為替市場動向〜FOMCだけじゃない、BOJ会合も注目〜

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 台風15号による被害からの復旧が長引いている状況に、被害に合われた方々にお見舞い申し上げます。一刻も早く通常の生活に戻れることを心から祈っています。


 日本の連休明けのマーケットは、サウジアラビアの石油施設へのドローン攻撃により原油価格高騰を受けてのスタートでしたが、先週からのリスクオフ後退ムードが崩れることなく、日経平均も今年のGW連休直前以来の22,000円台でのクローズで10連騰。
 ドル円相場はGW時の111円水準までは戻せずでしたが、一時つけた105円割れから108円台までバック。

 株価反転の背景には、記録的な売り残の買い戻しあり、ドル円相場も短期の投機売りの累積があり、買い戻しに。
 これらの動きのきっかけとなったのは、米中関係とBREXITのリスク後退でした。
 米中貿易交渉の決裂が日本のGW最終日に伝わりましたので、株価は、それ以来の下落分を戻した格好になりました。


 これまでマーケットの目の上のたんこぶだった米中関係の悪化に、対話再開の方向性がみえ、関税実施を延期するなどの報が伝えられ、米中貿易問題への懸念が緩和。軍事面で強硬派だったボルトン大統領補佐官の更迭もリスクオフの材料ではありました。

 時期を合わせるように、もう一つのリスク、合意なきBREXIT強行が議会の回避法案成立によって合意なき離脱リスクが後退。債券に向かっていた資金の逆流と思わせる利回りの反転が起こりました。

 米国債10年物は、一時1.45%まで低下し、2年債との利回り逆転も見られましたが、直近1.8%台まで上昇。この急上昇の背景には、一種の債券バブル熱が冷め、お祭りが終わった? 或いは、金利低下局面へ継続する中でのスピード調整に過ぎない現象なのか見方が分かれるところです。

 そんな中で行われるのが9月のFOMCです。
 結果と声明発表と議長会見が行われるのは日本時間19日未明予定。直近の結果予想は、FF金利の0.25%下げが86%、0.5%下げは14%。 一カ月前の予想では、0.5%下げが41%ありましたから、利下げ予想が
大きく変化しています。
 FRBのパウエル議長は、最近の講演の中で「アメリカ経済は良好だが、直面するリスクがあり、観察しながら適切な政策をとっていく」旨の発言をしていますが、今後も、選挙を控えたトランプ政権からの利下げプレッシャーもあるでしょう。
 ただ、8月分の物価指数がちょこっと上昇には注目しておく必要があります。
 また、原油価格高が続いた場合の物価への影響が出てきた場合、物価の低迷を理由にした利下げを言ってきたFRBとしては、利下げとの整合性がなくなるとも思われます。

 今回のFOMCでは、0.25%利下げならほぼ予想通り、0.5%下げは、かなりのサプライズ反応、現状維持もサプライズかと想像します。また、結果と同様に、FOMCメンバーによる今後の金利予想、更に、何よりパウエル議長のコメントを注目したいと思います。


 市場がFOMCを注目する中、日銀の政策決定会合も18〜19日開催されます。
 こちらは、大きく注目されてはいませんが、何かしらの追加緩和策が実施される可能性も一部指摘されています。
 どうせカードは限られているから、大したことは出来ないだろうし、大事なタイミングまで温存しておくだろう、とも思いますが、先々週の土曜日(9月7日)日経新聞の黒田日銀総裁へのインタビュー記事では、具体的な追加緩和についてのコメントが掲載され、もしかしたら9月の会合で?との憶測も生まれます。その辺りも、最近のドル円相場の底堅さに繋がっているかもしれません。

 明日19日の木曜日の昼頃の発表。時間が遅れると更に憶測を呼ぶことになるでしょう。9月の半期末、10月からの増税前。追加緩和があれば、株高、ドル円相場(円安方向へ)へ相応の反応と考えられます。
 因みに、今朝の報道で、一部の信託銀行から、マイナス金利の深堀りがあった場合には、口座維持手数料を導入するとのコメントが伝えられました。


 9月月初来から直近、主要通貨の対米ドルの動きは、日本円とスイスフランだけが安くなり、その他の通貨は通貨高ドル安。リスクオフ反応の戻しの動きでした。
 ECBの緩和策は、債券購入の上限が撤廃されなかったことへの失望はありながら、かなりの所まで政策が出たという出尽くし感がありました。


 リスクオフ後退の中、今日明日は、FOMC、BOJ会合の結果待ちになります。ただ一方で、米中通商問題は一時的に解決できる問題ではなく、根深く継続的なリスクと思われます。今年最後の四半期を前に、気が抜けない展開は続きそうです。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※9月18日東京時間12時執筆
 本号の情報は9月18日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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為替市場動向〜米利下げ期待拡大でもドル高?〜

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 レーバーデーの祝日(9月第一月曜日)を機に、米国は夏休み明けムードになり、マーケットの流れも変わることが多いとされていますが、9月3日のニューヨーク市場はISM製造業指数の50割れを材料に下げて、祝日明けの商いを終わりました。


 8月は、米中貿易問題の両国のせめぎ合い(予期不可能な突発的発言や行動)に、夏休みの薄商いも手伝って、上下に何度も振らされました。また、今後の景気悪化をリスクとした各国の利下げ姿勢が強まり、直近では議会再開を前に、英国ではBREXIT問題での合意なき離脱リスクに再び焦点が当たっています。


 9月には、主要国の金融政策決定会合が予定され、米欧には利下げ期待。
 ユーロ建ての長期金利の指標であるドイツ国債10年物の利回りはマイナス0.718%まで低下。過去最低水準を更新しました。
 一方、米国債10年物金利は1.45%台まで低下して、景気後退リスクとして注目される2年債とのスプレッドは、プラスとマイナスを行ったり来たり状態です。


 8月の為替相場は、典型的なリスク回避の動きで、円高とスイスフラン高、その他通貨ではドル高各通貨安でした。
 最も対米ドルで下げたのはブラジル(−7.6%)、南アフリカ、メキシコ。
 景気減速懸念による金融緩和期待でユーロも0.88%下げでした。また、9月に入ってからは、合意なき離脱問題が現実味を帯びていたと見られて、ポンドの下げが目立ちます。


 例年、円高に動くことが多いとされてきた8月のドル円相場。
 今年は、107円台から始まり、安いところでは104円46銭を短期的につけ、終値は106円11銭。やはり陰線引けでしたが、リスクオフムードが高まった割には、ドル円相場の下値は固かったように感じます。104円台は一時的で、106円後半になると上値は重いものの、105円前半は滞在時間が短く底堅い印象でした。

 背景の一つとして考えられるのは、短期的取引による円買い投機筋ポジションの偏りにより下値でポジションをクローズしたとも思われます。また一方で、105円割れ近辺では、中長期的な実需の投資によるドル買いは根強くあったように思います。

 対円、スイスフラン以外ではドル高。
 トランプ米大統領は、景気刺激、株高のために利下げ、アメリカの競争力向上のためにドル安を叫んでいますが、ドルの相対的価値を示すドル指数はドル高基調を続けています。直近の99.00水準は、2017年につけた水準以来の高水準です。

 このドル高の背景には、ユーロが景気後退、利下げ期待、ポンドがEU合意なき離脱、新興国通貨も世界景気の後退リスクの影響で下げていると見られます。
 利下げは、通貨安の一つの要因にはなりますが、今回のアメリカの場合は、そうもなっていないような。
 直近の米国の利下げに対する市場予想は、9月に0.25%下げも含めて、年内のFOMCで合計0.75%。来年2020年にも続き、来年半ばには政策金利が1%割れ予想も25%程度出ていて、経済指標による景気後退は確認されていないのにもかかわらず、利下げ期待が広がり過ぎている感はあります。


 利下げ期待にも拘わらず、円やスイスフランは別として、対他通貨での米ドルは下がっていない一つの背景として、世界の主要国の中でドル金利が高いということもありそうです。
 10年国債金利、米債は直近で利回り1.46%、ドイツ国債マイナス0.71%、英国債0.4%、カナダ債1.1%、オーストラリア0.9%。日本国債はマイナス0.29%ですが、日本円の場合は対外債権国として円高になりやすい性格があるので別格。

 米債の金利水準は下がったものの、まだまだ他の主要国よりも金利が比較的高く、今後も利下げが続くだろう米国債を買っておこうとなれば、米国への資本入の流れも出て、それがドル相場をサポートしているというのもありそうです。


 9月は、10月末のヘッジファンドの決算を前にして相場が荒れるとも言われてきました。
 引き続き、急に改善するとは予想できない米中貿易問題の行方、と共に、正念場のBREXIT問題の行方。合意なき離脱へ行っちゃうのか?または再度の期日延長のお願いなのか?
 BREXIT問題は、景気後退リスクが言われるEUにも大きな影響を与えると思われます。

 2年ぶりに120円割れ(直近116円台)したユーロ・円相場。対欧州リスクの高い日本企業への影響も注視しておきたいところです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※9月4日東京時間15時執筆
 本号の情報は9月4日東京市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜更なる利下げ催促? 債券バブル?〜

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 先週、米国債マーケットでは、長期、超長期を中心に利回りが大きく下がり、リセッションの前触れとされてきた2年〜10年金利差逆転現象がついに起き、超長期の30年債は過去最低水準の1.97%台という2%割れを更新しました。

 下がり続けてきた債券利回りが、さらに下がったのは、中国の経済指標が悪かったのがきっかけではありますが、市場の基調は今年に入ってからずっと強気(債券買い)続きでした。
 この日は、特に、2年VS10年が逆イールドを示現したことで、市場はリスクオフの流れに。

 以前、このコラムでも記したと思いますが、2年VS10年利回りの格差が、2年高10年低になると、約16.8カ月後にリセッションになることと多いと言われてきました。
 昨年の秋から冬にかけての株式下落の背景にも長短金利逆転が言われ、3カ月物VS5年、10年金利等の逆転は、しばしば起こってきました。

 2年VS10年逆転は、2006年中旬、2000年前期、1989年中旬、また、それ以前にも見られたことがありました。殆どのケースで、債券市場が先行きの景気に対して警鐘を鳴らしていたと理解できることが多かったようにも記憶しています。
 先週14日に、逆転現象が見られた2年VS10年利回り格差は、その後は順イールドに戻り、ほぼ0.05%程度の格差での推移していますが、これまでの平均的な格差と比べ、かなり縮小状態ではあります。

 債券市場では、米国のみならず、世界的に長期、超長期の利回りの低下が続き、債券バブル?とも思える昨今。逆転現象は、短期金利下げ催促がありつつも、経済指標等の現状から大幅な利下げの根拠がないことにより短期金利高止まりが原因なのか、長期金利が過剰に先行きに悲観的過ぎるのか。今後、FRBは早急に大幅な利下げに走るのか。債券市場、FRBの動向に関心が集まります。


 そんな中で、本日21日にはFRBが利下げを決定した7月のFOMCの議事録公表、また23日には恒例のジャクソンホールでのパウエル議長の講演が予定されています。特に、23日の講演で、パウエル議長から、どのようなメッセージが送られ、市場はどう解釈して動くのか、一番の注目材料です。

 因みに、9月のFOMCでの利下げに対する直近の市場予想では88%程度が0.25%、0.5%の利下げも12%。FRB政策金利のフォワードレートは、来年の今頃は1%程度となっています。

 米国以外でも、景気後退が懸念されているドイツの10年国債利回りもマイナス0.7%程度まで下落。ユーロ圏主要国で10年債が1%以上なのは、イタリア、ギリシャくらい。財政支出にも動くか?とも言われる注目のドイツの直近のPMI速報は22日に発表され、数字次第では更なる金利低下が進む可能性があります。

 債券利回り低下といえば、欧州でオーストリアの100年債利回りが1.2%というのが報じられ話題になっています。

 世界的な長・超長期金利水準も人類未踏の領域に入ってきた感があり、もし、これがバブルとして崩れた場合、何が起こるのか。債券市場の声に、よく耳を傾けておきたいところです。


 最後になってしまいましたが、為替相場です。

 8月に入ってからの主要通貨の対ドル相場動向は、リスクオフ時の日本円、スイスフラン買い、その他、一部欧州通貨が上昇しましたが、どれも大きな上昇にはならず、準主要通貨や新興国通貨の多くが対米ドルで下げました。
 米ドルの対バスケット通貨相場である、ドル指数は基本的にレンジ内で各種移動平均の上に位置しています。

 ドル円相場は、105円を大きく割らずといって、107円から上へ行くには力不足を感じさせる相場です。9月に行われる日米欧の金融政策決定への思惑、米中貿易協議などの材料を見ながらになりそうです。


 為替相場で、最も話題になったのは、何といっても、人民元の7.00割れ元安です。
 米中貿易問題が浮上して以来、元安は進んでは来ていましたが、大きな節目と見られてきた7.00の突破には驚きでした。米中貿易問題が続く限り、市場期待によるオフショアでの人民元安センチメントは続くと思われます。
 ただ、一方で、米中貿易では中国の貿易黒字は巨額であり、その需給でみればドル売り元買いが発生しますので、ここから一方的に大きく人民元安が急速に進んでいくとも思いにくく、9月から再開される米中の貿易協議の動向を注視していく必要があると思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※8月21日東京時間15時執筆
 本号の情報は8月21日東京市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜魔の8月と利下げの夏〜




 8月は、バカンスシーズンで閑散などではなく、びっくりの”事件”も多い、「魔の8月」と言われ、ネガティブなサプライズに伴ったショッキング相場が過去に多く起こっています。

 外国人投資家が、日本株を9年連続で8月に大きく売り越しているのは需給関係や決算を意識してもあるでしょう。しかし、そればかりでなく、歴史的にみれば、1971年8月15日には当時のニクソン米大統領によるドル・ショック(金とドルの固定比率での交換停止)、1980年8月はメキシコ財政危機、1998年ロシア財政危機。2007年8月には翌年のリーマンショックの引き金となったパリバショックでサブプライム問題が表面化し、2015年にはチャイナショック(人民元切り下げで円高株安)に、また、近いところでは昨年8月にトルコリラの暴落など枚挙にいとまがありません。
 中央銀行総裁が米国のジャクソンホールする演説が市場を動かすことが多いのも8月。夏だからこそ、恐ーいことが起きるのが相場かもしれません。


 そして、今年の8月ショックは、トランプ政権による「中国を為替操作国」に認定したことになるかもしれません。中国が対象になったのは1994年以来のこと。
 今週に入り、1米ドル=7.0000を超えた人民元相場に切れたトランプ政権。ほぼ誰もが予期しなかった動きにでました。びっくりです。

 為替操作国に認定されるには3つの条件を満たした国が対象とされてきました。
 まず、貿易収支が対米貿易黒字で年間200億ドル以上、次に経常黒字額がGDP比2%以上。そして、3番目が為替介入による外貨購入が1年で6ヶ月以上かつGDP2%以上とされ、このうち、二つの条件が該当すると「監視対象」とされ、日本はその対象国です。

 一方で、中国は、一つの条件しか抵触していないのに、巨額な対米黒字ゆえに、これまでも監視対象国扱い。しかも、今回は1ドル7人民元を超えたことが、為替の人為的操作とみなされました。
 今後は、米中間で協議の実施、通貨安の是正について中国への圧力が増し、さらなる制裁も発動する可能性もあるとされます。それに関して、まさかとは思いますが、市場の一部では米当局による為替市場介入のリスクを懸念する向きもあるようです。
 ただ、人民元取引は、他の主要通貨とは異なり、例えば債券市場での外国人保有は約2%程度しかないなど、簡単ではないとされます。しかし、もし、それが現実となれば、中国の報復のみならず、世界経済への新たなリスクへも広がりかねず、安易にはできないと思います。


 さて、注目された米7月のFOMCで0.25%の利下げ、加えてバランスシート縮小の停止が2か月前倒しが決定されました。
 大統領も含めて、0.5%という大幅利下げを期待する向きもあり、それに対する失望感(特に大統領)を、バランスシート縮小停止2か月前倒しで穴埋めしたのではないかと?とも解釈されました。パウエルFRB議長の再びの忖度だったのかもしれませんが、トランプ氏に評価はされませんでした。

 今年になって米国株式市場を支え高値トライまでしてきたのは、FRBによる(過剰なる)利下げ期待でした。経済が落ち込んだ証拠となる絶対的指標がない中での利下げ。これまでで言えば、経済好調時の利下げは、その後のバブルの原因になるとされて敬遠されてきた向きもありました。

 7月26日発表の米国第2四半期GDPは+2.1%と予想の1.8%を上回りました。中でも、株高と相関関係にあるとされる個人消費は+4.3%。株高効果を感じさせます。米国経済は好調だが、今回の利下げは低インフレ、貿易戦争の影響を懸念しての予防的利下げに過ぎないとして、継続的な利下げを否定していましたが、昨今の更なる米中摩擦が広がる中、一時は予想が低下した9月のFOMCでの利下げ観測が高まり、それに伴い、ドル安へじわじわ影響する可能性も高まるかもしれません。


 また、利下げは新興国で相次いでいます。

 今朝のニュージーランドの予想以上の0.5%の利下げ、今後はマイナス金利もあり得るようなスタンス。タイ中銀の予想外の0.25%利下げ、インド中銀の0.35ポイント利下げは予想を上回りました。先進国の利下げが新興国へ広がり、利下げ競争の様相です。

 10年国債利回りが節目のマイナス0.2を下回った日本、誘導金利のマイナス0.4%を下回りマイナス0.59%にまで低下した独国債、米国債も直近1.65%まで低下し、経済の先行きへの悲観的スタンスが進むような気持悪さを感じます。


 8月。気候の高温リスクに、マーケットの荒天リスク。
 気を抜かず過ごしたいものです。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※8月7日東京時間午後8時執筆。
 本号の情報は8月7日東京市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜利下げの夏〜

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 米国の利下げを材料にしたリスク選好相場の流れは、先週一時的に、米国の住宅関連の数字の悪化を理由に、一時大きく売られる場面もありましたが、米中貿易協議再開というニュースも手伝い、直ぐに戻ってきました。

 相場の大きな材料になっている7月のFOMC(30日〜31日開催)での利下げ決定は、ほぼ確定とみられていて、焦点は0.25%か0.5%になるのかという幅の問題に。

 利下げ幅については、FOMC開催一週間前(今回は7月23日)から、ブラックアウトという要人が金融政策についてのコメントを避ける期間に入ってきたため、ヒントになるかもしれない要人発言は聞けなくなります。


 FOMC開催までに発表される重要な経済指標は26日に発表される米国4〜6月期のGDP速報値(事前予想は、前期比+1.8%年率)があります。前の期の+3.1%から下がるものの、今年の半期として捉えれば、FRBの想定する成長率を上回るものと見られ、米景気の悪さを示すものにはならないと予想されます。

 今回の利下げについては、景気は悪くはないが、海外要因も含めて、今後の景気に懸念材料がある、さらに最も懸念材料とされる低インフレによるデフレリスクを防ぐための予防的利下げとされているので、利下げ幅は0.25%と見るのが妥当かと思われます。
 もし、0.5%下げた場合には、FRBは景気見通しを、かなり悪いと見ているのだろう、と市場は受取り、逆に株式市場にはネガテイブなインパクトを与える可能性もあります。
 ちなみに、現時点での、エコノミスト予想は、0.25%が82.5%、0.5%が17.5%です。


 夏休み前の7月開催の主要国の金融政策決定会合。月末のFOMCが注目を集めていますが、25日にはECB(欧州中銀)の理事会が開催されます。

 25日開催の理事会では、利下げや量的緩和(QE)再開を決定するというよりも、フォーワードガイダンスにおいて追加緩和について修正が示され、夏休み明けの9月理事会で議論され、中央銀行預金金利(−0.4%)の0.1%引下げなどが決定されるのではないかと見られています。市場は、すでに織り込み済みと思いますが、昨日から通貨ユーロが1.12台から1.11台半ばまで売られる展開になりました。

 利下げや、量的緩和の方向性は、ECBのみならず、昨日23日にはニュージーランド中銀(RBNZ)も量的緩和について示唆し、ニュージーランド・ドルが売られるという展開に。利下げ、或いは緩和競争になるような様相。

 米国の利下げで、ドル安方向に動いた為替相場ですが、直近の相場はドル高傾向にあります。ドルの相対的価値を示す「ドル指数」は、直近97.75。6月末にドル安に傾いた時の95.84水準から、しっかりリカバー。

 ドル円相場も、上値は重い印象で、下がりそうで107円台では下値が固い印象。背景には、日銀が9月に追加緩和をやるかも?(どれほど出来るか不明ですが)期待があるとも言われます。

 2019年(欧米式)下半期が始まり、主要通貨の対米ドルパフォーマンスをみると、ブラジル・レアル(+2.3%)、メキシコ・ペソ(+0.9%)、南ア・ランド(+1.5%)以外は、対米ドルげ下落。英国ポンド、ユーロなどの欧州通貨が2%強下落しています。円は0.3%程度のドル高円安ですが、動きには乏しい状況です。


 米国が利下げに動くため、通貨高を防ぐためもあり、多くの国が利下げや緩和に動く様相です。米国の利下げについては、パウエル議長は景気減速というより低インフレを強調していますが、トランプ現政権への(アメリカ版?)忖度が大きいのかな、とも思います。昨年12月の利上げ時に、株式市場が大きく下げたことへのトラウマもあるかと。

 それはさておき、米国の利下げ、7月に0.25%、様子次第で、9月に0.25%、10月からはバランスシート再投資による緩和もありますので、そこへ繋げて、トランプ大統領のプレッシャーはあるとは思いますが、一旦利下げは休止では?と考えています。


 今後の相場を見るうえで、米中貿易交渉の進捗も注目されますが、10月31日に期限を迎えるBREXITも気になるところです。
 新しい英国首相である離脱強硬派のジョンソン氏がBREXIT交渉に対EU、対議会で合意を取り付けられるのか、または、合意なき離脱に突っ走るのか、或いは、またまたの延期か?
 何でもありそうでもあり、結局決まらなそうでもあり。相場への影響。
 ウオッチしていきたいと思います。


 地域によりますが、長い梅雨が明けるのも間近。少なかった日照が戻り、田畑の作物にも相場にも元気が出ることを期待して。暑中、ご自愛のほどお過ごしください!

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※7月24日東京時間午後2時執筆
 本号の情報は7月24日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜パウエル証言待ち〜

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 先週、米中協議再開を好感して動いた市場も、今週に入ってからは、様子見気分が支配する展開。先週発表された米雇用統計の数字が予想以上だったための利下げ期待の後退もあり、ここは10日と11日のパウエルFRB議長の現在の金融政策に関する議会証言を待ちたいところでしょう。


 これまでの米国の株式市場を支えてきた要因の一つでもある利下げ期待が少し変化しました。

 6月末には7月開催されるFOMCで、0.25%利下げが76%、0.5%利下げ予想も24%もあったのですが、直近の予想では0.5%利下げがなくなり、0.25%の利下げが98.5%、利下げなしの予想も1.5%に。エコノミストの心変わりが示されました。

 昨日は、フィラデルフィア連銀総裁から「金利を変更する必要はない」とのコメントも聞かれ、債券利回りが上昇。一時は2%割れまで低下した10年米国債は2.07%まで戻り、今後の利下げ期待を反映するされる2年債も一時1.7%程度までありましたが、1.9%台に戻りました。


 そんな中で、パウエルFRB議長が何を話すのかには注目が集まります。

 米国景気が10年以上拡大し続け、金利の正常化を果たした後にも決定的な景気悪化の裏付けはないとされます。その間、米国株式市場は記録的な上昇をしてきており、今後の利下げには限界もあると考えることもできます。
 新たな投資行動をとるまえに、現在の状態で、金融政策をどう決定するかの根拠についてFRB議長の説明を聞いておきたいところです。

 そのパウエルFRB議長に関しては、現トランプ政権から「解任」される可能性も囁かれてきましたが、昨日、米NEC(米国家経済会議)議長から、パウエル氏の議長職は安泰との言明がありました。中央銀行の独立性を考えれば、任期まで安泰は当然だと思いますが、現政権は何でもあり。保証されるという感じではなさそう。そんな中で、トランプ大統領推薦の2名が理事候補になりました。2名ともハト派とされています。


 人事がらみでは、既に、報道されているようにECB(欧州中銀)総裁に現IMF専務理事のラガルド氏(フランス)が決定。事前予想リストにはなく意外感がありました。タカ派としてしられるドイツのバルト万氏が候補にも挙げられていたので、現ドラギ総裁の後もハト派が続き、利下げの可能性が広がったと見た市場はユーロ売りで反応しました。ドル金利の反発という要因も加わり、ユーロ・ドルは、1.13台から1.12を挟む水準まで下がっています。


 米国では、幅や時期は別として、基本的に利下げの可能性が高く、欧州も人事面からも利下げが視野に入り、また英国でも英中銀のカーニー総裁からも昨今ハト派的な発言があり、先進国は超金融緩和10年目にして未だ緩和状態が暫く続くことになりそうです。
 一方の日銀は、何かあれば更なる緩和をするとは言っているものの、10月の消費税増税が控え、また、更なる利下げは銀行界への悪影響も考慮すると、動けないのではないかと推察します。


 7月に入ってからの主要通貨の対米ドルのパフォーマンスは、ほぼ全ての通貨が米ドルに対して下げました。大方の通貨が6月のドル安からの戻しでした。

 最も売られたのは、韓国ウオンの2.24%安。
 日本円は、107円台から直近の108円後半水準ですので、1%近い円安です。先週の雇用統計発表後に、米国の利下げへの見方が変わったことから108円半ばまでドル円が買われた一方で、日本株は利下げ期待が萎んで売られた米国株の動きに反応して下げる展開に。株と為替の相関が今のところ見られません。

 ドル円相場は、今年に入って、正月の104円ワンタッチを覗くと、107円半ば〜112円半ばでのレンジ内の動き。
 2017年から約3年近く、105円〜115円のレンジの中で動いていて、今年もその域から外れる兆候はまだ見られないように思います。

 また、偶然なのか、2017年の年初に発足したトランプ政権と重なるのが興味深いところです。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※7月10日東京時間午後2時執筆
 本号の情報は7月10日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)


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為替市場動向〜G20待ち?動きづらい〜

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 週末、月末、四半期末、海外ベースでは半期末が重なり、節目ならではの取引も多かったと見られます。さらには、今週末のG20開催、特に米中首脳の会談の行方が注目されるところから、今週は動きづらい感があります。


 先週注目を集めた米国の金融政策決定のための6月FOMC。

 すでに市場では、年内の利下げ確率100%。2度の利下げを織り込む中で行われる中、当局の利下げへの決意を確認した結果となりました。直近の金利予想は、7月に0.25%下げる見方が約8割、0.5%下げの見方をするエコノミストが約2割、9月には現在よりも0.50%は利下げされ政策金利であるFF金利が1.75%−2%になるだろうとみるエコノミストは7割となっています。

 米国の利下げが期待から現実的になってきたことを株式市場は好感はしてきたものの、昨日、パウエルFRB議長が外交委員会で行った講演中に触れた”経済の下振れリスクが強まった”とするコメント、また、7月の0.5%利
下げ期待は行き過ぎとしたセントルイス連銀総裁の発言に、昨日のニューヨーク市場はネガテイブに反応しました。
 米国国債10年物利回りは、6月のFOMC後、一時2%を割る場面もあり、2%を挟んだ動きが続いています。
 米中貿易協議の行方、米対イラン対立による中東緊張。G20開催の今週末をはさみ、様々な駆け引きが報じられるものと思います。都度、市場が一喜一憂で反応すると予想されます。


 利下げ期待は欧州にも?

 先週、欧州中銀ECBのドラギ総裁は、ポルトガルのシントラで、追加緩和の可能性が直近の理事会で示したよりも高いことを示唆しました。今回のシントラ(ドラギ総裁とは縁が深い)での発言は、直後でこそユーロ安に反応しましたが、ドル安の流れと半期末要因もあってか、ユーロは対米ドルで週明けに1.14台をつける場面がありました。10月に任期を迎えるドラギ総裁。発言への影響力の低下もあるかもしれません。

 昨日は、ドイツ国債10年物金利は、マイナス0.333という史上最低金利に低下したこともあり、ユーロは1.13台半ばまで低下しました。
 ドラギ総裁の後任候補としては、ドイツ、フランス、フィンランド等の中銀総裁が挙げられています。もし、タカ派と言われるドイツのバイトマン氏が就任した場合には、ユーロは大きく反転する可能性もありそうです。
 今後、欧州中銀の人事にも注目していく必要があります。


 米国の利下げ、中東情勢の緊迫もありリスクオフ状態の中、ドル円相場は、5カ月ぶりの安値圏に。昨日は、106円70銭台をつけました。今日は、期末要因によるドル需要と見られる買いも出ているものの、市場がリスクオフへと更に傾けば、円高方向への警戒は強まるものと思います。今年年初に瞬間つけたとされる104円70銭が意識されてきます。

 先週行われた日銀の政策決定会合では、現状維持の決定のみでした。大方の予想通りとはいえ、追加緩和の政策カードのなさを改めて見たように思います。


 6月に入って、対米ドルでは、ほぼ全ての主な通貨が上昇。ドル安となりました。一方で値上がりが目立ったのは、金価格とビットコイン。


 全般的なドル安基調の中で、最も上げ幅が少なかったのが豪ドルでした。先週には、対円では73円90銭台をつけ、直近でも74円80銭台です。
 中国とも米国とも貿易関係の比率が大きいオーストラリアは、米中貿易摩擦の影響をもろに受け、自国でも利下げもしたことが為替相場を下落させました。
 かつては、好金利として日本の投資家の間では人気があり、豪ドル建て保険を保有する方も多いので心配ではあります。
 金利面でも、米ドル10年物国債で2%に対して、豪ドルは1.28%(直近)と見劣りがあり、直ぐの利下げは当局から否定されるも、先週の理事会では追加利下げの可能性は話し合われた模様。今後の豪ドルの反発を後押しする要素が今見る限り乏しいとも思えます。

 ここ5年間、10年間の豪ドル対円の平均は85円水準。今年年初に瞬間の安値70円台をつける場面もありました。現在の水準は、安値圏にあるとも言え、反発の潜在性を秘めているとも考えられます。どちらにしても、米中貿易摩擦の行方がかかっていると言えます。

 今週のG20での米中首脳会議が、ここでも注目されます。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※6月26日東京時間午後0時半執筆
 本号の情報は6月26日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜関税と利下げ〜

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 米国発の市場ニュースのキーワードTariff(関税)に並ぶのはRate Cut(利下げ)。
 米金融当局FRBは、トランプ大統領からのプレッシャーを受け、市場からの利下げ期待に取り囲まれている印象です。


 米国債利回りは、中期ゾーンも利下げを織り込む形で下げ、年初は2.4%水準だった2年物利回りは直近1.9%水準に低下。今年中の利下げ確率予想は97%。12月の政策金利のフォーワードレートは1.77%(現在の政策金利は2.25〜2.5%)まで低下しています。
 今後開催のFOMC(連邦公開市場委員会)での3回の利下げを織り込むという、ややフライング気味の印象を受けます。

 6月のFOMCは、来週18日〜19日に開催されます。今月の利下げ確率は、さすがに21%程度。現在、インフレ率は低く、関税問題による将来の景気下振れリスクがあるとはいえ、すぐに利下げを正当化するほどの経済指標も見当たらないことから、6月の利下げはないだろうとは思います。
 パウエルFRB議長は、6月4日の講演会で景気に対して「適切な行動」をとるとしました。マーケットは、その発言から利下げを連想し、リスクオン方向に反応しました。ただ、パウエル氏の「適切な行動」が利下げなのかどうかは不明です。議長の意図を読むためにも、来週のFOMC後の会見が注目されます。


 利下げに関連して、レバレッジドローン市場に関する記事を今朝見かけましたので、参考情報として、以下に簡単に記します。

 レバレッジドローン残高は、超低金利政策が浸透し始めた2012年以来現在では約2倍の日本円で約141兆円規模になり、欧米の金融当局は、そのリスクに警戒感を持ち、こうした高リスク貸出を助長しかねない利下げは、米金融当局の懸念の一つではないか、と記事は指摘しています。
 かつての住宅ローン債券と比べれば規模は大きくないものの、買い手の特定が難しいことや損失吸収の可能性について不明点が多く、金融当局ではコントロールが難しいことも懸念になっているとありました。
 CLO(ローン担保証券)、高リスクローン、レバレッジ融資などのキーワードでネット検索すると色々と情報を見つかります。日本の金融機関の保有も増加しており、そのリスクを指摘する声もあり、昨今、農林中金さんが保有残高を発表されておられました。


 さて、利下げが期待されたのは、欧州中央銀ECBも同じでした。先週行われたECB理事会では、現状の政策を2020年前半までは維持するとのこと。理事会での議論では、利下げ提案も出たとのこと。利下げまではいかないにしても、超低金利の長期化は避けられない様相です。

 ユーロ金利は、ドイツ国債で10年物がマイナス利回り幅を広げ、マイナス0.23%まで低下。日本10年国債利回りがマイナス0.11%。日本同様、超低金利政策の長期化が予想されます。ECBに関しては、近く任期を迎えるドラギ総裁の後の人事も今後の注目でしょう。


 外国為替市場では、米中貿易問題により生じたリスク・オフ・マーケットから円高・ドル高の傾向がありましたが、ここへ来て、ユーロの反騰で、ドルの相対的価値であるドル指数が低下、現在、200日移動平均ギリギリでサポートされています。ドル安方向への転換でした。

 一方、そのユーロ・ドル相場も重要な上値抵抗線である1.1350寸前まで上昇し、ドル安ユーロ高に。この水準から大きく上にブレイクしていくと、中長期のトレンドも転換になる可能性があります。


 ドル円相場は、株式市場リスクが高まった際には、円高方向に動き107円80銭台まで下がる場面もありましたが、109円の上値の重さを感じるものの、108円台半ばでの円安への動きとなっています。
 上記の米FRBの利下げが相当に織り込まれる中、107円後半でのサポートは強かった印象です。ただ、109円に近づいた時の上値の重さもかなりのものではあります。


 その他の通貨の中で、人民元とメキシコペソ相場を見ておきたいと思います。

 人民元については、前回も取り上げましたが、米中貿易問題が発生してから続く人民元安に対して当局のけん制もあり、節目である1米ドル=7.00元のタフ・サポートは保たれるとの見方が主流になってきました。
 4月月初、6.71水準、5月月初、6.73水準で、5月中旬あたりから6.90台になり、一時、当局からのけん制発言もありました。

 ところで、一昨日、中国中央銀行総裁の「どの水準が具体的に重要ということはない」発言が伝わり、オフショア人民元は一時6.95台をつけました。今後の動向は、米中交渉次第ということになると思いますが、中国当局の通貨政策が注目されます。


 メキシコペソに関しては、5月中、軟調ながらレンジ内での動きでしたが、5月31日のトランプ大統領の関税発言により、急落を余儀なくされました。5カ月ぶりのペソ安でした。
 しかし一転、先週末の関税延期話により6月10日には2.5%とペソ相場は大きく戻しはしました。メキシコからの不法移民問題は、南米からの脱出者が多くからむ問題なので、メキシコ政府にとっても対応の難しい問題と思われます。
 今後の両国の動きを見つつ、ペソ相場も引き続きウオッチしていく必要がありそうです。


 通商問題(関税)と利下げがキーワードの昨今。
 6月は、FOMC(18日〜19日)、そして、20日からの大阪G20で米中会談がどうなるかを、注目していきたいと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※6月12日東京時間午後2時執筆
 本号の情報は6月12日東京市場始値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


式町 みどり拝


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為替市場動向〜すべては米中次第?〜




 米中貿易問題、EU議会選挙、BREXIT関連のニュースがヘッドラインで目立つ中、長期金利の低下が主要各国で進んでいます。


 米国債10年もの利回りは、2.3%を割り込み、直近では2.24%まで低下。これは、2017年10月以降の水準。これは、政策金利の実効レベルである2.4%を下回り、ここだけ見ると逆イールド状態になっています。
 一般的には、景気後退予兆のサインとしては2年物vs10年物利回り(直近は、+0.13BP)とされてきましたが、ここへ来て、超短期金利と長期金利の比較も取りざたされるようになっているのは、利下げ期待に加えて、昨今の長期金利の低下の背景には、やはり景気後退入りが近いのでは?という心理が見え隠れしているのかもしれません。

 先週5月22日に、5月のFOMC議事録が公開されました。
 注目されたのは、金利面のことよりもFRBのバランスシートにある国債ポートフォリオの再構築についての議論だったようです。二案のうちの一案は、残存3年以下の短期債のみでの構成という短期化案です。もし、ポート短期化で今年10月からの再投資再開で短期化が実行されると、利下げをせずとも市場の短期金利の低下に影響し、これが大統領選での再選を目指すトランプ大統領の望む低金利へと繋がるのではないかとも見られます。政府への配慮でしょうか。


 その他の主要国金利は、ドイツ国債10年もの利回りが−0.16%、同期間の日本国債は−0.10%とマイナス幅を広げ、利下げ期待のあるオーストラリアでは10年国債利回りが1.49%と今年に入ってから最も低い水準です。

 今後、どの国も経済指標の好転が多少あったとしても、米中貿易問題のこう着、メイ首相辞任後のBREXIT問題の行方、EU議会選挙後の各重要ポスト人事など不透明な材料のもとで、当面は金利が上昇するような動きにはならないのでは、と推測します。


 そんな中でのドル円相場は、5月連休以降、上値の重い展開が続いています。
 先週、一時、米国側が中国のファーウエイ社への米企業からの禁輸措置を、ユーザー保護を理由に90日間猶予するとの報道があり、一時的に110円台半ばまで上昇する場面もありましたが、その後、中国製の監視カメラ関連の会社の禁輸リストへの追加報道が伝えられ、発表された経済指標の弱さも重なり、ドル円相場は109円台まで反落。その後は、109円台の往来です。

 米国の対中措置に対して、中国は「レアアースの禁輸を検討」なんてニュースが今朝は報じられました。今週も幾つかの米国発の重要経済指標発表はあり、来週は5月の雇用統計という注目指標が予定されていますが、市場の関心は指標よりも、米中通商問題の行方にあり、気分晴れない相場が続きそうです。


 米中問題ショックで実質的に幕が開いた5月。月初来の為替相場は、今のところ、典型的なリスクオフでした。
 というのも、対米ドルで上昇したのは、円とスイスフラン。他の主要通貨は対米ドルで下落しました。円高&スイスフラン高&ドル高です。因みに、最も下落したのは、英ポンドの2.8%でした。
 米ドルの相対的価値を示すドル指数は、月初97.52、直近は97.92と上昇しています。
 最も比率の高いユーロも月初来、0.5%近い下落。ユーロの下落背景は、ユーロ経済悪化、また、直近では、イタリアの財政赤字への懸念があります。


 主要通貨以外で注目されたのが、人民元の動きでした。

 中国以外の海外で取引されるオフショア人民元は、米中協議決裂以来の5月に入り、下落が続いています。
 5月20日には、1米ドル=6.9514をつけ昨年の11月以来の安値をつけました。直近では6.9270水準。4月末が6.7370でしたから、約2.8%の下落になります。

 かつては米政府から輸出促進のための通貨安誘導を指摘されたものですが、今回は為替操作というよりも、市場による売り圧力という見方で捉えられていると思います。
 27日に中国通貨当局者は、人為的な元安を否定、人民元売りによる将来の損失を警告するようなコメントをしています。
 下落メドは1ドル=7.0と見られ、この防衛ラインに近づけば、政府による様々な規制の方策がとられる可能性大だと想像します。
 人民元安による国内経済への影響、中国企業が抱える膨大なドル建て債務への影響も看過できないところだと思われます。また、中国からのマネー逃避も中国政府は懸念するでしょうから、防衛ラインを越える人民元安は阻止するものとは思います。人民元相場も、今後の米中通商問題の進展により大きく左右されることになると思われます。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※5月29日東京時間午後3時執筆
 本号の情報は5月29日東京市場始値ベースを参照しています。
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為替市場動向〜メイ・ストーム、そろそろ落ち着く?〜



 無事に通過か、と思われた日本の10連休。連休明け直前5月5日の驚きの発信源は、米国トランプ氏のツイートでした。
 既に、ご存じのように、米中貿易交渉において、「中国側が約束を破った」ことを理由に、中国製品への10%から25%への輸入関税引き上げや対象商品拡大の方針が打ち出され、中国からも米国からの輸入製品への関税引き上げが報復措置として取られ、資本市場は都度、リスク回避となり、5月相場は波乱でのスタート。特に異例の長い連休ボケにかかりつつあった日本への目覚ましともなりました。

 相場格言にSell in Mayというのがあります。6月の半期決算を前にポジションを調整する傾向を示唆したものですが、今回は、まるでMay Stormでした。

 5月5日から10日経過して、そろそろ一連の材料も消化されつつあり、また、米中貿易協議の再開もあるようなので、一旦は落ち着きどころ探しでしょうか。相場格言に、「売りは早かれ、買いは遅かれ」というのもあります。
 慌てず買い場を探っていくのももありかもしれません。


 5月に入ってからのリスクオフ相場で、米国長期金利のベンチマークである10年国債は2.4%水準まで低下(4月末時点では2.5%)。このレベルまで低下してくると、短期金利3カ月物金利2.5%と逆転。今後の利下げも織り込む利回り曲線は、短期から長期にかけて、ゆるい右下がり曲線になっています。市場の利下げ確率予想は、9月、10月あたりから50%を超えています。
 利下げ予想もある背景には、来年の米大統領選挙を意識して、やたらと利下げ圧力をFRBに向けるトランプ大統領の存在があるでしょう。

 5月のFOMC(米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会)は4月30日〜5月1日に行われました。決定は、現状維持。利下げ観測をけん制するためか、現在の金融政策スタンスが適切、中立であり、バイヤスは利上げも利下げにもなく「データー次第」「様子見」を今回は表明しました。
 なにしろ、今回のFOMC直前の米株式市場は高値を更新する堅調ぶりでしたから、株価へ配慮する必要はなく、中立スタンスを強調したのは不思議ではありませんでした。


 この5月のFOMCの声明文で注目するのは、インフレについての記述です。
 声明文の中にも、インフレ率が2%を下回っていることを明記。ただ、パウエル議長は終了後の記者会見でインフレ率が一過性な要因で抑制されているとして、インフレ率は低下していないともしました。一過性の要因が今後一巡していく可能性も視野に、様子見ということでしょうか。

 今後、中国からの一般消費者向けの消費財への25%の関税が物価上昇に影響する可能性、また、消費行動にも影響し景気への悪影響がでる可能性も懸念されます。大統領選という要因もありますので、金利を上げるのは難しいと思いますが、一方で下げるにも株価の大きな下落など条件が整うことが必要です。

 そんな中で、9月から再開されるFRBバランスシート上の国債の再投資で期間を短期にして短期金利の低下に寄与していくようにしていく可能性もあるかもしれません。


 為替市場は、株式市場ほどの大きな変化にはなりませんでしたが、リスクオフの時に起こりやすいケースである、円とスイスフランが買われ、ユーロはほぼ横ばい、他の主要通貨はほぼドル高通貨安に動きました。ユーロの動きが限定的だったことから、ドルの相対的強弱の指数であるドル・インデックスは、弱含みではありましたが、ほぼ横這いの推移。


 一方で、このところの動きで目立つのは、人民元の下落です。
 4月末での対米ドル6・73台から、直近は6.8750近辺という人民元安。通貨安容認を、米国の増関税に対抗する手段としていると見られます。


 ドル円相場の方は、連休前の4月末、111円40銭水準でしたが、5月13日に109円割れ寸前までのドル安円高水準に下落。今年の3月以来の109円台で急落ではありましたが、株の下落幅にしては、ドル円相場は意外と下値はしっかりしているという印象です。

 米中貿易摩擦の後は、日本にも米側から圧力がかかるのでは?
 為替相場では円高になるのでは?
との懸念も聞かれますが、昨年来続いている為替変動率の低下、日本の超低金利政策の出口がまだまだ遠いこと、一方で米景気に決定的な悪化の気配は見られないことから日米金利金利差の大きな縮小もなさそうです。
 年初来のドル円相場は、瞬間についた104円台を除くと、107〜112円レンジでした。当面は、著しい円高への動きも予想しがたく、引き続き、ボックス相場で推移する可能性が高いのではないかと思います。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※5月15日東京時間午後2時執筆
 本号の情報は5月14日ニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
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