生涯パートナー銘柄の研究2013/01/15

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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            ◆Contents◆

   ◇銘柄研究「帝国電機製作所(6333)」
   ◇コラム 市場は株価の上昇期に入ってきたように感じられる

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◇銘柄研究 帝国電機製作所(6333)

 本日は、1939年(昭和14年)創業の、キャンドモータポンプ(液漏れしないケミカルモーター)最大手で国内シェア60%、世界シェア40%と高シェアを持つ帝国電機製作所を、研究銘柄として取りあげます。

 帝国電機製作所は、創業以来、鉄道信号機の製造・販売や電気自動車の開発など、常に研究開発型企業として成長を続け、1960年に完全無漏洩の帝国キャンドモータポンプの開発に成功し、これが帝国電機製作所の発展の原動力となっています。

 キャンドモータポンプの「キャンド」とは「缶詰にする」という意味で、完全密閉構造を意味し、その最大の特徴は液漏れが全くないことです。従来型のポンプは原理上、取り扱い液が外部に漏れることが避けられませんでした。その問題を見事に解決したのが、帝国電機製作所の開発した「キャンドモータポンプ」です。

 キャンドモータポンプは、有害・危険な液体を絶対に外部へ漏らさないという特徴を持っており、環境を維持するために評価が高いです。その特性を活かし、引火性のある液体や、薬品など漏れると危険な液を取り扱う石油化学や医薬品・食品業界、原子力発電所、変電所などさまざまな分野で活躍しており、JR新幹線では帝国電機製作所の車両用の電動油ポンプが100%搭載されています。

 まず、本日の研究銘柄として帝国電機製作所を選んだ理由を説明します。

1.好業績を維持していたのに、投資環境の悪化で1000円以下まで下落した株価が、円安の影響もあり回復基調が鮮明になってきているけれど、PERやPBRなどの投資指標的には、まだまだ割安の状況にあること。

 1月11日の終値の株価1451円。一株純資産1572円。2013年3月期の通期の一株利益予想166.43円。自己資本比率68.8%。

 以上のようにPER(8.72倍)やPBR(0.92倍)などの指標でみる、まだ充分に割安です。

 帝国電機製作所の株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=6333&ba=1&type=year

 帝国電機製作所が当初に発表した2013年3月期の業績予想は前期比増益の計画であり、第2四半期時点でも上半期の業績数字は当初予想よりも良かったのですが、通期予想については第2四半期(=上期)時点では据え置きました。

○当初の上期一部利益予想 59.83円 実績 64.43円

 為替相場で円安が進んでいるので、通期業績も増益修正される可能性が高いと考えたことが本日の研究銘柄として選んだ一番大きな理由です。

2.2012年の年末にはヘッジファンドの円売りが積み上がっていたために、年が明ければ円高に戻ると予想する機関投資家のアナリストなどが多かったのですが、実際には円高には戻らずに、さらに円安方向に動いているので、業績の良い輸出銘柄への資金の流れが強くなっていること。

 しかし、ほんの少し米国市場の株価が低迷したり、ドル円相場が円高方向に向かうと、株価が安くなることも多いので、安く投資するチャンスが、まだ充分にあると考えられること。

帝国電機製作所の3ヶ月間のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=6333&ba=1&type=3month

 ただ、右肩上がりのトレンドは続いているので、2013年3月期第3四半期の決算短信が発表されて、市場の予想(=従来の業績予想より)増益になっていると、更に株価の上昇が早くなる可能性があるので、事前に帝国電機製作所の内容を把握して、第3四半期の決算発表を待って、その結果により投資判断を素早く行なう準備をしておくのは意味があると考えました。

 2011年11月21日の日経ニュースには、帝国電機製作所の業績の良さを期待させるような、以下のような記事がありました。引用させていただきます。

(引用開始)
『主力のポンプ事業は国内外で化学物質用が伸びる。北米や東南アジアでは自動車用の引き合いが活発。中国では脱硫装置の大型案件も獲得する。3期連続で増収。13年から中国・大連の工場が本格稼働。部品の現地調達に努め、円高による為替差損を減らす。年配当は2円増やし24円。』
(以上で引用を終わります)

 帝国電機製作所が発表したわけではないので100%信じることは危険で、帝国電機製作所の決算発表を確認する必要があります。しかし事前に帝国電機製作所をチェックしておく要因にはなると考えています。

3.帝国電機製作所は、低PERかつ低PBRかつ自己資本比率が68.8%と高いことと、世界シェアの高いキャンドモータポンプ(液漏れしないケミカルモーター)という有力商品を持っていること。

 以上から帝国電機製作所を本日の研究銘柄として選びました。

 まずいつものように帝国電機製作所の資産価値から確認していきます。

http://www.teikokudenki.co.jp/ir/files/library/109shihanki2.pdf

 平成25年3月期の第2四半期の決算短信から調べました。必ず自分の眼で確認する癖をつけてください。なお、上記決算短信には、投資有価証券については「投資その他の資産」としてまとめ書きされていること、また土地についても有形固定資産の欄に「その他(純額)」として、まとめ書きされているので、前期末の有価証券報告書の投資有価証券の金額、土地の金額で代用しました。

 現・預金30.2億円
+投資有価証券9.4億円
+受取手形及び売掛金62.3億円
+在庫39.1億円
+土地簿価16.6億円
−全部の負債(他人資本全部)64.9億円
=92.7億円

 時価総額は原稿執筆時(1月11日終値)の株価1451円(9,093,885株)で計算すると、132億円になります。決算短信発表時の自己株式は株数に含めず計算しています。

 創業が1939年なので、持っている土地の含み益は相応に見込めそうですが、住所が特定できたのが兵庫県たつの市の本社と、新宮工場と、埼玉県の東京サービス工場だけでした。近隣公示地の価格を参考に推定すると、20億円程度の含み益がありそうです。他にも、日本国内に子会社所有地を含めて52,777.65平米の土地を所有し、その簿価が9.5億円程度です。1平米当たりの簿価は18,012円です。この部分にも含み益があると推定が出来ます。

 時価総額に対する資産価値はやや低いですが、事業価値は高いです。安定的に業績を伸ばしています。

 私は、投資を検討する銘柄の『本質的な企業価値』というのは『資産価値』と『事業価値(利益を稼ぎ続ける収益力)』を総合したものだと考えています。
 事業価値(=利益を上げ続ける収益力)を推定するために、4つの経済サイクルのうち一番短い3年〜4年でサイクルを描く在庫循環を参考に、企業の4年間の平均経常利益を計算し、その5年分つまり5倍を事業価値と考えるようにしています。事業価値はバランス・シート上に載っていないビジネス・モデルや企業の信用力、社長や社員の能力、ネットワークの力などで利益を稼ぎだせる力を現金換算しなければ計算できません。しかし、これを簡単に算出することは不可能です。したがって過去の企業の経常利益で代用し、事業価値を把握するようにしています。

 帝国電機製作所の経常利益は、リーマンショックを乗り越えて順調に回復してきています。2009年3月期から1708百万円→1238百万円→1523百万円→2130百万円。4年間の平均は1649.7百万円です。この5倍の82.4億円を帝国電機製作所の事業価値と考えます。

 資産価値と事業価値から考えて、帝国電機製作所は割安だと判断しました。

 土地を除いた固定資産など、上記の資産価値に計上しなかった、資産を見てみます。

 有形固定資産(建物等)39.3億円
+その他の資産10.6億円
=49.9億円


 続いて事業価値を定性的に考えてみます。

 帝国電機製作所の主要な事業はポンプ事業と電子部品事業です。

 売上に占める割合は、前期の2012年3月期においては主力のポンプ事業が約84%、自動車用電子部品事業が約13%です。
http://www.teikokudenki.co.jp/company/history/

 帝国電機製作所は技術開発力が高く、また中国に対する進出でも同業他社より早くスタートしています。性能が重視される原発やケミカルポンプは過去の実績が評価され、定着率が高いという特徴がありますから、日本と違い原発の新設を止めることが無いと考えられる中国での事業は、今後も期待できると考えています。

 中国ばかりではくアメリカにおいても先行しており、2008年8月時点では、アメリカの原発の2次冷却水用キャンドモータポンプの唯一の認定業者でした。今回も帝国電機製作所のIRに、その後ライバルの日機装などがアメリカでの認定を得たかどうか聞いてみましたが、特にそのような情報は得ていないとのことでした。
 日本の原発事故を受けて、アメリカなどの先進国では原発の新設が遅れている状況ですが、今後原発の新設などが動き出せば、いまでも業績が伸びている帝国電機製作所の業績が更に伸びる可能性は期待できると考えています。中国と同様に、原発のように安全性を最重視しなければならないものの部品は、過去に実績のある企業が有利であることに変わりはないと考えます。

 アメリカの景気悪化も深刻でしたが、環境保護に関してはますます厳しくなっていくことが予想されます。景気が悪かったので、アメリカのケミカルポンプ市場においては、従来の汎用型ポンプから環境保護に適した無漏洩のキャンドモータポンプへの切り替えが進んでいなかったようですが、今後はアメリカの景気も回復していくと考えられており、この分野でも帝国電機製作所の事業に良い影響が出てくると考えられます。従来のケミカルポンプ市場の規模は600億円程度と言われていましたが、無漏洩ポンプのシェアは10%程度のようで、まだまだ需要拡大が見込めます。

 あと、シェールガスの開発に帝国電機製作所のポンプが使われているかどうかIRに質問しました。シェールガスの採掘には使用されていないとのことでした。しかし、シェールガスを利用して新たなケミカル工業のプラントが建設されるところまで来れば、帝国電機製作所の無漏洩ポンプの利用が期待できるということでした。米国では価格の安いシェールガスが原料として使用できるということで、大手の化学メーカーなどの米国回帰が話題になっています。これによって新たな化学プラントが新設されることは確実視されています。

 またアメリカでも中国でも、景気浮揚策としても電力や鉄道などインフラ投資の増加が期待されていますが、原発でも鉄道向けにも帝国電機製作所の製品が求められています。新幹線のぞみ500系・700系の全車両に、キャンドモータポンプを応用した電動用ポンプが使われています。しかし、原発や鉄道ばかりでなく、帝国電機製作所のポンプはダイキン工業など日本の大型冷凍機8メーカー全てに採用されており、現在はあまり業績が芳しくない半導体向けウエハー洗浄用ポンプや、自動車部品もいずれは回復してくると考えられます。

【帝国電機製作所の強み】

 日本国内ポンプメーカーの大部分は、ポンプ部分は自社で製造するものの、その動力源であるモータは、モータメーカーより購入しているケースがほとんどです。帝国電機製作所は、ポンプ本体の設計とあわせてモータ設計も行う技術・生産体制をとっています。そのために高い開発・技術力を維持しており、常に最高品質の製品を供給する力が強い点が強みです。

【キャンドモータポンプのメリット】

http://www.teikokudenki.co.jp/canned_motor_pump/

○取扱い液が外部に漏れるおそれがないので、人体に有害な液、爆発や引火しやすい液、高価な液、腐食性のある液などの取扱いに適しています。

○外気を吸い込まないので、真空系での運転、外気に触れると変質する液などの取扱いに適しています。

○軸シールがないので、系の圧力が高い、高温液、低温液、高融点液などを取扱うポンプの製作が容易です。

○潤滑油を必要としないので、取扱い液の汚染がなく、給油の手間が不要です。

○モータを冷却するファンがないので運転音が静かです。

【帝国電機製作所の経営者の問題意識と今後の方針】

 2012年3月期の有価証券報告書に書かれているものをまとめておきます。

 今後の経済見通しについては、欧州の財政危機の再燃懸念等、不確実な状況が依然残っていますが、中国をはじめとしたアジア、新興国の経済成長及び北米の回復基調も持続すると見られ、主に海外において、景気は好調を維持していくものと考えています。

 一方、日本の国内景気は復興需要もあり、一部に復調の兆しが見られるものの、原油価格の高騰や雇用情勢の悪化懸念等、不透明な要因もあることから、景気回復には時間を要するものと予想されます。

 キャンドモータポンプ業界全般としては、外需については米国やアジア諸国等で好調な景気が続くものと考えられますが、内需については東日本大震災からの設備投資関連の復興需要が一部に見られるものの、国内の設備投資は依然として厳しく本格回復には至っていません(私としては安倍政権の誕生で、この点については今後改善されていくと考えています)。

 また、昨今の円高基調の中では、顧客企業の設備投資の大半が海外の生産拠点へとシフトしていく傾向があることから、内需に期待することは難しいと予想されます。

 帝国電機製作所においては、このような外部環境のもと、
1)北米でのキャンドモータポンプ市場の拡大を図るための営業力強化・サービス体制の拡充
2)中国市場での更なるシェアアップを図るための営業力強化・サービス体制の拡充
3)欧州でのブランド認知度向上・代理店網の整備
4)韓国、台湾、東南アジア地域での販売力の強化
5)BRICsをはじめとした新興市場への販路拡大
等、積極的な海外戦略を推進していく方針です。

 また、国内においては、長年築いてきたブランドパワーを活かしながら、継続的な技術開発・新製品の投入を行うとともに、一層のコスト低減による価格競争力強化・人材育成等に注力し、利益確保を図っていきます。

 今後とも、キャンドモータポンプでのトップメーカーとして、ポンプ業界、とりわけ耐食性ポンプの分野にキャンドモータポンプの地位をより強固にすることを通じ、世界的なマーケットシェアの向上、収益構造の改善、安定成長企業としての更なる基盤の確立を目指していきます。

 最後に、2012年3月期の有価証券報告書から、帝国電機製作所の研究開発の状況を見ておきます。

 帝国電機製作所の研究開発は、技術開発センターが中心となり、環境調和型製品の開発、ITを駆使した制御技術開発、先進技術の開拓、新規材料を用いた機能性重要部品の評価試験などを積極的に行っています。

 2012年3月期の研究開発費の総額は4億3百万円でした。

<1.ポンプ事業>
○キャンドモータポンプ安定運転のための情報監視システムの開発を行っています。これは主に超大型キャンドモータポンプに採用されますが、全てのポンプに搭載可能となるシステムになっています。このシステムは遠隔監視が可能であり、信頼性の高い安定運転とポンプのメンテナンス時期を的確に予測することができ、生産現場における生産コストの削減に貢献できます。

○高圧変圧器用電動油ポンプは、国内においては100%シェアを誇るものの、海外市場においては、米国のスマートグリッド(次世代送配電網)や、アジア、アフリカ、南米の電力インフラ整備、省エネ社会に寄与する高速新幹線鉄道網等など、高圧変圧器を取り巻く市場は急速に広まっています。そこで海外市場に向けた軽量高効率かつ従来型同等の高信頼性を有し、コストダウンを図った世界で戦える価格競争力のある電動油ポンプを開発しています。

 ポンプ事業に係る研究開発費は、4億3百万円です。

<2.電子部品事業>
 電子部品事業は、子会社である株式会社平福電機製作所で、自動車用電装品及び産業機器用電子基板を製造しています。具体的には、組立部門とSMT表面実装部門があり、特にSMT表面実装部門としてはコストダウンのための最新設備への更新、実装能力向上、高品質製品への追求などの製造技術の向上に取組んでおり、特に研究開発に相当する活動は行なっておりません。従って、電子部品事業に係る研究開発費は計上されていません。


 いままで見てきたように、世界中の将来有望な市場で高いシェアを確保している高技術企業である、帝国電機製作所の株価が、大きく増益基調を維持しているのに、投資環境の悪化で大きく下落して回復基調に入っているときに投資を検討するのは意味があると考えて、本日の研究銘柄として取り上げました。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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◇コラム 日本の株式市場は株価の上昇期に入ってきたように感じられる状況です

 去年の11月15日以前の日本の株式市場なら、米国市場などで株価が下がると、日本市場の株価が上がるようなことはほとんどありませんでした。

 また、日経225や個別株でも、寄り付きから株価が下落傾向にあると、そのまま安くなって、大引けにかけて株価が寄り付きの株価を上回ることは、めったにありませんでした。

 しかし最近は、前場まで株価が安くても、後場に入ると一転して高くなるようなケースが頻繁に見られるようになりました。

 まだまだ多くの投資家が疑心暗鬼の状況で、おそるおそる株を買っている中で、強気で攻めの姿勢を貫いている投資家は、かなりの好成績を確保していることが、ネットで多くのブログをみていると、感じられるようになりました。
 自分の投資している銘柄群も、寄り付きから下げていても、後場から高くなるものも多くなり、そろそろ上げ終わって休みの期間に入ったかなどと考えて、他の銘柄にシフトすると、手放した銘柄が翌日から大きく上昇して、ホゾを噛むことが多くなりました。

 これからの研究銘柄にしたいと考えて、いくつかの銘柄のIRに質問をしてみました。帝国電機製作所と同じように、株価が大きく下落したアルコニックスについても質問してみました。

 アルコニックスは確かに前期比減益予想ですが、株価が2000円どころから1100円近くまで、半値近くも下落するような業績ではありません。

 アルコニックスの出身母体の双日が、アルコニックスの株を手放していることはEDINETなどで見て知っていましたが、今回、双日とアルコニックスの関係をIRに質問してみて、すでに資本関係がゼロになっているということを知りました。

 つまりアルコニックスの株価が暴落した理由は、双日の売りと、株価の下落に恐れをなした他の投資家の追随の売りによって引き起されたのだと考えました。双日の出資はすでにゼロになっているとのことで、これからは株価に関係なく売ってきた双日の売りが一切出てこないということは、アルコニックスの株価にとっては朗報だと思います。

 一旦株価が大きく下がってしまうと、その影響が薄れるまではなかなか株価は反発しません。投資環境が悪かったことも、株価の重石となりました。

 しかし、この業績で、この株価は安すぎると考えた投資家が恐る恐るアルコニックスの株を買い始めると、どうしても売らなければならない双日のような大株主以外の投資家は、もしかしたらアルコニックスの株価は業績などから考えた適正な株価に戻り始めたのかもしれないと、やはり少しずつ資金を投下し始めます。

 『半値戻しは全値戻し』※という相場格言があるように、アルコニックスの株価は投資環境の好転もあり、戻り続ける可能性が充分あると感じるようになりました。
※株価が値下がり幅の半分まで回復してきた(半値戻し)ということは相当の上昇エネルギーを持っているはずだから、今後全値(それまでの高値)まで戻るものだ、という考え方

 そこで、来週の研究銘柄としてはアルコニックスを取り上げてみたいと考えているところです。

 年末のテーマ型銘柄研究として取り上げたドラッグストア3社(マツモトキヨシホールディングス、ココカラファイン、カワチ薬品)の株価の動きを見ていると、ある日突然、大きく下げて、翌日は大きく反発してしまうというようなことが交代のように起こります。

マツモトキヨシホールディングスの株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=3088&ba=1&type=3month

ココカラファインの株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=3098&ba=1&type=3month

カワチ薬品の株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=2664&ba=1&type=3month

 株価が翌日から必ず戻す可能性は100%ではありませんが、一部の投資家の利喰いなどで下げたのならば、優待の権利日の3月末に向けて、株価が回復する可能性は充分あるのではないかと考えて、株価の動きを見ています。

 その点では、年末の研究銘柄であるフクダ電子の株価は、ジリジリとではありますが、それほど下げることなく株価が右肩上がりを続け、毎日のように昨年来の高値を更新しています。いままでの保ち合いの上限レンジの2500円どころを上に抜けてきて、今の株価もPERは10倍以下、PBRも1倍以下で、配当が年間95円と充分高配当利回りなので、3月の配当権利日までは右肩上がりの上昇を続けてくれるのではないかと期待しています。

 フクダ電子の株価のチャートです。
http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=6960&ba=9&type=3month

 私自身の好みで言えば、一気に上がらなくともジリジリと上がり続けて、気がついたら大きく上がっていたというような動きをする銘柄のほうに好感が持てます。このような銘柄は、他のどうしても欲しい銘柄を買い増すために、いったん利喰いして手放したりすると、売値より安く買い戻すことが出来なくなることも多い銘柄でもあります。


 さて、これからはポジショントークになります。言及する銘柄は、研究銘柄やコラム銘柄とは性格が違い、あくまでも実経験による体験談となります。
 その点を認識して注意して読んでいただければと思います。

 私がいま個人的に一番投資妙味があると考えている銘柄は東栄住宅です。

 12月の後半に、海外で相場が開いているのに、日本は長いお正月休みに入るので、海外で何が起こるか不安である。そこで、海外で何かが起きても株価が下げにくい銘柄に資金をシフトしておくという案も悪くない。そして、資金をシフトしておくなら、どのような銘柄が良いのだろうかということで、私の案をコラムで書きました。

 そのうちの1銘柄が東栄住宅でした。1月に魅力的な金券優待と半期分の配当があるから、株価が下げにくいだろうと考えたからでした。

 ところが運が良いというしかありませんが、12月25日に飯田産業系のパワービルダー6社が経営統合すると発表しました。

http://www.iidasangyo.co.jp/info_pdf/kaiji20121225.pdf

 一建設(3268)や飯田産業(8880)、東栄住宅(8875)、タクトホーム(8915)、アーネストワン(8895)、アイディホーム(3274)の戸建て住宅6社は、共同持ち株会社を設立して経営統合することで基本合意したと発表しました。

 共同持ち株会社を設立するのは2013年11月で、まだ1年近くも先のことですが、もともと低PERの6社だったので、そのニュースに反応して株価は大きく上昇しました。

 問題は、営統合比率は今後協議して決める、というところです。経営統合に参加する6社の2011年度の売上高を単純合計すると、7789億円と戸建て住宅を販売する「パワービルダー」としては国内最大手になるといわれています。

 6社は今後、統合準備委員会を設置して具体的な協議を始める、としており、持ち株会社の名称や本店所在地、代表者、役員なども現時点では未定としています。

 6社の株価は投資家の思惑でみな上げていますが、上昇率に差が出ています。私は6社の経営統合比率は、一番業容が大きく、時価総額も大きい一建設の株価を基本に統合比率が決められると予想しています。そして6社という多数の企業の統合では、各社の一般株主ばかりではなく、大株主だけでも沢山いるので、それらのステークホルダーが納得する具体的な基準に基づく統合比率が必要だと考えています。

 いろいろな案が出てくるでしょうが、基本的には一建設の株価と一株純資産との兼ね合いから統合比率が決められると予想しました。現状は東栄住宅を除く5社の株価は、各社の一株純資産以上か、一株純資産程度まで上昇しています。すなわち、PBR1倍以上まで上げていますが、東栄住宅だけは、まだPBRが1倍以下です。

 まだ統合まで時間があるので、今期の業績が新たに加わった一株純資産で統合比率が決められることになるだろうし、各社の株価もまだまだ投資家の思惑で、大きく上下に変動すると予想されます。

 しかし、一建設のPBRが1倍以上(現在は株価が3680円、一株純資産が2226円なのでPBRは1.65倍です)なら、各社ともPBRが最低でも1倍にはなる経営比率になると想像して、今ならば東栄住宅に投資しておくと一番メリットが得られそうだ。そんな計算で東栄住宅の株に一番妙味があると考えていることころです。そして投資するにしてもなるべく安く投資したいので、1月の配当優待権利落ち後に株価が下がるなら、そのときが買い増し時期としてはチャンスの時ではないかとも考えていることです。一建設も1月末決算なので、権利落ちの状況は一建設にも起こります。

 もし、東栄建設の一株純資産である1375円の1.65倍で経営統合比率が決まると、とんでもない株価になってしまいます。ここまで期待するのは欲張りすぎると考えますが、少なくとも一株純資産以下の現在の1261円の株価は割安すぎるというのが、私の考えです。

 もちろん思惑はずれもありうるし、一建設の株価が大きく下げてPBRが1倍以下になってしまうリスクも当然あります。あまり歪なポートフォリオにしてしまうと、失敗したときにダメージが大きくなりすぎるとも考えています。ただいろいろ考えて、策を練るのも勉強になるし、今後の投資の役にも立つと考えています。

 興味のある方は6社の決算短信などをチェックして、いろいろ考えてみると、今後同じような経営比率の決まっていない合併が起きたときの練習になると考えて、自説(ポジショントーク)をご披露しました。

各社の直近の決算短信は以下の通りです。

一建設
http://www.ighd.co.jp/ir/before_the_merger/pdf/20121211_hajime_kessan.pdf

飯田産業
http://www.ighd.co.jp/ir/before_the_merger/pdf/20121211_iida_kessan.pdf

東栄住宅
http://www.ighd.co.jp/ir/before_the_merger/pdf/20121203_touei_kessan.pdf

タクトホーム
http://www.ighd.co.jp/ir/before_the_merger/pdf/20130110_tact_kessan.pdf

アーネストワン
http://www.ighd.co.jp/ir/before_the_merger/pdf/20121030_arnest_kessan.pdf

アイディホーム
http://www.ighd.co.jp/ir/before_the_merger/pdf/20121105_id_kessan.pdf

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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            ◆Contents◆

         ◇有料メルマガの方針について
         ◇銘柄研究「ヤマハ(7951)」
         ◇コラム「企業の内在的価値について」

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◇有料メルマガの方針について

 このメルマガでは、
1.企業研究
2.コラム
・自分の決めたことを実行に移すために役立つ考え方を紹介
・調査に使うツールなどについて紹介

以上のコンテンツを週に1回配信いたします。

1.企業研究
A)「将来に向けて株価が大きく回復する可能性を秘めた、将来を託すのに
   不安の無い企業群」
 ・時価総額が数百億円規模と、それなりに大きくて日本を代表するような企業
 ・自己資本比率が主に50%以上の企業
 ・事業価値の高い企業
B)「いま現在の収益を上げるため、株価の上昇が期待できなくてもインカム
   ゲインという高い経済的効用を得られる企業群」
 ・配当と優待を合わせた総合利回りが高い企業(今の相場環境では6%以上)
 ・低PBRかつ低PERのバリュー株。
 ・過去に蓄えた資産(現・預金+投資有価証券+不動産)が時価総額の2倍
  を超えるような配当優待総合高利回り企業。

以上、二つのカテゴリーの企業を取り上げていきます。

2.コラム
 銘柄研究も大事ですが、自分が考えたとおりに投資を実行できなければ、成
果を得ることは出来ません。
 多くの投資家は、自分の買い値より安くなってしまった含み損のある株を売
って、新しい株に投資することに精神的に苦痛を感じて、ポートフォリオの組
み換えが出来ない方も多いです。また銘柄シフトを実行しても、損をしたこと
で精神的に病んでしまったり、自分を責めすぎて暗い人生を自分で作り出して
しまっている方も多いです。
 投資が自分の思惑通りにいかずに精神的に苦痛を受け続けるのは、あまり有
意義なことではありません。そんなとき、どう考えて、自分を納得させていく
のか。そのためのヒントになるようなことも取り上げていきます。

 株式投資を実践していくのは、舗装されていない悪路を車で走るのと同じよ
うなリスクが伴います。アップダウンが激しく、がけ崩れや、落石もときどき
起こす株式市場という舗装されていない変化に富んだ悪路、厳しいけれど、目
的地にたどり着けば、大きなお宝の山が待っているという、素晴らしい黄金道
路でもある道を、なるべく安全に運行し、完走するための技術を身につける。
そのための努力を、ごいっしょにさせていただくことが出来たら、とてもうれ
しいです。

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◇銘柄研究 ヤマハ(7951)

 まずはヤマハの資産価値を計算します(必ず自分で決算短信などを確認して
ください)。

 平成21年3月期第2期決算短信のバランス・シートを参考に資産価値を計
算しました。

 現・預金513.9億円
+売掛債権(売掛金+受取手形)742.7億円
+短期有価証券110.0億円
+投資有価証券963.8億円
+在庫911.3億円
+土地簿価594.9億円
−全部の負債(=流動負債+固定負債)1863.3億円
=1973.3億円

 時価総額は12月24日の終値815円で計算すると1607.6億円にな
ります(自己株式を除いて算出)。

 ヤマハは明治創業の歴史の古い企業で、土地の簿価は非常に安いです。土地
の再評価に関する法律(平成10年3月31日公布法律第34号)に基づき、
同社と連結子会社1社の事業用土地の再評価を行っていますが、まだ土地の価
格が下落し続けていた時期の固定資産評価額に基づき、再評価しているものな
ので含みはかなり大きいと判断できます。

 固定資産評価額は公示地の7割程度とされているので、単純に考えれば3割
程度の含み益を見込めますが、再評価後の固定資産評価額の上昇分は増額され
ずに(←無視されて)、固定資産評価額が下がった場合のみ、その下落額が開
示されています。すでに簿価で計算しても時価総額以上の試算価値があり、非
常に割安です。
 興味のある方はEDINETで有価証券報告書を見て、土地の簿価と実際の
公示地とを比較してみると勉強になるでしょう。ただ土地が膨大にあり、大都
会地の不動産などは、まとめ書きされています。そのなかに、銀座の一等地に
あるヤマハホールなどがあります。一番価値のある都会地の土地の含みを直接
計算できないのは残念です。

 資産価値に加えなかった資産もかなりあります。

 建物464.3億円+設備119.7億円+その他の資産393.3億円
 =977.3億円があります。

 景気が悪化して利益が低迷しても、充分生残れる強固な財務基盤を持ってい
る企業だと判断します。

 次に事業価値の定性的な検討をします。

 まず、ヤマハは世界最大の楽器メーカーです。プロ用からアマチュア用まで、
多種多彩な楽器を製造しています。技術力も高く、製品開発能力も充分高いと
判断できます。しかしヤマハがすごいのはメーカーとしての製造能力の高さだ
けではありません。

 当社のビジネスモデルはヤマハ音楽教室を日本全国で展開し、楽器の需要と
購買者をみずから作りだしていくことです。単なる製造メーカーとは別格の優
れたビジネスモデルを構築しています。日本ではエレクトーンという電子オル
ガンの当社の商品名を、普通名詞(電子オルガン=エレクトーン)的に使われ
るほど普及させました。
http://www.yamaha.co.jp/

 このビジネスモデルが世界各国で通用するかは未知数ですが、台湾やアジア
諸国では、かなりの効果を生んでいるようです。一時的に景気後退により売上
が減ったとしても、音楽は世界中の人々から必要とされています。音楽には楽
器が必要になります。

 日本では世相を反映する人気テレビドラマ「渡る世間は鬼ばかり」にも中高
年おやじバンドが出てきます。実際に若いころ音楽をやっていたお金を持った
退職世代が、若いころ持てなかった高い楽器を買い求めてバンドを組むような
動きもあるようです。アジアなど経済力を高める新興国を中心に、ヤマハの将
来の利益成長は充分期待できると考えます。

 蛇足ですが当社の持分会社であったヤマハ発動機の株を、株価の高かった平
成19年に売却して持分会社を外したことも、運の強い企業だと感じます。そ
のためにキャッシュを大きく貯め込んで、株主にも平成22年3月期まで特別
配当として20円ずつ配当することを公表しています。

 今期はこの特別配当を含めて年間50円配当の予定です。配当利回りは6.
13%になります。また今期から優待内容を変更し、100株で当社のヤマハ
リゾートのオリジナルギフト1500円分をいただけます。高技術大型株とし
ては配当優待総合利回りも7.97%と非常に魅力的です。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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◇コラム:企業の内在的価値について

 株式投資の本質とは、
「株式投資は人間の欲望を変数として機能している制度であり、わずかな入力
(投資家の欲と恐怖に駆られた投資行動)の変化が劇的な出力(投資の損益)
の変化に帰結するものである」
ということを知識としては持っていましたが、今回のサブ・プライム問題を発
端に、アメリカの金融システムに君臨していた投資銀行や世界最大の保険会社
が倒産の危機まで追い詰められる様を見て、この本質を頭の中に再度刷り込ん
でおかなければならないと肝に銘じました。

 特に株価というのは、企業の本当の価値(私は、これを企業の内在的価値と
表現します)に需給という光がさして出来た影だと考えています。今回のよう
に、買い手がいなくなり、売りたい投資家ばかりが殺到すると、光がほとんど
消えてしまい、日食が起こって地球上の影が出来なくなってしまったのと同じ
ような状態が起こります。

 企業の内在的価値はあるのに株価(=影)がドンドン小さくなってしまうわ
けです。しかし日食(=金融パニック)が収まって、太陽が顔を出せば、また
影はできて大きくなっていきます。

 私はこの企業の内在的価値を自分なりに把握して、企業への投資を実行して
いけば良いだけのことだと、考えています。

 企業の内在的価値を計る方法は、いろいろあると思います。株式投資におい
ては自分だけが、その企業の価値を知っていても、他の投資家が知ることが出
来ない価値ならば、意味がありません。たくさんの投資家がその企業の内在的
価値に気がついて、買いたいと思い投資することで株価が上昇するからです。
そこで誰にも分かりやすい切り口で、企業の価値を計って行くのが一番良いと
考えています。
 そこで私は、企業の内在的価値は、その企業が過去の利益などで蓄積してき
た資産価値と、将来利益を生み出す力の源泉である事業価値の合計であると、
考えることにしています。

 資産価値は、バランス・シートに表示されているので、計算するのがそれほ
ど難しくはありません。ただし、製造メーカーの建物や設備の価値というのは、
企業の外から見て的確に評価するのは難しいので、現・預金+投資有価証券+
売掛債権+在庫という流動資産と土地だけを、企業の資産として考えて計算し
ていきたいと思います。

 企業の事業価値は、売れる商品やサービスを作りだす能力のことを指してい
ます。特許や製造ノウハウ、販売力、経営者の能力、従業員の能力などバラン
ス・シートには表示されていないものに、その源泉があります。建物や設備や
その他の資産は、企業の事業価値を裏付ける担保のようなものだと考えていけ
ばよいと思っています。

 経済の平常時であれば、資産価値より時価総額が低いことはあまりありませ
ん。その時は事業価値を定量的に計算するのは無理があるので、代替として過
去4年間の経常利益の平均金額を5倍して計算することにしていました。
 そして資産価値+事業価値と時価総額の大きさを比較して、割安かどうかを
判断していました。

 しかし現在は余りにも株価が小さくなりすぎて、資産価値−全部の負債(=
他人資本)の合計より時価総額が小さくなる企業が殆どになりました。時価総
額が資産価値以下になっているということは、企業の事業価値をゼロ以下に評
価した株価になってしまっているということになります。これから研究対象と
して取り上げて行く企業は、殆どがこのようなとても割安な企業となります。

 土地を資産に加えるのは、工場の建物や製造設備などは誰にも使いこなせる
ものではなく、売って現金化するのが難しいのと比較して、土地は汎用性が建
物や設備より高いので、売って現金に換え易い点から、資産のほうに加えるこ
とにしました。
 これは、どうするのが正解というものはないと思います。自分が納得しやす
い区分けをすれば良いと考えています。

 世界一の投資家ウォーレン・バフェットの師匠であるグレアムは、その著書
「証券分析」において、アメリカの大恐慌のあと『NY証券取引所上場の全製
造会社のうち、実に40%以上が1932年中いずれかの時点で自社の正味当
座資産以下の株価をつけた』と書いておられますが、日本にはすでに正味当座
資産割れの企業がたくさん発生してきています。

 正味当座資産とは企業のバランス・シートの現・預金+売掛債権+投資有価
証券−全負債(流動負債+固定負債=他人資本)のことで、この総額が時価総
額を超えているということです。

 正味当座資産に在庫を加えた正味流動資産以下の時価総額にまで叩き売られ
た企業はいくらでもある感じです。

 それほど資産背景が豊かな企業であることを確認して投資しているならば、
金融パニックで株価(=影)が小さくなってしまっても、世間の投資家の恐怖
感に付和雷同して、自分もパニックに陥って、素晴らしい企業の株を叩き売る
ような、間抜けなことをしなくて済むと考えています。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
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生涯パートナー銘柄の研究創刊記念増刊号2008/12/30

JUGEMテーマ:株・投資


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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 創刊記念増刊号 −

      石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究=増刊=」
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 今号は、創刊を記念して石川臨太郎の書き下ろしコラムを特別に皆様に配信
いたします。お楽しみ下さい。

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            ◆Contents◆

  ◇コラム「長期的に資産運用を続けていくために」
  ◇コラム「株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント」

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◇コラム「長期的に資産運用を続けていくために」

 株式投資など、資産運用は長い人生の友として、生涯継続的に行なっていき、
トータルで大きな資産の形成が出来ていれば良いものです。その点を勘違いさ
れている投資家も多く、早く大きく稼ぎたいとレバレッジ(簡単に言えば借金
利用の実力オーバー運用)をかけて株式投資をバクチ化して大損し、市場から
強制退場させられる人も多いことは、本当にもったいない残念なことだと思い
ます。
 2007年には、大きなレバレッジをかけて、主婦などを中心に、きものト
レーダーなどと世界の投資家から呼ばれていた、日本のFXトレーダー(自己
資金の何倍もの借入で外貨取引をするトレーダー)たちが一週間程度、ほとん
どは一日の為替の大きな変動で総額3000億円以上の損失を被ったと言われ
ていました。

 個人ばかりではなく、2008年に入ってからはレバレッジ投資の本丸とも
いうべきアメリカの投資銀行が倒産したり、合併救済されたりして、投資銀行
というスタイルそのものが消滅してしまったような感があります。

 しかし、レバレッジを過大に利用して早く大きく稼ぎたいという欲望を捨て
去って、ゆっくりとした自分の余裕資金だけを利用した株式投資を続けていれ
ば、時間を味方につけて、大きく資産を育てることが出来ると考えています。
私はそのような投資を行なってきました。

 亀のようにのんびりですが、着実な資産運用を続けてきた私は、日本や世界
の経済発展の波に相乗りさせていただいて、人より少し早く自由人になり、好
きなことをして生活できる立場を手に入れることができました。

 このような自由を手に入れられたのは、株式投資や不動産投資、金投資など
アセットアロケーションを行って資産運用を行って資金を増やしてきたことの
おかげです。そんな意味で資産運用は私の大いなる希望でした。

 アメリカのサブプライム問題のために実体経済までもが大きな影響を受け、
私も分散投資の対象として中長期で株式投資を続けているために、大きな株資
産の減価という痛手は受けました。

 しかし今回の暴落のおかげで、いままでは割高すぎて高嶺の花だった日本を
代表するような高い技術開発力を持ち、世界でトップクラスの高シェア製品を
持っている、財務内容の良い企業の株価が暴落して、去年の高値の85%下落
とか80%の下落という信じられない安値まで売り叩かれて、超のつくほど割
安になりました。

 資産運用のインカムゲイン(株式では配当と優待、不動産では賃料)だけで
生活していく仕組みづくりのうちで、株式部門について再構築をするためには
最大のチャンスの時代が到来したと考えて、自分のポートフォリオを再構築し
ています。

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◇コラム「株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント」

 株式投資をすることにより投資家にはいろいろなストレス、プレッシャーが
かかってきます。株式投資は相場です。投資した結果、利益を得ることもあれ
ば、損をする可能性もあるわけです。
 株価が上がるか下がるかは誰にも分かりません。判断が異なる投資家が二人
そろって、しかも売りたい株と買いたい株の数が同じになって、はじめて市場
で売買が成立します。常に同じ値段で売りたい人と買いたい人がいる。市場で
取引が成立したということは違う考えを持つ投資家がいたということです。

 したがって、投資家は株を買う前からストレスを感じます。この株を買って
損したくない、というプレッシャーです。しかし株価が下がるより、上がる可
能性が高い、損するより儲けられる可能性が高いと考えて、ついにはその株を
買うという投資行動をとります。

 実際に株に投資したその瞬間から、ほとんどの株の株価は上がったり、下が
ったりを繰り返します。株価が下がり始めると、もっと下がって損が大きくな
ってしまうのではないかと、心配になります。株価が買い値より低いと、常に
損している、もっと損するかもしれないというストレスを持ち続けることにな
ります。

 では株価が自分の買い値よりあがってきたらストレスはなくなるのでしょう
か。そう思う方は株式投資をした経験がない方だと思います。

 株価が自分の買い値より高くなると、ストレスは増えるのです。どうしてで
しょうか。それは、人間は欲が深いからです。つまり株価が自分の買い値を上
回ってくると、その状態で株を売ると利益を得られ状態です。でももっと株価
が上がると、儲け損なってしまうという思いが出てきます。しかし売らないで、
株価が下がってしまって、また自分の買い値を下まわってしまったら、今度は
儲けられたチャンスを逃がして、損をしてしまうことになります。
 一旦儲けるチャンスがありながら、そのチャンスを逃して損をしてしまった
ときの、後悔、悔しさは、経験したことのある人にしかわからないかもしれま
せん。同じように、売ってしまってからも、株価がドンドン上昇を続け儲け損
なってしまったときの後悔や無念さも同じです。

 つまり株に投資する(=ポジションを持つ)と投資した時点ばかりでなく売
る前や、売ってからも、投資家にはいろいろなプレッシャーがかかってくるの
です。投資家は常にいろいろなプレッシャーを受けているわけです。

 つまり自分の儲けたいという欲と損したくないという恐怖に振り回され続け
ることになるのです。自分の気持ちを大らかに保つ、クールに保つ方法を身に
つけましょう。自分がいかにあがこうとも、自分がいくらイライラしても、ど
うにもならないことで、ストレスを溜めない。このことは重要です。
 電車などが事故で止まったり、遅れたりして、遅刻しそうになって「イライ
ラ」している人が多いですが、いくらあなたがイライラしても、電車が速く動
くことはありません。イライラするのは、無駄でバカらしいことです。良いこ
とは何もありません。

 株式投資で、絶対あなたの思い通りに動いてくれないのは株価です。株価の
動きにイライラしない。これがクールを保つ秘訣です。投資家は常にクールに
市場と対面すること。クールさを保てなくなった時は、絶対安心だと自分が信
じた株に投資をして、相場を見ないようにすること。それでも心配で負担感が
強すぎる場合は、株式投資を中断することです。幸せになるための投資で、不
幸になっていては本末転倒で、意味がありません。

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生涯パートナー銘柄の研究2009/01/06

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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 億の近道火曜日の大人気執筆者、石川臨太郎が皆様へお贈りするメールマガ
ジンの第2回目です。週に1回(火曜日を予定)配信いたします。
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   ◇有料メルマガの方針について
   ◇銘柄研究「オーナンバ(5816)」
   ◇コラム「インカムゲインの投資判断基準」
   ◇コラム「株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント」

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◇有料メルマガの方針について

 このメルマガでは、
1.企業研究
2.コラム
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1.企業研究
A)「将来に向けて株価が大きく回復する可能性を秘めた、将来を託すのに
   不安の無い企業群」
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  を超えるような配当優待総合高利回り企業。

以上、二つのカテゴリーの企業を取り上げていきます。

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うなリスクが伴います。アップダウンが激しく、がけ崩れや、落石もときどき
起こす株式市場という舗装されていない変化に富んだ悪路、厳しいけれど、目
的地にたどり着けば、大きなお宝の山が待っているという、素晴らしい黄金道
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◇銘柄研究 オーナンバ(5816)

 オーナンバはインカムゲインを確保する目的で投資する企業と判断します。
まずはインカムゲインの利回りから確認していきます。
 株価は12月30日時点では282円です。配当(予定)は年12円。優待
は100株でクオカード500円分です。配当優待総合利回りは6.02%に
回ります。実はキャピタルゲイン狙いも可能と判断しています。それほど魅力
が高いです。しかし、今回は配当優待利回り株という点を強調して調べていき
ます。

 当初、オーナンバを研究銘柄として選定して、資料を作り始めた12月初旬
の株価は200円前後で配当優待利回りは8%を超えていました。それまで数ヶ
月間200円前後で推移していた株価が12月19日あたりから急に上がり始
めて、40%も上昇しているので、利食い売りの出る可能性もあるし、今すぐ
投資すべきかどうかは躊躇する状況です。ただこれから調べていくように、ま
だまだ割安で将来性はあるので、投資対象としてウォッチしていく価値は高い
と考えて、予定どおり第2回目の研究銘柄としました。
 
 ではオーナンバの資産価値から、まずは調べていきます。

 平成21年3月期第2四半期の決算短信で調べました。

 現・預金43.1億円+投資有価証券9.0億円+売掛債権(売掛金+受取
手形)87.2億円+在庫56.9億円+土地簿価13.1億円−全部の負債
(他人資本全部)132.7億円=76.6億円

 時価総額は35.2億円です。

 私は有価証券報告書の主要設備欄にある日本国内の所有土地と公示地価格と
の比較で含み益を計算することにしていますが、日本の土地だけで約11億円
の含みがあると判断しています。

 282円で全株取得できれば、流動資産を全て回収できれば投資額の1.8
倍程度の現金と国内外の工場が手に入ります。過去4年平均で毎期8.6億円
の経常利益を生み出す工場がタダで手に入ることになります。

 次に事業価値を調べてみます。いま述べたように直近の四季報(2009年
第1集)で調べられる限り、赤字になったことはありません。

 事業は、家電や情報機器など民生機器用の電線ハーネス(機器内接結束線)
の国内トップ企業です。昔から海外展開の好きな企業で、従業員6022名
(2008年3月末の正社員)のうち日本にはたった317名しかおらず、残
りは全て海外です。ヨーロッパや北米は日本と同じ程度ですが、アジアの生産
拠点には5101名を配しています。

 中期事業計画↓にあるとおり、従来の主力、薄型テレビ向けワイヤーハーネ
スは微増で、太陽光発電配線ユニット、自動車用ワイヤーハーネスなど新分野
への取り組みを強化しています。

 自動車関連は自動車減産の影響で計画を達成できないようですが、これは将
来の楽しみとして、いま一番期待できるのは太陽光発電配線ユニットです。

 全体の売上低迷をカバーしているのが、この分野です。
 http://www.onamba.co.jp/pdf/whatsnew20071019.pdf

 太陽光発電関連事業は急速な勢いで伸びており、いままでは業界団体や統計
資料が整備されるほど、規模が大きくありませんでした。私が独自にシャープ
やオーナンバなど太陽光発電関係の企業のIRに取材した情報をまとめると、
太陽光発電配線ユニットの世界市場規模は1600億円程度と、まだ小さいで
す。しかし富士経済のレポートにあるように太陽光発電市場は急速に伸びてお
り、太陽光発電配線ユニットの市場規模も拡大すると判断できます。
 国内で太陽光発電配線ユニットの製造に参入している企業はオーナンバを含
め4社程度です。オーナンバのシェアが大きく50%を確保し、世界市場に占
める日本企業のシェアから、オーナンバのホームページのトップには「世界シ
ェアトップ」と書かれています。

 ただ、シャープのIRに確認したところ配線ユニットの耐用年数は20年を
要求しているとのことで、オーナンバのIRの答えも耐用年数20年を求めら
れているとのことでした。素人目には20年の耐用年数は、けっこう厳しい要
求だと感じます。

 IRに質問して判明したのは、国内パネルメーカーが海外受注した時は配線
ユニットとセットで販売するので、日本のパネルメーカーの売上が上がれば、
オーナンバの売上も自動的に上がっていくということです。

 海外メーカーはパネルと配線ユニットは別売になるので三井物産と組んで販
売推進中で、この海外向け販売も順調とのことで、期待が大きいです。

 10月時点では自動車関連と建設関連が不調で、主力の家電、民生機器用電
線ハーネスは堅調、太陽光発電ユニットは好調とのことで、今期については予
想通りの業績を期待できそうです。ただし円高などの為替についての影響は不
明です。円高の影響は海外子会社の売上や利益が海外通貨建てなので、決算時
点の為替によって円換算で目減りすることもありますが、円高で採算が合わな
くなる可能性は、かなり低いと判断します。

 株式会社 富士経済の世界の太陽電池市場の動向調査に関するレポート
一読をお薦めします。

 このレポートによると、世界の太陽電池需要は
2007年 1兆2,008億円⇒2012年予測 4兆6,751億円
の3.9倍になるとのことで、オーナンバも老後を託せる安心企業だと判断し
ています。もし長期投資対象とする場合は、配当優待総合利回り最大化のため
の1単位投資ではなく、優待権利以上に投資することも視野に入れるといいで
しょう。
 ただ現状は、太陽光発電関連として急速に資金が入り込み株価は短期間に3
0%以上上がり配当利回りは低くなりました。
 配当銘柄としてではなく、環境関連銘柄として投資しても良い企業だと判断
していますが、単位株以上投資する場合は次回の決算短信後の株価の動向を見
ながら投資判断をすることが必要だと考えます。
 人気だけで急速に上がる場合は、直ぐ利食いで下がる可能性が大きいです。
長期投資をするならば、安い時に買う、安くなるまで待つという忍耐力をつけ
ることも大切なことです。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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◇コラム:インカムゲインの投資判断基準

 私が株式投資を行なう目的は、安定的な配当や優待で経済的なメリットを
享受することです。配当と優待で生活費を賄えるほど稼げれば、理想ですが、
なかなかそうは問屋がおろしません。優待は1単位で持つ場合に、一番配当
優待総合利回りが高い場合が多いので、必然的に分散が計れて、リスク分散
ができることも投資メリットとして考えることができます。

 優待については、いろいろな楽しみ方がありますが、私の場合は優待銘の
うち1)金券優待2)特定の食べ物優待3)選べる食べ物ギフト券という順
位付けをしています。当初は選べる食べ物ギフト券のほうが、選択の幅が広
いので第2順位としていましたが、例えば郵便局の選べるギフト3000円
がもらえる場合など、送料が3000円の中に入っているので、割高感が出
てきます。そこで特定の食品で自分にとって満足の高い優待品をいただける
銘柄の優先順位を上げました。

 金券にも、いろいろありますがクオカード、ギフトカード(VISAカー
ドなど)、全国百貨店共通商品券、図書カード、お米券などは税金も課税さ
れないために、配当より有利です。

 クオカードでは新日本石油系列やJA系列のガソリンスタンドで使えるの
で、我が家では6か月分のガソリン代をカバーできるようになりました。お
米券もお店によっては他の商品を買える場合もあり、金券ショップでも高く
引き取ってもらえます。我が家はお米の年間消費量以上のお米券をもらえる
ようにしています。四季報や投資関係の図書はすべて図書カードで賄えるよ
うになりました。また年間に飲むコーヒーも優待で全て賄えるようになりま
した。日本茶の好きな我が家では農林大臣賞を常連で受賞するような農園の
質の高い新茶をいただける優待で新茶1キロ分も確保しています。福井の銘
酒「黒龍」の大吟醸や青森のサンふじりんご6キロ、三ケ日青島みかんも5
000円分確保しています。

 食べ物は生きていくためには必要不可欠なものなので、貰えなければお金
払って買うしかありません。必要のないものを優待でもらう気もないし、あ
くまでも自分にとって経済的効用のあるものとして、配当と同レベルで考え
て、その企業に投資するかどうかの判断をしています。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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◇コラム:株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント

 株式投資でリスクを軽減する方法として損切りということが、いろいろな
株式投資の本で触れられています。買った株が買い値より値下がりした場合、
買い値より、どの程度下がったら自分の投資ルールとして強制的に株を売る
かという、取り決めをしておくべきだと書かれている本が多いです。しかし
自分の投資の手法によっては一律的な損切りルールが、相応しくない投資手
法もあります。バリュー株投資というのは、一律の損切りルールを持つこと
が、取引手法と矛盾してしまうものであるという意見も多いです。

 私はバリュー株投資系の投資スタイルですが、私は自分の買った値段より
下がった株価でも、平気で売ります。それは損切りという考え方ではなく、
他の株に資金を振り向ける。または市場が混乱してきて、持ち株が更に下が
る可能性があり、一旦手放して下がったところを買い戻した方が、お得だ。
そんな判断のもとに投資行動、売買を行ないます。

 もちろん思惑に反して売った株が上がってしまうことも良くありますが、
気にしません。それでストレスを溜めることはありません。こういう投資ス
タイルなら、こうしなければならないという、固定的な、頭の固い考え方で
は、参加している投資家、投機家たちの感情の渦が巻き起こす株価の乱高下
に、対処することができないと考えています。

 私は優待株投資が好きで優待族であるという自覚は持っています。しかし、
自分の老後を託せるような企業が優待制度を持っていなくても、平気で買い
ます。優待銘柄の株価が上がって割高だと感じたら、優待品にこだわらずに
手放すのも平気です。ただ、自分の住んでいる町では、手に入らない、福井
の銘酒「黒龍」の大吟醸がいただける優待や、市販されていないので優待で
もらうしか手に入れる手段のないダイオーズのコーヒー、簡単には買えない
栽培ノウハウの優れたお茶農園の100グラム2000円以上する新茶の優
待などには、株価の割高感など無視して所有し続けます。優待に目がくらん
でいるわけです。なぜこんなことが出来るのかは、自分にとって何が価値が
あり、何が価値が無いかをしっかりと見極めているからです。だから株価が
上がろうと下がろうと気にすることはありません。もちろん絶対売るつもり
がないので、上がった方がうれしいですが・・・。

 自分がどのような投資スタイルで投資しているかを把握して、自分のルー
ルに従って投資を行っていくことは、大切です。しかし自分の健康状態、家
族の状況(子供が生まれるとか、大学院に進学するとか)、収入の状態。こ
れらは常に変っていきます。その時々にあった投資ルールを、新たに構築す
る能力も、自分で投資を実践していくことによって、始めて養われてくるも
のです。そうでなければ、生き残っていくことは出来ません。

 進化論のダーウィンは「最も強いものが生き残ったのでも、最も賢いもの
が生き延びたわけでもない。唯一生き残るのは変化できるものだ」というこ
とを「種の起源」のなかで述べているそうです。その時々の環境の変化で、
自分も変ることができる。それが生き残るための最大のポイントなのです。

 人は一旦手に入れたものを手放すことを嫌います。また失ってしまったも
のを嘆き悲しむことも良くあります。投資でも株価が下がって金融資産が減
ってしまったことを嘆きながら、文句を言いながら、つまらない人生を生き
ている人々が多いです。

 しかし失ったもののリスト(=不幸のリスト)を作って、更に失ってしま
った原因を他人のせいにして他人を恨みながら生きている人の未来は、とて
も暗いです。そのことによって愛する家族を失ってしまう愚かな人もいるよ
うです。呪いは自分に降りかかってくる。「人を呪えば、穴二つ。」その穴
に自分も落ちることを経験則として昔の人は教えてくれています。

 たとえ失ったものがあったとしても、まだ持っているものもたくさんある
と思います。失ったことを悲しんで、まだ持っているものさえも、更に失う
のは愚かです。まだ持っているものを、いかに有効に使って将来に生かすか。
そう考え行動することによって、未来は開かれていくのだと信じています。
砂漠で遭難して水筒の水が半分になったとき、もう半分しかないと恐れて行
動できなくなる人の生存率は低くて、まだ半分もあると勇気と希望を持って
生き抜く努力をする人の生存率は高い。当たり前のことですが、投資家にと
っても忘れてはいけない大切なことだと思います。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
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生涯パートナー銘柄の研究2009/01/13

JUGEMテーマ:株・投資

この内容は、有料メールマガジンの過去配信されたサンプルです。
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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2009/01/13号−−

        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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 億の近道火曜日の大人気執筆者、石川臨太郎が皆様へお贈りするメールマガ
ジンの第3回目です。週に1回(火曜日を予定)配信いたします。
 2009年1月20日配信分まで無料でお読みいただけますので、まずは内
容を吟味いただき、納得いただきましたら有料購読をお願いいたします。
 なお、この有料メルマガの売り上げの一部は、億の近道の発行運営に活用さ
れます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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            ◆Contents◆

   ◇有料メルマガの方針について
   ◇銘柄研究「オイレス工業(6282)」
   ◇コラム「株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント」

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◇有料メルマガの方針について

 このメルマガでは、
1.企業研究
2.コラム
・自分の決めたことを実行に移すために役立つ考え方を紹介
・調査に使うツールなどについて紹介

以上のコンテンツを週に1回配信いたします。

1.企業研究
A)「将来に向けて株価が大きく回復する可能性を秘めた、将来を託すのに
   不安の無い企業群」
 ・時価総額が数百億円規模と、それなりに大きくて日本を代表するような企業
 ・自己資本比率が主に50%以上の企業
 ・事業価値の高い企業
B)「いま現在の収益を上げるため、株価の上昇が期待できなくてもインカム
   ゲインという高い経済的効用を得られる企業群」
 ・配当と優待を合わせた総合利回りが高い企業(今の相場環境では6%以上)
 ・低PBRかつ低PERのバリュー株。
 ・過去に蓄えた資産(現・預金+投資有価証券+不動産)が時価総額の2倍
  を超えるような配当優待総合高利回り企業。

以上、二つのカテゴリーの企業を取り上げていきます。

2.コラム
 銘柄研究も大事ですが、自分が考えたとおりに投資を実行できなければ、成
果を得ることは出来ません。
 多くの投資家は、自分の買い値より安くなってしまった含み損のある株を売
って、新しい株に投資することに精神的に苦痛を感じて、ポートフォリオの組
み換えが出来ない方も多いです。また銘柄シフトを実行しても、損をしたこと
で精神的に病んでしまったり、自分を責めすぎて暗い人生を自分で作り出して
しまっている方も多いです。
 投資が自分の思惑通りにいかずに精神的に苦痛を受け続けるのは、あまり有
意義なことではありません。そんなとき、どう考えて、自分を納得させていく
のか。そのためのヒントになるようなことも取り上げていきます。

 株式投資を実践していくのは、舗装されていない悪路を車で走るのと同じよ
うなリスクが伴います。アップダウンが激しく、がけ崩れや、落石もときどき
起こす株式市場という舗装されていない変化に富んだ悪路、厳しいけれど、目
的地にたどり着けば、大きなお宝の山が待っているという、素晴らしい黄金道
路でもある道を、なるべく安全に運行し、完走するための技術を身につける。
そのための努力を、ごいっしょにさせていただくことが出来たら、とてもうれ
しいです。

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◇銘柄研究 オイレス工業(6282)

 本日は無給油式ベアリングで国内シェア50%。免振装置シェアトップのオ
イレス工業を研究対象として取り上げます。当社の商品の5割が特許に守られ
ているので、安売り競争による採算悪化リスクは少ない高技術企業ということ
で選択しました。

 2005年、2007年、2008年と1株→1.2株の株式分割を行い、
長期投資を続けるほど実質的な配当利回りが高くなる、株主還元積極派の企業
です。

 まず資産価値から計算します。

 平成21年3月期第2四半期の決算短信から計算しました。

  現・預金37.0億円
 +短期有価証券24.7億円
 +投資有価証券72.9億円
 +売掛債権(売掛金+受取手形)188.8億円
 +在庫63.6億円
 +土地簿価36.2億円
 −全部の負債(他人資本全部)
 =301.2億円

 土地の含みは近隣公示地の価格を時価として概算すると55.8億円ありま
す。ただ有価証券報告書の主要な設備の開示では、価格が高いけれど面積が小
さい大阪などの営業所の面積がまとめ書きされていて、分解できません。その
ため内訳の分かる地方にある工場、事業所だけの概算になります。

 下のサイトで住所を入力すると、近隣の公示地の価格を簡単に調べることが
出来ます。大都会地だと、国税庁の路線価と照らし合わせて、正面路線価との
比較をすることで、かなり精度の高い含み益の予測ができますが、地方では路
線価が無い場所が多いので、直近の公示地価を時価として採用して計算しまし
た。住所は、企業のホームページなどで収集しましょう。

http://www.land.mlit.go.jp/webland/top.html


 時価総額は原稿執筆時である1月9日の終値の株価1160円で計算すると
274.4億円です。第2四半期末の自己株式を除いた発行済株式数で計算し
ています。10月以降に行なった100万株の自社株買いと150万株の株式
消却については購入のための現金が減少することもあり、この時価総額の計算
には反映させませんでした。

 土地の含み益を加えなくても、時価総額以上の資産価値があると判断できま
す。資産価値に加えなかった建物などの資産は以下のように179.8億円で
す。特許に守られたシェアの高い商品を生み出す工場など設備をゼロ評価する
のはおかしいという考え方もあります。しかし通常の経済環境では時価総額は
資産価値以上あるのが普通です。そこで資産価値+事業価値と時価総額を比較
することになります。事業価値を生み出すために使った設備を資産としても計
算すると、「設備の価値」を資産価値と事業価値に2重に計上することになり
ます。したがって、設備等については資産価値には加算しないようにしていま
す。

 建物62.1億円
+設備45.9億円
+その他の資産71.8億円
=179.8億円

 次に事業価値の定性的な検討を行ないます。事業価値は将来の利益の源泉な
ので、バランス・シートなどでは計算することの出来ない、特許、製造ノウハ
ウ、販売力、経営者や従業員の能力などに支えられています。

 3ヶ月先の利益でさえも経済環境の激変で簡単に変化してしまうことを、今
回の100年に1度といわれるほどの経済悪化で思い知りました。しかし必要
な商品ならどんな経済環境においても需要はあります。またオイレス工業には
一時的な業績の悪化に充分耐えられる金融資産の蓄積があります。

 海外売上はまだ17%と少なく、内需株と判断しました。

 IRに、「競合会社が多くて競争が激しいと値引き合戦になるのは嫌ですよ
ね。」と質問すると「当社の製品の約5割が特許に守られた製品なので、安売
り競争になりにくい。」との回答を得ました。

 自動車用ベアリングが主力商品ですが、日本の自動車メーカーに円で売るの
で為替変動の影響は受けません。もちろん販売先の自動車メーカーの減産があ
れば、影響を受けます。

 ただ各国政府が公共投資で景気刺激を行なうことが報道されています。当社
の主力商品の一つである免震装置に期待が出来ます。日本でも橋の老朽化が話
題になっていますが、現在はビル関係の免震装置などの売上シェアが大きいで
す。しかし過去においては橋梁関係の商品売上がビル関係より高かったことも、
事業価値の判断のポイントとして押さえておくべきです。すでに巨額の公共投
資が公表されている中国、アメリカはもちろん、日本でもインフラ整備のため
の公共投資が景気刺激策の最有力手段です。オイレス工業はすでにインドの国
営発電所の水門軸受けを受注しています。

http://www.oiles.co.jp/bridge/top.html

 資産価値だけで時価総額を上回っており、経済環境の回復時には、業績を伸
ばせる商品も持っています。またオイルレスベアリングは海外自動車メーカー
への売込みが今後の課題です。海外展開の遅れが幸いしてアメリカ自動車メー
カーBIG3に対する売上が殆どなく、現状は被害が少なくて済みました。し
かし将来的には海外企業に対して売上を伸ばす余地は充分あると判断します。
すでに欧米での販売強化をスタートしています。成長余力充分の楽しみな企業
で、老後を託すのための投資先として相応しい企業だと判断します。

 興味のある方はオイレス工業のホームページをじっくり見ることを推奨しま
す。情報の宝庫です。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
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◇コラム:株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント

 株式市場は、株式会社が事業を遂行するために資金を調達するための機能を
果しています。企業が事業資金を調達する方法は、株式を発行し、これを投資
家に買ってもらうという方法があります。投資家が投資した資金は企業の自己
資金となり、借入のように貸主に返す必要はありません。

 しかし株に一旦投資したら、そのお金を別なことに使う必要が出来たとき返
してもらえないというのでは、投資家は投資に二の足を踏んでしまいます。そ
こで株に投資した資金を使いたくなったとき、別の投資家に株を売って、投資
した資金を回収する場所が必要になります。その役目を果たしているのが株式
市場です。

 株式市場では多くの株が売買されています。その売買を活発に行なわせる大
切な仕組みが、株価が変動して、うまく売買すれば一攫千金を狙えるかもしれ
ないという射幸心です。

 株価が右肩上がりに上がり続け、下がることがないならば、そんな株を売ろ
うという人はいないでしょう。よほどお金が必要な人意外は売りません。そう
すると、その株を買いたい人がいても、買えません。

 では下がり続ける株を買う人はいるでしょうか。そんな損をすることがわか
りきっている株を買おうという人も、普通はいないと思います。

 株価が上下に変動しているからこそ、変化しているからこそ、もっと上がる
かもしれないから買おうという投資家。いやいやこれからは下がる可能性のほ
うが高いから売っておこうという投資家。つまり意見の異なる投資家がいるか
らこそ市場で売買が成立し、いつでも現金に換金できるという安心感を投資家
に与えているわけです。
 今回のような強烈な信用不安は投資家の買い意欲を根こそぎ奪い去るような
痛烈なものでした。売りたい投資家ばかりが増えて株価が下落しました。でも
買った投資家がいるからこそ売買が成立して、株価が下がったとも言えるので
す。誰も売らなければ株価が下がることはないし、ひとりも買わなければ売買
が成立せず株価もつきません。ほんの数単位の株の売買で株価が暴落してしま
うことも、良くあることです。

 株が上がるか下がるかは、誰にも分かりません。ただその株が現在より上が
ると考える投資家の数が、下がると考える投資家の数より多ければ、株価は高
くなっていきます。買いたい人の数が多ければ野菜市場や魚市場で、セリで価
格が上がっていくのと同じことが株式市場でも起こるのです。

 魚や野菜などの商品は、誰かに消費され、無くなっていきます。ところが株
は、その企業が倒産しないかぎり、基本的には存在します。(自社株消却など
株数が減ることはありますが、特別なことをしなければ存在し続けるわけです)

 そして企業の業績や景気動向、地震や台風などでおきる自然災害、テロや戦
争や事故などによる人災でも、投資家の株に対する上がるか下がるかの判断が、
常に変化していきます。投資家の判断が変ることで、市場で売買が発生し、株
価が変動していきます。

 株式市場では株価が毎日変動しています。そのために自分の投資額が増えた
り減ったりしていきます。そのためにストレスが発生し、精神的に弱い投資家
はストレスに負けて、資産を減らして、市場から去っていきます。レバレッジ
(借金)を利用した投資で、自己資金以上の借金を負い、負債を抱えて市場か
ら強制退場させられる投資家も少なくありません。また流動性の少ない小型株
(新興市場の株ばかりでなく、東証第一部の株でも、流動性が小さい株はあり
ます)では、資金力のある大口の投資家の投資行動によって、株価が影響を受
けます。強い大口の投資家が、小口で弱い投資家から資金を簒奪しているよう
に感じられることも、よく起こります。

 ビジネスも競争です。それと同じような意味で株式投資も投資家間の闘い、
資金の奪い合いでもあるわけです。そのような意味合いを否定しきることは出
来ません。だから個人投資家は、用心に用心を重ね、精神的にも自分を鍛え、
無謀な投資をしないという克己心を身につけていくべきなのです。

 自動車の運転でもそうですが、余りにも近くを見て運転すると、真っ直ぐ走
ることができないで左右に蛇行してしまいます。少し先(=遠く)を見て運転
することで、真っ直ぐに走れるようになります。

 株式投資でも毎日の資産の増減を気にしすぎ、その増減に一喜一憂しすぎる
と、精神的な負担が大きくなってしまいます。株式投資で少し先を見るという
ことは、どんなことなのか、いつも自問自答しています。

 今時点の結論は、資産価値を調べ、事業価値を定性的に考えて(具体的には
このメルマガでやっているように、過去の利益の蓄積と、いまの事業の内容、
今もっている主力商品の業界シェア、将来の売れ筋商品を作り出す可能性であ
る商品開発力などを、自分で調べて、考えること)納得した後に投資を決定し、
中長期で株を持ち続けることが「すこし先を見て車を運転する」ことに近いと
考えるようになりました。

 最近流行りの四半期ごとの決算短信の結果に振り回されて、企業の四半期ご
との利益の増減で丁半バクチのように短絡的に株を売ったり買ったりするのは
近視眼的投機だと考えて投資としてはやらないと決めています。

 ただしバクチを打つつもりで、憂さ晴らしに小額の別資金でトレードを仕掛
けるときは、短絡的思考で取り組みます。ただ小額バクチといえども、企業に
よっては各四半期によって利益が大きく変動してしまう会社があることを知識
として持ってやります。製造設備メーカーのように、大型の売上が立つかたた
ないかで利益が大きく変動することもあります。クリーニング業は一年分の利
益を冬季衣料のクリーニングで稼ぎだし、あとは収支トントンで推移するなど、
業種特性を考えないで、トレードするのは危険極まりないと考えています。面
白すぎて溺れて投機資金を増やし過ぎないように歯止めをかけることも、克己
心の訓練になると考えて、時々はバクチも打っています。バクチ好きの屁理屈、
言い訳です。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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生涯パートナー銘柄の研究2009/01/20

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        石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」
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 億の近道火曜日の大人気執筆者、石川臨太郎が皆様へお贈りするメールマガ
ジンの第4回目です。週に1回(火曜日を予定)配信いたします。
 本号まで無料でお読みいただけますので、まずは内容を吟味いただき、納得
いただきましたら有料購読をお願いいたします。別途、ご購読のご案内は差し
上げます。
 なお、この有料メルマガの売り上げの一部は、億の近道の発行運営に活用さ
れます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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            ◆Contents◆

   ◇有料メルマガの方針について
   ◇銘柄研究「ナナオ(6737)」
   ◇コラム「株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント」

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◇有料メルマガの方針について

 このメルマガでは、
1.企業研究
2.コラム
・自分の決めたことを実行に移すために役立つ考え方を紹介
・調査に使うツールなどについて紹介

以上のコンテンツを週に1回配信いたします。

1.企業研究
A)「将来に向けて株価が大きく回復する可能性を秘めた、将来を託すのに
   不安の無い企業群」
 ・時価総額が数百億円規模と、それなりに大きくて日本を代表するような企業
 ・自己資本比率が主に50%以上の企業
 ・事業価値の高い企業
B)「いま現在の収益を上げるため、株価の上昇が期待できなくてもインカム
   ゲインという高い経済的効用を得られる企業群」
 ・配当と優待を合わせた総合利回りが高い企業(今の相場環境では6%以上)
 ・低PBRかつ低PERのバリュー株。
 ・過去に蓄えた資産(現・預金+投資有価証券+不動産)が時価総額の2倍
  を超えるような配当優待総合高利回り企業。

以上、二つのカテゴリーの企業を取り上げていきます。

2.コラム
 銘柄研究も大事ですが、自分が考えたとおりに投資を実行できなければ、成
果を得ることは出来ません。
 多くの投資家は、自分の買い値より安くなってしまった含み損のある株を売
って、新しい株に投資することに精神的に苦痛を感じて、ポートフォリオの組
み換えが出来ない方も多いです。また銘柄シフトを実行しても、損をしたこと
で精神的に病んでしまったり、自分を責めすぎて暗い人生を自分で作り出して
しまっている方も多いです。
 投資が自分の思惑通りにいかずに精神的に苦痛を受け続けるのは、あまり有
意義なことではありません。そんなとき、どう考えて、自分を納得させていく
のか。そのためのヒントになるようなことも取り上げていきます。

 株式投資を実践していくのは、舗装されていない悪路を車で走るのと同じよ
うなリスクが伴います。アップダウンが激しく、がけ崩れや、落石もときどき
起こす株式市場という舗装されていない変化に富んだ悪路、厳しいけれど、目
的地にたどり着けば、大きなお宝の山が待っているという、素晴らしい黄金道
路でもある道を、なるべく安全に運行し、完走するための技術を身につける。
そのための努力を、ごいっしょにさせていただくことが出来たら、とてもうれ
しいです。

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◇銘柄研究 ナナオ(6737)

 本日はパソコンやパチンコ(遊技機)用ディスプレー専業メーカーのナナオ
を研究対象として取り上げます。当社は日本国内で25兆円市場(ピークの3
1兆円からは多少縮小しました)といわれ、日本国内の50兆円というレジャ
ー産業の約半分を占める、巨大なパチンコ業界への製品供給で稼いでいます。
そして、その豊富な手元資金を活用して2007年2月にはアメリカの企業を
買収し航空管制市場に参入し、2007年10月にはドイツのシーメンス社か
ら医療用モニター事業を買収しました。さらに積極的にM&Aを推進し総合メ
ディカルモニターメーカーとして世界トップ企業になるという中期経営計画の
達成を目指して着実に地歩を固めています。

 詳しくは最近の新規買収案件のIRを見てください。当社の意気込みを垣
間見ることができます。


 まず資産価値から計算します。


 ほとんどは平成21年3月期の第2四半期の決算短信から調べましたが、固
定資産については、四半期の決算短信では、まとめ書きされているので20年
3月期の有価証券報告書を参考に推定しました。

 現・預金50.1億円
+短期有価証券68.9億円
+投資有価証券102.8億円
+売掛債権(売掛金+受取手形)153.7億円
+在庫175.8億円
+土地簿価31.3億円
−全部の負債(他人資本全部)199.4
=383.2億円。

 時価総額は原稿執筆時(1月17日)の株価1435円で計算すると、32
0.3億円になります。資産価値だけで時価総額を超えています。土地は石川
県白山市にある本社工場等が主力で、あまり含みは見込めませんが、近隣公示
地の価格を時価とするならば10億円程度は含みがあるかもしれません。含み
を計算しなくても充分に割安です。

 土地を除いた固定資産など、上記の資産価値に計上しなかった、資産を見て
みます。

 設備等80.3億円
+無形固定資産48.7億円
+その他の資産34.8億円
=163.8億円
あります。

 配当は年80円。優待は3月分としては100株で図書カード3000円分。
9月分は当社のオンライン直販サイトでの10%割引販売です。

 配当利回りは5.57%。配当と金券だけで配当優待総合利回りを計算する
と7.66%になります。ナナオの優待についてはナナオの優待サイトを見て
ください。

http://www.eizo.co.jp/ir/treatment/index.html

 続いて事業価値を定性的に考えてみたいと思います。

 当社の業績は主力の遊戯用ディスプレー、具体的にはパチンコ新機種の人気
が高いかどうかで、かなりの変動を受けます。そこで医療用ディスプレーなど
産業用部門をより強化しようと、着実に行動しています。

 当社の取引先パチンコメーカーはSANYOです。

http://www.sanyobussan.co.jp/

 SANYOの新機種が好調かどうか。製品の端境期には業績が落ちるので、
新機種情報などである程度ナナオの業績も推理できます。自分でパチンコをす
る人のほうが、肌でSANYOの新機種の売行きを把握することも可能だと思
います。また以下のような情報サイトでパチンコ機種の状況を知ることも可能
です。

http://www.p-world.co.jp/info/rankp.htm

 パチンコの全国の設置台数を調べるサイト↑です。SANYO(三洋物産)
の機種がランキングにたくさん登場しています。新機種の状況により変動はあ
りますが、基本的には人気機種を設計する能力の高い同社と組んでいる限り、
アミューズメント・ディスプレイ分野は、安心できる部門です。

 しかしナナオは基本的にはトレードなどという短絡的な売買の対象ではない
です。配当優待利回りが非常に高い、株主還元を積極的に行なう成長力のある
企業です。当社の成長に相乗りする作戦で中長期に投資を続けることで、充分
報われる企業だと判断します。

 パチンコなど遊戯用機種関連事業は貴重なナナオのドル箱事業です。パチン
コ産業の市場規模が少し落ちたとはいえ、パチンコ人気は根強くて、不況にな
ればなったで、人気機種の投入意欲は高まります。

 しかしアミューズメント用ディスプレー(=パチンコ機種)の売上は、ナナ
オの自社努力が及ぶ部門ではないので、自社の販売努力が実を結ぶ産業用ディ
スプレーでの積極的投資を継続中です。特に医療用機器は景気の影響を受けに
くいディフェンシブで安定的な市場です。

 世界景気の低迷で、今期と来期は、ある程度の業績悪化することはやむを得
ないと判断します。しかし自動車産業ほどのダメージは無く、強い財務力と手
持ちキャッシュで、景気回復時の成長の種をまき続けるナナオは、老後を託す
ために中長期で投資できる企業だと判断します。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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◇コラム:株式投資をして精神的に苦痛を受けないためのヒント

 投資家仲間との勉強会では、「早くガッポリ稼ぎたい」「楽(ラク)して早
く稼ぎたい」という強欲な意見の持ち主(けっこう女性が多いのにはビックリ
しますが)に出会います。

 私はそんなとき、こんなたとえ話をすることにしています。株式投資など資
産運用は、水泳の短距離競争じゃないんだから100メートルを早く全力で泳
いで一番速くゴールに着けばいいや、というもんじゃない。100メートル泳
いだらあとは休んでいいという、いわば一発勝負ではない。体調などあらゆる
コンディションを最終戦に備えて、そこで勝てばおしまい。良かったね。次の
レースは一からスタート。そんなゲームではない。管理されたコースでレース
の妨げになるようなものは管理者の手で排除されている。そんな恵まれた状態
で競うものとは、まったく違う。例えるなら遠泳する能力を競うようなゲーム
のようなものなんだ。そんなことを話します。

 潮流の変化。水温の変化。自分の体調。体力。あらゆる条件を勘案し、溺れ
ないように、長時間泳いで、溺れずに目的地に無事にたどり着けるような総合
力を養うゲームです。嵐の海では、泳ぐのを避ける判断力も求められるゲーム
です。自分の体力を過信したら、事故を起こします。心臓麻痺を起こしたら。
足がつったら。そんな場合のセーフティー・ネットも準備しておく細心さが必
要なもの。まさに株式投資と遠泳は同じようなものです。

 株式投資は「運だけでガッポリ稼げる」こともあるけれど、幸運が立て続け
に来るとは限らない。嵐が来ても、溺れないように、しっかりとした運用能力
を身につけていきたいと思います。

 新たに株式投資を始めようとする人は、こんな準備運動してみたらよいと考
えています。

 自分の性格を確認する手段です。株式投資における自分の性格。このデータ
を売っている所はどこにもありません。女性にアタックする時の度胸はあるけ
ど、難しい仕事を率先して引き受ける度胸はない。なんて人もいます。

 株式投資に対する自分の性格で、特に知っておかなければいけないのが、自
分の「お金を儲けることに対する欲の深さ」と「損をすることに対する恐怖感
の強さ=臆病さ」です。少なくとも本格的な株式投資を始める前に、これだけ
は、しっかり自覚しておくべきだと考えます。

 これは小額投資、もちろん、あまりにも小額では自分の欲深さも、臆病さも
わかりません。まずサラリーマンならボーナス1回分。または生活費の3か月
分。自営業者なら、やはり生活費の3ヶ月分くらいを、実際に一つの企業、一
銘柄の株に投資して、その株価の変動で、自分がどのようなストレス、プレッ
シャーを受けるかを、じっくり体験する。そして自分の欲の深さ、臆病さに気
づく。

 そして、自分が自分で決めたルールをきちんと守れる克己心を持っているか
どうかも確認する。そんなことからスタートしないといけないのではないかと
思っています。多くの投資家は、そんなことをしないで、初めからけっこうな
お金を株式投資につぎ込みます。

 そして自分の欲望と恐怖に振り回されながら、損をして、学んでいきます。
でも損しても、一向に学ばないで、損を繰り返してしまう人も多いです。そん
な人が10人のうち8人いるのが株式投資の世界だと思って間違いないと思い
ます。

 最初に遠泳の話をしました。遠泳で目的地まで泳ぎきるためには、先ず自分
の体力などを訓練に訓練をかさねて確認してから、本番に挑みます。長い人生、
一生使える株式投資のスタートですから、まずは自分の適性検査からスタート
するのが賢明だと思うのです。くどいようですが、短距離競争に一回だけ勝て
ばいいという勝負ではないのですから。無謀に泳ぎ始めて、致命的な事故を起
こしてはたまったものではありません。自分の性格を押さえた上で、投資戦略
を立てれば、致命的な傷を受けることを回避できる可能性が高くなります。

 もちろん今回のような100年に一度の相場の悪化に直面すれば、被害を受
けることはあるでしょう。一時的に資産の残高が少なくなってしまっても、資
産価値の高い、事業価値のある企業の株は、景気回復時には適正な評価を受け
る可能性が高いです。資産は伸びたり縮んだりするものであることを、パニッ
クの時に思い出せれば、溺れる心配は少なくなるのではないでしょうか。しか
しレバレッジという重石を背負って泳いでいては、大嵐にあったとき冷静さを
保つことは難しいです。したがってレバレッジをかけた投資は慎むべきだと、
強く考えています。


 自分の投資に対する性格を把握するために、どんな企業の投資から始めたら
よいかというご質問を受けたとき、1年以上前にはトヨタが良いと思うと回答
するようにしていました。しかし最近1年以上は島根県に篭って投資談議をし
ていなかったのでトヨタをすすめることがありませんでした。すごくラッキー
だったと思います。皆さんもご存知のように最近はトヨタでさえ急速に業績が
悪化して、株価も短期間に急落してしまいました。

 では今なら、どんな企業がテスト銘柄として良いと思うかと聞かれたら、な
んと答えようかと考えて資産リッチで時価総額が1兆円を少し下回る位置にい
る低PBR(0.5〜0.6倍程度をうろうろしています)企業で、太陽光発
電や原子力発電以上に相場テーマ性としてはインパクトがありそうなカタリス
ト(=株価上昇のための触媒)を持つ企業を思いつきました。来週は研究銘柄
の他にもう1銘柄。自分の欲と恐怖を把握するのに役立ちそうな企業もご紹介
しようと考えています。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
ては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者
の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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発行者:NPO法人イノベーターズ・フォーラム
 email:magazine@iforum.jp
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このメールマガジンの無断転載・引用・再配布を禁じます。

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