソ安でした。
 しかし一転、先週末の関税延期話により6月10日には2.5%とペソ相場は大きく戻しはしました。メキシコからの不法移民問題は、南米からの脱出者が多くからむ問題なので、メキシコ政府にとっても対応の難しい問題と思われます。
 今後の両国の動きを見つつ、ペソ相場も引き続きウオッチしていく必要がありそうです。


 通商問題(関税)と利下げがキーワードの昨今。
 6月は、FOMC(18日〜19日)、そして、20日からの大阪G20で米中会談がどうなるかを、注目していきたいと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※6月12日東京時間午後2時執筆
 本号の情報は6月12日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜すべては米中次第?〜




 米中貿易問題、EU議会選挙、BREXIT関連のニュースがヘッドラインで目立つ中、長期金利の低下が主要各国で進んでいます。


 米国債10年もの利回りは、2.3%を割り込み、直近では2.24%まで低下。これは、2017年10月以降の水準。これは、政策金利の実効レベルである2.4%を下回り、ここだけ見ると逆イールド状態になっています。
 一般的には、景気後退予兆のサインとしては2年物vs10年物利回り(直近は、+0.13BP)とされてきましたが、ここへ来て、超短期金利と長期金利の比較も取りざたされるようになっているのは、利下げ期待に加えて、昨今の長期金利の低下の背景には、やはり景気後退入りが近いのでは?という心理が見え隠れしているのかもしれません。

 先週5月22日に、5月のFOMC議事録が公開されました。
 注目されたのは、金利面のことよりもFRBのバランスシートにある国債ポートフォリオの再構築についての議論だったようです。二案のうちの一案は、残存3年以下の短期債のみでの構成という短期化案です。もし、ポート短期化で今年10月からの再投資再開で短期化が実行されると、利下げをせずとも市場の短期金利の低下に影響し、これが大統領選での再選を目指すトランプ大統領の望む低金利へと繋がるのではないかとも見られます。政府への配慮でしょうか。


 その他の主要国金利は、ドイツ国債10年もの利回りが−0.16%、同期間の日本国債は−0.10%とマイナス幅を広げ、利下げ期待のあるオーストラリアでは10年国債利回りが1.49%と今年に入ってから最も低い水準です。

 今後、どの国も経済指標の好転が多少あったとしても、米中貿易問題のこう着、メイ首相辞任後のBREXIT問題の行方、EU議会選挙後の各重要ポスト人事など不透明な材料のもとで、当面は金利が上昇するような動きにはならないのでは、と推測します。


 そんな中でのドル円相場は、5月連休以降、上値の重い展開が続いています。
 先週、一時、米国側が中国のファーウエイ社への米企業からの禁輸措置を、ユーザー保護を理由に90日間猶予するとの報道があり、一時的に110円台半ばまで上昇する場面もありましたが、その後、中国製の監視カメラ関連の会社の禁輸リストへの追加報道が伝えられ、発表された経済指標の弱さも重なり、ドル円相場は109円台まで反落。その後は、109円台の往来です。

 米国の対中措置に対して、中国は「レアアースの禁輸を検討」なんてニュースが今朝は報じられました。今週も幾つかの米国発の重要経済指標発表はあり、来週は5月の雇用統計という注目指標が予定されていますが、市場の関心は指標よりも、米中通商問題の行方にあり、気分晴れない相場が続きそうです。


 米中問題ショックで実質的に幕が開いた5月。月初来の為替相場は、今のところ、典型的なリスクオフでした。
 というのも、対米ドルで上昇したのは、円とスイスフラン。他の主要通貨は対米ドルで下落しました。円高&スイスフラン高&ドル高です。因みに、最も下落したのは、英ポンドの2.8%でした。
 米ドルの相対的価値を示すドル指数は、月初97.52、直近は97.92と上昇しています。
 最も比率の高いユーロも月初来、0.5%近い下落。ユーロの下落背景は、ユーロ経済悪化、また、直近では、イタリアの財政赤字への懸念があります。


 主要通貨以外で注目されたのが、人民元の動きでした。

 中国以外の海外で取引されるオフショア人民元は、米中協議決裂以来の5月に入り、下落が続いています。
 5月20日には、1米ドル=6.9514をつけ昨年の11月以来の安値をつけました。直近では6.9270水準。4月末が6.7370でしたから、約2.8%の下落になります。

 かつては米政府から輸出促進のための通貨安誘導を指摘されたものですが、今回は為替操作というよりも、市場による売り圧力という見方で捉えられていると思います。
 27日に中国通貨当局者は、人為的な元安を否定、人民元売りによる将来の損失を警告するようなコメントをしています。
 下落メドは1ドル=7.0と見られ、この防衛ラインに近づけば、政府による様々な規制の方策がとられる可能性大だと想像します。
 人民元安による国内経済への影響、中国企業が抱える膨大なドル建て債務への影響も看過できないところだと思われます。また、中国からのマネー逃避も中国政府は懸念するでしょうから、防衛ラインを越える人民元安は阻止するものとは思います。人民元相場も、今後の米中通商問題の進展により大きく左右されることになると思われます。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※5月29日東京時間午後3時執筆
 本号の情報は5月29日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜メイ・ストーム、そろそろ落ち着く?〜



 無事に通過か、と思われた日本の10連休。連休明け直前5月5日の驚きの発信源は、米国トランプ氏のツイートでした。
 既に、ご存じのように、米中貿易交渉において、「中国側が約束を破った」ことを理由に、中国製品への10%から25%への輸入関税引き上げや対象商品拡大の方針が打ち出され、中国からも米国からの輸入製品への関税引き上げが報復措置として取られ、資本市場は都度、リスク回避となり、5月相場は波乱でのスタート。特に異例の長い連休ボケにかかりつつあった日本への目覚ましともなりました。

 相場格言にSell in Mayというのがあります。6月の半期決算を前にポジションを調整する傾向を示唆したものですが、今回は、まるでMay Stormでした。

 5月5日から10日経過して、そろそろ一連の材料も消化されつつあり、また、米中貿易協議の再開もあるようなので、一旦は落ち着きどころ探しでしょうか。相場格言に、「売りは早かれ、買いは遅かれ」というのもあります。
 慌てず買い場を探っていくのももありかもしれません。


 5月に入ってからのリスクオフ相場で、米国長期金利のベンチマークである10年国債は2.4%水準まで低下(4月末時点では2.5%)。このレベルまで低下してくると、短期金利3カ月物金利2.5%と逆転。今後の利下げも織り込む利回り曲線は、短期から長期にかけて、ゆるい右下がり曲線になっています。市場の利下げ確率予想は、9月、10月あたりから50%を超えています。
 利下げ予想もある背景には、来年の米大統領選挙を意識して、やたらと利下げ圧力をFRBに向けるトランプ大統領の存在があるでしょう。

 5月のFOMC(米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会)は4月30日〜5月1日に行われました。決定は、現状維持。利下げ観測をけん制するためか、現在の金融政策スタンスが適切、中立であり、バイヤスは利上げも利下げにもなく「データー次第」「様子見」を今回は表明しました。
 なにしろ、今回のFOMC直前の米株式市場は高値を更新する堅調ぶりでしたから、株価へ配慮する必要はなく、中立スタンスを強調したのは不思議ではありませんでした。


 この5月のFOMCの声明文で注目するのは、インフレについての記述です。
 声明文の中にも、インフレ率が2%を下回っていることを明記。ただ、パウエル議長は終了後の記者会見でインフレ率が一過性な要因で抑制されているとして、インフレ率は低下していないともしました。一過性の要因が今後一巡していく可能性も視野に、様子見ということでしょうか。

 今後、中国からの一般消費者向けの消費財への25%の関税が物価上昇に影響する可能性、また、消費行動にも影響し景気への悪影響がでる可能性も懸念されます。大統領選という要因もありますので、金利を上げるのは難しいと思いますが、一方で下げるにも株価の大きな下落など条件が整うことが必要です。

 そんな中で、9月から再開されるFRBバランスシート上の国債の再投資で期間を短期にして短期金利の低下に寄与していくようにしていく可能性もあるかもしれません。


 為替市場は、株式市場ほどの大きな変化にはなりませんでしたが、リスクオフの時に起こりやすいケースである、円とスイスフランが買われ、ユーロはほぼ横ばい、他の主要通貨はほぼドル高通貨安に動きました。ユーロの動きが限定的だったことから、ドルの相対的強弱の指数であるドル・インデックスは、弱含みではありましたが、ほぼ横這いの推移。


 一方で、このところの動きで目立つのは、人民元の下落です。
 4月末での対米ドル6・73台から、直近は6.8750近辺という人民元安。通貨安容認を、米国の増関税に対抗する手段としていると見られます。


 ドル円相場の方は、連休前の4月末、111円40銭水準でしたが、5月13日に109円割れ寸前までのドル安円高水準に下落。今年の3月以来の109円台で急落ではありましたが、株の下落幅にしては、ドル円相場は意外と下値はしっかりしているという印象です。

 米中貿易摩擦の後は、日本にも米側から圧力がかかるのでは?
 為替相場では円高になるのでは?
との懸念も聞かれますが、昨年来続いている為替変動率の低下、日本の超低金利政策の出口がまだまだ遠いこと、一方で米景気に決定的な悪化の気配は見られないことから日米金利金利差の大きな縮小もなさそうです。
 年初来のドル円相場は、瞬間についた104円台を除くと、107〜112円レンジでした。当面は、著しい円高への動きも予想しがたく、引き続き、ボックス相場で推移する可能性が高いのではないかと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※5月15日東京時間午後2時執筆
 本号の情報は5月14日ニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜重要イベントも続く10連休〜

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 中国の予想以上に良い経済指標を受けてリスクオンも見られるマーケットですが、欧米は先週末にイースター休暇。続いて、今週末からは日本の10連休と、何かと方向感が出にくい相場です。
 日本のGW10連休中には、米国ではFOMC、4月の雇用統計発表といった波乱の可能性があるイベントが控え、ポジション調整中心の様子見気分が強い展開です。

 今年の年末年始、特に正月にドル円相場が、瞬間的に大きく円高に振れた経緯から、前代未聞の10連休中の市場リスクオフによる円高リスクが警戒する声も聞こえます。


 10連休中の市場に波乱のインパクトを与える可能性大と思われる重要イベントのスケジュールを以下に挙げてみます。

 1)4月26日(金)米国 2019年1〜3月期のGDP速報値
 2)4月30日(火)〜5月1日(水)の5月FOMC
 3)5月1日(水)米国 4月のISM製造業指数
 4)5月3日(金)米国 雇用統計

 1)3)4)の経済指標は、予想から大きくかい離していなければ、反応は限定的と推測します。

 2)の5月FOMCの注目点は、

 ◎金融政策変更の有無
 ⇒19年予想されていた追加利上げ構想は3月FOMCで無しに変更され、米中貿易戦争による中国経済減速リスクも緩和された昨今。当面は、経済状況を辛抱強く様子を見る、ということで、金利は据え置きの予想が中心。

 ◎FRBのバランスシート縮小停止を受けて、再投資対象の国債の期限は?
 ⇒短期債中心となれば、短期金利低下が予想され、実際の利下げに代わる効果になる可能性あり。

 ◎インフレ目標について
 ⇒FRBの政策目標は、物価安定と完全雇用の達成ですが、そのうち物価目標の指標を、物価上昇率(現在2%)から「平均インフレ目標値」の導入が検討されていると伝わります。これにより、より柔軟な政策運営が期待されると言われます。毎年1月に基本方針が見直されることから、来年の年初の会合での枠組み検討では、この物価目標が見直されるのではと一部で指摘されています。
  中長期の平均値を目標にしていくので、景気後退期には目標を下回りがちの一方、回復期には目標値を上回る上昇率を容認。金融緩和をより長い期間で継続するだろうという期待感に繋がるとも言われます。

 来年の米国は、大統領選挙。それに向けて、高まる現政権からの利下げプレッシャーも想定され、今後注目ますます利下げに関する諸々が注目されそうです。
 5月1日のFOMCでは、現在のインフレ状況に関する当局の見方が示されれば、今後へのヒントになると思われます。


 4月中の主要通貨の対米ドル為替相場パフォーマンスは、円が0.93%の円安ドル高、ユーロが0.26%ユーロ高ドル安、英ポンドは0.32%ポンド安ドル高。
 オセアニア通貨は、豪ドルが0.5%対ドルで上昇した一方、ニュージーランド・ドルは1.87%安米ドル高。ドルの相対的強弱を示すドル指数は小幅ながら、4月はドル高で推移してきました。


 BREXITの期日が延期された英ポンドは、合意なき離脱リスクが、当面は後退したものの、1.30割れという冴えない反応です。延期が決定し、材料切れ、上下試した疲労感でしょうか。ここでも、様子見ムードが漂います。


 10連休を迎えるドル円相場は、4月に入り、年初来の高値を更新。112円台をつける場面もありました。ただ、その後は伸び悩みを見せ、連休中のリスクを懸念して取引が控えられています。


 上記に、幾つかの連休中の重要イベントを挙げましたが、マーケットは思ってもみない突発的な事象で大きく動きますので、取引が限定される連休中、十分注意して臨むのが無難ではあるでしょう。
 とはいえ、逆にいつもにないチャンスに遭遇することもあるかもしれません。
 相場の動きを横目でウォッチしておく必要もあるかと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 連休&和暦変わり、良い時を過ごしましょう!


※4月23日東京時間午後4時執筆(事情により、一日早い執筆をご了承ください)
 本号の情報は4月23日欧州市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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為替市場動向〜なかなか決まらないBREXIT、米中協議〜

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 4月第2週央。東京は冷たい雨。今年は長く楽しめた桜も散る頃合いとなったようです。


 4月に入り高値圏の株式市場は昨日は軟調に、ドルもやや軟調に推移となりました。
 昨日、IMF(国際通貨基金)が世界成長見通しを3.3%に引き下げ。
 今年3度目の引き下げで、2009年の金融危機以来最低数値への修正だったことや、米トランプ大統領のEU製品110億ドル相当への関税をかけるとツイートで呟いたことも影響したものと見られます。
 米国も日本も株式市場が高値圏に来ていたので、利益確定の理由でもあったでしょう。


 また、米国の経済指標では、2月のJOLT求人件数が昨年の4月以降で最低だったことも芳しくないニュースでした。
 今年に入ってからの米国経済指標は、政府閉鎖の影響が暫く残り、その後も強弱入り乱れ、決め手に欠けるものが多く見られます。
 先週末に月初恒例の前月(3月)の米国雇用統計が発表されました。雇用者数は事前予想より良かったものの、平均時給の伸びは予想ほど伸びず、インフレ懸念を示す数値にはならず、金利への影響は限定的でした。


 そんな中で、本日4月10日に開示される3月のFOMC(米連邦市場委員会)議事録が注目されます。
 3月FOMCでは、今年の利上げ見通しはゼロに下方修正され、バランスシートの再投資が10月から再開される見通しが発表されました。今回開示される議事録で、このような結論に至った経緯が確認できるのではないかと思います。
 特に、10月からのバランスシートにある米国債の再投資の対象が短期債七日、長期債対象なのかも興味深いところです。

 折しも、先日に、トランプ米大統領が「FRBはすぐに利下げすべきだ」発言に見られるような利下げ圧力もあることから、短期債への再投資により2年以内の短期金利が低下してくれば政策金利の下げと同等の効果が得られ、つじつまが合うのではないかと思います。トランプ氏は、FRBへのこのような口介入でもそうですが、人材介入でFRB見張り番を置きたい意向も持っているようです。ついに、金融の独立性から政・金一体化路線が露骨になるのか?(まぁ、我々の身近にも、そんな国はあるのですが、、、。)


 さて、4月になってもレンジ相場内で、こう着している為替相場。
 主要通貨の対米ドル相場は、対3月末、昨日までの動きは円−0.26%、ユーロは+0.39%、BREXITが気になるポンドでさえも+0.15%と小さな動きです。
 一方で、南アランド、メキシコペソ、ブラジルレアルなどの新興国通貨は対ドルで上昇トップ3となっています。


 なかなか決まらないBREXIT、決まりそうと報じられながら4月中の合意の可能性は低くなった米中通商協議。なんとなく、緊張感が低下してダラッとした印象です。

 BREXIT協議は4月12日の交渉期限を前に、本日10日にメイ首相がベルリンを訪問。
 EUからは短期ではなく、長期の再延期が提示されるのではないかと見られていますが、その場合、5月のEU会議に英国も出席する必要があり、このあたりが議会で承認されるのか?英国内の離脱強硬派から反対され、またまた議会でこの案が否決される可能性はあります。

 合意なき離脱は回避されるか?
 ギリギリの交渉次第で何が起こるか分からないので警戒感は持っておくべきかと思います。


 今週、注目の米国経済指標は物価関連です。10日発表の3月消費者物価、11日発表の生産者物価。強いインフレ傾向を示す数字とはならない予想です。


 また、本日、ECB理事会が開催されます。
 経済減速が言われるEU。一方で、マイナス金利政策の副作用を懸念する向きもあり、マイナス金利の階層化が協議されるのではないかと見られています。
 ドイツの国債金利は、EUの景気減速が言われだした2月あたりから10年物利回りが低下。ほぼ連日、マイナスの利回りでの終値となっています。(直近は独国債10年物利回り:−0.012%)米国の対EUへの貿易環境
の悪化が、今後どうEU経済に影響するか?見ていきたいと思います。
 トランプ氏の次のターゲットは日本でしょうか。


 BREXITや米中通商協議といった解決が直ぐになさそうながら、リスクをもつ政治的イベントもあり、また、日本では、3週間後から10連休。ポジション調整も徐々に入り、リスクテイクも限定的となるのではないかと想像します。

 そんな中ですが、つき過ぎず離れ過ぎず、市場の動きを注視していきたいと思います。


  最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※4月10日東京時間午前11時半執筆
 本号の情報は4月9日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜FRB更なるハト派色〜

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 主要国の中央銀行がハト派化。と、当コラム前号でも記しましたが、先週行われた米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会FOMCでの決定は、市場予想以上に、それを色濃く表明しました。


 今回のFOMCの主な決定事項は、政策金利の現状維持(2.25〜2.5%)で市場予想通りでしたが、注目されたのは以下2点を示唆したことでした。

 1)2019年2回の利上げ予定を見送り(2020年の1回は据え置き)
 2)2019年9月末にて、バランスシートの縮小を停止する方針
   2)に先立ち、5月から米国債保有分の縮小を300億ドルから150億ドルに半減を決定。

 1)2)は、市場が予想以上のハト派度でした。

 FOMC後のパウエル議長会見では、景気見通しは変わらず「ポジティブ」との発言。

 一方でFOMC経済見通しは12月の数字から下方修正(例えば、実質GDPは2.3から2.1、失業率は3.5〜3.7等)。上記2点の決定をする程のリスクだろうか?とも思えます。

 これは、BREXITの影響、貿易協議の行方など諸々の不安定要因も考慮したと言うより、来年の大統領選挙を控え、現政権を意識しての「株価」への配慮が最大の決め手ではないかとの印象もあります。また、国債市場の需給関係が改善すると、財務省にとっては朗報です。


 最近、トランプ大統領は、エコノミストのスティーブン・ムーア氏(保守系シンクタンクの客員研究員で、トランプ氏の長年の支持者で、FRBの利上げを批判してきた経緯あり)をFRBの理事に指名。現在、理事候補者。今後、正式に理事就任のためには、議会の承認を得る必要がありますが、ムーア氏、今朝は「FRBはすぐに利下げをする必要があり」と発言しています。ムーア氏指名を阻止する動きも議会にあるようですので、今後の動きが注目されます。

 どちらにしても、中央銀行は政権からの独立した位置が基本であるわけで、政権への配慮が決定に影響するなら「これでいいのか?」と懸念します。


 先週末には、FOMCハト派決定を受けての米国の金利が下落、更にドイツPMIの低下により金利が低下と言った、景気後退への連想。
 長期金利低下に伴っての、長短金利の逆転(3カ月物金利2.6%台と10年物国債利回り2.4%台)を背景に株価が大きく下落しました。

 長短金利の逆転については、一般的には2年物VS10年物利回り格差の逆転が指標として見られてきました。2年VS10年の逆転から数カ月してから景気後退の事例が過去に多く見られてきたというのがあります。
 因みに、直近の2年物は2.25、10年物は2.42%(格差0.17%。因みに、1年前は、格差は0.5%程度、過去10年平均は1.6%程度)
 2年10年利回り格差は、もちろん縮小はしてきましたが、まだ順イールドではあります。

 今回の3カ月物との比較での逆転に対するリアクションは、売りの理由づけに使われたに過ぎないという印象を持ちます。

 とは言え、市場は、景気後退という言葉に神経質になっているのも確かです。今後発表される経済指標は、米国の政府閉鎖の影響がなくなって来ているので、しっかり推移を見ていきたいと思います。


 さて、条件つきの延期が決まったBREXIT、英国のEU離脱問題ですが、3月28日に離脱協定案の採決が検討されているようです。離脱推進派は、支持を示唆していると今朝の報道では伝わり、離脱案が可決される可能性も出てきたとの事。可決すれば、3度目の正直(英語ではThird time charmとのこと)になり離脱問題はクリアになります。

 *ただ、2度あることは3度ある(What happens twice will happen three times)という諺もありますので、何とも言えませんが、、、。


 3度目も否決の場合、英国は離脱期日延期を更に長い期間で申請することになりますが、EU内でも認めるかどうか、条件はどうするかで議論紛糾となると思います。

 最も高いリスクである「合意なき離脱」の確率はかなり減りつつあるようにも思われますが、求心力が失墜しているメイ首相の率いるメイ政権内や与党である保守党内の分裂などの混乱が起これば、市場から「合意なき、、、」連想が起こる可能性も否定できませんので、推移を見守るしかないように思います。BREXITに関しては、当初からそうですが、何が起こるか分かりません。


 最後になってしまいますが、外国為替相場。


 ドル円相場は、3月月初の111円後半から、FRBのハト派色濃厚のFOMC後の米金利低下、株価下落によるリスオフの円買いもあって、一時109円台後半もつけました。直近では110円台での動きとなっています。
 今月は、週末・月末・期末・年度末が29日に重なり、本邦企業は動きにくいことはありそうです。日銀の金融緩和の可能性もありつつも、日米金利差縮小もあります。決め打ちが難しい展開が続きそうです。

 通貨ユーロは、ユーロ圏、特にドイツの景気後退が懸念されることもあり、ユーロ安ドル高の動きですが、大きな動きとはなっていません。
 今朝行われたニュージーランドの金融政策決定会合では、現状の1.75%の政策金利が据え置かれたのと同時に今後の利下げの可能性も示唆されたのを受けて、長期金利が過去最低(10年物で1.73%)を更新、ニュージーランドドルも下落(0.69前日から0.68直近)しました。


 世界的な景気後退が懸念されるなかでは、通貨市場ではリスクオフのドル高円高になる傾向が見られます。末末要因が剥がれた新年度の4月明けの展開。予断を持たずに見ていきたいと思います。


 今週末には桜の開花で花見、来週初は新元号発表。季節や時代の変化も楽しみたいと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※3月27日東京時間午後0時執筆
 本号の情報は3月26日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜どちら様もハト派化〜

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 より多くの人が納得する結論を出すための多数決という民主制のシステム。
 英国のEU離脱に関する(BREXIT)法案議論で結論が出ない英国議会を見るにつけ、多数決の難しさを感じます。
 3月29日のEU離脱予定日を2週間後に控え、欧州議会のあるストラスブールに飛んだメイ首相が、11日にEUとの間で「法的拘束力のある変更」修正案で合意したとの報を受け、通貨ポンドは上昇したのも束の間、法案を持ち帰った英国議会では否決で、ポンド下落、と乱高下。

 議会採決日の直前で忍耐強く修正案を纏めたメイ首相でしたが、残念な結果です。
 あとは、合意なき離脱なのか?延期するのか?の議会投票が今日明日に予定されています。
 合意なき離脱案の可決はないとは思いますが、延期要請案になったとしてもEU側に承認されることも必要ですし、仮にEUもOKしたとしても、EUユンケル議長が「政治に2度はあるが、3度目はない」と釘を刺したように、更なる修正案が可能なのか。また、新たな修正案が出たとして、英国議会下院での可決できるのか?

 離脱予定日を控えて、3月11日のファイナンシャル・タイムズの報道では、英国の中央銀行であるBank of Englandは、合意なき離脱になった場合の市場混乱リスクに備えて、
「現金化しやすい保有資産を3倍に増やすよう一部の英銀を指導した」
「英中銀の健全性監督機構(PRA)が昨年導入した規則に基づき、銀行が相互の資金融通を停止するような重度のストレスを通常の30日でなく、100日間十分乗り切れる流動性資産の保有を一部の金融機関に義務付けした」
「ポンドをドルと交換できなくなるという想定の下で、バランスシートを調整することも銀行は求められている」
との情報を伝えています。
 EU離脱撤回でもあれば、ポンド買い戻しが予想されます。
 とはいえ、今後の状況の変化の予想が難しい現在、ポンド取引は静観しておいた方が良いと思います。

 BREXITリスクが遠のけば、これまで懸念されてきた諸々の不確実性の要因は減ることになりますが、それを除いても、世界経済の減速予測が言われる中、主要国の中央銀行はハト派化しています。


 金融政策を中立化するために昨年末まで利上げを続けた米国FRBのパウエル議長は、金融政策に関して忍耐強いスタンス(当分利上げしない)意向を示しました。最近リリースされる経済指標は決め手欠く強弱マチマチ。年初の政府機関閉鎖の影響も残り経済指標から実体を把握するのが難しい面もありそうです。
 そんな中、来週実施される金融政策決定会合のFOMC。3月21日(日本時間22日未明)終了後のの議長会見が注目されます。


 先週行われたECB欧州中銀理事会での内容もこれまで以上にハト派的内容となり、一部にいたタカ派が後退した印象です。欧州の経済指標、特にドイツ、それも主要な自動車関連の数字の落ち込みは特に気になります。ドイツ国債(10年物)は2年ぶりに0.05%に低下しました。

 
 日本でも、現在の異次元緩和の副作用を指摘する向きもある中で、黒田総裁のインタビュー記事(朝日新聞)から更なる緩和もあるか?という観測も。
 10年物日本国債の利回りは昨年末からマイナスに低下しています。
 今週15日の日銀政策決定会合後の総裁会見を注目しておきたいです。


 経済指標、金融政策と変化は見られますが、為替相場は妙に変動率低く、取引きしにくい状態が続いています。

 ドル円相場は、一時年初来高値を更新したものの、その後は伸び悩みが続き、ドルに悪材料のニュースが出ても底値は固く、先日の予想外に悪かった米国の2月の雇用統計でも下値は限られていました。一方で、上値も限定的。上でも下でも、どちらかに動かないと儲からないトレーダーには困ったもんです。

 ユーロドル相場も、材料への反応も一時的でフォロースルーがない、コンパクトなリアクションです。


 3月月初から直近まで、対米ドルで1%以上上昇したのは、インドルピーの1.7%。逆に1%以上の下落は南ア・ランド(1.6%)、トルコ・リラ(1.5%)、英ポンド(1.4%)、カナダ・ドル(1.3%)、ブラジル・レアル(1.27%)と主要通貨以外も大きな動きは見られませんでした。


 「嵐の前の静けさ」という諺もあります。静けさの中に次の種が育っているのか、つかず離れず観察して、今後の動向を忍耐強く見ていきたいと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※3月13日東京時間午後1時執筆
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為替市場動向〜英EU離脱目前。こう着の為替相場〜

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 今週末から3月への月替わり。
 今月に入り、株式市場が戻り相場となる中、債券市場、為替市場はこう着状態が続いています。

 英国のEU離脱BREXITの期日が実質的に1か月を切る中、未だ行方は不確か。新しいニュースが出る度にポンドが乱高下。2月の主要通貨のパフォーマンスでは、対米ドル上昇のトップが英ポンド。特に昨日、「メイ首相が、離脱延期案を検討」の報で上昇したのが影響しました。
 一方で、多くの主要通貨は、2月月初来昨日まで、対米ドルで下落しました。


 さて、今週は、注目イベントが続く週でもあります。

 26日27日にはFRBパウエル議長の上下院での議会証言。28日には米国の18年第4四半期のGDP数値発表があります。また、政治的には米北首脳会談、進展が伝えられる米中貿易協議の行方も、米中首脳会談開催も含めて楽観的な見方を織り込みつつあるだけに、逆に、今後の動きには気をつけたいところです。


 今週の重要予定の一つ、パウエルFRB議長の米上院での議会証言が昨夜行われました。
 1月のFOMC議事録の内容同様に、利上げの当面見送り、様子見を基本姿勢と伝わり、為替市場は、総じて、ややドル安反応でした。ちょっとだけ。

 それにしても、動かないこと山の如く。と思わせるのが、このところのドル円相場です。2月初めは109円台後半で推移、2月12日あたりから直近まで110円台をキープ。時々111円をタッチするも、110円台へ戻る。
 先週、米国の政府機関債閉鎖の懸念の後退や米中通商交渉の進展など様々な
ニュースで株式相場は動いた一方で、ドル円相場のレンジは56銭に留まりました。動じない不気味な安定感です。

 例年、ドル円相場は3月期末を前にして、本邦企業の海外拠点からの収益送金などで円が変われやすい傾向にあるのですが、実際には未だ方向感が出にくい展開が続きそうです。


 為替相場に影響を与える主な要因の一つ、米国の金融政策も暫く動きにくい、米国経済の指標も強弱ミックスし、特に今年に入ってからは1月の超極寒の寒波や政府機関閉鎖の影響も見極めたいという様子見姿勢。

 一方、日本サイドでは、金融当局の更なる緩和の可能性発言も含めて異例の金融政策の出口見えず状態です。大きな方向性が見えてくるには、暫く時間がかかるように思えます。


 今年は、様々なリスクが言われる中で、3月に離脱期日が迫った英国のEU離脱「BREXIT」、それもNo Deal「合意なき離脱」が現実化した場合の様々な(想定外の)影響のリスクが英やEUのみならず、世界全体への悪影響として懸念されます。

 合意なき離脱が現実になった場合、これまでの経験則から、為替相場の反応で想定できるのは、リスクオフの円高、ドル高、対して、ポンド、ユーロ、その他欧州通貨売りかと。
 特にポンドは、(昨日引け値1.3250)、2016年国民投票後の安値1.1841を下値メドに意識することになると思われます。

 昨日は、メイ首相の離脱延期案を検討や、野党労働党の再度の国民投票を支持する発言、また英中央銀行総裁からは、BREXIT関連でのダメージに対する中銀からのサポートやインフレ率が政策目標を上回るだろう発言があり、これまでのゴタゴタでポンドのショートが溜まっていたマーケットにポンド買い戻しの動きが出ました。
 ただ、アイルランド国境問題という英国とアイルランドの歴史的経緯も含めた複雑な問題もあり、簡単に決まらない英国。譲歩しないEU。3月半ばの首脳会談の大詰めまでの双方の作業がどうなるのか。まだまだ楽観できないところです。

 離脱延期になった場合でも、期限は最大数カ月。執行猶予みたいなものです。そして、その間には、EU議会選挙(5月後半)、選挙後初の欧州議会の招集が7月初旬。延期中に英国が選挙に不参加なら、欧州議会招集よりも先に離脱延期日を設定するのは現実的ではないとすると、猶予期間はそれほどないとも言われ、その期間に議論が進展するのか不確かです。

 合意ある離脱にこぎつけた場合、一時的にはポンドは買われるものと想定されますが、このところ見えて来ていない英国の経済政策(ここ数年のポンド安頼りだけ?)を考慮すると中長期的には楽観的にはなれません。

 また、離脱撤回となっても、離脱問題で費やしたコスト(海外企業の英国ばなれ等)や信用を取り戻すための多くの時間と努力が必要になり、単に元へ戻るものではないかと思います。ポンドがらみの賭けはリスキー。控えるのが得策かと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※2月27日東京時間午前11時執筆
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